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保険会社のデータウェアハウス導入事例を紹介!課題・技術・効果を整理

公開日: / 更新日: / データ活用/CDP
保険会社のデータウェアハウス導入事例を紹介!課題・技術・効果を整理

保険会社のDWH(データウェアハウス)構築を検討しているものの、「他社はどんな技術を使っているのか」「セキュリティ要件はどう満たすのか」「どこから手をつければいいのか」と判断に迷っている担当者は少なくありません。

契約データ・顧客データ・保険金支払データが複数の基幹系システムに分散している状況は、保険業界に共通する構造的な課題であり、その解消に向けてDWH構築を急ぐ企業が増えています。

本記事では、SOMPOホールディングス・第一生命保険の2社が実際に取り組んだDWH構築事例を中心に、採用技術・導入の進め方・得られた成果を具体的に整理していきます。

保険会社がDWH構築を急ぐ3つの構造的課題

保険会社のデータ活用が停滞している背景には、単一の問題ではなく、複数の課題が絡み合った構造があります。

データが分散している、システムが老朽化している、分析に時間がかかる。この3つは独立した問題ではなく、互いに影響し合いながらデータドリブン経営への移行を阻んでいます。それぞれの実態を順に見ていきます。

①データの分散:複数基幹系システムが生む「縦割り」の壁

生命保険・損害保険を問わず、保険会社の基幹系システムは契約管理・顧客管理・保険金支払管理といった業務領域ごとに個別に構築されてきた歴史があります。

その結果、同じ顧客に関するデータであっても、システムをまたいで参照するには手作業での突き合わせが必要になるケースが多く、横断的な分析が構造的に困難な状態に置かれています。

この課題が顧客体験に直結する場面として、グループ内の自動車保険と医療保険の情報連携が挙げられます。交通事故に遭った顧客に対して、自動車保険の担当部門と医療保険の担当部門がそれぞれ別々に対応するのではなく、両方の情報を参照しながら一体的にサポートできれば、顧客の負担は大きく軽減されます。しかし縦割りのシステム構造がそれを阻んでいるのが現状です。

②レガシー環境の老朽化:保守コスト増大とブラックボックス化

長年にわたって改修・拡張を繰り返してきたオンプレミスの基幹系システムは、内部構造が複雑化し、担当者が変わるたびに「なぜこの設計になっているのか」が分からなくなるブラックボックス化が進みやすい状態にあります。

この状態が続くと、保守・運用コストが増大するだけでなく、新たなデータ活用施策を実装しようとしても「既存システムへの影響が読めない」という理由で着手が遅れるという問題が生じます。

DWH構築やデータ連携基盤の整備を検討する際に、まず既存システムの棚卸しから始めなければならないケースが多いのも、この老朽化・複雑化が根本にあるためです。

③分析の遅延:IT依存体制がデータドリブン経営を阻む

業務部門がデータを必要とするたびにIT部門へ抽出依頼を出す体制では、データが手元に届くまでに数日から数週間かかることも珍しくありません。

その間に市場環境や顧客の状況が変化してしまえば、分析結果を受け取った時点でその情報の鮮度は落ちています。

営業施策やマーケティングキャンペーンの立案において、タイムリーなデータ参照ができないことは、意思決定の質と速度の両方に影響します。IT部門側も都度依頼への対応に工数を取られ、本来注力すべきシステム開発や改善に時間を割けないという問題も生じます。

データドリブン経営への移行を目指す保険会社にとって、この体制の解消はDWH構築の主要な動機の一つになっています。

保険会社のDWH導入事例:2社の課題・技術・効果

課題の構造が共通しているとはいえ、各社がどのような技術を選び、どのような順序で整備を進めたかは異なります。

ここでは出典が確認できた2社の事例を、課題・解決策・成果の流れで整理します。

SOMPOホールディングス株式会社

SOMPOホールディングスの事例では、グループ各社・各部門にデータが散在し、横断的な連携が取れていない課題がありました。

解決策として採用したのは、Palantir Technologiesとの合弁会社(Palantir Technologies Japan)を設立し、PalantirのデータプラットフォームとAWSを組み合わせた全社横断的なデータ活用基盤「Real Data Platform(RDP)」を構築するアプローチです。データサイエンティスト向けの高度な分析環境から、ビジネス部門が日常的に使えるBI環境まで、利用者の習熟度に応じた複数の入口を用意することで、グループ全体のデータ活用を段階的に促進する設計としています。

この取り組みにより、グループ横断的な統合データ管理基盤が実現し、データサイエンティストへの自由度の高い分析環境の提供と、ビジネス現場でのデータ活用促進が同時に進んでいます。

出典:出典:AWS 導入事例:SOMPOホールディングス株式会社(Amazon Web Services) URL:https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/sompoholdings-ulsystems/

第一生命保険株式会社

第一生命保険の課題は、ビジネス部門が個別にAWSを利用しており、全社的なガバナンスが効いていない状態にあったことです。部門ごとに独自のクラウド環境が乱立すると、セキュリティポリシーの統一やコスト管理が難しくなります。同時に、オウンドメディアのデータを活用して顧客との最適なコミュニケーションを構築するという業務側のニーズにも応える必要がありました。

技術面では、AWS Control Towerを導入してFISC安全対策基準に準拠したマルチアカウント基盤を構築しました。これにより、ガバナンスを効かせた形でAWSを全社利用できる環境が整いました。

成果として、ガバナンスの効いたクラウド環境を迅速に提供できる体制が整い、オウンドメディアのスコアリングが営業現場での活動に貢献し始めています。顧客満足度の向上という観点でも、データ活用が実際の業務改善につながっている事例です。

出典:第一生命、FISC に準拠した AWS のマルチアカウント基盤を 6 か月で構築。ガバナンスの強化とビジネスニーズへの素早い対応を実現(Amazon Web Services, 2024)

保険業界のDWH構築で採用されている技術スタックと選定基準

事例を見ると、採用技術はAWSを中心とした構成とDatabricksのようなクラウド非依存の構成に大きく分かれています。

どちらが優れているという話ではなく、自社の既存環境・データ量・AI活用計画によって適切な選択肢が変わります。ここでは主要な技術の特徴と、選定時に使える5つの判断軸を整理します。

AWS中心の構成:Amazon Redshift・S3・Glueの組み合わせ

すでにAWSを利用している保険会社にとって、Amazon Redshiftを中心とした構成は導入ハードルが低い選択肢です。RedshiftはMPP(超並列処理:Massively Parallel Processing)アーキテクチャを採用しており、大量の保険契約データや顧客データに対する集計・分析クエリを高速に処理できます。

実際の構成パターンとしては、Amazon S3をデータレイクとして活用し、AWS Glueでデータの変換・統合処理を行い、Redshiftに集約するという流れが広く採用されています。SOMPOホールディングスがAWS上にリアルデータプラットフォーム「Real Data Platform(RDP)」を構築した事例は、この構成の代表例といえます。

ただし、AWS Glueはデータ処理量が増えるにつれてランニングコストが想定を超えるケースがあります。処理量の増加に応じて専用のデータ変換ツールへの移行を検討することが、コスト管理の観点から有効な場合があります。

クラウド非依存・マルチクラウド対応:Snowflake・Databricksの特徴

特定のクラウドベンダーへの依存を避けたい場合、あるいはAI/ML活用を将来計画に含む場合は、SnowflakeやDatabricksが有力な選択肢になります。

Snowflakeはストレージとコンピュートを分離した設計を採用しており、AWS・Azure・Google Cloudの複数環境で動作します。データシェアリング機能を使えば、グループ会社間でのデータ共有もセキュアに実現できます。

Databricksが採用するレイクハウスアーキテクチャは、DWHとデータレイクを統合した構造です。BIツールによる過去データの集計・分析と、AI/機械学習による予測分析を単一プラットフォームで扱えます。Delta Lakeによるデータの信頼性確保も特徴の一つです。

技術選定の5つの判断基準

技術の特徴を理解した上で、自社の状況に照らして優先順位をつけることが選定の実務です。判断に迷いやすい5つの軸を整理します。

  • データ量・処理要件:契約データや自動車保険の走行データ(テレマティクスデータ)など大量データを扱う場合は、MPP処理能力とスケーラビリティが重要な評価軸になります。
  • 既存クラウド環境との親和性:すでにAWSを利用しているならRedshift中心の構成、Azureならば Synapse Analyticsが導入コストを抑えやすい傾向があります。
  • コスト体系:クラウドDWHは従量課金が基本のため、データ量・クエリ頻度の増加に伴うランニングコストの試算と、継続的なモニタリング体制の設計を導入前に行うことが重要です。
  • AI・機械学習との連携計画:将来的にAI活用を本格化させる計画があるなら、BIと機械学習を統合的に扱えるレイクハウス型の構成を最初から視野に入れることで、後からの移行コストを抑えられます。
  • 運用負荷:フルマネージドサービスを活用することで、インフラ管理の工数を削減し、データ活用施策の開発に人的リソースを集中させやすくなります。

業務部門の担当者がITスキルに関わらずデータを活用できる状態を目指す場合は、DWHで整備したデータ基盤をマーケティング施策に接続する部分との役割分担も、技術選定の段階から検討対象に含めておくと後工程がスムーズになります。

例えば、GENIEE CDPのようにノーコードで複数のデータソースを集約し、AIが分析をサポートするツールを組み合わせることで、社内に専門人材がいない場合でもDWHで統合したデータをマーケティング施策へ接続しやすくなります。

保険データのセキュリティ・ガバナンス要件をDWH上でどう満たすか

保険会社がDWHを構築する際、技術選定と同じくらい重要なのがセキュリティとガバナンスの設計です。

個人情報保護法・FISC安全対策基準・保険業法という複数の規制に対応しながら、業務部門がデータを自由に活用できる環境を整えるには、アクセス制御の設計と組織体制の整備を並行して進める必要があります。

FISC準拠のクラウド基盤設計:第一生命保険の事例から学ぶ

金融機関のシステム安全対策の基準として広く参照されているFISC安全対策基準は、クラウド利用にも対応した内容に継続的に改訂されています。

FISCは2025年3月に第13版を公表しており、経済安全保障推進法への対応・オペレーショナルレジリエンス・AI/生成AIのリスク対応が新たに盛り込まれています。

第一生命保険の事例は、FISC準拠とクラウド活用を両立させた具体的なアプローチとして参考になります。AWS Control Towerを導入してマルチアカウント基盤を構築することで、部門ごとに乱立していたAWS環境を統制し、セキュリティポリシーの一元管理を実現しました。

ガバナンスの効いたクラウド環境を迅速に提供できる体制が整ったことで、新たなデータ活用施策の立ち上げスピードも向上しています。

データマスキングとアクセス制御の実装パターン

開発・分析環境で個人情報を扱う際、本番データをそのまま利用することはセキュリティリスクになります。

カラムレベルのデータマスキングを実装することで、氏名・住所・保険金額といった機密性の高い項目を開発環境では参照不可にしながら、データの構造や傾向を分析に活用できる状態を保てます。

アクセス制御は、カラムレベルと行レベルの2層で設計するのが実務的なアプローチです。カラムレベルでは部門・役職に応じて参照可能な項目を制限し、行レベルでは担当エリアや担当顧客の範囲に応じてデータの参照範囲を絞ります。

この2層の制御を組み合わせることで、業務部門の担当者がセルフサービスで分析できる環境を整えながら、必要以上のデータへのアクセスを防ぐことができます。

データガバナンス体制の整備:データの民主化と安全性の両立

技術的なアクセス制御を整えるだけでは、データガバナンスは機能しません。「このデータは誰が管理責任を持つのか」「どの部門がどの範囲のデータを利用できるのか」という組織的な役割定義が伴って初めて、制御の仕組みが実効性を持ちます。

具体的には、データオーナー(データの管理責任者)とデータスチュワード(データの品質・利用ルールの管理担当者)の役割を定義し、各データ資産の責任の所在を明確にすることが出発点になります。この役割定義と合わせて、データカタログを整備することで、全社員が「どこにどんなデータがあるか」を把握し、安心して活用できる環境が整います。

セキュリティ監視の自動化も、ガバナンスを継続的に維持するうえで重要な要素です。アクセスログの自動収集・異常検知・定期的なアクセス権限の棚卸しを仕組みとして組み込むことで、運用担当者の手作業に依存しない体制を構築できます。

保険会社のDWH構築プロジェクトの進め方と成功のポイント

技術とセキュリティの設計が固まっても、プロジェクトの進め方を誤ると成果が出る前に予算超過や組織の疲弊が起きます。

保険業界の事例に共通するのは、スモールスタートで効果を実証してから拡張するアプローチです。ここでは、PoCの設計から段階的拡張、そして成功確率を高める3つの注意点を整理します。

フェーズ1:PoCで効果を実証する(スモールスタートの設計)

PoCの対象範囲は、「効果が数値で見えやすい業務領域」から選ぶことが重要です。

営業実績の分析や保険金支払コストの分析など、現状の課題と改善効果が明確に対応している領域を選ぶと、経営層への説明と次フェーズへの予算確保がしやすくなります。

PoCで検証すべき項目は、技術的実現性・クエリパフォーマンス・コスト・セキュリティ要件への適合性の4点です。特にコストは、本番環境でのデータ量を想定したシミュレーションを行い、ランニングコストの上限を事前に設定しておくことが後のトラブル防止につながります。

成功基準を定量的に設定しておくことで、PoCの結果が「なんとなく動いた」ではなく、次フェーズへの移行判断の根拠になります。

フェーズ2:段階的拡張とデータの民主化

PoCで効果が実証できたら、データソースの追加と利用部門の拡大を段階的に進めます。

一度にすべての部門・データを統合しようとすると、要件定義の複雑化と品質管理の負荷が急増するため、優先度の高い領域から順に拡張するロードマップを描くことが現実的です。

この段階で重要になるのが、BIツールやノーコード分析ツールの導入による業務部門のセルフサービス分析環境の整備です。ツールの導入と並行してデータアナリストを育成することで、「使える環境はあるが使える人がいない」という状態を防ぎ、データ活用文化の醸成を加速させることができます。

プロジェクト成功のための3つの注意点

DWH構築プロジェクトが途中で停滞するケースには、共通したパターンがあります。コスト管理・経営コミットメント・組織横断の協働体制のいずれかが欠けると、技術的には正しい設計でもプロジェクトが前に進まなくなります。

コストの継続的なモニタリングは、クラウドDWH特有のリスクへの対処です。従量課金の特性上、データ量やクエリ頻度の増加に伴ってコストが想定を超えることがあります。最初のフェーズからコストアラートの設定と定期的な最適化レビューを設計に組み込んでおくことが、後の問題を防ぎます。

経営層のコミットメントは、プロジェクトの優先度と予算を守るために不可欠です。DWH構築は短期間で劇的な成果が出るものではなく、データ品質の向上や人材育成を含む中長期の取り組みです。経営層が「なぜこれをやるのか」を自分の言葉で語れる状態でなければ、困難が生じたときにプロジェクトが縮小・停止するリスクが高まります。

IT部門と業務部門の協働体制は、DWHが「作って終わり」にならないための仕組みです。業務部門が何を分析したいかを起点に要件を定義し、IT部門がそれを技術的に実現するという双方向のコミュニケーションが継続的に機能する組織横断チームの設置が、プロジェクトの実効性を高めます。

まとめ

各事例に共通するのは、「データ基盤の整備」「人材育成・組織変革」「明確なビジネス目標」の3点が揃っているという点です。

技術的に優れた基盤を構築しても、使いこなせる人材と組織がなければ効果は限定的になります。逆に言えば、この3点を意識してプロジェクトを設計することが、成功確率を高める最も確実な方法です。

自社のDWH構築を次のステップへ進めるにあたって、以下の4点を確認することから始めてみてください。

  1. 自社の課題は「データの分散」「レガシー環境の老朽化」「IT依存の分析体制」のどれが最も深刻か
  2. 既存のクラウド環境(AWS・Azure・GCPなど)の利用状況と、それを踏まえた技術選定の優先候補は何か
  3. FISC安全対策基準への準拠状況と、DWH構築に際して追加で対応が必要なセキュリティ要件は何か
  4. PoCの対象として最も効果が見えやすい業務領域はどこか、そしてその成功基準をどう定量化するか

DWH構築後のデータ活用をさらに加速させたい場合は、DWHで統合したデータをマーケティング施策に直接つなげるCDPの活用も有効な選択肢です。

GENIEE CDPは、ノーコードで複数のデータソースを集約し、AIが分析をサポートする顧客データ基盤です。社内に専門人材がいない場合でも、オンライン・オフラインのすべての顧客接点データを一元管理し、MAツールなどへのセグメント連携まで一気通貫で実現できます。

DWHで整備したデータ資産を「施策実行」まで確実につなげたい保険会社の担当者には、ぜひ検討の俎上に載せていただきたいソリューションです。

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GENIEE's library編集部
執筆者

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株式会社ジーニー


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