「あの資料、どこに保存したっけ?」「この業務の進め方、誰に聞けばいいの?」
日々の業務の中で、このような「情報の捜索」や「同じ質問への回答」に多くの時間を奪われてはいませんか。
社内の情報は整理されていないと、社員の時間を浪費するだけでなく、特定の担当者に依存する「属人化」の原因にもなります。
この記事では、こうした課題を解決するための強力なツールである「社内wiki」について解説します。
社内wikiを適切に導入・運用することで、組織全体の生産性は飛躍的に向上します。社内wikiの基礎知識から、失敗しない選び方、そしておすすめのツールまで、実務での経験を踏まえてわかりやすくお伝えします。読み終える頃には、自社に最適なツールの選定と、明日からの導入ステップが明確になっているはずです。
目次
社内wikiとは?
「社内wiki」とは、その名の通りインターネット百科事典「ウィキペディア」の仕組みをビジネスに応用した情報共有ツールです。
しかし、具体的にチャットやファイルサーバーとどう使い分ければ良いのか、迷われる方も多いのではないでしょうか。
本章では、社内wikiの基本的な定義と、他のツールとの決定的な役割の違いについて解説します。
なぜチャットやファイルサーバーだけでは情報共有が不十分なのか、その理由を構造的に理解することで、社内wikiを導入すべき真のメリットが見えてくるはずです。
まずは、ツールの本質的な役割から見ていきましょう。
社内の情報やノウハウを一箇所に集約するWeb上の場所である
具体的には、社員が誰でも簡単にページの作成や編集ができ、業務マニュアル、議事録、日報、プロジェクトの仕様書などの情報を一箇所に蓄積していくWeb上のスペースを指します。
従来のファイルサーバー管理では、フォルダの階層が深すぎてファイルが見つからなかったり、最新版がどれか分からなくなったりしがちです。
しかし社内wikiであれば、ブラウザ上でキーワード検索をするだけで、必要な情報に瞬時にアクセスできます。つまり、社内wikiは「会社の脳みそ」をデジタル上に構築し、全員で共有・活用するためのプラットフォームなのです。
チャットやファイルサーバーとは「情報の蓄積」の面で役割が異なる
社内には既にチャットツールやファイルサーバーがあるため、新しいツールの必要性に疑問を持つ方もいるでしょう。しかし、これらのツールは得意とする役割が明確に異なります。以下の表でそれぞれの違いを整理しました。
| ツール | 得意なこと(情報の性質) | 苦手なこと |
| 社内wiki | ストック情報(マニュアル、規定、技術仕様など、後から何度も参照する情報の蓄積) | リアルタイムな会話、緊急の連絡 |
| チャットツール | フロー情報(日常会話、速報、議論など、流れて消えても良い情報のやり取り) | 過去の決定事項の検索、体系的な情報の整理 |
| ファイルサーバー | 完成データの保管(契約書、提出用資料など、編集が終わったファイルの保管) | 内容の全文検索、共同編集、経緯の把握 |
このように、チャットは「流れる情報」に強く、社内wikiは「蓄積する情報」に強いという特性があります。
チャットで重要な決定事項が流れてしまい困っている場合は、その決定事項を社内wikiに転記してストックするという使い分けが最適です。
役割分担を明確にすることで、ツール同士が喧嘩することなく共存できます。
社内wikiを導入するメリット
社内wikiを導入することで、具体的にどのような変化が組織に訪れるのでしょうか。
単に「情報がまとまる」だけではなく、そこには経営課題に直結する大きなメリットが存在します。
本章では、日々の「情報の検索」にかかる時間の削減効果、組織のリスクとなる「属人化」の解消、そして人材育成の効率化という3つの視点から解説します。
情報を探す時間と問い合わせ対応の工数が劇的に削減される
最大のメリットは、情報の検索性が高まることによる時短効果です。
ビジネスパーソンは、勤務時間の約20%を「情報の検索」に費やしていると言われています。社内wikiがあれば、「分からないことがあれば、まずWikiで検索する」という文化を作ることができます。
検索して答えが見つかれば、情報を探していた人はすぐに業務に戻れますし、本来質問されるはずだった詳しい担当者の時間も奪われません。
たとえば「経費精算の手順」や「VPNの接続方法」といった定型的な質問がwikiにまとまっていれば、総務や情シスの担当者は本来のコア業務に集中できるようになります。
組織全体で見ると、この小さな時間の積み重ねが大きなコスト削減につながります。
業務の属人化を防ぎ担当者が不在でも仕事が回るようになる
特定の社員しか知らない情報が多い状態、いわゆる「属人化」は組織にとって大きなリスクです。その担当者が休んだり退職したりした瞬間に、業務が停止してしまうからです。
日頃から業務の進め方やトラブルシューティングを社内wikiに残す習慣をつけておけば、誰でもその情報を見て業務を代行できるようになります。「私の頭の中にしかありません」という状態をなくし、組織としてナレッジを資産化できるのが社内wikiの強みです。
これは事業継続性(BCP)の観点からも非常に重要です。
新入社員の教育コストを下げて早期の即戦力化を実現する
新入社員や中途入社のメンバーが入ってきた際、オンボーディング(受け入れ教育)には多大な労力がかかります。
毎回同じ説明を口頭で行うのは、教える側にとっても教わる側にとっても負担です。
社内wikiに「入社したら最初にやることリスト」や「ツールのセットアップ手順」、「業界用語集」などをまとめておけば、新人は自ら学習を進めることができます。
メンターは基本的な説明をWikiに任せ、より実践的なアドバイスやフォローに時間を割くことが可能です。
結果として、新人が戦力になるまでの期間を大幅に短縮できます。
社内wiki導入によるデメリットや注意点
多くのメリットがある一方で、社内wikiは「導入すれば自動的にうまくいく」という魔法の杖ではありません。
運用方法を誤ると、誰も見ない廃墟のようなサイトになってしまうリスクも潜んでいます。
ここでは、導入前に必ず知っておくべきデメリットや注意点について解説します。
情報の更新が滞ると信頼を失い誰も見なくなるリスクがある
社内wikiの最大の敵は「情報の陳腐化」です。
せっかく記事があっても、内容が古かったり間違っていたりすると、利用者は「どうせWikiを見ても役に立たない」と判断し、二度と使ってくれなくなります。
これを防ぐためには、記事に「最終更新日」や「責任者」を明記し、定期的に見直す運用が必要です。
ツールへの書き込みに対する心理的ハードルが高い場合がある
多くの社員にとって、全社員が見る場所に文章を書くことは緊張を伴います。
「間違ったことを書いたらどうしよう」「綺麗に書かないといけない」という心理的ハードルが、情報の投稿を妨げることがあります。
この壁を壊すためには、「メモ書きでOK」「間違っていたら誰かが直せばいい」という、心理的安全性の高い空気作りが欠かせません。
自社に合うツールの選び方

社内wikiの導入を検討し始めたとき、多くの担当者が直面するのが「ツール選び」の悩みです。
多機能なものからシンプルなものまで数多くのサービスが存在するため、自社に最適な一つを見極めるのは容易ではありません。
ここでは、失敗しないツール選定のために重視すべき3つのポイントを紹介します。
IT知識がない社員でも直感的に書ける操作性を最優先にする
ツール選定で最も重要なのは「誰でも簡単に書けるか」という点です。
一部のエンジニアだけが使える高機能なツールを選んでしまうと、その他の部署の社員がついてこられず、結果として全社のナレッジが集まりません。
ブログやWordを書くような感覚で、直感的に文字入力や画像貼り付けができるツールを選びましょう。
トライアル期間を利用して、ITに詳しくない社員に実際に触ってもらい感想を聞くのが確実です。
欲しい情報がすぐに見つかる強力な検索機能を重視する
情報が蓄積されても、見つからなければ意味がありません。
検索機能の精度は非常に重要です。単にタイトルだけでなく、本文の中身や、添付したPDF・Wordファイルの中身まで全文検索できる機能があるかを確認してください。
また、フォルダ分けだけでなく「タグ付け」機能があると、部署をまたぐプロジェクト情報の整理がしやすくなります。
既存のチャットツール等と連携し通知が届くかを確認する
社内wikiは、見に行かなければ気づかない「プル型」のツールです。
更新されたことに気づいてもらうためには、普段使っているチャットツール(Slack、Teams、Chatworkなど)への通知連携が必須です。
「Wikiに記事を書きました」と自動でチャットに通知が飛ぶように設定できれば、情報の周知がスムーズになり、読まれる頻度も上がります。
おすすめの社内wikiツール
選定の基準が見えてきたところで、実際に多くの企業で導入されている代表的な社内wikiツールを見ていきましょう。
それぞれのツールには明確な強みやターゲットとなる組織規模があり、自社の文化に合ったものを選ぶことが大切です。
市場には多くのツールが存在しますが、それぞれ強みが異なります。
代表的な4つのツールについて、それぞれの特徴を比較表と解説で紹介します。
| ツール名 | 特徴・強み | 向いている組織 | 価格帯の目安 |
| Notion | ドキュメントだけでなくタスクやDBも管理可能 | 自由度を求めるベンチャー、全社導入 | 無料プランあり/月額$10〜 |
| Confluence | Jiraなど開発ツールとの連携が強力 | エンジニアが多い開発組織、中〜大企業 | 無料プランあり/月額$5.16〜 |
| NotePM | 日本語検索に強く、フォルダ階層が分かりやすい | 非IT企業含む全業種、マニュアル重視 | 月額4,800円〜(ユーザー数による) |
| Crowi/GROWI | オープンソースで自社サーバーに構築可能 | コストを抑えたい技術力の高いチーム | 無料(サーバー代は別途) |
Notionはドキュメント管理だけでなくタスク管理も可能な万能型である
Notion(ノーション)は、単なるWikiの枠を超えた「オールインワンワークスペース」です。
ドキュメント作成機能に加え、カンバンボードによるタスク管理、カレンダー、データベース機能などが統合されています。
デザインがシンプルで美しく、直感的に操作できるため、近年急速にシェアを伸ばしています。
社内ポータルから個人のメモまで幅広く活用したい企業に最適です。
Confluenceはエンジニア向けの機能が豊富で開発組織に適している
Confluence(コンフルエンス)は、Atlassian社が提供する老舗のWikiツールです。
同社のタスク管理ツール「Jira」との連携が非常にスムーズで、開発の進捗と仕様書を紐付けて管理するのに適しています。
権限管理も細かく設定できるため、セキュリティ基準の厳しい大企業や、エンジニア主体の組織で重宝されます。
NotePMは検索機能に優れマニュアル作成や画像保存に強い
NotePM(ノートピーエム)は、日本企業が開発したツールで、日本の商習慣に合った使いやすさが特徴です。
フォルダ階層構造がWindowsのエクスプローラーのように分かりやすく、ITツールに不慣れな社員でも迷わず使えます。
また、検索機能が強力で、Word・Excel・PDFの中身まで検索対象になります。
動画の埋め込みも簡単なため、動画マニュアルの運用にも適しています。
Crowiはオープンソースであり自社サーバーでの運用が可能である
Crowi(クローウィ)やその派生版であるGROWIは、オープンソースソフトウェア(OSS)として提供されているWikiツールです。
自社のサーバーにインストールして利用するため、ライセンス費用自体は無料です(サーバー維持費や保守工数はかかります)。
クラウドサービスへのデータ保存に制限がある企業や、自社でエンジニアリソースがありカスタマイズしたい場合に選択肢に入ります。
社内wikiツール導入を成功させるための進め方

最適なツールを選定しても、いざ導入する段階でつまずいてしまうケースは少なくありません。
全社一斉に導入して失敗したり、ルールを厳しくしすぎて誰も書かなくなったりするのは典型的な失敗パターンです。
ここでは、社内wikiを組織にスムーズに定着させるための「正しい進め方」を解説します。スモールスタートの重要性や、運用を継続させるための体制づくりなど、明日から実践できる具体的なステップをお伝えします。
最初は特定の部署やプロジェクトに限定して小さく始める
いきなり全社員に「今日からこれを使ってください」と展開するのは失敗の元です。
まずは情報感度の高い特定の部署や、困りごとが明確なプロジェクトチームなど、少人数でスモールスタートを切りましょう。
そこで成功事例(「便利になった!」「検索ですぐ解決した!」という実感)を作り、それを社内に宣伝しながら徐々に利用範囲を広げていくのが定石です。
運用ルールは最低限にし「まずは書くこと」を推奨する
導入初期は、記事の品質よりも「量」を重視してください。
「カテゴリ分けはこうする」「タイトルはこうつける」といった細かいルールを最初からガチガチに決めると、面倒くさくなって誰も書かなくなります。
「まずはメモ書きでもいいから残す」「タグだけつければOK」といった緩やかなルールで運用を開始し、情報が溜まってきてから整理整頓を行うのが賢い進め方です。
推進リーダーを任命し定期的にコンテンツをメンテナンスする
ツールを入れただけで自動的に情報が集まることはありません。
必ず「Wiki推進リーダー」や「編集長」のような役割の人を任命してください。
リーダーは、チャットでいい質問が出たら「今の内容、Wikiに書いておいて」と促したり、古い情報がないか定期的にパトロールしたりします。
このような「庭師」のような存在がいて初めて、社内wikiは手入れされた使いやすい状態を保てます。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 社内wikiは「ストック情報」を蓄積し、検索時間を削減するための必須ツールです。
- ツール選定では「誰でも書ける操作性」と「強力な検索機能」を最優先してください。
- 成功の鍵は、少人数でのスモールスタートと、書き込みのハードルを下げる文化作りにあります。
まずは、現在社内で「よくある質問」がどれくらい飛び交っているかを確認し、それを解消するためのトライアルとして、無料プランのあるツール(NotionやNotePMなど)をチーム単位で試してみることから始めてみましょう。情報の整理は、組織の未来への投資です。
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