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CDPとMAの違いとは?役割の整理と併用すべき企業の判断基準

公開日: / 更新日: / データ活用/CDP
CDPとMAの違いとは?役割の整理と併用すべき企業の判断基準

MA(マーケティングオートメーション)とCDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、どちらも顧客との関係を深めるために使われるツールですが、その役割は大きく異なります。MAは「施策を自動で実行する」ためのツール、CDPは「散らばった顧客データをひとつにまとめる」ためのツールです。

多くの企業がデータ活用に取り組んでいますが、全社的に十分な成果を得ている企業はわずか8%にとどまっています。デジタル化の課題として「人材不足」を挙げる企業は約48.7%に上り、限られた人員でどうやって効率的にデータを活用するかが問われています。(情報通信分野の現状と課題|総務省

本記事では、MAとCDPの根本的な違いを整理し、自社のビジネスにどちらが必要なのか、あるいは両方を組み合わせるべきなのかを判断するための基準を解説します。さらに、両者を連携させることで実現できる具体的な施策や、最新のツール動向についても紹介します。

MAとCDPの根本的な役割の違い

MAとCDPは、どちらも顧客とのやり取りを改善するためのツールですが、その目的と機能は明確に異なります。MAは「どのように施策を実行するか」を担当し、CDPは「誰に対して施策を行うか」を明らかにする役割を持ちます。

デジタル化を進める企業の多くが人材不足に悩んでおり、限られたリソースで成果を出すには、それぞれのツールが何を得意とするのかを正しく理解することが重要です。

MA(マーケティングオートメーション)とは

MAは、メール配信やスコアリングといった施策を自動で実行するためのツールです。Webサイトでの行動履歴をもとに、最適なタイミングでメールを送ったり、関心度の高い見込み客を自動で選び出したりする機能を持ちます。

たとえば、特定の商品ページを何度も見ている訪問者に対して、その商品の詳しい資料をメールで自動送信する、といった仕組みがMAの代表的な使い方です。主にオンラインのデジタル接点における施策実行とリード管理を効率化するために使われます。

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは

CDPは、オンラインとオフラインを問わず、企業が持つあらゆる顧客データを収集し、ひとつのIDにまとめ上げるデータ基盤です。Webサイトの閲覧履歴、実店舗での購買記録、アプリの利用状況など、バラバラに存在するデータを統合し、「この顧客はどんな人か」を正確に把握できるようにします。

国内ではTreasure Data CDPが長年にわたり高いシェアを持ち、多くの企業で導入されています。また、複雑なデータ構造を持つ日本企業に対応しやすい柔軟な設計を持つプラットフォームとして、GENIEE CDPなども登場しており、データ統合の選択肢は広がっています。

CDPについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

両者の関係性:データ基盤と施策実行の役割分担

CDPとMAの関係は、車のエンジンとタイヤに例えられます。CDPが「誰に」施策を届けるかを定義し、MAが「どう」実行するかを担当します。

CDPで統合された高精度な顧客セグメントをMAに連携することで、施策の反応率は大きく向上します。たとえば、CDPで「過去3か月以内に店舗で購入し、かつアプリを週1回以上開いている顧客」というセグメントを作り、MAでそのセグメントに向けて特別なキャンペーンメールを自動配信する、といった使い方が可能になります。

CDPとMAの扱うデータの範囲と深さの違い

MAとCDPは、扱うデータの範囲が大きく異なります。MAは主にデジタル接点のデータに限定されるのに対し、CDPはオフラインを含むあらゆるデータを統合できます。この違いが、施策の精度や顧客理解の深さに直結します。

MAが扱うデータの範囲

MAが扱うデータは、Webサイトの閲覧履歴、メールの開封・クリック、フォームへの入力情報など、主に自社のデジタル接点内で発生するものに限られます。

このため、オフラインでの購買行動や、他のチャネルでの顧客の動きを把握するには限界があります。たとえば、実店舗で既に商品を購入した顧客に対して、同じ商品のメール広告を送り続けてしまう、といった問題が起こりやすくなります。

CDPが扱うデータの範囲

CDPは、Webやメールだけでなく、店舗のPOSデータ、コールセンターの対応履歴、アプリのログなど、多様なデータを統合できます。GENIEE CDPでは複数のデータソースと連携・集約する機能を持つほか、AIによる分析サポート機能を備えており、データ活用のハードルを下げる工夫がなされています。

専門知識が限られている現場でも、自然言語での問いかけによって必要な分析結果を得られるような仕組みが整いつつあります。

データサイロ化がもたらす課題

部門ごとにデータが分断されていると、重複した施策や顧客理解のずれが生じます。たとえば、店舗で既に購入済みの顧客に対して、ECサイトで同じ商品の割引広告を出し続けてしまうといった損失が発生します。

データがサイロ化していると、顧客は「この会社は自分のことをわかっていない」と感じやすくなり、ブランドへの信頼が損なわれるリスクもあります。CDPによってデータを統合することで、こうした問題を防ぐことができます。

MA単体で十分な企業の条件

すべての企業がCDPを必要とするわけではありません。顧客接点がデジタル中心で、データ量が限定的な場合は、MA単体でも十分な成果を期待できます。導入コストを抑えつつ効果を出すためには、自社の状況を正しく見極めることが大切です。

BtoB企業でリード育成が中心の場合

BtoBビジネスでは、商談に至るまでの長期的な追跡が重要であり、MAのスコアリング機能が最も威力を発揮します。Adobe Marketo Engageなどのツールは、見込み客の行動を細かく記録し、関心度を数値化することで、営業チームに引き渡すタイミングを最適化します。

BtoB企業では、顧客の数が限られており、接点もWebサイトやメールが中心となることが多いため、MA単体で十分に管理できるケースが多く見られます。

チャネルが限定的な場合

実店舗を持たず、Webサイトとメールだけで完結するビジネスモデルでは、オフラインデータとの突合が不要です。このような環境では、MA内のデータ管理機能だけで運用が完結します。

たとえば、オンライン講座やサブスクリプションサービスなど、すべての顧客接点がデジタルで完結している場合、CDPを導入するメリットは限定的です。

データ量が限定的な場合

顧客リストが数千名程度であれば、複雑なデータ基盤を構築するよりも、MAの機能を使い切る方が投資対効果は高くなります。

将来的な拡張性は考慮しつつも、スモールスタートならMA単体での運用が効率的です。ビジネスが成長し、データ量や接点が増えてきた段階で、CDPの導入を検討するという段階的なアプローチも有効です。

CDPとMAの併用が必要な企業の条件

BtoCのオムニチャネル展開や、膨大なデータ量を抱える企業では、CDPとMAの併用が不可欠です。複数ブランドや店舗・ECを横断する顧客体験を設計するには、CDPによるデータ統合が必要になります。

1. オムニチャネル展開企業の場合

実店舗とオンラインの行動をひとつのIDで繋ぐことで、場所を問わないパーソナライズが可能になります。大手小売店の事例では、アプリや店舗データを統合することで、顧客がどのチャネルで接触しても一貫した体験を提供できる仕組みを構築しています。

たとえば、店舗で商品を試着した顧客に対して、後日アプリで同じ商品の在庫情報や関連商品を提案する、といった施策が実現します。

2. データサイロ化が深刻な場合

化粧品メーカーの事例では、複数のブランドにまたがる顧客データを統合し、ブランド横断での顧客理解を深めることで、より精度の高い施策を実現しています。

AIサポート機能を持つプラットフォームを活用することで、専門知識が乏しい現場でも、自然言語での問いかけによって必要な分析結果を得られるようになります。特にGENIEE CDPのようなツールであれば、専門家不在の現場でもデータサイロ化の解消がスムーズに進みます。

3. LTV分析や高度なセグメント分析が必要な場合

ある百貨店の事例では、顧客の行動データを詳細に分析し、客単価向上やチェックイン数アップに繋がる施策を展開しています。予測モデルを用いた離反防止など、高度な分析結果をMAに流し込むことで、LTVの最大化が図れます。

CDPで算出された離反リスクスコアをMAへ自動連携し、手遅れになる前に特別なオファーを届ける仕組みを構築することで、顧客維持率を改善できます。

CDPとMAを連携させることで実現できる具体的なマーケティング施策

CDPの分析データとMAの配信機能を繋ぐことで、顧客一人ひとりの文脈に沿った施策が打てるようになります。オフライン行動をトリガーにしたクロスチャネルシナリオなど、真のOne to One施策が可能になります。

高度なセグメントに基づくOne to Oneコミュニケーション

購買傾向や肌状態に合わせたパーソナライズレポートなど、顧客の状況を深く捉えた情報配信が可能になります。資生堂の事例では、顧客の肌データをもとに、一人ひとりに最適なスキンケア情報を提供しています。

単なる名前の差し替えではなく、行動予測に基づいたコンテンツ提供がエンゲージメントを高めます。たとえば、過去の購買履歴から「次に購入しそうな商品」を予測し、そのタイミングで関連情報を届けることで、購買率を向上させることができます。

クロスチャネルシナリオの実行

多様な接点を統合したカスタマージャーニーの設計を行い、店舗購入後のアプリ通知やSNS広告連携など、チャネルを跨ぐシナリオを実行できます。

たとえば、店舗で商品を購入した顧客に対して、翌日にアプリで使い方の動画を配信し、数日後にメールで関連商品を提案する、といった一連の流れを自動化できます。

離反予測と防止施策

過去の行動パターンから離反の兆候を捉え、MAで自動的にフォローアップを行うことで維持率を改善します。CDPで算出された離反リスクスコアをMAへ自動連携し、手遅れになる前に特別なオファーを届ける仕組みが構築できます。

たとえば、過去3か月間ログインがない顧客に対して、限定クーポンを配信し、再度サービスを利用してもらうきっかけを作る、といった施策が可能です。

CDP単体でMA機能を完結させる動きがトレンドに

近年、CDPが配信機能を内包する「CDP完結型」のツールが増えています。データ同期の遅延を解消するため、統合基盤上で直接施策を実行するツールが登場しています。システム連携の簡素化と専門機能のトレードオフについて検討が必要です。

1. CDP完結型ソリューションの登場背景

b→dashは、データ統合からMA、BIまでをノーコードで提供する統合型プラットフォームの代表格です。従来のようにCDPとMAを別々に導入し、連携する手間を省けるため、運用負荷を大幅に削減できます。

データ同期のタイムラグがなくなることで、リアルタイムに近い施策実行が可能になり、顧客の行動に即座に反応できるようになります。一方で、システム連携の複雑さと機能の深さを両立させるために、GENIEE CDPのように自社ツール群との標準連携を備えたプラットフォームを選ぶのも一つの有力な選択肢です。

2. CDP完結型のメリットとデメリット

KARTEは、リアルタイムの顧客解析と、Webサイト上での即時的な接客アクションに強みがあります。訪問者の行動をリアルタイムで分析し、その場でポップアップやレコメンドを表示することで、コンバージョン率を高めることができます。

一方で、CDP完結型は、専門的なMA機能やメール配信の細かな設定において、従来の専用MAツールに比べて制約がある場合もあります。自社ツール群との標準連携により、運用負荷を抑えつつ高度な施策実行を両立するプラットフォームも登場しており、選択肢は広がっています。

3. どのような企業に適しているか

高度な複雑さよりも、スピード感と運用のしやすさを求める組織には統合型が適しています。特に、Web接客のリアルタイム性を最優先する企業や、システム連携の手間を最小限にしたい企業にとって、CDP完結型は有力な選択肢となります。

ただし、メール配信の細かなシナリオ設計や、複雑なスコアリングロジックが必要な場合は、従来のMAツールとの併用を検討する方が良い場合もあります。

CDPとMAを併用利用する際の注意点

CDPとMAを併用する際は、ツールを導入するだけでは不十分です。データの品質が施策の成果を左右するため、事前のデータクレンジングと定義統一が不可欠です。また、組織横断の運用体制構築も重要になります。

データクレンジングとデータ項目の統一

表記揺れの修正や名寄せルールの策定など、データ統合を成功させるための実務的なステップが必要です。重複データの排除やID統合のロジックを慎重に設計することが、分析精度の担保に繋がります。

たとえば、同じ顧客が「山田太郎」「やまだ たろう」「ヤマダタロウ」と異なる表記で登録されている場合、これらを同一人物として統合するルールを事前に決めておく必要があります。

運用体制とセキュリティ

適切なアクセス権限管理と個人情報保護への配慮は、企業の信頼性を守る上で必須の要件です。個人情報保護法への対応や、部門間でのデータ利用ルールの整備など、ガバナンス面の注意点をまとめておく必要があります。

誰がどのデータにアクセスできるかを明確にし、不正利用を防ぐ仕組みを構築することが重要です。また、データの保存期間や削除ルールについても、法令に則った運用が求められます。

CDPとMAの違いまとめ

MAとCDPは、どちらも顧客との関係を深めるためのツールですが、その役割は明確に異なります。MAは「施策を自動で実行する」ためのツール、CDPは「散らばった顧客データをひとつにまとめる」ためのツールです。

BtoB企業やデジタル接点が限定的な企業では、MA単体でも十分な成果を期待できます。一方、オムニチャネル展開やデータサイロ化が深刻な企業では、CDPとMAの併用が不可欠です。

近年では、CDP単体でMA機能を完結させるツールも登場しており、選択肢は広がっています。自社のビジネスモデルや課題に応じて、最適なツール構成を選ぶことが、データ活用の成功に繋がります。

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執筆者

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