チャットボットの導入は、企業の顧客対応を変革する有効な手段として注目されています。24時間365日の自動対応により、顧客満足度の向上や人件費削減が期待できることから、多くの企業が導入を検討・推進しているのが現状です。効果的なチャットボット運用を実現するには、段階的なプロセスを踏むことが重要です。
本記事では、チャットボット導入の具体的な手順とメリット、注意すべきポイント、さらには実際の成功事例まで詳しく解説します。導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次
チャットボットとは
チャットボットは、テキストや音声を通じてユーザーと自動的に対話するプログラムです。チャット(chat)とロボット(robot)を組み合わせた造語で、自動会話プログラムとも呼ばれています。
チャットボット導入の主な目的は、問い合わせ業務の自動化による業務効率化です。人手を介さずに顧客からの質問に即座に回答できるため、担当者の業務負担を大幅に軽減できます。同時に、待ち時間なく迅速な対応が実現することで、顧客満足度の向上にもつながります。
特にAI技術を活用したチャットボットは、過去の会話データから学習を重ねることで、より自然で精度の高い対話が可能です。単純な定型応答だけでなく、文脈を考慮した応答が可能となり、一定範囲の複雑な問い合わせにも対応できる場合があります。チャットボットは、企業の業務効率化と顧客対応品質の両面で価値を提供する重要なツールです。
チャットボットの導入手順
チャットボットを効果的に活用するには、計画的な導入プロセスが不可欠です。ここからは、チャットボット導入の具体的な手順について解説します。
1.目的を明確にする
チャットボット導入を成功させるには、まず「なぜ必要なのか」目的を明確にすることが重要です。目的があいまいなまま進めてしまうと、適切なツール選定や効果測定ができず、期待した成果が得られません。
一般的な導入目的は、問い合わせ対応の自動化です。チャットボットは、各情報へのアクセスを改善し、ユーザーの問い合わせハードルを下げる効果があります。「電話するほどではない」「メールは面倒」と感じるユーザーでも、気軽にチャット形式で質問できるため、顧客との接点を増やせることが特徴です。
さらに高度な活用方法として、顧客情報と連携させて予約や資料請求などのコンバージョンを自動化したり、レコメンドエンジンと組み合わせて商品購入を促進したりする使い方もあります。導入目的を具体化することで、チャットボットの最適な活用方法が見えてきます。
2.設置場所を決める
チャットボット導入において、設置場所の選定は成果を左右する重要な要素です。適切な場所に配置しなければ、せっかく構築しても利用されず、投資対効果が得られません。
主な設置場所の候補としては、Webサイト、SNS(LINE、Facebookなど)、社内用チャットツール(SlackやMicrosoft Teamsなど)があります。それぞれ異なる特性を持つため、目的に応じて選択する必要があります。
設置場所を検討する際、費用や実装工数など企業側の都合だけで判断してはいけません。重要なのは、ターゲットユーザーの視点です。ユーザーが普段どのチャネルをよく利用しているかを分析し、最も親しみやすく利用しやすい場所を選ぶことがポイントです。
3.求める機能を整理する
チャットボット導入を進める前に、自社が求める機能を整理することが不可欠です。明確な条件がないままツールを選定すると、あとから「必要な機能が足りない」「予算をオーバーしてしまった」などの問題が発生しかねません。
希望条件の整理には、機能・費用・納期・サポート体制など複数の切り口があります。自社の問い合わせ内容の特性を分析し、どのタイプがチャットボット導入の目的に合致するかを見極めることで、最適なツール選定が可能です。
4.運用担当者を決める
チャットボット導入を成功させるには、運用担当者を明確に決め、責任範囲を定めることが重要です。担当者不在のまま導入を進めると、管理が疎かになり、せっかくのシステムが十分に活用されません。
運用担当者の役割は、導入後のメンテナンスや効果測定まで多岐にわたります。回答精度の改善、新しいFAQの追加、利用状況の分析など、継続的な改善活動が求められるため、事前にしっかりとした体制を整えておく必要があります。
理想的なのは、導入時のシナリオ作成やFAQ準備から運用・管理までを一貫して担える人材を選ぶことです。プロジェクトの全体像を把握している担当者であれば、導入の意図を理解した上で適切な運用判断ができます。
5.チャットボットツールを選定する
チャットボット導入において、ツール選定は最も重要な判断の一つです。どれほど機能が優れたツールであっても、すべての企業に適しているわけではなく、自社のニーズに合致したものを選ばなければなりません。
選定時に確認すべきポイントとして、まずAI搭載の有無があります。多様な問い合わせに対応したい場合はAI型、定型的な質問が中心であればシナリオ型が適しています。次に、自社の課題解決に必要な機能が実装されているかの確認も欠かせません。外部システムとの連携機能や多言語対応など、事前に整理した必須要件を満たしているかをチェックします。
費用面では、初期費用とランニングコストの両方を考慮し、予算内に収まるかを検証します。また、導入後のサポート体制の有無も重要な判断基準です。技術的なトラブル対応や運用相談ができる体制が整っているかを確認しましょう。
6.ベンダーに相談し無料トライアルを試す
チャットボット導入の検討段階では、無料トライアルを積極的に活用することが推奨されます。カタログやWebサイトの情報だけでは、実際の使い勝手や自社環境との相性を十分に判断できません。
トライアル期間中は、実際に操作して使いやすさを確認することが重要です。管理画面の操作性、FAQやシナリオの登録しやすさ、レポート機能の見やすさなど、日常的に使用する機能が自社の担当者にとって扱いやすいかを検証します。また、想定している設置場所での動作確認や、既存システムとの連携テストも行い、導入後のトラブルを未然に防ぎます。
トライアル期間は、ベンダーのサポート体制をチェックする絶好の機会です。問い合わせへの対応スピード、提案の質、技術的なサポートの充実度などを実際に体験することで、導入後も安心して運用できるパートナーかどうかを見極められます。
7.導入に向けて本格的にやりとりをする
ベンダーの絞り込みが完了したら、見積もりや提案内容を基に本格的なやりとりを開始します。本格的なやりとり段階での綿密なコミュニケーションが、チャットボット導入後のトラブル防止につながります。
まずは導入に必要な情報を事前にベンダーへ確認することが重要です。具体的には、設置タグの情報や自社サイトに問題なく設置できるかどうかの技術的な確認が必要です。特に外部ツールと連携する場合は、API仕様の確認やアクセス権限の設定など、導入側で準備すべき情報があるかを明確にしておきます。
契約条件についても入念な確認が求められます。費用の支払いタイミングが月額払いか年額払いか、契約の更新方法は事前申告制なのか自動更新なのかなど、後々トラブルにならないよう詳細まで詰めておかなければなりません。
8.FAQやシナリオを作成する
チャットボット導入において、FAQやシナリオの作成は最も重要な準備作業の一つです。FAQやシナリオの品質が、導入後のチャットボットの回答精度や顧客満足度を大きく左右します。
効果的なシナリオを構築するには、よくある質問を整理するだけでなく、顧客の行動パターンや心理を考慮することが重要です。ユーザーがどのような言葉で質問するか、どのような流れで情報を求めるかを想定し、正確かつ迅速に対応できるシナリオを設計します。
想定される質問の範囲や項目数が多い場合、シナリオ作成には相当な時間と労力がかかります。既存のWebサイトや社内ポータルに掲載されているFAQがあれば、有効活用することで作業効率を改善できるでしょう。
9.テスト運用を行う
チャットボット導入の最終段階として、本格運用の前に必ずテスト運用を実施することが重要です。いきなり全社展開すると、想定外の問題が発生した際に大きな影響が出てしまいます。
テスト運用では、期間と利用者を限定した環境で実施します。特定の部署や一部の顧客に絞って試験的に運用することで、リスクを最小限に抑えながら実際の使用状況を確認できる点がメリットです。テスト段階で寄せられた問い合わせ内容を詳細に分析することで、「足りないFAQ」や「わかりにくい回答」といった改善点を発見できます。
テスト運用中は、発見された課題に対して迅速にFAQの追加や修正を行います。ユーザーの質問パターンや表現のバリエーション、想定していなかった問い合わせ内容などを把握し、シナリオの精度を高めていかなければなりません。
10.自社体制を構築する
チャットボット導入を成功させるには、運用開始前に自社の体制を明確に構築しておくことが不可欠です。どのような社内体制でチャットボットを活用していくかを決めることで、スムーズな運用が実現します。
有人対応を併用する場合は、オペレーターへのエスカレーションフローを事前に作成しておくことが重要です。どのような質問や状況で有人対応に切り替えるのか、担当者への通知方法や対応優先度をどう設定するかなど、具体的な運用ルールを定めます。
さらに、対応履歴の共有方法や引き継ぎ手順も整備し、チャットボットと人間がシームレスに連携できる体制を構築することで、顧客満足度の高い対応が可能です。
11.本格的に運用する
テスト運用を経て問題点を改善したら、いよいよチャットボットの本格運用を開始します。一方で、導入がゴールではなく、ここからが継続的な改善プロセスの始まりです。
本格運用では、定期的な分析と評価が不可欠です。運用状況を定期的にモニタリングし、回答精度、解決率、利用者数、応答時間などのパフォーマンス指標を継続的に評価します。得られたデータから、どの質問への回答が不足しているか、どのシナリオで離脱が多いかなど、改善すべきポイントを特定できます。
特にAI搭載型のチャットボット導入では、精度向上のために学習データの更新が重要です。実際の問い合わせ内容や新たに発生した質問パターンを学習させることで、より適切な応答ができるよう調整します。
チャットボット導入によるメリット

チャットボットの導入は企業にさまざまなメリットをもたらします。24時間365日の顧客対応による機会損失の防止、CVR向上による売上増加、人件費削減によるコスト最適化、迅速な対応による顧客満足度の向上、蓄積データのマーケティング活用、さらにはWebサイトの回遊率向上まで、幅広い効果が期待できます。
ここでは、チャットボット導入によって得られる主なメリットについて解説します。
24時間365日の顧客対応
チャットボット導入の最大のメリットは、24時間365日の顧客対応を実現できることです。深夜や休日であっても自動的に回答を提供できるため、顧客の利便性が大幅に向上します。
特にECサイトや予約システムを提供する企業にとって、24時間365日対応は極めて重要です。顧客は平日の営業時間内だけでなく、夜間や週末にも商品を購入したり、予約を検討したりします。営業時間外でもスムーズに情報を得られる環境を整えることで、機会損失を防ぎ、購買意欲が高まっているタイミングを逃しません。
「商品の配送状況を知りたい」「予約を変更したい」といった、比較的シンプルながら緊急性の高い問い合わせにも即座に対応できます。人的リソースに制約されることなく、いつでもサポートを提供できるチャットボットの導入は、顧客体験を大きく改善し、競合他社との差別化要因にもなり得ます。
CVRの向上
チャットボット導入は、CVR(コンバージョン率)の向上に大きく貢献します。コンバージョンとは、Webサイトで得られた「成果」を表す言葉で、商品やサービスの購入、問い合わせフォームからの送信、資料ダウンロードなどが該当します。CVRとは、サイトにアクセスしたユーザーに対するコンバージョンの割合を示す重要な指標です。
サイト訪問者は商品やサービスを検討する過程で、さまざまな疑問や不安を抱きます。従来は、その疑問を解決するために電話で問い合わせたり、FAQページを探し回ったりする必要がありました。
チャットボットを導入することで、サイト訪問者は疑問が生じた瞬間に気軽に質問でき、即座に問題を解決できます。購買を検討している最中に不明点をその場で解消できるため、購買意欲を維持しやすくなります。
▼関連記事:なぜチャットボットを導入するとCVRが向上するのか?
人件費の削減
チャットボット導入は、人件費削減に直結する効果的な施策です。定型的な問い合わせを自動化することで、有人での対応が必要な問い合わせは、チャットボットが答えられなかった複雑な内容のみに絞られます。
企業によっては、カスタマーサポート担当者が他業務と兼務しながら問い合わせ対応を行っているのが実情です。よくある質問への回答に時間を取られることで、本来注力すべきコア業務が圧迫される課題を抱えているケースも少なくありません。
さらに、問い合わせ対応に追われていた残業時間の削減にも効果的です。特に繁忙期や問い合わせが集中する時間帯において、チャットボットが一次対応を担うことで、人的リソースの負荷を平準化できます。結果として、人件費の削減だけでなく、従業員の業務効率向上とワークライフバランスの改善にもつながり、組織全体の生産性向上を実現します。
顧客満足度の向上
チャットボット導入は、顧客満足度の向上にも貢献します。顧客が知りたい情報を即座に得られる環境を提供することで、ユーザーの満足度は大幅に高まります。
従来の問い合わせ対応では、電話がつながるまで待たされたり、メールの返信に数時間から数日かかったりすることが一般的でした。チャットボット導入により、顧客は疑問が生じた瞬間にリアルタイムで回答を得られます。待ち時間のストレスがなくなり、スムーズな情報取得が可能になることで、顧客体験が改善されます。
利便性の高さが口コミやリピート率の向上につながり、長期的な顧客ロイヤルティの構築にもつながることがメリットの一つです。
マーケティングへの活用
チャットボット導入は、単なる問い合わせ対応ツールにとどまらず、マーケティング活動にも価値をもたらします。顧客とのやりとりを通じて収集される情報は、戦略的なマーケティング施策の基盤として活用できるデータです。
チャットボットは会話の内容や質問パターンから、購買意欲の高いユーザーを特定できます。価格や配送に関する具体的な質問をしているユーザーは購入を真剣に検討している可能性が高く、リードに対して優先的にアプローチすることで成約率を高められます。また、顧客の興味や悩みに応じて適切な商品やサービスのレコメンドも可能です。
さらにSNSやメッセージアプリと連携したチャットボットを導入すれば、マーケティング効果は一層拡大します。ユーザーの行動データや過去の購買履歴を活用し、一人ひとりにパーソナライズされた情報やオファーを提供できます。
Webサイトの回遊率向上
チャットボット導入は、Webサイトの回遊率向上にも効果を発揮します。回遊率とは、サイトを訪問した1人のユーザーが閲覧するページビュー数を指し、ユーザーがサイト内のページを積極的に閲覧していることを意味する用語です。回遊率が高いことは、ユーザーのエンゲージメントが高く、サイトコンテンツに満足している証拠です。
サイト訪問者は、情報を探す過程で疑問や不明点に直面すると、そのまま離脱してしまうケースが少なくありません。チャットボットがあれば、ユーザーは電話やメールほどの手間をかけずに、その場で気軽に質問できます。
結果として、サイト内での滞在時間が延び、複数ページの閲覧が促進され、最終的なコンバージョンにもつながりやすくなります。
チャットボット導入の際の注意点
チャットボットを導入する際には、注意すべきポイントもあります。FAQやシナリオ作成には相応の準備期間が必要であり、複雑な問い合わせには有人対応との併用も検討すべきです。
また、利用者への周知を怠ると活用率が低下し、定期的なメンテナンスを行わなければ回答精度も低下します。チャットボット導入時に押さえておくべき注意点について解説します。
準備期間が必要
チャットボット導入において注意すべき点の一つが、十分な準備期間が必要なことです。導入を決定してからすぐに運用を始められるわけではなく、効果的な運用には入念な事前準備が不可欠です。
問い合わせに対して適切な回答を提示するには、想定される質問と回答をまとめてシナリオを設計する作業が欠かせません。顧客がどのような言葉で質問するか、どのような流れで会話が進むかを予測し、それに応じた回答パターンを整備することが必要です。業種や取り扱う商品・サービスによっては、数百から数千のFAQを準備する必要があり、相応の時間とリソースがかかります。
質問と回答の想定が不十分なまま運用を開始すると、実際に問い合わせを受け付けても顧客が求める回答を提示できません。
有人対応との併用も考慮する
チャットボット導入を検討する際、有人対応との併用も考慮することが重要です。チャットボットの回答精度には限界があるため、すべての問い合わせを自動化するのは現実的ではありません。
適切なタイミングで有人対応へ切り替えられる仕組みを設けることで、顧客満足度を維持しながら効率化を実現できます。定型的で頻度の高い質問はチャットボットが対応し、複雑な相談や個別の事情が絡む問い合わせは人間が対応する役割分担が理想的です。
特にクレーム対応や個別の状況確認が必要なケースでは、人間の判断力と共感力が不可欠です。チャットボットを導入する場合は、オペレーターへの引き継ぎがスムーズに行えるツールを選ぶ必要があります。
会話履歴が自動的に引き継がれ、顧客が同じ説明を繰り返す必要がない仕組みがあれば、ストレスなく有人対応に移行できます。
利用者への周知が必要
チャットボット導入において、利用者への周知もポイントです。どれほど高性能なチャットボットを導入しても、利用者がその存在を知らなければ使ってもらえず、投資効果が得られません。
用途別に必要な周知方法は次の通りです。
| 用途 | 周知方法 |
| 社内向けチャットボット | チャットボットの使い方や利点を説明する社員向け説明会を開催マニュアルを配布社内ポータルサイトやSlackなどのチャットツールに設置 |
| 顧客向けチャットボット | デザインや配色を工夫して目立たせるアイコンにアニメーションをつけるページを開くと自動的にチャットボットが起動する |
周知施策と利用促進の工夫により、チャットボット導入の効果を最大化できます。
定期的なメンテナンスを要する
チャットボット導入後に見落とされがちな注意点が、定期的なメンテナンスが必要となることです。一度設定すれば永続的に使えるわけではなく、継続的な改善作業が求められます。
回答精度を向上させるには、蓄積された回答データを定期的に分析し、新たな質問パターンを追加したり、既存のシナリオを変更したりする作業が不可欠です。ユーザーからの問い合わせ内容は時間とともに変化し、新しい疑問や表現方法が出てくるため、それに応じてFAQやシナリオをアップデートしなければなりません。
さらに、製品の仕様変更やサービスプランの改定があった際にも、回答内容を速やかにメンテナンスする必要があります。古い情報がそのまま残っていると、誤った回答を提供してしまい、顧客に混乱を招きかねません。
チャットボット導入にかかる費用

チャットボット導入を検討する際、費用面の把握は重要な要素です。導入時にかかる初期費用、月々発生するランニングコスト、そして機能拡張やカスタマイズに必要なオプション費用など、複数の費用項目が存在します。
チャットボット導入にかかる各種費用について解説します。
初期費用
チャットボット導入にかかる費用の一つが初期費用です。シナリオ作成をはじめ、システムの設定や既存環境との連携など、さまざまな準備作業が必要になるため、初期費用を正しく理解しておくことが重要です。
初期費用の内容は、ベンダーによって大きく異なります。導入作業を代行する費用が含まれている場合と、含まれていない場合があるため、見積もり時には必ず確認が必要です。含まれている場合は、ベンダーが専門知識を活かしてシナリオ設計やFAQ作成をサポートしてくれるため、スムーズにチャットボット導入を進められます。
一方、初期費用が無料または安価な場合は、シナリオ作成を自社で行わなければならない可能性があるため注意が必要です。専門知識がない状態で自社対応すると、想定以上の工数がかかったり、十分な品質のシナリオが構築できなかったりするリスクがあります。
ランニングコスト
チャットボット導入後に継続的に発生する費用が、ランニングコストです。初期費用だけでなく、毎月発生するランニングコストを正確に把握しておかなければ、予算計画が立てられません。
多くのチャットボットサービスは月額制または年額制の料金体系を採用しており、契約期間中は定期的に費用が発生します。一般的なチャットボットの運用費用は、提供される機能や対応可能な問い合わせ件数、サポートの有無によって大きく異なります。
基本的な機能のみのプランであれば月額数万円から利用できる一方、AI機能や外部システム連携、24時間サポートなどが付帯するプランでは月額数十万円になることもあるでしょう。また、問い合わせ件数に応じた従量課金制を採用しているサービスもあり、利用状況によって月々の費用が変動する場合もあります。
オプション費用
チャットボット導入における費用には、初期費用やランニングコストに加えて、オプション費用も考慮する必要があります。導入後の運用を効果的に進めるには、追加サービスの活用が有効なケースも多くあります。
チャットボット導入後、シナリオやQ&Aの追加・編集を適切に行うには、専門的な知識と継続的な改善活動が必要です。自社だけでは対応が難しい場合、運用コンサルティングなどのオプションサービスを利用することで、効果的なメンテナンスが実現できます。
オプション費用には、主に次の要素が含まれます。
- シナリオ設計の支援や分析レポート作成などの追加作業に関する費用
- SNS連携やデザイン変更、多言語対応などの機能追加に伴う費用
- アカウント数の増加やサイト追加、問い合わせ件数の上限拡大などに関する費用
チャットボット導入時には、将来的に必要になりそうなオプションを想定し、費用体系を事前に確認しておくことが重要です。
▼関連記事:チャットボット導入費用の相場は?費用を左右する7つの要因と選定ポイント
チャットボット導入の際の検討ポイント
数多くのチャットボットツールから最適なものを選ぶには、いくつかの重要な検討ポイントがあります。チャットボットツールを選定する際の主な検討ポイントについて解説します。
AIが搭載されているか
チャットボット導入の際の重要な検討ポイントが、AIが搭載されているかどうかです。チャットボットには人工知能を搭載したタイプと搭載しないシナリオ型があり、それぞれ特性が異なります。
AI搭載型は高度な自然言語解析技術により、ユーザーの自由な記述に柔軟に対応でき、多様な表現でも適切に応答できるため、Q&Aの精度向上が期待できます。ただし、シナリオ型よりも高額になる傾向があるため注意が必要です。
想定される問い合わせ内容が多岐にわたる場合はAI搭載型、定型的な質問が中心の場合はシナリオ型が適しており、自社のニーズに合わせた選択が重要です。
プラットフォームとの整合性
チャットボット導入時には、プラットフォームとの整合性を確認することも重要です。チャットボットはWebサイトだけでなく、LINEやSlackなどのメッセージツールに組み込めるものもあり、設置場所によって最適なツールが異なります。
効果的な導入を実現するには、まずターゲットユーザーを明確にし、そのユーザーが日常的に利用しているプラットフォームを把握しなければなりません。把握した上で、どこに設置すべきかを選び、対応したチャットボットを選定します。
若年層向けならLINE、社内向けならSlackやMicrosoft Teamsといった具合に、ユーザーの行動パターンに合わせた選択が成功のポイントです。
サポートの体制
チャットボット導入を成功させるには、ベンダーのサポート体制が重要な検討ポイントです。AI型ではQ&A登録や整備、シナリオ型では詳細なシナリオ策定が必要であり、専門知識と相応の時間がかかります。
充実したサポートには、課題ヒアリングから導入準備、Q&A作成、シナリオ策定の代行などが含まれます。追加費用が発生する場合もありますが、専門家の支援を受けることでスムーズかつ効果的な導入が可能です。
特に初めてチャットボットを導入する企業や、社内にノウハウがない場合は、手厚いサポート体制を持つベンダーを選ぶことで、導入の失敗リスクを軽減できます。
チャットボット導入の成功事例

チャットボット導入の効果をより具体的に理解するには、実際の成功事例が参考になります。株式会社バルクオム、さくらフォレスト株式会社、株式会社Spartyなど、企業がチャットボットを活用してどのような成果を上げているのか、導入の背景や具体的な活用方法、そして得られた効果を知ることで、自社での導入イメージが明確になります。
株式会社バルクオム
株式会社バルクオムは、スキンケアを中心にヘアケアやボディケアなど幅広い製品を展開するメンズビューティブランドです。公式オンラインストアのほか、Amazonなどのモール、全国10,000店舗以上の小売店で販売しています。
チャットボット導入にあたり、ユーザーの使いやすさと自社のマーケティング施策のスピード感に対応できるかを重視した結果、GENIEE CHATを選定しました。導入後は何度もテストを重ね、最終的にCVRが約1.5倍向上の成果を達成しています。さらにGENIEE CHATの使用により、社内リソースの削減にも成功し、効率的な顧客対応を実現しました。
さくらフォレスト株式会社
さくらフォレスト株式会社は、自社ブランド「さくらの森」にて健康食品、美容品、食品など約70種類の商品を展開しています。チャットボット導入にあたりGENIEE CHATを選定し、「シナリオのスピードUP・CVRがUP・成果がUP」の3つのUPを実現しました。
特に名前のひらがな変換や住所入力の変換速度が優れており、動作がスムーズで変換精度も高いため、全体的な速度感の改善に成功しています。同社は、チャットボットを導入して終わりではなく、それぞれの企業にとっての「正解」が何かを、ベンダーや関連会社と一緒にしっかり見つけていく必要があると強調しています。
株式会社Sparty
パーソナライズヘアケアブランド「MEDULLA」を手がける株式会社Spartyは、GENIEE CHATを活用してユーザーとのコミュニケーション強化により新規顧客獲得を促進しています。
パーソナライズを基盤とするため、通常のECサイトに「診断」の要素が加わり、ページ遷移が多くなる課題がありました。フォームだけでは無機質になるため、ブランドリニューアルの際にGENIEE CHATを導入しています。
チャットボット導入により、CVR改善はもちろん各ポイントからの離脱率改善も実現しています。フォームをチャットボットにすることで、「あなた専用の診断がこのあと待っています」というワンクッションを挟み、ユーザー体験の向上に成功しました。
チャットボット導入に関するよくある質問
チャットボットの導入を検討する際、具体的な導入費用の相場、実際の導入手順、そしてどのような企業が既に活用しているのかなど、導入前に知っておきたい基本的な情報について理解を深めることが重要です。
ここでは、チャットボット導入に関して頻繁に寄せられるよくある質問とその回答について解説します。
チャットボットの導入費用はいくらですか?
チャットボットの導入費用は、ツールのタイプや機能によって異なります。無料から数万円程度のシナリオ型や簡易AI型もあれば、高機能なAI型やカスタマイズを含む場合は数百万円以上かかるケースもあります。
費用は初期費用と月額費用で構成されており、AIの有無、機能の複雑さ、カスタマイズの度合いによって大きく変動することが特徴です。基本的なシナリオ型であれば月額数万円から利用できる一方、外部システム連携や高度なAI機能を備えたツールは月額数十万円になることもあります。
チャットボットの導入方法は?
チャットボットの導入は、段階的なステップで進めることが成功のポイントです。まず目的の明確化から始まり、設置場所の決定、ツール選定、シナリオ作成、テスト運用、公開、そして継続的な改善のプロセスを踏みます。
公開後も利用状況の分析と改善を繰り返すことで、チャットボットの効果を最大化できます。導入して終わりではなく、継続的なメンテナンスが成果を左右する重要なポイントです。
チャットボットを導入している企業は?
チャットボットを導入している企業は多岐にわたり、業種を問わず活用が進んでいます。金融業界ではライフネット生命、不動産業界ではCHINTAI、小売業界ではマガシークやSHIBUYA109、ホテル業界では相鉄ホテルマネジメント、IT業界ではリコーやマネーフォワードなど、幅広い分野で導入されています。
各社は問い合わせ対応の効率化、顧客体験の向上、夜間対応の自動化などの目的でチャットボットを活用し、成果を上げているでしょう。導入事例が豊富にあることから、自社の業種や課題に近い企業の活用方法を参考にすることで、より効果的なチャットボット導入が可能です。
まとめ
チャットボット導入は、顧客対応の効率化とCVR向上を同時に実現する有効な施策です。成功のポイントは、明確な目的設定、適切なツール選定、丁寧なシナリオ作成、そして継続的な改善にあります。
チャットボット導入によって、24時間365日の自動対応により顧客満足度を高めながら、人件費削減も可能です。ただし、準備期間の確保や有人対応との併用、定期的なメンテナンスなど注意点も考慮しなければなりません。
特にフォームへのアクセスを最大化し、CVRを向上させたい企業には、成功事例が示すようにGENIEE CHATがおすすめです。使いやすさと高い成果を両立できるツールを選ぶことで、チャットボット導入の効果を最大限に引き出せます。
チャット型EFOツール「GENIEE CHAT」
株式会社ジーニーでは、入力フォームを改善し、コンバージョン率を向上させるための「GENIEE CHAT」を提供しています。
Webサイト上に設置している入力フォームをチャット型に置き換えることで、スムーズなフォーム入力が可能になり、その結果、フォーム離脱率を低減し、入力完了率の向上が期待できます。

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