マーケティングや広告運用の現場で頻繁に耳にする「CV(コンバージョン)」。なんとなく重要そうだけど、「正確にはどういう意味?」「自社の場合は何がCVになるの?」とモヤモヤしたことはありませんか?

本記事では、CVの基本的な意味から、具体例や関連する用語について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
さらに、CVを理解することで得られるメリットや、売上アップにつなげるために押さえておきたいポイントもご紹介します。

CVとは?

CVとは?

マーケティングにおけるCV(コンバージョン)とは、「Webサイトで獲得できる成果」を意味します。もともとは「変換」「転換」などを意味する英単語ですが、Webマーケティングにおいては、ユーザーが何らかの行動を完了した状態を指します。
たとえば、商品の購入、資料請求、会員登録などがそれに該当します。
サイトの目的によってCVの定義は異なり、情報サイトであれば登録や問い合わせ、ECサイトなら購入やカート追加など、成果の内容も変わってきます。CVは施策の効果を可視化する重要な指標として活用されており、マーケティング施策を評価・改善するうえで欠かせません。

マーケティングにおけるCVの重要性

マーケティング活動をしていると、「結局、どれくらい成果が出たの?」という問いに必ずぶつかります。そのときに軸になるのがCVです。

どんなに多くの人がサイトを訪れても、商品を買ってもらえなかったり、資料請求や予約といったアクションがなければ、それは「見てもらえただけ」にすぎません。だからこそ、CVは「お客さんが実際に動いてくれたかどうか」を表す、非常に重要な指標といえるのです。

また、CVはマーケティングのゴール設定にも欠かせません。「売上を伸ばす」だと曖昧になってしまうため、「月に〇件のCVを目指す」と具体的に決めれば、チーム内の方向性も定まり、日々の施策もより意味のあるものになります。

CVの具体例

「CV(コンバージョン)」と一口にいっても、その内容はサイトやビジネスの目的によって異なります。ここでは、業種別・サイト目的別に代表的なCVの一例をご紹介します。

CVの種類


EC(通販)サイト系

オンラインショップでは、CVとしてもっとも代表的なのが「商品購入」です。そのほかにも、「カートに商品を追加する」行動や、「会員登録」「メルマガ登録」などもCVとして計測されるケースがあります。これらのアクションを通じて、ユーザーの購買意欲やリピーター化への可能性を把握することができます。

美容クリニック・サロン系

美容系サービスでは、「無料カウンセリングの予約」や「施術予約」が主なCVになります。また、「LINE登録」や「期間限定キャンペーンへの申し込み」なども、見込み客との接点をつくる重要なコンバージョンポイントとして活用されます。

学習塾・オンライン学習系

教育サービスにおけるCVは、「無料体験授業の申し込み」や「資料請求」が典型的です。また最近では、「LINE公式アカウントへの登録」や「チャットでの問い合わせ」などもCVとみなされ、ユーザーの関心度を測る指標として重視されています。

保険・金融系

代表的なのは「資料請求」や「無料相談の申し込み」です。
最近では、「保険料シミュレーションの完了」もCVとして設定することも多いです。自分の年齢や家族構成などを入力し、保険料や保障内容を試算することで、ユーザーの関心度が高まり、商品を「自分ごと」として捉えるきっかけになります。いずれも、成約に向けた大事なステップといえるでしょう。

このように、CVは「どの行動を成果と見なすか」を決める指標です。
toCビジネスでは、ユーザーが実際に動く瞬間をCVとして設定することで、広告やサイト改善の成果が明確になります。

CVを理解するメリット

CVを理解するメリット

「CV(コンバージョン)」という言葉をなんとなく知っていても、きちんと理解することで得られるメリットは非常に大きいです。
ここでは、マーケティング担当者や事業運営者にとってCVを理解することで得られる3つの主なメリットを解説します。

成果の可視化ができるようになる

CVは、ユーザーの「成果に直結する行動」を数値として表す指標です。

たとえば「購入〇件」「契約〇件」など、実際の成果が明確に数字で見えるようになります。つまり、「どの施策が成果につながっているか」「今月のキャンペーンは成功だったかどうか」が感覚ではなく「数字」で判断できるようになります。

改善のポイントが見つけやすくなる

CVを計測していれば、「なぜ売上が伸びないのか?」といった疑問に対し、具体的な改善ヒントを得ることができます。

広告クリックは多いのに、CVが少ない → LP(ランディングページ)に課題?

カート投入はされているが購入されない → フォームが使いづらい?送料がネック?

このように、数字をもとに仮説を立てて改善を進められることが大きなメリットです。

チームや社内での共通言語になる

CVという指標を共有しておくことで、マーケティング・営業・Web制作など、異なる部署間でも会話がスムーズになります。

この施策、CV数にどれくらい影響ありそう?

今月のCV達成率は80%。来月はどう改善する?

このような会話が自然と生まれ、目的に向けて一体感ある動きができるようになります。

CVを理解することは、単に用語を知っているだけではなく、売上や改善につながる「武器」となります。マーケティングの第一歩として、「何をCVとするか?」「CVの数値は?」を常に意識する習慣をつけるとよいでしょう。


「CV」が重要になる場面


CVとよく使われる関連用語

CVを理解するうえで欠かせないのが、CVR(コンバージョン率)、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)といった関連用語です。

これらの指標は、広告やWeb施策の費用対効果を測るために非常に重要な役割を果たします。それぞれをみていきましょう。

CVR(コンバージョン率)

CVRとは「Conversion Rate」の略で、Webサイトに訪れたユーザーのうち、どれだけがCVに至ったかを示す指標です。

計算式は「CV数 ÷ サイト訪問数 × 100」で求められます。CVRが高いほど、サイトが効率的に成果を生み出していると言えます。

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コンバージョンレート(CVR)とは?計算方法やCTRとの定義・重要性の違いを解説


CPA(顧客獲得単価)

CPAとは「Cost Per Acquisition」の略で、1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告費用を指します。

計算式は「広告費 ÷ CV数」。CPAが高すぎると、利益が出にくくなるため、費用対効果を見ながら調整することが重要です。

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コンバージョン単価(CPA)とは?目安や改善方法を紹介


ROAS(広告費用対効果)

ROASとは「Return On Advertising Spend」の略で、広告に使った費用に対して、どれだけ売上があったかを示す指標です。

計算式は「売上 ÷ 広告費 × 100(%)」で、ROASが高いほど広告効果が高いことを意味します。

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CVの向上を目指す上で押さえておきたい3つの基本施策

CVの向上を目指す上で押さえておきたい3つの基本施策

CV数は、Webマーケティングにおける最重要指標の一つです。ユーザーが望ましい行動(資料請求、問い合わせ、購入など)を取ることで初めてビジネスの成果に繋がります。しかし、多くの企業がCVの向上に苦戦しています。

本章では、CV向上のために押さえておくべき3つの基本施策について詳しく解説します。

広告改善(ターゲティング・媒体の見直し)

広告の質と効率を高めることで、CVの量と質を向上させることができます。

ターゲティングの精緻化

  • ペルソナの再定義:理想的な顧客像を詳細に設定し、そのニーズや行動パターンに合わせた広告を展開します
  • リターゲティングの活用:サイト訪問者や商品閲覧者など、既に興味を示したユーザーに再アプローチします
  • 類似オーディエンスの活用:既存顧客と類似した特性を持つ新規ユーザーを発掘します
  • 検索意図の分析:ユーザーの検索キーワードから意図を読み取り、適切なランディングページに誘導します

広告クリエイティブの最適化

  • メッセージの一貫性:広告からLPまで一貫したメッセージを維持し、ユーザーの期待とのギャップを防ぎます
  • USP(独自の強み)の強調:競合との差別化ポイントを明確に伝え、クリック率とCV率を高めます
  • A/Bテストの実施:複数のクリエイティブを比較検証し、最も効果の高いものを採用します
  • 季節性・トレンドの反映:時期やトレンドに合わせたクリエイティブに更新し、関連性を高めます

広告媒体の最適化

  • チャネル効果の検証:各広告チャネル(リスティング、SNS、ディスプレイなど)のCV貢献度を分析します
  • アトリビューション分析:複数タッチポイントの貢献度を評価し、予算配分を最適化します
  • 新規チャネルの開拓:業界や顧客層に合わせた新しい広告媒体を試験的に導入します
  • オーガニック流入との連携:SEO対策と広告を連携させ、相乗効果を生み出します

広告改善においては、コスト効率を常に意識することが重要です。単にCVの数を増やすだけでなく、投資対効果を最大化する視点で改善を進めましょう。

LP改善(デザイン・導線・訴求)

LP(ランディングページ)は、ユーザーが最初に接触するWebページであり、CVに直結する重要な要素です。効果的なLP改善には以下のポイントが重要です。

デザイン改善

  • 視覚的階層構造の最適化:重要な情報ほど目立つように配置し、ユーザーの視線を自然に誘導します
  • 余白の適切な活用:詰め込みすぎず、適切な余白を設けることで読みやすさと理解度を向上させます
  • カラースキームの統一:ブランドカラーを基調としつつ、CTAボタンは目立つ色を使用して行動を促します
  • レスポンシブデザインの徹底:スマートフォンやタブレットなど、あらゆるデバイスで最適な表示を実現します

導線改善

  • CTAボタンの最適配置:ページ内の複数箇所(特に上部と下部)に配置し、ユーザーがアクションを取りやすくします
  • スクロール深度の最適化:重要な情報は上部に配置し、スクロールせずに価値提案が理解できるようにします
  • ナビゲーションの簡素化:不要なリンクを排除し、ユーザーの注意をCVに集中させます
  • アンカーリンクの活用:長いLPの場合、目次からジャンプできるようにして情報アクセスを容易にします

訴求改善

  • ユーザーベネフィットの明確化:「何ができるか」ではなく「どんな問題が解決するか」を具体的に伝えます
  • 社会的証明の活用:顧客の声や事例、メディア掲載実績などを掲載し、信頼性を高めます
  • 数値データの提示:具体的な数字(「〇〇%のユーザーが満足」など)を用いて説得力を高めます
  • FAQセクションの設置:ユーザーの不安や疑問を先回りして解消し、CVへの障壁を下げます

LP改善は一度で完了するものではなく、継続的な分析と改善が必要です。A/Bテストなどを実施して効果を検証しながら、段階的に最適化を進めていきましょう。

フォーム改善(EFOツール活用など)

フォームはCVの最終関門です。ここでのユーザー離脱を防ぐことが、CV向上の鍵となります。

フォームデザインの最適化

  • ステップ数の最小化:必要最低限の入力項目に絞り、ユーザーの負担を軽減します
  • プログレスバーの設置:複数ステップのフォームでは、現在の進捗状況を視覚的に示します
  • 入力例の提示:各フィールドに入力例を表示し、ユーザーの迷いを減らします
  • エラー表示の改善:エラーが発生した場合、具体的な修正方法を分かりやすく伝えます

EFO(Entry Form Optimization)ツールの活用

  • リアルタイムバリデーション:入力中にエラーチェックを行い、送信前に修正できるようにします
  • オートコンプリート機能:郵便番号から住所を自動入力するなど、入力の手間を省きます
  • フォーム分析:離脱率の高い項目や入力に時間がかかる項目を特定し、改善します
  • セッション保持:途中離脱したユーザーが戻ってきた際に、入力内容を復元します

心理的障壁の低減

  • セキュリティの可視化:SSLマークやプライバシーポリシーへのリンクを目立たせ、情報提供への不安を解消します
  • 即時インセンティブの提示:「今すぐダウンロード」など、即時性を強調した表現でCVを促進します
  • 任意項目の明示:必須項目と任意項目を明確に区別し、必要最低限の情報だけで完了できることを示します
  • 送信後の流れの説明:フォーム送信後に何が起こるのかを事前に説明し、不安を取り除きます

フォーム改善は小さな変更でも大きな効果をもたらすことがあります。ユーザーの行動データを分析し、離脱ポイントを特定して継続的に改善を行いましょう。

CVを正しく測るには?おすすめのツールと設定のポイント

CVを正しく測るには?おすすめのツールと設定のポイント

「CVを増やしたい」と思っても、まずやるべきは「正しく測ること」です。どんなに優れた施策も、CVが正確に測れていなければ、効果を評価できません。

ここでは、CVを正しく計測するためのツールや設定のポイントをご紹介します。

おすすめのCV測定ツール

  • Googleアナリティクス(GA4)

無料で使える高機能なアクセス解析ツールです。
コンバージョン(CV)を「イベント」として設定でき、ページの閲覧だけでなくフォーム送信・ボタン押下・スクロール量など、さまざまなユーザー行動をCVとして計測可能です。

  • Googleタグマネージャー(GTM)

Webサイトに複数の計測タグ(GA4や広告タグなど)をノーコードで管理・設置できる便利なツールです。GA4と組み合わせて使うのが一般的です。

  • 各種広告媒体のコンバージョンタグ

Google広告やMeta広告(Instagram/ Facebook)などの媒体では、それぞれのCVタグ(コンバージョントラッキング)を設置することで、広告経由の成果を正確に測定できます。

CV測定設定のポイント

  • 明確な「CV地点」を決める

たとえば「予約完了ページに到達したらCV」といった具合に、具体的なページURLやイベントアクションをCVとして定義することが重要です。

  • ページ遷移がない場合は「イベント」ベースで設定

サンクスページ(完了ページ)が存在しない場合は、「送信ボタンのクリック」や「ポップアップ表示」などをイベントとしてCVに設定します。

  • 中間CV(マイクロCV)も測ると改善に役立つ

いきなり最終成果(例:購入)だけをCVにするのではなく、「資料請求」「フォーム入力開始」など、途中段階のCVも設定しておくと、離脱ポイントの把握や改善施策につながります。

まとめ|CVを正しく理解し、売上アップのヒントを掴もう

CVは「成果」の入り口です。マーケティング施策はすべてCVを上げるためにあります。
まずはCVの可視化からスタートしましょう。

株式会社ジーニーでは、コンバージョン率向上・お問い合わせ対応など、幅広い用途に対応したチャットEFOツール「GENIEE CHAT」・リマインドツール「GENIEE ENGAGE」を提供しています。
D2Cや美容クリニック、人材、不動産など幅広い業界での導入実績があり、ABテスト機能をはじめとする、多彩な機能と専属のカスタマーサクセスチームによるサポートでコンバージョン率の向上を実現します。

特に「GENIEE ENGAGE」では、初期費用0円・完全成果報酬でCVを追加で獲得できる施策となっております。
少しでもマーケティングの効果を上げたいと感じていれば、是非一度資料をご覧ください。

GENIEE CX NAV1 編集部

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