競争が激化するデジタルマーケティングの世界において、企業はさまざまな手法を駆使して新規顧客に努めていることでしょう。
その中でも「リターゲティング広告」は、特にBtoCビジネスにおいて注目され、そして活用されている手法の一つです。
この記事では、リターゲティング広告の基本概念、BtoCビジネスにおける具体的な活用方法、メリットやデメリットについて解説をします。
目次
リターゲティング広告とは?
リターゲティング広告(またはリマーケティング広告)とは、一度ウェブサイトを訪れたユーザーに対して、再度広告を表示する手法です。
ユーザーが特定の行動を取った後(例えば、商品をカートに入れたが購入しなかった場合など)、そのユーザーに関連する広告を他のウェブサイトやSNS上で表示することができます。
皆さんも、自分が見ていたサイトの商品やサービスが別のサイトで広告として表示される…といった経験があるのではないでしょうか?
これは「リターゲティング」されることによって、配信・表示されているものになります。
リターゲティングの仕組み
リターゲティングは、ブラウザのCookieを使用してユーザーの行動を追跡します。
ユーザーがウェブサイトを訪れた際にCookieと呼ばれる小さなテキストファイルが保存され、その情報もとに他のウェブサイトやSNS上に広告が表示される仕組みです。
Cookieに関する詳しい記事はこちら
また、リターゲティングと似た言葉にリマーゲティングがあります。大きな差分はないのですが、リターゲティングは主にディスプレイ広告を通じて行われるのに対し、リマーケティングはGoogle広告などを利用して、検索結果ページやメールを活用して行われることが多くなっています。これらを両立することでより効果的なマーケティング活動を実現することができます。
リターゲティング広告の種類
リターゲティング広告には、いくつかの異なる形式があります。
ここでは、それぞれの違いについて解説します。
標準リターゲティング
サイトに訪問歴のあるユーザーが、他のWebサイトやアプリを開いた際に、ディスプレイ広告枠に広告を配信する手法
アプリリターゲティング
自社アプリ内の行動履歴によって作成したユーザーのリストを用いて、広告を表示をしたり、
他社が提供しているアプリの広告枠に広告を配信する手法
動画リマーケティング
自社のYouTubeチャンネルの行動履歴によって作成ページや、動画を見たことがあるユーザーに広告を表示できる手法
その他、YouTubeアカウントとGoogle広告を連携して利用できます。
Googleアナリティクスリマーケティング
Googleアナリティクスの計測データを基に、Google広告のユーザーリストを作成し広告を配信する手法
顧客リストによるリターゲティング
顧客の電話番号や住所などの情報をリスト化し、顧客や類似ターゲットに広告を配信する手法
検索広告向けリターゲティング(RLSA:Remarketing Lists for Search Ads)
サイトの訪問履歴の有無によって、キーワード入札を調整をしたり、広告文やLP(ランディングページ)を出し分けて配信をする手法
動的リターゲティング
サイト訪問歴があるユーザーに対して、過去に閲覧していたりカートにいれていた商品・サービスに合わせてカスタマイズされた広告を自動で配信する手法
これらのリターゲティング広告の手法を活用し、自社に最も適した方法を試してみるのが良いでしょう。
リターゲティング広告のメリット
コンバージョン率の向上
リターゲティング広告は、既にブランドや商品・サービスに興味を持っているユーザーに対してアプローチするため、コンバージョン率が高まります。
コンバージョン率(CVR)に関する詳しい記事はこちら
ブランド認知の強化
リターゲティング広告は、ユーザーの目に触れる機会を増やすため、ブランド認知を高める効果があります。
繰り返し広告を表示することで、ブランドの印象を強化することができます。
特に新商品やキャンペーン情報をリターゲティング広告で伝えることで、ユーザーの記憶に残りやすくなるといった効果も見込めます。
ターゲットの絞り込み
自社のサイトを訪問していたユーザーなどに絞り込んで広告を配信することが可能です。
そのため、商品・サービスに一定興味を示している、つまりは狙いたいターゲットへしっかりと広告を表示させることできます。
コスト効率
リターゲティング広告は、すでに興味を示したユーザーに対して広告を配信するため、広告費用対効果を期待することができます。
無駄な広告費削減になりますので、効率的なマーケティング活動を実行することが出来るようになります。
特にリターゲティング広告はクリック単価が比較的低く、ROI(投資対効果)を期待することができます。
リターゲティング広告をさらに活用するには?
リターゲティング広告の効果をさらに高めるために、出来ることを紹介します。
セグメンテーションの活用
リターゲティングを行う際は、ユーザーをセグメント化することが重要です。
例えば、カートに商品を入れたが購入しなかったユーザー、特定のカテゴリーの商品を閲覧したユーザーなど、行動に基づいてターゲットを絞り込みます。これにより、より関連性の高い広告を表示させることが可能になり、コンバージョン率を向上させることができます。
セグメンテーションの具体例として、カートに商品を入れたにも関わらず離脱してしまったユーザーには「今なら10%オフ」といったクーポン提供する広告を表示するなど、ユーザーの行動に応じた内容を表示させると良いでしょう。
パーソナライズされた広告
ユーザーの行動データを活用し、パーソナライズされた広告を作成しましょう。
例えば、過去に閲覧した商品・サービスを再表示したり、関連商品を提案する広告を作成します。
そうすることで、より効率的なアプローチを実現することが出来ます。
適切な広告プラットフォームの選定
リターゲティング広告を配信するプラットフォームを選定することも重要です。
Google AdsやFacebook Adsなど、ターゲットユーザーが多く集まるプラットフォームを選ぶことで、効果的なリーチが可能になります。また、InstagramやTwitterなどのSNSも活用し、視覚的に訴求する広告を展開すると良いでしょう。
A/Bテストの実施
リターゲティング広告の効果を最大化するためには、A/Bテストの実施も重要です。
異なる広告クリエイティブやメッセージをテストし、どのバージョンが最も効果的かを分析します。これにより、広告のパフォーマンスを向上させるためのデータを得ることができます。
例えば、異なるCTA(Call to Action)ボタンの色や文言をテストすることで、クリック率の向上を図ることができます。
リターゲティング広告のクリエイティブ戦略
リターゲティング広告のクリエイティブは、ユーザーの興味を引くために非常に重要です。
視覚的に魅力的な画像や動画を使用し、ユーザーの注意を引くことが求められます。
また、広告の文言も重要で、短く明確なメッセージを伝えることが効果的です。
例えば、「今すぐ購入で送料無料!」や「限定セール中!」といった具体的なアクションを促すメッセージを配信することでユーザーの行動変異を起こす効果が見込まれます。
リターゲティング広告のタイミング
リターゲティング広告を配信するタイミングも重要です。ユーザーが特定の行動を取った直後に広告を表示することで、興味を持っている状態を維持できます。例えば、カートに商品を入れたが購入しなかったユーザーには、数時間以内にリターゲティング広告を表示することで、再訪問を促すことができます。また、特定のイベントや季節に合わせた広告を配信することで、ユーザーの関心を引くことができます。
リターゲティング実施時の注意点
過剰な広告表示に注意
リターゲティング広告は効果的な手法ですが、過剰に表示されるとユーザーに不快感を与える可能性があります。
一般的には、同じ広告を1日に3回以上表示しないようにすることが推奨されています。
過剰な広告表示は、ブランドイメージを損なう原因にもなるので、適切な頻度で広告を表示することが重要です。
データプライバシーへの配慮
ユーザーのプライバシーを尊重し、適切なデータ管理を行うことが求められます。
GDPRやCCPAなどの法規制に従い、ユーザーの同意を得ることが必要です。
また、ユーザーが広告の表示をオプトアウトできるようにしましょう。
定期的なパフォーマンス分析
リターゲティング広告の効果を最大化するためには、定期的にパフォーマンスを分析し、改善点を見つけることが重要です。
広告のクリック率、コンバージョン率、ROIなどの指標をモニタリングし、必要に応じて戦略を見直しましょう。
クリエイティブの改善も効果を最大化させる上で効果的な手法です。
競合分析の実施
リターゲティングを成功させるためには、競合他社の動向を把握することも重要です。
競合他社がどのような広告をプラットフォームで展開しているのかを分析することで、自社の戦略を見直すヒントを得ることができます。また、競合の成功事例や失敗事例を参考にすることで、より効果的なリターゲティング戦略を構築できます。
実際にリターゲティング広告を配信するには?
リターゲティング広告を配信するにあたり、具体的な手順を解説します。
ここでは、Google広告での配信方法について詳しく紹介をします。
配信までの準備と流れ
ステップ | 内容 | 詳細 |
---|---|---|
1 | Google Adsアカウントの作成 | Google Adsにアクセスし、アカウントを作成。必要な情報を入力。 |
2 | リマーケティングリストの作成 | – Google Adsにログイン – 「ツールと設定」→「共有ライブラリ」→「リマーケティングリスト」を選択 – 「+リスト」をクリックし、リスト名や条件を設定。 |
3 | トラッキングコードの設置 | – リマーケティングタグを取得し、コピー – ウェブサイトの全ページの <head> タグ内に貼り付け。 |
4 | リターゲティングキャンペーンの作成 | – 新しいキャンペーンを作成 – キャンペーンの目的を選択(販売、リード獲得など) – キャンペーンの種類を選択(ディスプレイネットワークなど)。 |
5 | 広告グループの作成 | – 広告グループを作成し、リターゲティングリストを選択 – ターゲティングの設定を行う。 |
6 | 広告の作成 | – 広告を作成(テキスト広告やディスプレイ広告) – 魅力的な見出しや説明文、画像を用意。 |
7 | キャンペーンの確認と開始 | – 設定内容を確認 – 問題がなければ「キャンペーンを開始」をクリック。 |
8 | パフォーマンスのモニタリングと最適化 | – パフォーマンスを定期的に確認(インプレッション数、CTR、コンバージョン率など) – 効果が薄い広告やターゲティングを見直し、調整。 |
この手順を参考に、是非配信設定を行ってみてください。
まとめ
リターゲティング広告は、BtoCビジネスにおいて非常に効果的な顧客獲得手法です。
過去に自社のウェブサイトを訪れたユーザーに対して再度アプローチすることで、コンバージョン率を向上させることができます。
特にカート離脱者へのアプローチや、特定の行動に基づくターゲティングは、リターゲティング広告の強力な活用方法です。
ただし、リターゲティング広告には広告疲れやプライバシーの懸念といったデメリットも存在します。これらを考慮しながら、適切な戦略を立てることが重要です。
リターゲティング広告を上手に活用することは、BtoCビジネスにおける顧客獲得の効率を大幅に向上させる効果が期待できます。
もしまだリターゲティング広告を取り入れられていない方は、マーケティング戦略の手法の1つとして検討してみてください。
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