ECサイトの売上アップに欠かせない指標が「CVR(コンバージョン率)」です。でも、そもそもCVRって何?どう計算するの?自社のCVRは良いの?そんな疑問を持つEC担当者も多いと思います。
そこで本記事では、CVRの基本から計算方法、業界の目安、そして具体的な改善施策までをわかりやすく解説します。

目次
ECサイトのCVRとは?

CVR(Conversion Rate)は、日本語で「コンバージョン率」と言い、サイトを訪れたユーザーのうち、購入や会員登録などの成果につながった割合を示す指標です。
一般的にECサイトにおける「コンバージョン」とは、商品の購入になります。しかし、サイトの目的によっては会員登録や資料請求などもコンバージョンに該当します。
ECサイトのCVRの計算方法と目安

CVRの計算方法を理解していないと、施策の効果検証ができず、改善すべきポイントも見えにくくなります。
ここでは、ECサイトにおけるCVRの基本的な計算式と、参考になる業界の目安を見ていきましょう。
CVRの計算方法
ECサイトにおけるCVRの計算方法は以下の通りです。
CVR(%) = コンバージョン数 ÷ セッション数(訪問数)× 100(%)
- コンバージョン数:商品購入や会員登録など、ECサイトで設定した成果の件数
- サイト訪問者数:一定期間にサイトを訪れたユニークユーザー数(UU)またはセッション数
計算例
1か月間で5,000人がサイトを訪問し、そのうち150人が商品を購入した場合のCVRは3%
150 ÷ 5,000 × 100 = 3(%)
CVRの目安
Marketing Sherpa社の調査によると、業種別のコンバージョン率の平均は以下の通りです。
コンサルティング・ファイナンス | 10% |
メディア・出版 | 10% |
教育・医療 | 8% |
その他 | 8% |
ソフトウエア・クラウド | 7% |
技術機器・ハードウエア | 5% |
製造業・生産財 | 4% |
旅行・サービス業 | 4% |
小売り・EC | 3% |
非営利団体 | 2% |
[出典:https://www.marketingsherpa.com/article/chart/average-website-conversion-rates-by]
CVRの目安は商材や業界によって大きく変動しますが、一般的なECサイトの平均は1〜3%程度といわれています。
ただし、以下の要因で平均値は大きく変わります。
- 高単価商品の場合:購入までの検討期間が長く、CVRは低め(1%前後)
- リピート購入型(食品・日用品など):CVRは高め(3〜5%以上)
- セールやキャンペーン期間:一時的にCVRが急上昇することもある
重要なのは「業界平均との比較」ではなく、自社の現状と過去データの推移を見て改善することです。
ECサイトのCVRが低い原因とよくある課題

ECサイトのCVRが思うように上がらない原因はさまざまです。
ここでは、ECサイトのCVRが低くなる代表的な原因と、その背景にあるよくある課題を解説します。
ユーザー体験(UX)の問題
サイトの操作がわかりにくい、ページの読み込みが遅いなど、ユーザーがストレスを感じる要素は離脱を促します。
特にスマホからのアクセスが多いECでは、モバイル最適化が不十分だとCVRに悪影響が出やすいです。
購入プロセスの複雑さ
購入までのフォームが長すぎる、入力項目が多い、途中で予期せぬエラーが出るなど、手続きのハードルが高いと途中離脱が増えます。
スムーズな購入体験を設計することが重要です。
商品やサービスの魅力不足
商品説明や画像、価格設定がユーザーの期待に届いていない場合もCVRは伸びません。
信頼感を高めるためのレビューや保証、キャンペーンの有無もポイントです。
適切なターゲティング・集客の不足
集客数が多くても、購入意欲の低いユーザーが多ければCVRは下がります。
ターゲットに合った広告やコンテンツで質の高いトラフィックを集める必要があります。
CVRを改善する具体的な施策

ECサイトのCVRを上げるためには、原因を把握した上で具体的な対策を取ることが欠かせません。
ここでは、実際に効果が期待できる代表的な施策を分かりやすく紹介し、成功事例も交えて解説します。
ユーザー体験(UX)の改善
- ページ表示速度の向上
ページの読み込みが遅いと離脱率が上がります。画像の最適化やキャッシュ利用で高速化を図りましょう。
- モバイル最適化
スマホユーザーの増加に対応し、操作しやすいデザインやボタン配置を見直しましょう。
- ナビゲーションの見直し
目的の商品にたどり着きやすい導線設計を行い、迷わせないサイト構造にします。
購入プロセスの簡略化
- フォーム入力項目の削減
不要な入力項目を減らし、購入手続きをスムーズに。
- エラーメッセージのわかりやすさ向上
入力ミス時の案内を親切にし、離脱防止につなげます。
- ゲスト購入の導入
会員登録なしで購入できる仕組みを用意し、ハードルを下げましょう。
商品ページの充実
- 高品質な画像と動画の掲載
商品の魅力を視覚的に伝え、購買意欲を高めます。
- 詳しい商品説明
スペックや使い方、FAQなどユーザーの疑問を解消できる情報を充実させましょう。
- レビューや評価の活用
他の購入者の声を掲載し、信頼感を高めます。
マーケティング施策の最適化
- ターゲティング広告の活用
興味・関心にマッチしたユーザーに絞って集客し、質の高いトラフィックを増やします。
- リターゲティング広告
一度サイトを訪れたユーザーに再度アプローチし、購入を促進します。
- キャンペーン・クーポンの実施
期間限定セールや割引クーポンで購買意欲を刺激しましょう。
ECサイトCVR向上の成功事例

ECサイトのCVR改善には、実際の成功事例を参考にすることが効果的です。
ここでは、さくらフォレスト様がどのような施策を実施し、CVRを向上させたのかを詳しく見ていきます。
短期間で成果を創出|株式会社さくらフォレスト
株式会社さくらフォレスト様は、自然派化粧品を中心に販売するECサイト「さくらフォレスト」を運営しています。
同社は、訪問者の購入率(CVR)が伸び悩み、売上拡大に課題を抱えていました。
そこで、UXを意識し、名前のひらがな変換や住所入力の自動補完など、ユーザーの入力負担を軽減する、EFOを中心に改善に取り組むため、GENIEE CHATを導入。
その結果、導入前より動作がスムーズになり、入力フォーム全体の速度感が大きく改善。ユーザーの離脱防止につながりました。
これにより、CVRの向上を実現し、売上増加に貢献することができました。

ECサイトのCVR改善に役立つ分析ツールとKPI設定のポイント

CVRを継続的に改善していくには、正確なデータ分析と適切なKPI設定が不可欠です。
ここでは、ECサイトのCVR分析や改善に役立つ主要なツールを紹介し、効果的なKPI設定のポイントについて解説します。
CVR改善に役立つ主要ツール
- Google Analytics(GA4)
ユーザーの行動分析や流入経路の把握に必須。CVRのボトルネック特定に役立ちます。
- ヒートマップツール
ユーザーのクリックやスクロールの動きを可視化し、UX改善に活用します。
- EFOツール
フォーム入力の離脱防止やユーザビリティ向上に特化したツール。
- ABテストツール
複数のページや要素を比較し、最適な改善策を科学的に検証可能。
KPI設定のポイント
- CVRだけでなく「離脱率」「平均購入単価」も合わせて見る
複合的な指標で全体最適化を図ることが重要。
- 短期間で細かく計測し、改善サイクルを早める
小さな仮説検証を繰り返すことで効率的な改善が可能。
- チーム全体でKPIを共有し、目標に対する意識を統一
施策の効果を最大化するために連携が不可欠。
まとめ
ECサイトのCVRは、売上アップの重要なカギを握る指標です。
しかし、CVR改善は一朝一夕でできるものではなく、継続的なデータ分析と施策のブラッシュアップが不可欠です。
そのため、まずは自社の現状を正しく把握し、ユーザー視点で使いやすいECサイト作りを目指すことが重要であると言えるでしょう。
株式会社ジーニーが提供するチャット型のEFOツール「GENIEE CHAT」は、WEBサイト上の申込フォームをチャット型に置き換えることで、ユーザー体験を向上させます。
フォーム離脱率を低減し、入力完了率を改善することで、CVR・LTVの最大化を同時に実現する効果的なツールです。
詳しい資料はこちら