Webマーケティングにおいて、コンバージョン率(CVR)を高めることは重要な課題です。
特に、ユーザーが入力フォームで離脱するといった問題は多くの企業が直面しています。
その際、効果的なのが「EFO対策(Entry Form Optimization)」です。

EFO対策とは、フォームの使いやすさや入力のしやすさを改善し、ユーザーの離脱を防ぎます。
本記事では、EFO対策の基本から具体的な改善方法、成功事例、ツール選びのポイントまでを解説します。

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EFO対策の基本と重要性

EFO対策の基本と重要性

EFO対策は、フォームの離脱率を下げ、CVRを向上させるための施策です。
フォームはユーザーが商品購入や資料請求、会員登録などのアクションを起こす最後のステップです。
ここでのユーザー体験が良くないと、興味を持っても途中で離脱する可能性が高まります。

なぜEFO対策が重要なのか?

CV地点に最も近いのが、フォーム入力になります。ここでのユーザーの離脱は大きな機会損失や売上損失につながります。
そのため、入力のストレスを減らし、スムーズに完了できる環境を整えることが重要です。

EFO対策を行うことで、以下のようなメリットが得られます。

  • 離脱率の低減
    入力項目の削減や入力補助機能の導入で手間を減らすことで、ユーザーが最後まで入力を続けやすくなります。
  • CVRの向上
    フォームの使いやすさを改善することで、ユーザーのストレスを軽減し、入力完了を促進します。
  • 顧客満足度の向上
    ユーザーが快適に操作できることでブランドへの信頼感が増し、リピーターや口コミの増加にもつながります。
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EFO対策によるメリット

最大のメリットは、フォームからの 離脱率を低減し、スムーズに入力完了まで導ける点にあります。
ユーザーが迷う項目やエラー原因を取り除くことで途中離脱が減り、結果として CVRが向上 しやすくなります。

また、入力のしやすさはユーザー体験に直結するため、ストレスのないスムーズなフォームは 顧客満足度の向上 にも貢献します。
広告やSEOでどれだけ流入を増やしても、フォームでつまずけば成果は最大化できません。流入施策の効果を無駄にせず、確実に成果につなげるための「最も費用対効果の高い改善プロセス」と言えます。

EFO対策を行う前に確認すべきチェックポイント

EFO対策を行う前に確認すべきチェックポイント

EFO対策を効果的に進めるには、事前に現状の課題を正確に把握することが重要です。フォーム改善の前にチェックすべきポイントを押さえることで、どこに手を入れるべきか優先順位を決めやすくなります。
ここでは、特に重要な4つの確認ポイントを解説します。

現状フォームの離脱率を確認する

まずは、現在のフォームがどの程度完了されているか、離脱率の測定が必須です。
離脱率は、フォーム改善の成果を評価する基準となるため、EFO対策を行う前に必ず把握しておきましょう。

  • どのステップでユーザーが離脱しているか
  • 入力途中での離脱が多い項目はどれか

これらを解析することで、優先的に改善すべき箇所を特定できます。Google Analyticsやヒートマップツールを活用すると、ユーザー行動を定量的に把握でき、CVR向上につながる改善策を立てやすくなります。

入力完了までの平均時間を測定する

フォーム入力にかかる時間を測定することも重要です。入力完了までの時間が長いと、ユーザーのストレスが増え、離脱率の上昇につながります。

  • 平均入力時間が長い項目は、入力補助や説明文を追加する
  • 長時間かかるステップは、ステップ分けや進捗表示で負担を軽減する

こうした対策により、フォーム改善によるCVR向上が期待できます。

ユーザーが迷いやすい項目を特定する

ユーザーがどの項目で迷いやすいかを把握することも、EFO対策の出発点です。

  • 入力例がない、または説明が不十分な項目
  • 選択肢が多すぎて迷う項目
  • 曖昧な必須・任意表記

迷いやすい項目は離脱の原因になりやすいため、具体例やヒントの追加、選択肢の整理などで改善します。
これにより、フォーム完了率が向上し、CVR改善にも直結します。

スマホ・PCそれぞれのUX課題を整理する

ユーザーがどの端末でフォームを利用するかによって、UXの課題は変わります。特にスマホは画面サイズや入力操作の違いから離脱が増えやすいため、端末ごとの改善が必要です。

  • スマホ:縦長フォーム、タップしにくいボタン、スクロールが多すぎる
  • PC:入力欄の視認性、エラー表示のわかりやすさ

スマホ・PC双方のUX課題を整理し、入力しやすいフォーム設計を行うことで、離脱率を低減し、EFO対策の効果を最大化できます。

フォーム離脱を防ぐ、具体的な改善施策

フォーム離脱を防ぐ、具体的な改善施策

ここでは、EFO対策の具体的なポイントを5つ紹介します。

1.入力項目の最適化

必要項目を絞り込み、不要な項目は削減しましょう。
入力項目が多いとユーザーの負担が増え、途中で離脱しやすくなります。そのため、必要最低限に絞ることで完了率を上げることができます。

また、入力欄に具体的な説明や入力例を付けて、ユーザーが迷わず入力できるようにしましょう。
不明点があると入力を躊躇い、フォーム離脱に繋がります。分かりやすい説明を記載し、スムーズな入力を促すことが大切です。

入力項目の最適化
プレイスホルダーに入力例を記載

2.入力補助機能の導入

自動入力や候補表示で入力の手間を減らしましょう。
手間が減ることでユーザーのストレスが軽減し、入力完了までのハードルが下がります。

入力補助機能の導入
@以降の入力候補を表示

また、入力ミスをリアルタイムで表示し、修正を促しましょう。
ミスに気づかず入力を進むと後でエラーになるため、即時修正できることで離脱防止につながります。

電話番号の入力ミスのエラーを表示
入力ミスがある際には、エラーを表示

3.デザインとレイアウトの工夫

スマホ対応のレスポンシブデザインを心がけましょう。
多くのユーザーがスマホを利用しているため、操作しやすいデザインは離脱率低減に直結します。

また、視線の流れを考えた見やすい配置にしましょう。
見やすく整理されたフォームは、ユーザーの入力の迷いを減らし、スムーズな操作を促します。

加えて、ボタンは押しやすい大きさと色で目立たせましょう。
送信ボタンが押しやすいと、最後のアクションを躊躇わずに行えます。

4.進捗表示やステップ分け

長いフォームは、複数ステップに分けて、現在の進捗を表示しましょう。
全体の長さが見えることで、ユーザーがどこまで入力したかが分かるため、入力のハードルが下がります。

進捗表示やステップ分け
入力画面上部に現在の入力状況を記載

5.他ページへの遷移先を設定しない

フォーム入力中に他のページへ遷移できるリンクやボタンは設置しないようにしましょう。
ユーザーが誤って他ページに移動してしまうと、入力途中で離脱する可能性が高まります。そのため、遷移先は削除し、入力に集中できるようにしましょう。

EFO施策で活用できる心理的工夫

EFO施策で活用できる心理的工夫

EFO施策を成功させるためには、UI改善だけでなく、ユーザー心理に基づいたアプローチも欠かせません。フォームはユーザーが「入力する理由」と「不安」を天秤にかける場でもあるため、心理的なハードルを下げることで離脱率を大幅に減らし、CVR向上に直結させられます。
ここでは、特に効果が高い心理的工夫を紹介します。

入力メリットの明示

ユーザーは「なぜこのフォームを入力するのか?」という理由が明確でないと、途中で離脱しやすくなります。そこで効果的なのが、入力メリットを事前に明示することです。

フォーム入力後に得られる特典

  1. 無料で受けられるサービス内容
  2. 入力所要時間の目安

これらをフォーム冒頭やCTA付近に表示することで、ユーザーは「入力する価値がある」と感じ、入力完了まで進みやすくなります。特に資料請求や問い合わせフォームでは、EFO施策として非常に高い効果を発揮します。

離脱防止のリマインダー

入力途中でページを閉じたり戻ったりしようとした際に、離脱防止のリマインダー(エグジットポップアップ)を出すのも有効なEFO施策です。

メッセージを表示する

  1. 「入力はあと少しで完了します」
  2. 「特典を受け取るためには送信が必要です」

このような心理的工夫は、特にフォームの長さがある場合や、入力に時間がかかるサービス資料の請求などで高い効果を発揮します。適切に活用することで、離脱率の低減とフォーム完了率の向上につながります。

EFOツール選びのポイント

EFOツール選びのポイント

EFO対策を効率的に進めるためには、専用のEFOツールを導入することが効果的です。
ここでは、ツール選びの際のポイントを4つ紹介します。

操作の簡単さ

マーケティング担当者や現場のスタッフが直感的に使える操作画面であることが重要です。
複雑すぎるツールは、導入後の運用が滞りやすいです。専門知識がなくても設定や改善施策の実施ができるかを事前に確認しましょう。

機能の充実度

以下の機能が充実しているほど、より効果的なEFO対策が可能になります。

  • 入力補助機能(自動入力や候補表示)
  • リアルタイムエラーチェック
  • ABテスト機能
  • 進捗表示  など

導入コスト

ツールの価格は機能やサポートの内容によって大きく異なります。自社の予算に合った価格帯で、費用対効果が見込めるかを検討しましょう。
たとえば、無料トライアルやデモを活用して、実際の使い勝手や効果を確認することもおすすめです。

サポート体制

導入後のサポートが充実しているかも、重要なポイントです。
設定や改善の相談、トラブル対応が迅速に行われるか、また定期的な改善提案やアップデートがあるかを確認しましょう。
このように、安心して長期的に使えるパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。

これらのポイントを踏まえて、ツールを選ぶことで、EFO対策の効果を最大化し、フォームの離脱率低減やCVR向上につなげることができます。

成功事例から学ぶEFO対策

成功事例から学ぶEFO対策

実際にEFO対策を行い、成果を上げた企業の事例を紹介します。

事例1:チャットボット導入でCVR7%改善を実現


さくらフォレスト株式会社様は、自社ブランド「さくらの森」にて健康食品や美容品など約70種類の商品を展開しています。
新規顧客獲得最大化のために、「GENIEE CHAT」を導入し、EFO対策を強化しました。

結果として、チャットボットの入力変換の速さや起動スピードが向上しました。これにより、多くのユーザーが途中離脱せず購入まで進み、CVRが約7%改善。売上増加につながりました。

さらに、CPAの削減や定期購入への引き上げ率の改善にも成功。マーケティング施策全体の効率化に繋がっています。

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事例2:PDCAを回しながらチャットボットでCVR約1.5倍向上を実現

メンズスキンケアブランドを展開する株式会社バルクオム様は、購入導線のUX改善と改修スピードの改善を目的に「GENIEE CHAT」を導入しました。

導入後は、入力項目の整理やCTAボタンのデザイン改善などを実施しました。これにより、ユーザーの入力負担を軽減し、購入しやすい導線を設計しました。結果として、テストを繰り返す中でCVRが約1.5倍に向上しました。

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EFO改善の効果を数値で確認する方法

EFO改善の効果を数値で確認する方法

EFO改善は「やって終わり」ではなく、施策の効果を数値で検証し続けることが重要です。フォーム改善の成果を正しく把握することで、次に取り組むべき課題が明確になり、CVR向上をさらに加速できます。
ここでは、EFO施策の成果を測定するために欠かせない3つの指標と確認方法を解説します。

CVRの改善率の測定方法

EFO改善の効果を最も分かりやすく示す指標が CVR(コンバージョン率) です。
測定の際は、施策前後で数値を比較し、改善率を算出します。

▼計算式
CVR = 入力完了数 ÷ フォーム訪問数

▼改善率の算出
CVR改善率(%)=(施策後CVR − 施策前CVR)÷ 施策前CVR × 100

(例)
施策前 2.0% → 施策後 3.0% の場合
改善率 = 50% 向上

ABテストツールやEFOツールを併用することで、フォームデザイン変更や入力項目削減の効果をより正確に測定できます。
EFO施策の優先順位を決めるうえでも、CVR確認は必須です。

離脱率のモニタリング方法

離脱率は、EFO対策の成否を判断する重要指標のひとつです。
GoogleアナリティクスやEFOツールを使い、各項目ごとの離脱率を把握することで、改善すべきポイントが明確になります。

・離脱率の計算式

 その項目で離脱したユーザー数 ÷ その項目に到達したユーザー数

・離脱率の高い項目の例

 住所入力など文字量が多い項目
 個人情報に関わる電話番号・生年月日

 エラーが出やすい郵便番号やメールアドレス

離脱率をモニタリングすることで、改善すべき詰まりポイントを見逃さず、EFO改善の効果を最大化できます。
継続的にチェックすることで、フォームの最適化が安定して進み、結果として離脱率低減にもつながります。

施策ごとのROIの算出方法

EFO施策は費用対効果が高いと言われますが、実際にどの施策が最も成果を出しているかを判断するには ROI(投資対効果) の算出が必要です。

roi

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EFO改善を効率化するためには、単にCVRを見るだけでなく、ROIを計測して施策の優先順位を最適化すること が重要です。

よくある疑問(FAQ)

よくある疑問(FAQ)

EFO対策(入力フォーム最適化)は多くの企業が導入し始めていますが、「自社でも効果が出るのか?」「LPOとの違いは?」などの疑問を持つ方も少なくありません。ここでは、EFO施策を検討する際によく寄せられる質問にわかりやすく回答します。

小規模サイトでもEFOは効果ある?

小規模サイトでもEFOは十分に効果があります。
むしろ、月間の流入数が限られているサイトほど、1件のCV(資料請求・問い合わせ・購入)の価値が高いため、フォーム改善は費用対効果が大きくなります。

  • フォーム離脱率を数%改善するだけで成約数が倍増
  • 無駄な広告費をかけずにCVR向上が可能
  • 制作リソースが限られていても対策しやすい

EFOは「最も低コストでCVRを改善できる施策」のひとつなので、小規模サイトこそ優先的に取り組むべき領域です。

LPOとEFOはどちらを優先すべき?

優先すべきはEFOです。
理由は、フォームはCV地点にもっとも近いため、改善のインパクトが大きいからです。

  • LPO(ランディングページ最適化)は興味を高める工程
  • EFO(フォーム最適化)は「買う/問い合わせる」という最終工程

たとえば、LPで興味が高まっても、フォームが使いづらければ離脱してしまい成果にはつながりません。
そのため 「まずEFO → 次にLPO」 の順番で改善するほうが、成果を最短で最大化できます。

EFO施策の効果を短期間で確認できる?

短期間で効果を確認できます。
一部の企業では、EFO改善直後にCVR向上が見え始めることもあります。

無料ツールでも改善は可能か?

無料ツールでも一定の改善は可能です。
Googleアナリティクスや無料のヒートマップを活用すれば、離脱ポイントを特定することはできます。
ただし、次のような高度なEFO施策は有料ツールでないと難しい場合があります。

  • リアルタイムのエラーチェック
  • 自動入力・候補補完
  • スマホ最適化テンプレート
  • ABテスト
  • 離脱防止のポップアップ
  • ステップフォーム化

無料ツールは「原因分析」まではできても、改善施策そのものを実装するには限界がある のが実情です。
本格的にCVRを改善したい場合や、短期間で成果を出したい場合は、有料のEFOツール導入を検討することをおすすめします。

まとめ

EFO対策は、CVR改善に直結する重要な施策です。フォームの入力項目の最適化や入力補助機能の導入、スマホ対応など具体的な改善を行うことで、ユーザーの離脱を防ぎ、成果を上げることができます。
さらに、成功事例から学びつつ、専用ツールを活用して効率的に改善を進めることがポイントです。

この記事を参考に、ぜひ自社のマーケティング施策の一環としてEFO対策を検討し、チーム内で具体的な改善につなげてください。

EFO対策なら「GENIEE CHAT」

株式会社ジーニーでは、入力フォームを改善し、コンバージョン率を向上させるための「GENIEE CHAT」を提供しています。
Webサイト上に設置している入力フォームをチャット型に置き換えることで、スムーズなフォーム入力が可能になり、その結果、フォーム離脱率を低減し、入力完了率の向上が期待できます。

GENIEE CX NAV1 編集部

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