ビジネスにおいて営業は非常に重要な要素ですが、新規営業による顧客開拓は時間・費用などの観点から多くの困難が伴います。
今回は新規営業とは異なる施策であるクロスセルについて解説していきます。

クロスセルとは

クロスセルとは、顧客に対して異なる商品を提案する施策の事です。既存顧客に対してのクロスセルにより売り上げ拡大が期待されるだけでなく、LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。近年増えつつあるサブスクリプションなど長期にわたって購入してもらう事が大事な商品では、LTVの向上も期待できるクロスセルは非常に重要となります。

クロスセルと間違えやすい言葉としてアップセルという言葉があります。クロスセルとアップセルとの違いとして、クロスセルは異なる商品を、アップセルは同じ商品でより単価が高い商品を顧客に対して提案するという違いがあります。クロスセルとアップセルを上手に活用することで、顧客に複数の商品導入・顧客単価アップをしてもらうことができ更なる売上拡大が期待されます。

クロスセルのメリット・デメリット

クロスセルには多くのメリットが存在します。メリットは以下の通りです。

クロスセルのメリット

LTVの向上

LTVを向上させることには複数のメリットがあります。LTVを向上させることで顧客との契約期間中に売上拡大の実現、商品・会社へのファン化が期待されます。現在は顧客が自らSNSで宣伝することもあるため、LTVの向上により自社で広告を行わずともブランドイメージを向上させることも期待できます。

提案が容易

既存顧客に対して行うクロスセルは既存顧客と既に関係が構築されているため信頼してもらいやすいことが多いです。そのため既存顧客に対するクロスセルは成功確率も高く提案が容易となっています。

クロスセルのデメリット

メリットが多いクロスセルですが、デメリットも存在します。デメリットは以下の通りです。

イメージが悪化する可能性がある

自社に対して信頼性が低い顧客に対してクロスセルを行った場合、押し売りのように感じてしまいクロスセルが失敗するだけでなく、企業イメージが悪化し商品の導入をやめてしまう可能性があります。このように、クロスセルを行う際はむやみに行うと売上を損なう可能性があります。そのため、クロスセルを行う際は顧客のニーズ・クロスセルの頻度などに気を付ける必要があります。

クロスセルの流れ

クロスセルを行う際は分析→戦略の決定→実施→改善の順番で行うとスムーズに行うことができます。以下は手順ごとの説明です。

クロスセルの分析

クロスセルを行う際は自社商品のニーズが高い顧客の情報整理・分析が重要です。既存顧客を分析し自社商品のニーズが高いセグメントに対して情報を発信しましょう。この際、CRMを用いることで顧客の購買履歴や嗜好を分析することが容易となります。

クロスセルの戦略

ニーズが高いセグメントがわかったらクロスセルの戦略を決定しましょう。オンラインで販売する場合はおすすめ機能があるポップアップやチャットボットなどの導入、訪問営業などの場合はトークスクリプトなどを用いた社員への教育を行うなどクロスセルを行う形式・頻度などの戦略を決定しましょう。

クロスセルの実施

クロスセルの戦略が決まったら実施していきましょう。最初は小規模でクロスセルを行うことで失敗したときの被害を小さくすることができます。

クロスセルの改善

クロスセルを行う中で当初立てた仮説と異なる部分が生じたりしてくるでしょう。これらを改善していくことでクロスセルの成功率が向上します。また、トークスクリプトなどを用いてクロスセルを行う場合はトークスクリプトの改善も同時に行いましょう。

クロスセルのポイント

クロスセルを成功させるためのポイントとして、以下が挙げられます。 

社内連携を密にする

クロスセルを成功させるためには、新規営業と連携して既存顧客の情報を共有し、どのようなニーズがあるか把握する必要があります。また、事業部が違う別商品の既存顧客に対してクロスセルを行う際も同じ様に連携して、既存顧客の情報を共有する事でクロスセルを成功させる確率が高まります。

親和性が高い商品を提案する

既に導入している商品と類似の商品を提案した方がニーズのある可能性が高く、受け入れてもらえる確率が高まります。機能が全く異なる商品では既存顧客の需要がない可能性があり、提案を受け入れてもらえない可能性が高くなってしまいます。

BtoBの商品の場合、もし企業内で需要があっても機能が全く異なると別の担当者を紹介される可能性があります。その場合、クロスセルのメリットでもある関係が構築されている顧客に対して営業を行うわけではないため、新規営業のようになってしまいメリットが薄れてしまいます。

まとめ

クロスセルは顧客に対して異なる商品を提案する施策のため、比較的容易に売り上げ拡大を行うことが可能な施策です。ポイントとして社内間の連携を行い既存商品と類似の商品を提案する事が重要です。

売り上げ拡大に悩まれた際はクロスセルを行うことで改善が期待されます。

GENIEE CV NAV1 編集部

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