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CDPのエンタメ業界活用事例2選|映画・チケット販売の導入効果を紹介

公開日: / 更新日: / データ活用/CDP
CDPのエンタメ業界活用事例2選|映画・チケット販売の導入効果を紹介

エンターテインメント業界では、チケット販売、ファンクラブ、ECサイト、SNS、イベント会場など、複数の接点でファンとつながっています。しかし、それぞれのデータが分断されているため、一人のファンがどの作品を好み、どのタイミングで離脱しているのかを把握できず、パーソナライズされた施策を打つことが困難な状況です。

こうした課題を解決する手段として、CDP(Customer Data Platform)の導入が注目されています。CDPは、分散した顧客データを統合し、ファンの行動や嗜好を一元的に可視化することで、より精度の高いマーケティング施策を可能にします。

本記事では、エンタメ業界におけるCDP活用の実例を紹介しながら、データ統合の具体的な方法、導入後の施策フロー、外部プラットフォームとの連携手法、そしてベンダー選定のポイントまでを解説します。

エンタメ業界におけるCDP活用事例2選

ここでは、映画、アミューズメント施設、チケット販売の各領域で先進的にCDPを活用している企業の事例を紹介します。

松竹株式会社(映画)

松竹株式会社は、個々の観客の鑑賞動向を正確に把握し、パーソナライズされた顧客サービスを提供する仕組みがなかったという課題を抱えていました。

この課題に対し、東映、フラッグと共同で「シネマDXプロジェクト」を始動しました。グループの映画館にCRMおよびCDPを導入し、Webサイト訪問者の鑑賞嗜好に基づいた作品のレコメンデーションや、鑑賞意向のある作品の上映スケジュール通知などを実施する計画です。

きめ細かなCRMの徹底によって映画館への来場者の増加と来場頻度の向上を目指しています。本プラットフォームは他の映画会社向けにも提供予定で、業界全体のDX推進を目指しています。

引用参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000003202.html

アミューズメント施設運営企業のユースケース

アミューズメント施設では店舗に来店する膨大な顧客データを持ちながらデータ利活用が十分ではない企業が多く、活用範囲を広げる必要に迫られています。

そういった課題に対してCDPを導入することで、店舗へ来店した顧客に対して、オンラインでのクーポン配布や会員向けメルマガ配信などを実施するほか、オンラインゲーム事業などでデータ活用できるようになります。

デジタルと店舗の強みを融合させ、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションを実現することでオンラインとオフラインの境にこだわらない新しい顧客体験価値を創出することが可能になります。

エンタメ業界特有のデータ統合課題とCDPの役割

エンタメ業界では、チケット販売サイト、ファンクラブ、ECサイト、SNS、イベント会場など、顧客との接点が多岐にわたります。ここでは、こうした接点で発生するデータ分断の実態と、CDPがどのように課題を解決するのかを解説します。

エンタメ業界で発生する3つのデータ分断

エンタメ業界では、「ID」「オンライン・オフライン」「時系列」の3つの観点でデータが分断されています。

1. ID分断

プレイガイド、ファンクラブ、公式アプリ、ECサイトなど、それぞれのプラットフォームで異なる会員IDが発行されているため、一人のファンの全体像を把握することが困難です。

たとえば、ある顧客がチケットを購入した後にグッズを買ったとしても、IDが異なるとその行動を紐づけることができず、パーソナライズされた施策を打つことができません。

2. オンライン・オフライン分断

Webサイトやアプリでの行動データは取得できても、イベント会場での物販購入や入場記録などのオフラインデータとの統合が難しいという課題があります。

オンラインでの興味関心とオフラインでの実際の行動を結びつけることで、より精度の高いファン理解が可能になります。

3. 時系列分断

ファンの行動は、認知→興味→購入→リピート→ファン化というプロセスを経ますが、各段階でのデータが時系列でつながっていないと、離脱のタイミングや要因を特定することができません。時系列でデータを統合することで、どの段階でどのような施策が必要かを判断できるようになります。

エンタメ特有のデータ構造とCDPでの扱い方

エンタメ業界では、公演日、座席種別、推し属性、グッズカテゴリなど、一般的なECサイトとは異なる独自のデータ項目が存在します。こうした非構造化データや多次元データをCDPで整理・管理する方法を理解することが重要です。

たとえば、「推し属性」をデータとして保持する場合、単一の属性ではなく複数の属性を持つファンも多いため、タグ形式やJSON形式で柔軟に管理する必要があります。また、来場頻度や購買金額をスコアリングし、セグメント化することで、より深いファン分析が可能になります。

こうした複雑なデータの分析には専門的な知識が必要とされがちですが、近年ではGENIEE CDPのように、AIが自然言語での分析をサポートしてくれるツールも登場しています。これにより、データサイエンティストが不在の組織でも、マーケター自身が手軽にファンインサイトを発掘できるようになっています。

パーソナライズ施策への転換の必要性

従来のエンタメ業界では、全会員に対して一律のメールマガジンを配信するなど、マス向けの施策が主流でした。しかし、ファンの期待に応えるには、過去の行動に基づいた「自分宛て」と感じさせる情報の提供が不可欠です。

たとえば、特定のアーティストのライブに頻繁に参加するファンには、そのアーティストの新作情報や関連グッズの案内を優先的に届けることで、エンゲージメントを高めることができます。こうしたパーソナライズ施策を実現するためには、CDPによるデータ統合と分析が欠かせません。

CDP導入による具体的な施策とデータ活用フロー

ここでは、データ収集から効果測定まで、CDP運用の5つのステップを解説します。各ステップを理解することで、導入後の実務イメージを明確にできます。

ステップ1:多様なデータソースからの収集

CDPを活用するための第一歩は、複数のデータソースからデータを収集することです。エンタメ業界では、以下のようなデータソースが主要な収集対象となります。

1. チケット販売サイト

購入履歴、座席種別、公演日、購入頻度などのデータを収集します。これにより、どの作品やアーティストに興味があるのか、どのタイミングで購入する傾向があるのかを把握できます。

2. ファンクラブ・公式アプリ

会員登録情報、ログイン頻度、コンテンツ閲覧履歴などを収集します。ファンの熱量や関心度を測る重要な指標となります。

3. ECサイト・物販

グッズ購入履歴、購入単価、購入カテゴリなどを収集します。オンラインだけでなく、会場での物販購入データも統合することで、より包括的なファン理解が可能になります。

4. SNS・Webサイト

Webサイトの閲覧履歴、SNSでの反応(いいね、シェア、コメント)などを収集します。ファンの興味関心をリアルタイムで把握できます。

5. オフライン会場

入場記録、会場内での行動データ、アンケート結果などを収集します。オフラインでの体験をデータ化することで、オンラインとの統合が可能になります。

ステップ2:ID統合によるカスタマージャーニー可視化

収集したデータを統合するためには、異なるプラットフォームで発行された会員IDを紐づける必要があります。この手法は「※アイデンティティ・レゾリューション」と呼ばれます。

メールアドレスや会員IDをキーにデータを紐付けることで、認知からリピートまでの行動を追跡できます。たとえば、ある顧客がWebサイトで作品情報を閲覧し、その後チケットを購入し、さらに会場でグッズを購入したという一連の行動を、一つのカスタマージャーニーとして可視化できます。

※アイデンティティ・レゾリューションとは複数のタッチポイント(ウェブサイト、モバイルアプリ、店舗、CRMなど)から散在する顧客情報を、AI技術を活用して照合・統合し、同一顧客の全データを1つに統一した「統一顧客ビュー(Single Customer View)」を構築するプロセス。

ステップ3:ファンの熱量と推しに基づくセグメンテーション

統合されたデータをもとに、ファンをセグメント化します。エンタメ業界では、来場頻度や購買金額を用いたRFM分析に加え、推し属性や作品ジャンルなど、独自の基準でセグメントを設計することが重要です。

たとえば、「特定作品のコアファン」「ライトなイベント参加者」「休眠ファン」など、熱量に応じたセグメント設計を行うことで、それぞれに適した施策を展開できます。

ステップ4:パーソナライズ施策の設計と実行

セグメントに合わせたパーソナライズ施策を設計し、実行します。たとえば、ライブ来場者に限定グッズ情報を配信する、特定のアーティストのファンに新作情報を優先的に届けるなど、タイミングと内容を最適化した施策がコンバージョン率向上に直結します。

また、MAツールと連携することで、こうした施策を自動化し、効率的に運用することが可能になります。特にGENIEE CDPのような、MAや接客ツールと標準でシームレスに連携できる基盤を選ぶことで、分析結果を即座に施策へ反映させ、機会損失を防ぐことができます。

ステップ5:効果測定とPDCAサイクル

施策の効果を測定し、継続的に改善するためには、KPIの設定とダッシュボードによる可視化が重要です。コンバージョン率、LTV、リピート率などの指標を設定し、施策ごとの反応をリアルタイムで可視化することで、次の興行やキャンペーンの設計に即座に反映させることができます。

外部プラットフォームとのデータ連携方法

エンタメ業界では、自社が直接管理していない外部のプレイガイドやECサイトとのデータ連携が重要な課題となります。ここでは、技術的な連携手法と、個人情報保護法に基づく法的留意点を解説します。

外部プレイガイドとの3つの連携方法

外部プレイガイドとのデータ連携には、主に3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、目的に応じた選択が必要です。

1. API連携

リアルタイムでデータを取得できる方法です。購入と同時にデータがCDPに反映されるため、即座に施策を実行できます。ただし、開発コストが高く、APIの仕様変更に対応する必要があります。

2. CSV定期連携

定期的にCSVファイルでデータを受け取る方法です。リアルタイム性は劣りますが、開発コストを抑えられます。日次や週次でのデータ更新が許容できる場合に適しています。

3. データフィード

プレイガイド側が提供するデータフィード機能を利用する方法です。標準化されたフォーマットでデータを受け取れるため、開発の手間が少なくなります。

外部ECサイトとのデータ連携における課題と解決策

自社管理外のECサイトから購買データを取得し、自社IDと統合するためには、ユーザーの同意を前提としたメールアドレス連携が、最も確実性の高いID統合手法の一つです。

たとえば、外部ECサイトでの購入完了後に、自社サイトへの会員登録を促すフローを設けることで、メールアドレスをキーにデータを統合できます。ただし、ユーザーにとってのメリット(ポイント付与、限定情報の提供など)を明示することが重要です。

個人情報保護法・Cookie規制への対応

3rd Party Cookieの廃止が進む中、1st Party Dataの活用がますます重要になっています。法規制を遵守しつつデータを活用するためには、プライバシーポリシーの明示とオプトイン設計が不可欠です。

ユーザーに対して、どのようなデータを収集し、どのように利用するのかを明確に説明し、同意を得ることが求められます。また、データの利用目的を限定し、第三者提供には厳格な管理が必要です。

エンタメ業界におけるCDP活用事例まとめ

本記事では、エンタメ業界におけるCDP活用の実例、データ統合の課題と解決策、導入後の施策フロー、外部プラットフォームとの連携方法、そしてベンダー選定のポイントを解説しました。

CDPは単なるデータ統合ツールではなく、ファンの熱量を最大化しLTVを高めるための戦略基盤です。各社事例が示すように、適切にCDPを活用することで、パーソナライズされた施策を実行し、具体的な成果を上げることが可能です。

まずは自社のデータ分散状況を把握し、業界での導入実績や自社に合った機能を持つベンダーへ相談することが第一歩となります。特に専門人材の確保が難しい場合は、GENIEE CDPのようなAI分析サポート機能を持つツールの導入も有効な選択肢です。明確なKPIを設定し、部門横断的なチームを構築することで、CDP導入を成功に導くことができるでしょう。

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執筆者

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株式会社ジーニー


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