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B2B2C企業におけるIoTデータ活用とCDP導入実践例│顧客体験向上の実践手法

公開日: / 更新日: / データ活用/CDP
B2B2C企業におけるIoTデータ活用とCDP導入実践例│顧客体験向上の実践手法

この記事で分かること

  • B2B2Cビジネスモデルにおける顧客データ取得の課題と解決策
  • IoTデータと顧客感情データを組み合わせた顧客理解の深化手法
  • 予防保全施策による顧客満足度向上とコスト削減の両立事例
  • データ量急増に対応するマーケティング基盤の最適化プロセス
  • CDP導入から得られた具体的な成果と今後の展望


B2B2Cビジネスモデルを展開する企業にとって、エンドユーザーの詳細な情報を直接取得することは大きな課題です。流通業者を介した販売では、顧客の購買履歴や製品利用状況を把握しにくく、効果的なマーケティング施策の実行が困難な状況に直面します。

本記事では、国内大手製造業がCDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)を導入し、IoTデータと顧客感情データを組み合わせることで、顧客理解を大幅に深化させた実践事例をご紹介します。予防保全施策による顧客満足度向上、データ量急増に対応したマーケティング基盤の最適化、そして今後の生成AI活用まで、具体的な成果とともに解説いたします。

B2B2Cビジネスモデルが直面する2つの課題

市場環境の変化と顧客理解の必要性

ある製造業では、長年にわたり国内市場で高いシェアを維持してきました。しかし、近年の市場環境の変化により、従来のビジネスモデルの見直しが迫られています。

特に顕著なのが、特定用途での需要減少です。かつて市場を牽引していた年末の特需は、ピーク時と比較して3分の1程度まで減少しました。この変化により、製品に期待される価値が大きく変化し、顧客ごとの使い方や期待値を理解し、最適なアプローチを提供することが必須となりました。

「次も同じブランドを選びたい」と顧客に思ってもらえる関係構築が、持続的な成長の鍵となっています。そのためには、顧客一人ひとりの利用状況や満足度を深く理解し、適切なタイミングで適切な価値を提供する必要があります。

データのサイロ化という構造的課題

企業が直面していた第一の課題は、データのサイロ化でした。部門ごとにデータが分散しており、顧客情報を統一的に管理できていない状況でした。

マーケティング部門、サポート部門、営業部門がそれぞれ独自のシステムで顧客データを管理しており、「一人の顧客」として統合的に把握することができませんでした。

この状況では、顧客の購入から製品利用、再購買に至る一連の流れを追跡することができず、効果的なマーケティング施策の実行が困難でした。
【関連記事】
詳しくはこちらの資料をご覧ください。

B2B2Cモデル特有のデータ取得の制約

第二の課題は、データの量と質の不足でした。B2B2Cビジネスモデルでは、製品は流通業者を介してエンドユーザーに届けられるため、メーカーが直接エンドユーザーの情報を得ることが困難です。

誰が製品を購入したのか、どのように使用しているのか、満足しているのか、といった基本的な情報すら把握できない状況でした。

この情報不足により、顧客の詳細な行動や利用状況を理解することができず、パーソナライズされたマーケティング施策の実行が制約されていました。

CDP導入によるデータ基盤の統合

CDP導入と統合基盤の構築

データのサイロ化という課題を解決するため、CDP製品を導入しました。このCDPにより、顧客の購入から製品利用、再購買に至る一連の流れを1つのデータベースで管理できるようになりました。

部門横断的なデータ活用が可能になり、マーケティング部門、サポート部門、営業部門が同じ顧客データを参照できる環境が整備されました。

これにより、顧客の全体像を把握し、一貫性のあるコミュニケーション戦略を展開できるようになりました。

【関連情報】
CDP活用の詳細については、こちらの製品サイトをご覧ください

顧客登録インセンティブの強化

データの量を確保するため、顧客に登録メリットを提示する施策を段階的に展開しました。

先ずは購入顧客に対してのポイントプログラムを導入しました。製品購入時にポイントを付与することで、顧客が積極的に情報を提供するインセンティブを設計しました。

これらの施策により、B2B2Cモデルでありながら、エンドユーザーの情報を直接取得できる仕組みを構築することができました。

IoTデータ活用による顧客理解の質的向上

IoTデータによる行動データの取得

データの質を向上させるため、IoTデータの活用を開始しました。顧客の製品をサーバーに接続し、定期的に使用状況データを自動送信する仕組みを構築しました。

従来の属性データ(年齢、性別、居住地など)だけでなく、実際の行動データを取得できるようになったことで、顧客理解の質が大幅に向上しました。月間の利用頻度、よく使われる機能、利用パターンなど、同じ製品でも顧客ごとの使用状況を深く理解できるようになりました。
【関連情報】
AI基盤の比較検討については、こちらの資料が参考になります。

チャーン予備軍の事前把握と顧客満足度向上

IoTデータを活用した具体的な施策として、チャーン予備軍の事前把握に取り組みました。製品の特定トラブルは、早期に対処すれば顧客自身で解決可能ですが、放置すると深刻化してしまいます。

そこで、IoTデータを使い、一定期間データ送信がない製品を検知し、該当顧客に「長年お使い頂いている製品の不具合解消をおすすめします」という通知を配信しました。この施策により、顧客はトラブルを回避でき、不具合解消や買い替えの促進に繋がっています。

企業側にとっても、コールセンターへの問い合わせが削減され、サポートコストの低減と利益向上につながりました。顧客満足度向上とコスト削減を同時に実現する、Win-Winの施策となりました。

顧客感情データの収集

IoTデータは機械から送られる「無機質なデータ」であり、顧客の感情や満足度を把握することはできません。そこで、トランザクション調査を導入しました。

従来の年1回、企業が決めたタイミングで実施する調査から、顧客の行動や体験に基づいた調査へと転換しました。製品登録時にはセットアップ体験を評価し、一定期間利用後には製品スペックや満足度を評価します。サポート利用時には対応品質を評価し、登録から1年後には総合満足度を聴取します。

このデータ蓄積により、感情の変化を検知できるようになります。ポジティブからネガティブへの転換を「解約予備軍」として定義し、解約予防施策を打つことが可能となります。

【関連情報】
製造業におけるAI基盤活用については、こちらの資料をご参照ください。

データ量急増に対応したマーケティング基盤の最適化

データ量爆発によるシステム課題

IoTデータは日々増大していきます。IoTデータを取得する製品台数が数年前と比較して数倍以上に増加し、処理データ量が急激に増加する事態を招くはずです。

既存のマーケティングオートメーション(MA)システムが大量データ処理に追いつかず、実際に数回サーバーダウンとなるリスクもあります。

また、データ増加に伴い運用経費も増大し、コスト面でも課題が顕在化しています。

マーケティング施策の実行が不安定になることは、顧客体験の低下に直結するため、早急な対応が必要です。

導入効果は顕著でした。システム安定性が大幅に向上し、MA施策が確実に実行される環境が構築されました。コスト面では、旧MA資産の除却コストが初期段階で発生しましたが、試算では数年内に初期投下コストは吸収する見込みです。

マーケティング基盤の継続的最適化の重要性

この経験から得られた重要な学びは、マーケターには「新機能の追加」だけでなく「既存システムの定期的見直し」が必須であるということです。

ビジネスの成長に伴いデータ量は増加し続けます。当初は問題なく稼働していたシステムも、データ量の増加により性能限界に達することがあります。マーケティング基盤自体の最適化とコスト最適化を継続的に行うことが、持続可能なデータドリブンマーケティングの実現には不可欠です。

技術の進化も速く、より効率的で低コストなソリューションが次々と登場します。定期的にシステム全体を見直し、最適な構成を維持することが、長期的な競争力の源泉となります。

まとめ:生成AI活用の可能性

生成AIによる分析の高度化

蓄積されたデータと生成AI機能を組み合わせることで、より精緻な分析が可能になります。膨大な顧客データから、人間では気づきにくいパターンや傾向を発見し、新たな施策のヒントを得ることができます。

例えば、離反予兆の検知精度を高めたり、顧客セグメントの最適化を自動化したりすることが期待されます。また、顧客からの問い合わせ内容を分析し、よくある課題を特定して、プロアクティブな情報提供を行うことも可能になります。

生成AIの活用により、PDCAサイクルの高速化も実現します。施策の効果測定、改善案の立案、実行までのリードタイムが短縮され、より機動的なマーケティング活動が可能になります。

顧客体験向上の継続的推進

CDP導入後、データ基盤の整備、IoTデータ活用、顧客感情データの収集、そしてマーケティング基盤の最適化と、着実に進化を遂げてきました。

しかし、顧客体験向上に終わりはありません。市場環境は変化し続け、顧客の期待値も高まり続けます。蓄積されたデータを活用し、新しい技術を取り入れながら、継続的に顧客体験を向上させていくことが重要です。

B2B2Cという本質的に顧客情報が得にくいビジネスモデルでも、自社で取得できる事実情報(IoTデータ)と顧客の評価・感情データを組み合わせることで、顧客理解の深化が可能であることを、この事例は証明しています。

まとめ

本記事では、B2B2Cビジネスモデルを展開する製造業が、CDP導入とIoTデータ活用により、顧客体験向上を実現した事例をご紹介しました。

データのサイロ化とB2B2Cモデル特有のデータ取得制約という2つの課題に対し、CDP導入、顧客登録インセンティブの強化、IoTデータ活用、顧客感情データの収集という段階的なアプローチで対応しました。

特に注目すべきは、予防保全施策による顧客満足度向上とコスト削減の両立です。IoTデータを活用してトラブルを未然に防ぐことで、顧客は修理や買い替えのコストを削減でき、企業はサポートコストを低減できるというWin-Winの関係を構築しました。

B2B2C企業にとって、この事例は多くの示唆を与えてくれます。データの「量」と「質」の両立、技術導入だけでなくインフラの継続的最適化、そして顧客視点を重視した施策設計が、成功の鍵となります。

B2B2CビジネスにおけるCDP導入やIoTデータ活用にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社のビジネス課題に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

また、以下の資料もご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

【製品情報】
CDP製品の詳細については、こちらをご覧ください

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