LPOとは、ランディングページの最適化を意味します。英語では「Landing Page Optimization」と表記され、Web広告や検索エンジンから流入したユーザーが最初に目にするページを改善する取り組みを指します。
広告費を増やしても、LPの質が低ければ成果は伸びません。せっかく集客しても、ページで離脱されては意味がないからです。そのため、流入後の受け皿となるLPの最適化が重要視されています。
本記事では、BtoC企業のマーケター向けにLPO事例を詳しく解説します。具体的な改善施策や成功のポイントを学ぶことで、自社のLP改善に活かせるでしょう。CVRが伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- LPOの成功事例
- LPO改善のポイント
- LPO改善で避けるべき失敗パターン

目次
LPOで成功した事例5選
写真スタジオ業界の事例:株式会社キタムラ(スタジオマリオ)
株式会社キタムラが運営するスタジオマリオでは、お子様の記念撮影を提供しています。特に1歳のバースデーフォトが人気サービスです。そこで、撮影予約のCVR向上を目指しました。
課題は、訪問ユーザーに最適な情報を届けられていない点でした。男の子と女の子では、求める衣装やビジュアルが異なります。そのため、一律のメインビジュアルでは訴求力が弱いと考えました。
施策として、ユーザーの性別選択に応じたメインビジュアルの出し分けを実施しました。ABテストで効果を検証した結果、CVRが28.9%改善しました。パーソナライズ施策の有効性を示す好例といえるでしょう。
出典:https://dlpo.jp/casestudy/studio-mario.php
化粧品業界の事例:オルビス株式会社
オルビス株式会社は、スキンケア商材を中心としたビューティーブランドを展開しています。新規顧客の獲得強化が経営課題でした。そこで、LPの改善に取り組むことになりました。
課題は、LPでの訴求力不足でした。商品の魅力が十分に伝わっていない可能性がありました。特に、リアルな使用感を伝える工夫が必要と考えました。
施策として、Instagram UGC(ユーザー投稿)をLPに掲載しました。流入元ごとにUGCの見せ方を最適化した結果、新規獲得LPのCVRが1.2倍向上しました。UGC活用の効果を実証した事例です。
出典:https://service.aainc.co.jp/product/letro/article/case-interview-orbis
エンタメ業界の事例:株式会社TSUTAYA
株式会社TSUTAYAは、動画配信サービスを展開しています。既存LPの改善によるCVR向上が課題でした。そこで、大規模なテスト検証に取り組みました。
課題は、既存LPの情報整理が不十分な点でした。カラフルでインパクトのあるデザインでしたが、可読性に難がありました。ユーザーが求める情報にたどり着きにくい状態だったのです。
施策として、まず既存LPと改善案LPのABテストを実施しました。さらに、ページを5セクションに分割し、960通りの多変量テストを行いました。その結果、CVRが約20%向上しました。
出典:https://dlpo.jp/casestudy/tsutaya.php
ブライダル業界の事例:ワタベウェディング株式会社
ワタベウェディング株式会社は、リゾートウェディングのパイオニアです。来店予約数の増加が経営課題でした。そこで、ユーザーテストとABテストを組み合わせた改善に着手しました。
課題は、予約フォームでの離脱が多い点でした。ユーザーテストで「第一希望・第二希望を決めるのがストレス」という声がありました。また、チャペル一覧から予約への導線も弱い状態でした。
施策として、フォームの表現を「希望エリア」に変更しました。さらに、チャペル一覧に来店予約への誘導バナーを追加しました。その結果、フォーム誘導が220%、来店予約CVRが154%に改善しました。
出典:https://dlpo.jp/casestudy/watabe-wedding.php
金融業界の事例:楽天証券株式会社
楽天証券株式会社は、オンライン証券サービスを提供しています。iDeCo口座の申し込み数増加が課題でした。そこで、LPへの動画活用に取り組みました。
課題は、サービスのメリットが直感的に伝わらない点でした。テキストだけでは、iDeCoの魅力を十分に訴求できていませんでした。手数料が無料という強みが伝わりにくい状態だったのです。
施策として、LPに動画クリエイティブを埋め込みました。静止画と動画で効果検証を行った結果、CVRで10%以上の改善が見られました。動画活用によるLPO施策の有効性を示す好例です。
出典:https://kaizenplatform.com/case/rakuten-sec
LPO事例から学ぶ改善のポイント

ここではファーストビューの最適化やユーザー属性に応じた出し分け、フォーム改善について解説します。
ファーストビューの最適化
ユーザーがページを開いて最初に目にする領域を指します。この部分で興味を引けなければ、すぐに離脱されてしまいます。そのため、LPO事例の多くでファーストビュー改善が重視されています。
効果的な改善方法として、動画の活用が挙げられます。テキストだけでは伝わりにくい情報も、動画なら直感的に理解できます。

また、ユーザーのニーズに合わせてキャッチコピーを変えることも有効です。
具体的には、訴求ポイントを「安心」「お得」「簡単」などに分けてテストする方法があります。どの訴求がターゲットに響くかを検証することで、最適なファーストビューを見つけられるでしょう。
ユーザー属性に応じた出し分け
すべてのユーザーに同じLPを見せる必要はありません。年齢や性別、過去の行動履歴に応じて表示内容を変えることで、CVRを高められます。この手法はパーソナライズと呼ばれています。
たとえば、初回訪問者と再訪問者で表示を変える方法があります。初回訪問者にはサービスの概要を丁寧に説明し、再訪問者には前回の続きから案内するのです。こうした工夫により、ユーザーの離脱を防げます。

また、流入元に応じた出し分けも効果的です。検索広告からの流入者と、SNS広告からの流入者では、求める情報が異なります。それぞれのニーズに合わせたLPを用意することで、成果を最大化できるでしょう。
フォーム改善による離脱防止
CVRを下げる大きな要因の一つがフォームでの離脱です。入力項目が多すぎたり、操作が複雑だったりすると、ユーザーは途中で諦めてしまいます。そのため、フォーム改善はLPOにおいて重要な施策となります。
効果的な改善方法として、入力項目の削減が挙げられます。必須項目を最小限に絞ることで、ユーザーの負担を軽減できます。また、ステップ式のフォームに変更することで、心理的なハードルを下げられます。

さらに、LP内にフォームを埋め込む方法も有効です。別ページに遷移させると、その時点で離脱するユーザーが増えます。LP一体型のフォームにすることで、スムーズな導線を実現できるのです。
▼ 関連記事:入力フォーム改善でCVR向上|今すぐ使える20のチェックリスト
LPO改善で避けるべき失敗パターン

ここでは改善ポイントの見誤りやテスト期間の設定ミスについて解説します。
改善ポイントの見誤り
データを見ずに改善を進めると、効果が出ないことがあります。たとえば、ファーストビューに問題がないのに、そこばかり改善しても成果は上がりません。まずは現状分析を行い、本当の課題を特定することが重要です。
また、ユーザー視点を忘れてしまうケースも見られます。デザインにこだわりすぎて、肝心の情報が伝わらなくなることがあります。見た目の美しさよりも、分かりやすさを優先しましょう。
さらに、競合の真似をするだけでは不十分です。自社のターゲットや商材に合った改善が必要です。他社の成功事例を参考にしつつも、自社に最適化することを忘れないでください。
テスト期間の設定ミス
短すぎるテスト期間は、誤った判断につながります。たまたま良い結果が出ただけかもしれないからです。統計的に有意な結果を得るには、十分なサンプル数が必要となります。
逆に、テスト期間が長すぎるのも問題です。市場環境やユーザーのニーズは変化します。古いデータに基づいて判断すると、現状に合わない施策を実行してしまう恐れがあります。
適切なテスト期間は、流入数によって異なります。流入数が多いサイトなら1〜2週間、少ないサイトなら1ヶ月程度を目安にしましょう。いずれにせよ、一定のサンプル数を確保してから判断することが大切です。
LPO施策を成功させるコツ
ここではABテストの継続実施やデータに基づく仮説検証、LPOツールの活用方法について解説します。
ABテストの継続実施
一度の改善で終わらせないことが重要です。ABテストを繰り返し実施することで、最適なLPを見つけられます。成功しているLPO事例の多くは、継続的なテストを行っています。
ABテストでは、一度に変更する要素を絞ることがポイントです。複数の要素を同時に変えると、どの変更が効果をもたらしたか分からなくなります。ボタンの色、キャッチコピー、画像など、一つずつ検証しましょう。
また、テスト期間は十分に確保する必要があります。短期間では統計的に有意な結果が得られません。最低でも2週間程度のデータを集めてから、判断することをおすすめします。
▼ 関連記事:ABテストとは?実施手順や注意点を解説!
データに基づく仮説検証
感覚だけで改善を進めると、効果が出ないことがあります。ヒートマップやアクセス解析のデータを活用し、課題を特定することが大切です。どこでユーザーが離脱しているかを把握してから、改善策を立てましょう。
仮説を立てる際は、ユーザー視点で考えることが重要です。「なぜこのページで離脱するのか」「何が分かりにくいのか」を想像します。その上で、具体的な改善案を検討するのです。
たとえば、ファーストビューでの離脱が多い場合を考えてみましょう。「サービス内容が伝わっていないのでは」という仮説が立てられます。この仮説に基づき、説明コンテンツを追加するなどの施策を実行します。
LPOツールの活用方法
効率的にLPOを進めるには、専用ツールの活用が欠かせません。ツールを使えば、ABテストの実施やデータ分析が容易になります。手作業では難しい施策も、ツールなら実現できるでしょう。
主なLPOツールの機能を以下の表にまとめます。
| 機能 | 内容 | 期待できる効果 |
| ABテスト | 複数パターンの比較検証 | 最適なデザイン・文言の発見 |
| ヒートマップ | ユーザー行動の可視化 | 離脱ポイントの特定 |
| パーソナライズ | 属性別の表示出し分け | ユーザー体験の向上 |
| フォーム分析 | 入力状況の把握 | フォーム離脱の改善 |
ツール選定の際は、自社の課題に合った機能を重視しましょう。また、サポート体制や導入実績も確認することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. LPOにかかる費用の目安はどのくらいですか?
自社で実施する場合は、LPOツールの利用料が主なコストとなります。月額数万円から数十万円程度が相場です。外部に依頼する場合は、施策の範囲によって数十万円から数百万円まで幅があります。まずは小規模なテストから始めて、効果を確認しながら投資を拡大するのがおすすめです。
Q2. LPOの効果が出るまでどのくらいかかりますか?
施策の内容や流入数によって異なりますが、早ければ2〜4週間で効果が見え始めます。ただし、継続的な改善が前提となるため、3ヶ月程度は取り組みを続けることをおすすめします。一度の改善で劇的な成果を期待するよりも、小さな改善を積み重ねる姿勢が重要です。
Q3. LPOとABテストの違いは何ですか?
LPOはランディングページを最適化する取り組み全体を指します。一方、ABテストはLPOを実現するための手法の一つです。ABテスト以外にも、ヒートマップ分析やユーザーインタビューなど、さまざまな手法がLPOに含まれます。ABテストはLPOの中核的な手法として、多くの企業で活用されています。
Q4. BtoC企業がLPOで重視すべきポイントは何ですか?
ファーストビューでの訴求力が特に重要です。BtoCでは、ユーザーが複数のサイトを比較検討するため、第一印象で興味を引く必要があります。また、スマートフォンでの閲覧が多いため、モバイル最適化も欠かせません。さらに、購入や申し込みまでの導線をシンプルにすることで、離脱を防げます。
Q5. LPOツールを使わずに改善することは可能ですか?
可能です。Googleアナリティクスなどの無料ツールでも基本的な分析はできます。ただし、ABテストやパーソナライズを手動で行うのは手間がかかります。本格的にLPOに取り組むなら、専用ツールの導入を検討することをおすすめします。
まとめ
本記事では、LPO事例をもとにCVR改善のポイントを解説しました。ファーストビューの最適化やユーザー属性に応じた出し分け、フォーム改善など、さまざまな施策が効果を発揮します。
成功するLPOには、ABテストの継続実施とデータに基づく仮説検証が欠かせません。感覚ではなく、数値をもとに改善を進めることが重要です。また、LPOツールを活用することで、効率的に施策を実行できます。
一方で、改善ポイントの見誤りやテスト期間の設定ミスには注意が必要です。現状分析を丁寧に行い、自社に最適な施策を見つけてください。本記事で紹介したLPO事例を参考に、ぜひ自社のLP改善に取り組んでみましょう。
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