Qast(キャスト)とは?メリットや特徴、機能、料金体系まで解説

属人化した知識は組織全体の生産性を低下させ、情報共有の仕組みがないと社員間の知識格差が広がり続けてしまいます。そこで注目されているのが、ナレッジマネジメントツール「Qast」です。
本記事では、Qastの基本機能や特徴、料金体系、導入メリットを客観的な視点で解説します。
※本記事は2026年2月時点の情報を元に執筆しております。最新の情報につきましては公式サイトをご参照下さい。
Qast(キャスト)とは

Qastは、any株式会社が提供するクラウド型のナレッジ共有ツールです。5,000社以上(※2022年6月時点)の導入実績があり、現在は利用ユーザー数80,000人以上に拡大しています。「質問と回答」「メモ」の2つの形式で社内の知識を蓄積・共有できます。
個人に依存しがちなノウハウを組織全体で活用できる形に変換する仕組みが特徴です。新入社員の研修効率化やよくある質問への対応削減、リモート環境での情報格差解消などに効果を発揮します。
Qastとほかのナレッジマネジメントツールとの違い
Qastは社内版知恵袋として匿名での質問・回答に対応しており、FAQ管理やマニュアル整備など幅広い用途で社内ナレッジを一元管理できます。
他ツールと比べた際の主な違いは以下の通りです。
- PDFやWordなど添付ファイル内の文字列まで検索できる高い検索性
- 誰がどの投稿を読んだか確認できる既読機能
- 情報共有への貢献度をスコアで可視化できる機能
- 匿名での質問・回答が可能
部署間の情報共有に課題を感じている企業を中心に、広く活用されています。
Qastの基本機能

Qastには、ナレッジ共有を組織全体に定着させるための6つの主要機能が備わっています。
| 機能 | 概要 |
| Q&A | ・社内の疑問と回答を蓄積する「社内版知恵袋」・匿名での質問も可能で、同じ質問への対応を削減し生産性を向上させられる |
| ファイル to ナレッジ | ・PDF・Word・Excelなどあらゆるファイルをドラッグ&ドロップするだけでナレッジ化できる・手書き書類もAI-OCRで読み取り、タグも自動付与する |
| こましりchat | ・蓄積されたナレッジをもとにAIが回答を自動生成する・回答のソースも提示されるため、正確性の確認も容易 |
| AIナレッジインタビュー | ・AIアバターが質問を生成し、有識者との音声対話を通じて暗黙知を引き出し、構造化されたナレッジに自動変換する・現場のベテランの暗黙知を形式知化できる |
| ミーティング to ナレッジ | ・ミーティングや音声データからAIがナレッジ投稿を自動生成・議事録作成の手間を省きワンストップでナレッジ化が可能 |
| ダッシュボード | ・閲覧数・投稿数・ログイン数などを定量的に把握・分析・PDCAを回しながらナレッジマネジメントを推進できる |
それぞれの役割を理解したうえで使い分けることが、Qastを有効活用するポイントです。
Qastの特徴

Qastには、社内のナレッジ共有を効率化する5つの特徴があります。
- QastAIで検索や質問を自動生成できる
- 誰が何に詳しいかがわかる
- シンプルで誰でも使いやすい
- チャットツールと連携ができる
- 部署ごとに使い分けができる
それぞれの特徴を詳しく紹介します。
QastAIで検索や質問を自動生成できる
QastAIは、生成AI技術を活用してナレッジ活用を効率化できる点が強みです。投稿内容の要約を自動で作成するため、情報の把握にかかる時間を短縮できます。
また、検索しても回答が見つからない場合には、AIが質問文を自動生成してくれるため、何を聞けばよいかわからない場面でも情報収集をスムーズに進められます。
誰が何に詳しいかがわかる
Qastでは、各メンバーの得意分野やノウハウを組織全体で把握でき、必要な人材をすぐに見つけられます。たとえば、以下のようなシーンで活用できます。
- 新規プロジェクトで経験者を探すとき
- 専門知識が必要な対応が発生したとき
部署をまたいで有識者をすぐに探せるため、社内の人材を最大限に活かした対応ができるでしょう。
シンプルで誰でも使いやすい
Qastは画面がシンプルで、誰でも使える設計になっています。ITツールに不慣れな社員でもすぐに使い始められるでしょう。投稿はトップページから投稿タイプを選んで内容を入力するだけで、全メンバーへの共有が完了します。
また、テンプレート機能を活用すれば、文章作成が苦手なメンバーでも定型フォーマットに沿って簡単に投稿できるため、情報共有の習慣が組織全体に広がりやすくなるでしょう。
チャットツールと連携ができる
QastはSlackやMicrosoft Teamsと連携可能です。チャットツールは手軽に情報をやり取りできる一方、会話が流れやすく後から振り返りにくい課題がありますが、Qastと連携することで解消できます。
具体的には、チャットツール上の有益な投稿をそのままQastに保存してタグを付与することで、必要なときに情報を引き出せます。また、Qastへの新規投稿をSlackやTeamsに通知する設定もでき、情報の見落としも防げるでしょう。
部署ごとに使い分けができる
Qastはフォルダごとにアクセス権限を個別に設定できるため、情報の公開範囲をコントロールできます。
部署や職種など共通の属性を持つグループごとにワークスペースを作成できるため、全社向けの情報と部署内だけで共有したい情報を使い分けることが可能です。
それぞれのメンバーが安心して情報を共有できる環境を整えやすく、組織全体のナレッジ活用が進むでしょう。
Qastの料金体系

Qastの利用には初期導入費用と月額費用がかかります。月額費用には3つのプランがあり、利用人数によって変動するため、詳細は公式サイトから問い合わせが必要です。
※以下は主要プランの一部です。スタンダード・ビジネスプランなど他のプランも存在します。詳細は公式サイトをご確認ください。
| プラン名 | プロフェッショナル | プロフェッショナルPlus | プロフェッショナルPlus&ミーティングtoナレッジ |
| 月額料金 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 1ファイル容量 | 250MB | 250MB | 250MB(ミーティングtoナレッジのみ2GB) |
| 主な機能 | 基本機能/ダッシュボード/セキュリティオプション/Qast AI | プロフェッショナルの機能/高度な表検索/AIナレッジインタビュー | ミーティングtoナレッジを含む全機能 |
公式サイトの情報では、Qastには「フリープラン」が用意されており、10名以下であれば無料で利用できます。ただし、QastAI機能は対象外のため、AI機能も含めて評価したい場合は有料プランへの移行が必要です。
Qastを導入する5つのメリット

Qastは機能面だけでなく、サポート体制やセキュリティ面でも充実しており、導入後の運用まで安心して取り組める環境が整っています。導入することで得られるメリットを5つ紹介します。
- 社内のナレッジ共有が簡単にできる
- 個人のノウハウが会社の財産になる
- 貢献度が見える化できる
- 高度なセキュリティで安心して利用できる
- 導入から定着まで専門家がサポートしてくれる
順番に見ていきましょう。
社内のナレッジ共有が簡単にできる
これまでナレッジは属人的な要素が強く、社内への蓄積が難しい課題がありました。QastのQ&A機能とメモ機能を活用することで、個人の経験やノウハウをナレッジとして組織全体で共有できます。
質問は匿名で送れるため、聞きづらい内容でも投稿しやすく、知りたい情報をいつでも検索可能です。結果として、業務効率が向上するでしょう。
個人のノウハウが会社の財産になる
個人の知識や経験は、そのままにしておくと退職や異動とともに消えてしまいます。Qastに蓄積されたノウハウは会社の資産として残り続けるため、人材の入れ替わりがあっても知識が失われません。
具体的には、以下のような場面で活用できます。
- 新入社員の教育・業務指導のとき
- 過去の事例をもとにした新しいアイデアや改善案を考えるとき
個人の経験を組織の財産として積み上げていけるのが、Qastの大きな強みです。
貢献度が見える化できる
Qastでは、質問・回答・リアクション・ベストアンサー数などをもとにスコアを算出し、各メンバーの貢献度を数値で確認できます。
貢献度は日常業務の成果とは別の指標ですが、ナレッジ共有への取り組みを客観的に評価できる点で組織にとって有益です。
可視化された評価指標があることで、メンバーのナレッジ共有への意欲が高まり、組織全体の情報共有が活性化するでしょう。
高度なセキュリティで安心して利用できる
Qastは、社内の重要な情報を扱うツールとして、セキュリティ面でも充実した対策が整っています。主に、以下のような対策が行われています。
- 信頼性の高いAWSを基盤に使用
- すべての通信と情報を暗号化して保存
- 不正アクセスを防止・検知する仕組みを搭載
- IPアドレスによるアクセス制限に対応
充実したセキュリティ対策により、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられるでしょう。
導入から定着まで専門家がサポートしてくれる
Qastは、ツールを提供するだけでなく、導入検討の段階から専門のナレッジコンサルタントがサポートしてくれます。
組織への展開から全社での活用定着まで、すべてのプロセスで支援を受けられるため、初めてナレッジマネジメントツールを導入する企業でも安心して進められるでしょう。
しかし、このサポートはプランによって必要なID数が異なり、詳細は公式サイトへの問い合わせが必要です。小規模での利用を検討している場合は事前に確認が必要です。
Qast導入前に知っておくべきこと

Qastを導入する前に、あらかじめ知っておきたいポイントが2つあります。
まず、投稿の公開範囲です。制限をしなければ投稿が社内全体に公開されるため、投稿することをためらうメンバーが出てくることが考えられます。事前にアクセス制限で公開範囲を絞るなどの対策をしておくと良いでしょう。
また、スコア機能が逆効果になる可能性もあります。貢献度の可視化に役立ちますが、数値が公開されることでかえって投稿へのプレッシャーを感じる場合もあります。スコア表示の設定は変更できるため、組織の状況に合わせて調整し、発言しやすい雰囲気をつくれるでしょう。
Qastの導入に向いている企業

Qastは以下のような企業に向いています。
| 企業の特徴 | 詳細 |
| 全社的な情報共有を実現したい企業 | 参加メンバー全員に情報を届けられるため、社内の情報共有をスムーズに進められる |
| ナレッジの一元管理を目指したい企業 | Q&A・メモ・こましりchatなどの機能で、日々の業務から生まれるナレッジを一か所に集約できる |
| さまざまな機能で業務を効率化したい企業 | 投稿・検索・チャットツール連携など充実した機能により、必要な情報にすぐアクセスでき、本来の業務に集中できる |
| 信頼性とセキュリティを重視する企業 | AWSを基盤としたセキュリティ対策と大手企業への導入実績があり、安心して導入できる |
自社の課題と照らし合わせたうえで導入を検討しましょう。
Qastの使い方

Qastの基本的な使い方は、投稿と分析の2つに分けられます。操作はシンプルですが、AIが読み込むデータを手動でアップロードする必要があり、外部システムとの自動連携には対応していません。扱うデータ量が多い現場では、更新作業の負荷が大きくなるため注意が必要です。
ここからは具体的な操作の手順を確認していきましょう。
質問・メモで投稿する内容を作成する
Qastへのナレッジ蓄積は、「質問」と「メモ」の2つの形式で行います。
【投稿の手順】
- 画面左上から「質問する」または「メモを書く」を選択
- ゼロから作成もしくは、テンプレートを選択
- 投稿先のワークスペースとフォルダを選択
- タイトルと本文を入力
- 関連タグを設定
- 「投稿」をクリックして完了
画面がシンプルなため、操作は簡単です。投稿後はメンションで任意の宛先に通知でき、質問は匿名での送信にも対応しています。
ダッシュボード機能で分析する
ダッシュボードはQastの利用状況を可視化し、ナレッジ蓄積・共有の課題発見や改善に活用できる機能です。閲覧数・既読数・平均閲覧数・リピート数などを定量的に分析でき、社員ごとの投稿数やいいね数をもとにしたスコア算出も可能です。
【ダッシュボードの開き方】
- トップページ右上のアイコンから「マイページ」をクリック
- 左サイドバーの「ダッシュボード」タブをクリック
- ダッシュボードが表示される
サマリー・統計・ユーザー別・投稿別のメニューがあり、サマリー以外のデータはCSV形式でエクスポートが可能です。なお、ダッシュボードは管理者・リーダー権限のみ利用でき、スマートフォンからはアクセスできません。
Qast導入事例・効果

ある鍼灸・整骨院グループでは、スタッフ全員がQastを使って日々の疑問や知識を共有しています。
導入前は情報が各所に点在しており、伝わっているようで伝わっていないことが課題でした。また、院長会議で説明しても社員全体への周知が難しく、スタッフが質問したくても誰に聞けばよいかわからないなどの課題もあったようです。
しかし、ツールの導入後は「伝えたつもり」が解消され、情報の全体共有が実現。治療・オペレーションの知識が統一され、組織全体のナレッジの質が向上したそうです。
情報の全体共有が実現したことで知識の統一だけでなく、質問しやすい環境が整い、誰が何に困っているかも把握できるようになった事例です。
参考:インターフェイスがシンプルでわかりやすかったことが浸透した一番の理由です|Qast
ナレッジ管理で組織の生産性を高めよう

Qastのようなツールで属人化した知識を共有すれば、誰もが必要な情報へすぐにアクセスでき、業務効率は向上します。蓄積されたノウハウを顧客対応に活かせば、一人ひとりに最適化された施策をスムーズに実施できるでしょう。
Qastは多くの利用ユーザーを抱える大変優れた製品です。一方で、運用面においては留意点を確認する必要があります。AIが読み込むデータを手動で都度アップロードする手間が必要となるため、データ量やデータの種類が多いほど更新作業の負荷が大きくなってしまう傾向があり注意が必要です。
こうした運用負荷を抑え、複数データの自動連携且つリアルタイムでの更新を実現するといわれQastと同様に注目を集めているいるツールがAIエージェントとCDPツールを組み合わせた「GENIEE CDP」です。社内システムに散在するデータを自動で集約・連携・統合・ベクトル化し、AIが学習しやすい基盤を構築します。
Qastとの違いは、社内の各ツールやシステムから自動でデータ統合できるリアルタイム連携が可能な点です。これらの機能により、データを都度手作業でアップロードする必要がなく、運用負荷も軽減できます。ナレッジの蓄積から実用までを効率化する仕組みとして、「GENIEE CDP」の詳細をぜひご確認ください。




























