BtoC企業にとって、顧客との接点を増やすことは売上向上の鍵となります。そこで注目されているのがLINE APIです。LINE APIを活用すれば、自社サービスとLINEを連携できます。チャットボットによる自動応答や、購買履歴に基づくメッセージ配信も実現可能です。

しかし「LINE APIで何ができるのか分からない」という声も少なくありません。また「導入には専門知識が必要なのでは」と不安を感じる方もいるでしょう。

本記事では、LINE APIの基本から具体的な活用方法まで解説します。BtoC企業のマーケターが押さえるべきポイントを網羅しました。導入手順や料金体系についても詳しく説明していきます。

LINE APIとは

LINE API

ここではAPIの基本的な仕組みとLINEが提供する主要なAPIについて解説します。

APIの基本的な仕組み

APIとは「Application Programming Interface」の略称です。異なるアプリケーション同士をつなぐ仕組みを指します。たとえば、レストランで注文する場面を想像してください。お客様がウェイターに注文を伝え、ウェイターが厨房に伝達します。そして料理が運ばれてくるという流れです。

APIはこのウェイターのような役割を果たします。自社のシステムがLINEに対してリクエストを送信します。LINEはそのリクエストを処理し、結果を返します。この仕組みにより、自社サービスとLINEの機能を連携できるのです。

LINE APIを使えば、LINEのユーザー情報を取得できます。さらに自動でメッセージを送信することも可能になります。BtoC企業にとって、顧客接点を強化する強力なツールといえるでしょう。

LINEが提供する主要なAPI一覧

LINEは複数のAPIを提供しています。それぞれ異なる目的と機能を持っているため、用途に応じて選択が必要です。以下の表で主要なAPIを比較してみましょう。

API名主な機能活用シーン
LINE Messaging APIメッセージの自動送受信、チャットボット構築カスタマーサポート、マーケティング配信
LINEログインLINEアカウントでの認証機能会員登録の簡略化、ID連携
LIFFLINE内で動作するWebアプリアンケート、会員証表示

BtoC企業のマーケティングで最も活用されるのはLINE Messaging APIです。チャットボットの構築やセグメント配信が可能になります。次章では、このMessaging APIの機能を詳しく見ていきましょう。

▼ 関連記事:LINE公式アカウントでできることとは?主な機能と活用方法を解説

LINE Messaging APIでできること

ここでは多様なメッセージタイプ

ここでは多様なメッセージタイプやリッチメニュー、ユーザー情報の活用方法について解説します。

多様なメッセージタイプの送信

LINE Messaging APIでは、テキスト以外にも様々な形式でメッセージを送れます。スタンプや画像、動画、音声ファイルの送信に対応しています。位置情報を共有することで、店舗への案内も簡単に行えるでしょう。

特に注目すべきはFlex Messageという機能です。Webページのようにレイアウトを自由に設計できます。商品画像と価格、購入ボタンを1つのメッセージにまとめられるのです。ECサイトであれば、カート内の商品一覧を視覚的に表示できます。

テンプレートメッセージも便利な機能の一つです。ボタン付きのメッセージやカルーセル形式での表示が可能になります。ユーザーはタップするだけで次のアクションに進めます。入力の手間を省くことで、コンバージョン率の向上が期待できるでしょう。

リッチメニューのカスタマイズ

リッチメニューとは、トーク画面下部に常時表示されるメニューです。標準機能では固定のメニューしか設定できません。しかしMessaging APIを使えば、動的な出し分けが可能になります。

たとえば、会員と非会員でメニューを変えられます。会員にはポイント確認や購入履歴を表示し、非会員には会員登録ボタンを目立たせる設計ができるのです。購買ステージに応じたCTAを設置することで、ユーザー体験が向上します。

時間帯や曜日によるメニュー切り替えも実現できます。ランチタイムにはランチメニュー、ディナータイムにはコース料理を表示するといった運用が可能です。ユーザーのニーズに合わせた情報提供により、エンゲージメントを高められるでしょう。

ユーザー情報の取得と外部連携

Messaging APIを通じて、ユーザーのプロフィール情報を取得できます。表示名やプロフィール画像、言語設定などが含まれます。これらの情報を活用すれば、パーソナライズされたコミュニケーションが実現します。

さらに重要なのがID連携機能です。LINEのユーザーIDと自社の会員IDを紐付けられます。これにより、購買履歴や行動データに基づくメッセージ配信が可能になるのです。CRMやMAツールとの連携で、1to1マーケティングを展開できます。

Webhookという仕組みを使えば、ユーザーの行動をリアルタイムで検知できます。メッセージ受信やフォロー、ブロックなどのイベントを即座に把握できるのです。これらのデータを分析することで、より効果的な施策立案につながるでしょう。

▼ 関連記事:LINEのID連携とは?導入メリットと活用事例を解説

BtoC企業におけるLINE APIの活用シーン

ここではカスタマーサポートの自動化

ここではカスタマーサポートの自動化や1to1マーケティング、予約・注文の自動受付について解説します。

カスタマーサポートの自動化

チャットボットを構築すれば、24時間365日の問い合わせ対応が可能になります。よくある質問への回答を自動化することで、オペレーターの負担を大幅に軽減できます。営業時間外でも顧客の疑問を解消できる点は大きなメリットです。

完全な自動化が難しい場合は、ハイブリッド運用を検討しましょう。簡単な質問はボットが対応し、複雑な内容は有人対応に切り替えます。この仕組みにより、顧客満足度を維持しながら業務効率化を実現できるのです。

AIと連携させることで、より高度な対話も可能になります。自然言語処理を活用すれば、ユーザーの意図を正確に理解できます。定型的な応答だけでなく、文脈に応じた柔軟な対応が実現するでしょう。

▼ 関連記事:AIチャットボットとは?導入メリット・選び方・成功事例を解説

1to1マーケティングの実現

LINE APIとCRMを連携させれば、顧客一人ひとりに最適なメッセージを届けられます。購買履歴に基づくレコメンド配信が典型的な活用例です。過去に購入した商品の関連アイテムを提案することで、クロスセルを促進できます。

カゴ落ちリマインダーも効果的な施策の一つです。ECサイトでカートに商品を入れたまま離脱したユーザーに通知を送ります。購入を後押しするメッセージにより、機会損失を防げるのです。

ステップ配信を活用すれば、顧客育成も自動化できます。初回購入後にお礼メッセージを送り、数日後に使い方のコツを紹介します。その後、関連商品の案内へとつなげていく流れです。このような段階的なアプローチで、LTVの向上が期待できるでしょう。

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予約・注文の自動受付

飲食店や美容室では、LINE上で予約を完結させる仕組みが構築できます。空き状況の確認から予約確定まで、すべてチャット内で行えるのです。電話対応の手間を削減しながら、顧客の利便性も向上します。

外部の予約システムとAPI連携すれば、ダブルブッキングを防止できます。リアルタイムで空き状況を反映し、正確な予約管理が可能になります。予約前日にはリマインダーを自動送信することで、無断キャンセルの抑制にもつながるでしょう。

注文受付においても同様の仕組みが活用できます。テイクアウトやデリバリーの注文をLINEで受け付けられます。Flex Messageでメニューを表示し、タップで注文を完了させる流れです。

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LINE APIの導入手順

LINE公式アカウントの作成

ここではLINE公式アカウントの作成からMessaging APIの有効化と設定について解説します。

LINE公式アカウントの作成

LINE APIを利用するには、まずLINE公式アカウントが必要です。これは、LINE for Businessのサイトから無料で作成できます。メールアドレスとパスワードを設定し、アカウント情報を入力するだけで完了します。

アカウント作成後は、管理画面にログインしましょう。基本情報やプロフィール画像を設定します。業種や利用目的に応じた設定を行うことで、適切な運用が可能になります。

認証済みアカウントを取得すると、検索結果に表示されやすくなります。審査には数日かかりますが、信頼性向上のために申請を検討しましょう。友だち追加を促進する上で、認証バッジは有効な要素となるでしょう。

Messaging APIの有効化と設定

LINE公式アカウントの管理画面から、Messaging APIを有効化します。設定メニューから「Messaging API」を選択し、有効化ボタンをクリックするだけです。この操作により、LINE Developersコンソールにチャネルが自動作成されます。

次にLINE Developersコンソールにアクセスしましょう。チャネルアクセストークンを発行します。このトークンは、APIリクエストの認証に使用する重要な情報です。外部に漏洩しないよう、厳重に管理してください。

Webhook URLの設定も必要になります。ユーザーからのメッセージを受け取るサーバーのURLを指定します。この設定により、リアルタイムでイベントを検知できるようになるのです。開発環境の構築には、エンジニアの協力が必要になるでしょう。

LINE APIの料金体系と注意点

無料枠と課金の仕組み

ここでは無料枠と課金の仕組み、導入時に検討すべきコストについて解説します。

無料枠と課金の仕組み

LINE Messaging API自体の利用は無料です。ただし、メッセージ送信には通数に応じた課金が発生します。LINE公式アカウントの料金プランに基づいて計算されるのです。

以下の表で料金プランを確認しましょう。(※ 価格は2026年01月時点での情報、最新は公式サイトで要確認)

プラン名月額固定費無料メッセージ通数追加メッセージ単価
コミュニケーションプラン0円200通不可
ライトプラン5,000円5,000通不可
スタンダードプラン15,000円30,000通約3円〜

重要なポイントとして、ユーザーからのメッセージに対する応答は通数にカウントされません。つまり、チャットボットでの自動応答は無料で利用できるのです。一方、企業側から能動的に送るプッシュメッセージは課金対象となります。

導入時に検討すべきコスト

API連携には開発コストが発生します。自社でエンジニアを確保する場合、人件費を考慮する必要があります。外注する場合は、開発規模によって数十万円から数百万円の費用がかかるでしょう。

保守・運用コストも忘れてはなりません。システムの監視やアップデート対応が継続的に必要です。トラブル発生時の対応体制も整えておく必要があります。

開発リソースが限られている場合は、ノーコードツールの活用を検討しましょう。LINE認定パートナーが提供するサービスを利用すれば、プログラミング不要でAPI機能を活用できます。初期費用を抑えながら、高度な機能を実装できる選択肢として有効です。

LINE APIで成功した事例

成功した事例

ここでは化粧品業界、アパレル業界、EC業界の成功事例について解説します。

化粧品業界の事例:ロクシタンジャポン株式会社

ロクシタンジャポンは、顧客との接点強化を目指していました。そこでMessaging APIを活用したデジタル会員証を導入しました。ユーザー属性や購買履歴に基づくセグメント配信を開始したのです。

従来の一斉配信では、顧客ごとのニーズに対応できませんでした。また、店舗とECの顧客データが分断されている課題もありました。これらを解決するため、LINE連携による統合的なCRM施策を展開しました。

結果として、LINE連携会員数は約100万人まで拡大しました。ECでのセグメント配信経由の月間売上は前年比5倍以上に伸長しています。さらにROASが3,000%を超える配信事例も生まれました。

出典:https://www.lycbiz.com/jp/case-study/line-official-account/loccitane2/

アパレル業界の事例:株式会社バロックジャパンリミテッド

バロックジャパンリミテッドは、20〜30代女性向けのアパレルブランドを展開しています。質の高い友だち獲得とメッセージ自動化が課題でした。そこでAPI対応のLINE特化型MAツール「Ligla」を導入しました。

ECサイト訪問時のポップアップで友だち追加を促進しました。同時にID連携も促し、顧客データの紐付けを実現しています。カゴ落ちリマインドやレコメンド配信も自動化しました。

導入後、友だち数は以前の2倍以上のスピードで増加しました。ID連携率は約42%を記録しています。システム配信のROASは2,000%を超える成果を達成しました。

出典:https://www.linebiz.com/jp/case-study/line-official-account/baroque/

医療従事者向けEC業界の事例:株式会社ナースステージ(ナースリー)

ナースリーは、看護師や介護福祉士向けの白衣やグッズを販売するECサイトです。顧客とのコミュニケーション強化を目指していました。LINEログインとID連携の導入を決定しました。

会員情報とLINEアカウントの紐付けが課題でした。属性や購買履歴に基づく配信ができていなかったのです。パーソナライズされたコミュニケーションの実現が急務でした。

導入から1年で友だち数は約6万人から約18万人へと約3倍に増加しました。ID連携率は78.2%という高い数値を記録しています。LINE経由の売上がメルマガを上回る成果も出ました。

出典:https://www.lycbiz.com/jp/case-study/line-official-account/nursery/

よくある質問(FAQ)

よくある質問

Q1. LINE APIの利用に費用はかかりますか?

API自体の利用は無料です。ただし、メッセージ送信には通数に応じた課金が発生します。ユーザーからのメッセージへの応答は無料ですが、企業側からのプッシュ配信は課金対象となります。料金プランに応じて無料枠が設定されているため、まずは小規模から始めることをおすすめします。

Q2. プログラミングの知識がなくてもLINE APIは使えますか?

基本的にはプログラミング知識が必要です。しかし、ノーコードツールやLINE認定パートナーのサービスを利用すれば、開発不要で導入できます。チャットボット構築やセグメント配信など、主要な機能はツール上で設定可能です。自社の技術リソースに応じて、適切な導入方法を選択しましょう。

Q3. LINE公式アカウントの標準機能とAPIの違いは何ですか?

標準機能では、キーワード応答や固定のリッチメニューなど、基本的な機能のみ利用できます。一方、APIを使えば、外部システムとの連携や動的なメニュー切り替えが可能になります。顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズ配信も実現できるため、マーケティング効果を高めたい場合はAPI活用が有効です。

Q4. LINE APIの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

導入期間は実装する機能の複雑さによって異なります。シンプルなチャットボットであれば、数週間で構築できるケースもあります。CRM連携や複雑な分岐ロジックを含む場合は、数ヶ月かかることもあるでしょう。要件定義を明確にした上で、開発パートナーと相談することをおすすめします。

Q5. セキュリティ面で注意すべきことはありますか?

チャネルアクセストークンの管理が最も重要です。このトークンが漏洩すると、不正なメッセージ送信などのリスクが生じます。また、ユーザー情報を取り扱う際は、個人情報保護法やLINEの利用規約を遵守してください。定期的なセキュリティ監査も実施することをおすすめします。

まとめ

LINE APIは、BtoC企業のマーケティングを強化する強力なツールです。チャットボットによる自動応答や、パーソナライズされたメッセージ配信を実現できます。顧客との接点を増やしながら、業務効率化も同時に達成できるのです。

導入にあたっては、まず自社の課題を明確にしましょう。カスタマーサポートの負荷軽減なのか、マーケティング効果の向上なのかによって、必要な機能が変わります。目的に応じた設計を行うことで、投資対効果を最大化できます。

開発リソースに不安がある場合は、ノーコードツールやパートナーサービスの活用を検討してください。小規模から始めて、効果を確認しながら段階的に拡張していく方法がおすすめです。LINE APIを活用して、顧客体験の向上と売上拡大を実現しましょう。

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