ビッグデータ活用事例12選!データ活用のメリットや導入時の注意点も解説

ビッグデータ活用は、社内に蓄積された情報を分析し、意思決定や施策の最適化に役立てることが可能です。客観的な根拠に基づく経営判断が可能になるため、現在多くの企業で導入が進められています。
本記事では、データ活用の具体的な事例やメリットをわかりやすくまとめています。自社に最適なデータ活用の形を見つけ、ビジネスの競争力向上と業績拡大を達成してください。
ビッグデータとは?

ビッグデータとは、人間が把握できないほど膨大かつ多様なデータのことを指します。
総務省の情報通信白書によると、ビッグデータは「量(Volume)」「多様性(Variety)」「速度(Velocity)」という3つのVで特徴づけられ、「オープンデータ」「産業データ」「パーソナルデータ」の3つに分類されます。デジタル化の進展やIoT機器の普及により、スマートフォンを通じた位置情報や行動履歴、インターネットでの視聴・消費行動、センサーから得られる膨大なデータなど、企業や組織に蓄積されるデータの量や種類は年々増加しています。
総務省ではビッグデータを以下のように定義しています。
| デジタル化の更なる進展やネットワークの高度化、またスマートフォンやセンサー等IoT関連機器の小型化・低コスト化によるIoTの進展により、スマートフォン等を通じた位置情報や行動履歴、インターネットやテレビでの視聴・消費行動等に関する情報、また小型化したセンサー等から得られる膨大なデータ 引用:総務省|平成29年版 情報通信白書|ビッグデータの定義及び範囲 |
企業や組織に蓄積されるデータの量や種類は年々増加しており、さまざまな場面で活用されています。
ビッグデータ活用事例12選

ここでは、ビッグデータ活用の事例集として参考になる実例を紹介します。自社の状況に応じて参考にしてみてください。
- 株式会社ユーハイム
- Progressive Corp.
- 石川県羽咋市
- 岡山大学
- 大阪大学
- 株式会社プレイド
- ダイワ通信株式会社
- 株式会社あきんどスシロー
- Amazon.com, Inc.
- 株式会社ファミリーマート
- KDDI株式会社
- 株式会社NTTデータ
1.株式会社ユーハイム|職人技をAIで再現
洋菓子製造業・株式会社ユーハイムでは、熟練職人の技術をAIで再現する試みが行われています。バウムクーヘンの焼き加減を熟練職人が視覚と経験で判断していた工程に、画像認識AIを導入しました。焼き色の変化や状態をAIが判断することで、品質を保ちながらも生産性を向上させています。
データの活用方法は以下の通りです。
- 職人の技を学習させたAIオーブン『THEO』を開発
- 焼成中に取得したデータを教師データとして機械学習に活用
データ活用の結果、各地の店舗でも焼きたてのバウムクーヘンを提供できるようになりました。
2.Progressive Corp.|運転データ活用で最適保険を提供
アメリカの保険金融会社・Progressive Corp.では、テレマティクス技術(※)を活用し、ドライバーの運転データを収集しています。ブレーキの踏み方や加速度、運転時間帯などを分析し、安全運転者には保険料の割引を提供しました。これにより、事故リスクの低減と契約者の満足度向上を両立しています。
※テレマティクス技術とは?
車載デバイスから走行データを収集・分析する技術のこと
活用されている主な場面は以下のようになります。データの活用方法は以下の通りです。
- 車載デバイスから走行データをリアルタイムで取得
- 運転中の特性を分析し、保険料を個別に算出
運転実績に応じた料金体系により、顧客の信頼を獲得しています。
3.石川県羽咋市|スマート農業で生産性向上
石川県羽咋市の農業法人(有)フロンティアはらでは、農研機構のスマート農業実証プロジェクトに参加し、無人トラクターや可変施肥などの技術を活用して生産性向上を目指しています。また、石川県内ではサグリ株式会社が衛星データによる農地の生育・土壌分析アプリを提供し、精密な栽培管理を支援しています。
参考:第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか|総務省
4.岡山大学|教育データで学習意欲向上
岡山大学では、学生一人ひとりに最適な学びを提供するため、教育データの活用に取り組んでいます。授業への出席状況やオンライン教材の利用履歴、テスト結果などを分析し、学習の進捗や理解度を可視化しています。
教育データの利用方法は下記の通りです。
- 学習管理システム(LMS)から収集した行動ログを分析
- 授業参加・課題提出・テスト結果などを時系列で可視化
この取り組みにより、教員側はデータに基づいた個別対応が可能となり、学生の学習意欲や成果の向上につながっています。
参考:SKYMENU Cloud|教育ビッグデータとは? 重要視される背景やメリット、事例を紹介
5.大阪大学|医療データで予防と治療法開発へ
大阪大学は企業と連携しながら、健康に関する研究を進めています。大学と企業がそれぞれ保有するデータを組み合わせて共通点を見つけ、分析することで、病気の予防や新たな治療法の開発に活用されています。
医療現場や研究機関で蓄積されたデータをもとに、科学的根拠に基づいたアプローチが可能となり、今後の医療・健康分野への応用も期待できるでしょう。
参考:KOTORA JOURNAL|医療・ヘルスケア業界におけるビッグデータの活用事例20選
6.株式会社プレイド|人事データで退職傾向を予測
株式会社プレイドでは、人事領域に蓄積されたデータをもとに、組織や従業員の変化を分析しています。とくに注目しているのは、退職に関する傾向です。人員構成や労働時間といった複数のデータを組み合わせて、職員の変化にすぐに対応できる体制を整えています。
データは主に、以下のように使われています。
- 部門ごとの退職傾向を確認
- 入職・退職者の比率の把握
データを比較することで、より適切な対策につなげています。
参考:SmartHR|人事データ分析の方法とは?必要なデータ項目と手順、活用事例をわかりやすくご紹介
7.ダイワ通信株式会社|AIスマートストアで過疎地域の買い物支援
ダイワ通信株式会社では、過疎地域や高齢化が進む地域における買い物の不便さを解消するため、AIを活用したスマートストアの導入を進めています。日用品の購入が難しい地域住民にとって、買い物の負担軽減は大きな課題となっています。
以下が、活用の一例です。
- 店舗内の購買行動をセンサーとカメラで取得
- 重量センサーからのデータで商品の需要を把握し、必要な数だけ商品を補充
限られたスペースでも地域のニーズに合わせた商品提供が実現し、住民の暮らしの質向上に貢献しています。
8.株式会社あきんどスシロー|ICタグで状況を確認、ムダなく利益を最大化
株式会社あきんどスシローでは、食品ロスや鮮度管理といった回転寿司特有の課題に対し、ICタグを活用した管理システムを導入しています。これにより、店舗ごとに発生していたムダや機会損失の削減に取り組んでいます。
ICタグの活用方法は以下の通りです。
- 寿司皿にICタグを設置し、回転レーン上での滞留時間をリアルタイムで記録
- 滞留時間が一定以上になると自動で廃棄を促し、鮮度を維持
廃棄の判断を自動化し、店舗ごとの販売データをもとに必要な量だけ準備できるようになりました。ムダを減らして利益を向上させています。
参考:ITmedia|皿から10億件の情報収集 スシローが「データ活用すし屋」になっていた
9.Amazon.com, Inc.|購買データでニーズを先読みし広告配信
Amazonでは、ユーザーの購買履歴や閲覧履歴といったビッグデータを活用し、個々の関心に合わせた広告を配信しています。過去の行動データを分析することで、ユーザーが求める商品やタイミングを予測することが可能です。
ニーズに合った広告を出すことで、ユーザーは欲しい商品をすぐに見つけられ、企業も売上アップにつながる仕組みです。
参考:ONEDER|【Amazon基本編】Amazonが持つデータの魅力とその活用方法
10.株式会社ファミリーマート|購買データを収集し、消費者行動を把握
株式会社ファミリーマートでは、Tカードを通じて顧客のデータを集め、消費者の行動を分析しています。来店頻度や購入商品、時間帯などの情報をもとに、店舗ごとの購買傾向を把握し、販売戦略に反映させました。
実際の活用ポイントは以下の通りです。
- ビールを頻繁に購入する顧客には、レジで新商品のサンプリングを提供
- 顧客の好みにあった商品の提案
データを活用し、顧客のニーズに合わせて商品を提案することで顧客満足度をアップさせています。
参考:FinTech Journal|ファミマの「デジタルマーケティング戦略」、役員に聞いたファミペイの絶大効果
11.KDDI株式会社|IoTデータ活用で家の状態を可視化・操作
KDDI株式会社が提供する『au HOME』では、IoT技術を活用して住宅内の家電や設備とスマートフォンを連携させ、暮らしと安心を支えています。
主に以下のように活用されています。
- 室内に設置したカメラを使い、外出先から家の中の様子をスマホで確認
- スマートリモコンを利用して、遠隔でエアコンなどの電源を操作
IoTデータを活用した事例では、機器から取得されたデータをもとに住宅の状態をリアルタイムで把握・操作でき、利用者の暮らしを快適かつ安全にすることが可能です。
参考:B2B2C企業におけるIoTデータ活用とCDP導入実践例│顧客体験向上の実践手法
12.株式会社NTTデータ|スマートメーターデータ活用で防災・見守りを強化
株式会社NTTデータでは、スマートメーターデータの活用事例として、電力使用量の情報を地域課題の解決に役立てています。
たとえば、防災の分野では、電力データを用いて避難支援や地域の復旧状況を確認するユースケースが想定されています。また、生活支援の分野において、高齢者の見守り支援にも貢献できる仕組みです。
エネルギーデータを地域社会の安全・安心につなげる先進的な取り組みのひとつです。
参考:数時間前の電力データを全国で順次活用し、社会課題を解決|NTTデータ
エネルギーインフラ企業が実践するデータ基盤活用とDX推進事例
最新ビッグデータ活用トレンド
現在、ビッグデータ活用は生成AIとの統合により新たな段階に入っています。蓄積されたビッグデータを生成AIの学習データとして活用することで、より高度な予測分析や自動化が可能になっています。
また、リアルタイムストリーミング分析技術の進化により、データが発生した瞬間に分析・活用できる環境が整いつつあります。IoTデバイスでのエッジコンピューティングと組み合わせることで、より迅速な意思決定が実現しています。
ビッグデータを活用するメリット

ビッグデータを活用すれば顧客への理解が深まり、新しいニーズや市場を見つけられます。
- 現状や課題をデータで正確に把握できる
- 顧客に合ったサービスが提供できる
- 想定外のニーズや市場が見つかる
現状や課題をデータで正確に把握できる
ビッグデータを活用すると、自社の課題を数字で把握できます。これまで感覚や経験に頼っていた判断も、データを参考に分析することで客観的に確認できるようになります。
具体例として、以下のような情報が確認できるでしょう。
- 棚に並んでいるものの手にとられにくい商品
- 地域別の売上や来店傾向
購買データや顧客のニーズを数字で確認でき、自社の戦略や施策に役立ちます。
顧客に合ったサービスが提供できる
ビッグデータを活用すれば、顧客一人ひとりの購買履歴や行動傾向を把握できるようになります。それに伴い、年齢や性別、ライフスタイルに応じたパーソナライズされたサービスの提供が可能です。
たとえば、次のような対応が考えられます。
- 過去の購買データをもとにしたおすすめ商品の表示
- 行動履歴からニーズを予測したメールや広告の配信
- ライフイベントに応じたサービスの提案
一人ひとりのニーズに合わせたコミュニケーションや商品の提案を行うことで、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。また、リピート率の向上や顧客のファン化にもつながります。
想定外のニーズや市場が見つかる
ビッグデータを活用すれば、企業がこれまで気づけなかった新たなニーズも発見できるようになります。ユーザーの行動データや検索傾向、購買履歴などを分析することで、従来のターゲット層とは異なる顧客や、思いもよらなかった潜在ニーズが見えてくるケースもあるからです。
たとえば、女性向けとして展開していた商品が、実は男性からの支持を多く集めていたりするケースもあるでしょう。意外な層にも人気があるとわかれば、ニーズに合わせた工夫ができるようになります。
ビッグデータを活用する際の注意点

ビッグデータの活用にはさまざまなメリットがある一方で、個人情報も扱うため適切な管理と運用が必要です。対策が不十分なままデータを運用すると、情報漏洩や法令違反などのリスクが生じる可能性があります。
また、ビッグデータを扱う際には、専門的なスキルを持つ人材の存在も欠かせません。データの取り扱いには細かなルールや注意点があるため、しっかりと管理できる人がいることで、トラブルを防ぎ安心して活用を進められるでしょう。
ビッグデータを活用する手順

ビッグデータを活用するには、段階的な手順が重要です。やみくもにデータを扱うと、効果が得られません。
目的に沿って、以下のように進めると活用しやすくなります。
- 目的や課題を明確に決める
- 必要なデータを集める
- 集めたデータを分析する
- 結果をグラフなどで可視化する
- 分析結果をもとに施策へ反映する
データをもとに現状を把握し、課題を見極めたうえで適切な対応をとることで、日々の業務や取り組みがより的確になり、成果にもつながりやすくなります。まずは自社の状況に合わせて、取り組みやすいところから始めてみるのがおすすめです。
ビッグデータ活用事例から自社に合う活用方法を見つけよう

ビジネスにおけるデータ活用は、業種や目的によって使い方もさまざまです。他社の事例を参考にすることで、自社にとって有効な活用方法が見えてくるでしょう。
まずは自社の目的や課題に近い事例から、取り入れられるポイントを見つけていくことが、効果的なデータ活用へとつながります。
「GENIEE CDP」は、顧客データの統合から分析、施策の実行までをワンストップで支援するプラットフォームです。AIによる分析支援やノーコード連携により、専門知識がなくてもスムーズにデータ活用を始められます。自社の目的に合ったマーケティング施策を進めたい方は、まずは資料をご覧ください。



























