「Webマーケティングの予算、このまま増やして良いのだろうか…」 「複数の施策を実施しているけど、どれが一番効果があるのかわからない」 「マーケティング活動の成果を経営層に説明する際、具体的な数値で示せていない」

このような課題を抱えるマーケティング担当者は多いのではないでしょうか。デジタル広告、SNS運用、コンテンツマーケティングなど、選択肢が増える中で、限られた予算をどう配分すべきか、その判断はますます難しくなっています。

そこで注目したいのが「ROI(投資収益率)」の活用です。ROIを指標として取り入れることで、各マーケティング施策の投資効果を可視化し、より効率的な予算配分が可能になります。さらに、PDCAサイクルを回す際の明確な判断基準としても活用できます。

本記事では、マーケティング施策におけるROIの活用方法について、基礎から実践まで詳しく解説していきます。

ROIの定義と基本的な考え方

ROIの定義と基本的な考え方

ROI(Return On Investment)とは、投資収益率と呼ばれる経営指標の一つです。
企業が行った投資に対して、どれだけの利益を得られたのかを示す重要な指標です。シンプルに言えば、「投資した金額に対して、どれだけリターンを得られたか」を表す数値といえます。

ROIの計算方法

ROIの基本的な計算式は以下の通りです。

ROI = (利益 ÷ 投資額) × 100

例えば、100万円の投資から120万円の売上が得られた場合:

・利益:120万円 – 100万円 = 20万円
・ROI:(20万円 ÷ 100万円) × 100 = 20%
このように、投資に対する収益性を百分率(%)で表すことができます。

ROIとROASの違いとは

ROIと似た言葉に「ROAS」がありますROIとROASはどちらも重要な指標ですが、その計算方法と用途には明確な違いがあります。
ROIは、投資に対する純利益の割合を示す指標である一方、ROAS(広告費用対効果)は、広告費用に対する売上の割合を表します。

具体的な計算式は以下の通りです。

ROAS =(売上 ÷ 広告費用)× 100


ROI(投資利益率)は、投資全体に対する収益性を評価する指標です。純利益(売上から諸経費を引いた額)を基準とし、人件費やシステム費用なども含めた総合的な評価が可能です。そのため、マーケティング活動全体の長期的な投資効果を測定するのに適しています。

一方、ROAS(広告費用対効果)は、広告費用に対する売上の比率を示す指標です。売上金額を基準とし、広告施策の直接的な効果を評価します。短期的な広告効果の測定に適しており、広告費用対効果を即座に把握できる特徴があります。

ROASとは

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どのように使い分けていくべきか、以下の表にまとめているので特性を活かして使い分けるようにしましょう。

ROIとROASの違いとは


BtoCマーケティングにおけるROIの考え方

BtoCマーケティングにおけるROIの要素

ROIを正確に把握するためには、「どこにお金をかけたか(投資)」と「どれだけ成果が出たか(リターン)」の2つを整理することが重要です。ここではBtoCマーケティングでの主な投資・リターンの要素を解説します。

投資(Investment)の主な要素

BtoC領域では、以下の4つが主な投資対象です。

デジタル広告費

検索広告(GoogleやYahoo!)、SNS広告(InstagramやFacebook、YouTube広告、ディスプレイ広告などの媒体への出稿費用が該当します。

コンテンツ制作費

Webサイトやブログ記事、商品紹介動画、さらにSNSに投稿用の画像など、顧客接点となるクリエイティブ制作費が該当します。

システム関連費

ECサイトの運営費、CRMツールやメール配信システム、アクセス解析ツールの利用料などがここに該当します。

人件費・運用コスト

マーケティング担当者やサポートスタッフの人件費、外部パートナーへの委託費用、各種ツールの運用管理費などがこれに該当します。

リターン(Return)の主な要素

成果も、同じく4つの軸から評価します。

売上げ関連指標

商品やサービスの売上金額はもちろん、平均購入単価、購入頻度、そしてLTV(顧客生涯価値)などが該当します。

顧客獲得指標

新規顧客数、見込み客(リード)の獲得数、会員登録数、メールマガジンの登録者数などが主な指標です。

エンゲージメント指標

Webサイトへの訪問者数やWebページの平均滞在時間、SNSのフォロワー数、投稿への反応(いいね!やコメント数)などで評価します。

ブランド指標

企業やサービスの認知度、ブランド好感度、検索エンジンでの順位、そしてメディアへの掲載実績などが含まれます。

このように、BtoCマーケティングのROIは、投資面とリターン面それぞれに多様な要素が存在します。これらの要素を総合的に分析することで、マーケティング活動の効果を正確に測定することができます。
効果的なマーケティング戦略を立てるためには、これらの要素を適切に把握し、バランスの取れた投資と効果測定を行うことが重要です。

ROIを活用するメリット

ROIを活用するメリット

マーケティング活動においてROIを活用することで、複数の重要なメリットが得られます。特に注目すべきは、投資判断の精度向上、PDCAサイクルの効率化、そして経営層とのコミュニケーション強化です。

施策の効果を数値化

まず、ROIを活用することで、各マーケティング施策の効果を数値化して比較することが可能になります。これにより、限られた予算をどの施策に重点的に配分すべきか、より正確な判断を下すことができます。例えば、SNS広告とリスティング広告のROIを比較することで、より効果的な広告手法を選択できます。

効果的なPDCAサイクル

また、PDCAサイクルを回す際の明確な指標としても、ROIは非常に有効です。具体的な数値目標を設定し、その達成度を測定することで、改善が必要な領域を特定しやすくなります。「ROIを前月比10%改善する」といった具体的な目標設定が可能となり、チーム全体で共有できる明確な指標となります。

円滑なコミュニケーション

さらに、経営層への報告や予算確保の場面でも、ROIは強力なツールとなります。「この施策により20%のROIが見込める」といった具体的な数値で示すことで、マーケティング活動の価値を分かりやすく説明することができます。これは、部門間での共通言語としても機能し、組織全体での理解促進にもつながります。

ROIを活用する際の注意点

ROIを活用する際の注意点

一方で、ROIを効果的に活用するためには、いくつかの重要な注意点があります。

最も重要なのは、適切な測定期間の設定です。ROIの測定期間が短すぎると、正確な効果測定ができない可能性があります。特にBtoCビジネスでは、商品やサービスの特性に応じて、適切な測定期間を設定する必要があります。例えば、高額商品の場合、購入検討から実際の購入までの期間が長くなる傾向があるため、それを考慮した期間設定が重要です。

また、ROIでは捉えきれない間接的な効果についても考慮が必要です。ブランド価値の向上や、将来的な売上につながる見込み客の獲得など、直接的な売上以外の効果も重要な要素となります。これらの定性的な効果も含めて総合的に評価することが大切です。

データの正確性の確保も重要な課題です。正確なROI算出のためには、適切なデータ収集の仕組みづくりが不可欠です。特に、複数のマーケティング施策を同時に実施している場合、各施策の貢献度(アトリビューション)を適切に設定する必要があります。

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まとめ:効果的なROI活用に向けて

ROIは、マーケティング活動の効果を可視化し、より戦略的な意思決定を可能にする重要な指標です。しかし、ROIだけを過度に重視すると、短期的な成果にとらわれすぎてしまう危険性もあります。

効果的なROI活用のためには、まず適切な測定環境を整備することが重要です。正確なデータ収集の仕組みを構築し、定期的なモニタリング体制を確立することで、信頼性の高い指標として活用できます。

また、ROIは「判断材料の一つ」であることを忘れずに、他の指標と組み合わせた総合的な評価を行うことが大切です。短期的なROIだけでなく、中長期的な成長のための投資も必要です。市場環境の変化や競合状況なども考慮に入れた、バランスの取れた判断が求められます。

このように、ROIを正しく理解し、適切に活用することで、より効果的なマーケティング活動の実現が可能となります。日々の施策の効果測定から、長期的な戦略立案まで、様々な場面でROIを活用することで、マーケティング活動の質を高めることができるでしょう。



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