
あるフィットネスジムが「新しいトレーニングに挑戦したい30代〜40代女性」をターゲットにして、最先端のトレーニングマシンを導入しました。しかし、ジムの利用者数は予想に反して伸びなかったのです。
見学者からは「設備はすごいけど、初心者には難しそう」「サポートが足りない」といった声が。
この失敗の原因は、ペルソナ設計にありました。ターゲットを「30代女性」と決めただけでは、本当のニーズを捉えることができなかったのです。
もし、顧客の声をしっかり聴き、それを反映したペルソナ設計ができていれば、違った結果が得られたでしょう。
今回は、フィットネス業界を例にあげて、ペルソナ設計でよくある失敗例と設計のポイントについてご紹介します。
よくある失敗例
「ペルソナを設計したものの、思ったように成果が出ない・・・」このように、ターゲットを決めたつもりでも、設計そのものに問題があると効果的な施策にはつながりません。
ここでは、よくある失敗例をみていきましょう。
曖昧なターゲット設計
「ターゲットは30代女性」だけでは不十分です。30代女性といっても、ジムへ通う人には、ダイエット目的の人やストレス発散のために運動したい人、ボディメイクをしたい人など、人それぞれです。
つまり、「運動初心者で、仕事帰りに気軽に通えるジムを探している」「産後の体型を戻したい」といったように、具体的に設定する必要があります。
実態とズレている
「おしゃれなジムに通いたいはず」「最新の設備に興味があるはず」など、思い込みだけでペルソナを作るのはとても危険です。
実際には、「初心者向けのサポートが手厚い方が安心」「通いやすい立地や営業時間が重要」など、設備よりも利用のしやすさが重視されることもあります。
更新がされていない
市場のトレンドや顧客の行動は常に変化するため、数年前に作ったペルソナをそのまま使っているのも危険です。
例えば、コロナ禍を経て「オンラインレッスンを活用したい」「密を避けてパーソナルトレーニングを受けたい」といったニーズが増えたように、環境の変化によって求められるサービスも変わっていきます。
売れるペルソナを作るための3ステップ
正しく設計すれば、本当に求めている人に届けることができますが、誤った設計をしてしまうと集客や売上げに大きな影響を与えてしまう可能性があります。
ここでは、売れるペルソナを作るための3つのステップをご紹介します。
データを活用する
感覚や思い込みでペルソナを作るのではなく、データを活用することが重要です。
例えば、入会者アンケートで「ジムに通おうと思った理由」や「通う前の不安」などを聞いたり、Webサイトのヒートマップを活用すれば、どの情報がよく読まれているのかが分かり、興味のあるコンテンツを特定することができます。
顧客インタビューを実施する
数字だけでは見えない「本音」を知るには、実際の顧客インタビューが良いでしょう。
例えば「なぜこのジムを選んだのか」「どんな点が不安だったか」といった具体的な質問をすることで、表面的なデータでは見えない深いニーズを発掘することができます。
また、退会者に退会理由をヒアリングすることで、改善すべきポイントも明確になります。
定期的にブラッシュアップする
ペルソナは一度作って終わりではなく、定期的に見直しが必要です。先ほどお話ししたように、市場のトレンドや顧客の行動は常に変化してます。定期的にアンケートを実施し、入会者・退会者のデータを分析することで、より精度の高いペルソナを維持することが可能です。
PDCAを回しながら、より実態に即したペルソナへとブラッシュアップしていきましょう。
まとめ
売上げを伸ばすためには、顧客の本当のニーズを反映したペルソナ設計も重要なポイントのひとつです。
自社で設定したペルソナが本当に顧客に合っているか、不安や疑問を感じたら、実際に顧客の声を集めたり、データを活用するなどをして、改善に取り組んでみてください!