Salesforce CDPとは?主な特徴と自社に合ったCDPの選定ポイント


Salesforce CDPは、企業内に散らばる膨大な顧客データをリアルタイムで統合し、各顧客に最適化した体験を提供するうえで有用なプラットフォームです。現在は名称がData 360(2025年10月のWinter ’26リリースにて正式改称)へと変更されているものの、データ活用基盤としての役割に変わりはありません。
しかし、「他のツールとの違いがわからない」「自社に最適なCDPであるかがわからない」といった悩みがあり、導入検討が進まない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Salesforce CDPの主な機能や導入のメリット、自社に最適なツールを選定するためのポイントを解説します。Salesforce CDPの理解を深め、自社の課題解決に直結するCDPを選定したい方は、ぜひ参考にしてください。
Salesforce CDP(現|Data 360)とは

Salesforce CDPとは、Salesforce社が提供するCDP(顧客データプラットフォーム)です。ここでは、以下の項目について解説します。
- CRMとCDPの違い
- Salesforce CDPとData 360の関係性
概要を把握しておけば、Salesforce CDPの理解を深めやすくなります。
CRMとCDPの違い
CRMとCDPはどちらも顧客データを扱うシステムですが、役割と活用目的が異なります。
CRM(顧客管理システム)は、顧客情報や商談履歴などを管理し、営業活動や顧客対応を支援するためのシステムです。主に営業やカスタマーサポートなどの業務で利用される顧客管理ツールであり、基本的には自社システム内の顧客情報を管理することを得意としています。
一方でCDPは、複数のシステムに分散した顧客データを統合し、分析・活用するためのデータ基盤です。マーケティングやデータ分析など、幅広い部門で活用できます。CDPはWeb行動履歴や購買履歴、アプリ利用履歴など、複数のデータソースを統合して顧客データを整理できる点が強みです。
自社内の顧客対応を円滑にするのがCRMであり、社内外のあらゆるデータを統合してマーケティング精度を高めるのがCDPであるといえます。
Salesforce CDPとData 360の関係性
Salesforce CDPは現在Data 360として提供されており、Salesforceの顧客データ基盤を担うプラットフォームとして位置付けられています。これまでに、同システムの名称はSalesforce CDPからData Cloud(途中「Genie」という名称も経由)、そして2025年10月にData 360へと変更されてきました。
Data 360への改称はDreamforce 2025(2025年9月)で発表され、2025年10月14日のWinter ’26リリースで正式適用されました。Agentforce 360ブランド戦略の一環として位置付けられています。
Data 360はCRMやマーケティングツール、Web行動データなど、複数のシステムに分散した顧客データを統合し、企業全体で活用できるデータ基盤を構築します。その結果、営業・マーケティング・カスタマーサポートなどの部門が共通の顧客データを参照できるようになり、部門横断で顧客理解を深めやすくなります。
参考:Salesforce|Data 360(旧Data Cloud)
Data 360公式ページ(日本語):https://www.salesforce.com/jp/data/
Data 360とは?ガイド(日本語):https://www.salesforce.com/jp/data/guide/
Data 360 接続性(コネクター一覧):https://www.salesforce.com/jp/data/connectivity/
Salesforce CDP(Data 360)の主な機能

Salesforce CDPは、データの収集から活用までを一気通貫でサポートする、以下の機能を備えています。
- さまざまなデータソースの統合
- ID解決による統合顧客プロファイルの構築
- 顧客データ分析によるセグメントの作成
- データをもとにした顧客ごとに最適なマーケティング施策の実行
これらの機能を知ることで、具体的にどのように活用できるのかをイメージしやすくなります。
参考:Salesforce|Data 360(旧Data Cloud)
さまざまなデータソースの統合
Salesforce CDPは、CRMやマーケティングツール、Web行動データなど、企業内に分散したさまざまなデータソースと連携して一元化する機能を備えています。200種類以上の標準コネクターを活用することで、Salesforce製品だけでなく、外部のデータベースや主要なクラウドサービスともスムーズに接続可能です。
また、購買履歴のような構造化データだけでなく、ログやテキスト、画像などの非構造化データにも対応しています。さらに、ゼロコピー統合(Zero Copy Data Federation)の仕組みを用いることで、SnowflakeやDatabricks、BigQueryなどの外部データプラットフォームのデータを物理的に移動・複製することなく、Salesforce上でリアルタイムに参照・活用できます。データの重複管理が不要になるため、ストレージコストを抑えながら、常に最新の状態のデータを分析・活用できます。ID解決による統合顧客プロファイルの構築
Salesforce CDPは、複数のシステムに分散して存在する同一人物の情報を統合し、1人の顧客として整理された統合プロファイルを作成できる機能を備えています。ID解決機能により、メールアドレスや電話番号、顧客IDなどの情報をもとに同一人物であることを識別し、バラバラだった顧客データを1つにまとめられます。
その結果、Webサイトの閲覧履歴から購買履歴、サポートへの問い合わせ履歴までを網羅した、統合顧客プロファイル(Customer 360)の構築が可能です。さらに、統合されたデータはSalesforceの標準データモデルにマッピングされるため、部門間で共通の言語として情報を活用しやすくなります。
顧客データを統合したプロファイルを構築することで、企業は顧客の行動背景や潜在的なニーズをより正確に捉えられるようになります。
シングルカスタマービューを実現するCDP活用術:ID解決と同意管理の基本おすすめCDPツール11選
顧客データ分析によるセグメントの作成
Salesforce CDPには、統合された顧客データを分析し、特定の条件に応じた最適な顧客セグメントを柔軟に作成できる機能があります。顧客属性や購買履歴、リアルタイムなWeb行動データなどを自由に組み合わせて分析することで、ターゲット顧客の詳細な分類が可能です。
また、単なるセグメントの抽出に留まらず、顧客生涯価値(LTV)やエンゲージメントスコアなどの指標を生成し、顧客の価値も把握できます。分析によって作成されたセグメントは、マーケティングツールや広告プラットフォームとシームレスに連携でき、ターゲットに応じた施策を実行しやすくなります。
データをもとにした顧客ごとに最適なマーケティング施策の実行
顧客データの分析結果を基盤として、顧客ごとに最適化されたマーケティング施策を適切なタイミングで実行できます。作成された顧客セグメントや過去の行動データにもとづき、メール配信やSNS広告などの施策との連動が可能です。
また、顧客の興味関心や直近の行動履歴に応じてメッセージ内容を動的に変更することで、パーソナライズされた顧客体験を提供できます。さらに、MA(マーケティングオートメーション)や広告プラットフォームと連携することで、施策の自動化や効率的な運用の推進も可能です。
Salesforce CDP(Data 360)を導入するメリット

Salesforce CDPを導入すると、データの統合にくわえ、以下のようなメリットが得られます。
- 顧客理解を深められる
- データ分析やマーケティング施策を効率化できる
- データの管理とガバナンスを強化できる
メリットを把握することで、Salesforce CDPの導入判断に役立ちます。
顧客理解を深められる
Salesforce CDPを活用すると、複数のシステムやチャネルに分散した顧客データを統合でき、顧客の行動や属性の横断的な把握が可能です。
顧客ごとの状況やニーズを理解できるようになるだけでなく、営業・マーケティングなどの部門が同じ顧客データを共有でき、部門横断で顧客理解を深められます。また、顧客データを統合した360度ビューを活用することで、顧客の行動背景や関心を踏まえた意思決定が可能になります。
データ分析やマーケティング施策を効率化できる
Salesforce CDPは、顧客データの収集や統合、分析を自動化することで、データ活用のプロセスを効率化できます。
複数のシステムに分散していたデータをまとめて分析できるため、顧客分析やマーケティング施策の立案をスムーズに進められるでしょう。また、セグメント作成や予測分析を活用することで、購入の可能性が高い顧客やフォローが必要な顧客を効率的に抽出できます。さらに、リアルタイムで更新されるデータをもとに施策を実行できるため、顧客の行動変化に合わせたマーケティング施策を展開しやすくなるでしょう。
データの管理とガバナンスを強化できる
Salesforce CDPは、顧客データを一元管理することで、データ管理ルールやアクセス権限を統一しやすくなります。
ポリシーベースのデータガバナンス機能を活用することで、データの利用範囲やアクセス権限を適切に管理できます。また、データの分類やタグ付けを自動化する仕組みにより、機密情報や個人情報の管理を強化できる点も特徴です。
セキュアな接続や暗号化などの仕組みにより、外部システムと連携しながらも安全に顧客データを管理できます。さらに、データガバナンスを強化することで、企業はコンプライアンスを遵守したうえで顧客データを安心して活用できるようになります。
Salesforce CDP(Data 360)が向いている企業

Salesforce CDPの導入が向いている企業の特徴は、以下のとおりです。
- Salesforce製品をすでに導入しており、CRMやマーケティングツールと連携した顧客データ活用を強化したい
- Web行動履歴や購買履歴、アプリ利用履歴など多様な顧客データを統合し、顧客理解を深めたい
- 営業やマーケティング、カスタマーサポートなど複数部門で顧客データを共有し、部門横断で顧客対応を高度化したい
- 広告プラットフォームや外部データ基盤と連携しながら、データドリブンなマーケティング基盤を構築したい
- 顧客データの管理ルールやアクセス権限を統一し、データガバナンスを強化したい
条件に当てはまる企業であれば、Salesforce CDPを有効活用できる可能性が高まります。
Salesforce CDP(Data 360)に向いていない企業

一方で、自社のフェーズや体制によっては、導入が向いていない可能性もあります。たとえば、以下のような特徴に当てはまる場合、慎重に導入を検討してみましょう。
- 顧客データの量が少なく、複数のシステムにデータが分散していない
- CRMやMAなどのツールをほとんど導入しておらず、連携できるデータソースが少ない
- 顧客データを活用したマーケティング施策やデータ分析の運用体制が整っていない
- 小規模なデータ環境でシンプルな顧客管理のみを目的としている
- データ基盤の整備やマーケティングの高度化を目的としていない
このような場合は、まずは基本的なCRMの整備や、運用体制の構築から優先して取り組むことが重要です。
自社に合ったCDPを選定するためのポイント

自社に最適なCDPを選ぶには、機能の比較だけでなく、以下の観点で選定することが重要です。
- CDP導入の目的を明確にする
- 既存システムとの連携やデータ要件を整理する
- 導入後の運用体制やKPIを設計する
選定のポイントを押さえることで、導入後に「使いこなせない」といった事態を防ぎ、導入による失敗を回避しやすくなります。
CDP導入の目的を明確にする
CDPの導入を成功させるためには、顧客データを統合して何を実現したいのかという導入目的の明確化が重要です。
顧客データの分散や施策の属人化など、現在の課題を具体的に整理することで、CDP導入の必要性やどの製品を選定すべきかを判断しやすくなります。また、数値目標を伴う活用シナリオを設定することも重要です。具体的な活用イメージを事前に描くことで、必要な機能やデータ要件を整理しやすくなります。
既存システムとの連携やデータ要件を整理する
CDPを選定する際は、CRMやMA、SFAなど既存システムとの連携可否を事前に確認することが重要です。
どのシステムからどの顧客データを取り込むのかを整理することで、必要なデータ要件を明確にできます。また、データ形式や項目の違いを整理し、データ統合に必要なマッピングやクレンジングの方針を検討することも欠かせません。
顧客データの保存場所やデータの種類を洗い出すことで、CDP導入時のデータ統合作業をスムーズに進められるようになります。
導入後の運用体制やKPIを設計する
CDPは導入して終わりではなく、継続的に活用できる運用体制を整備することが重要です。たとえばマーケティング部門だけでなく、営業やIT部門など関係部署と連携したプロジェクト体制を構築する必要があります。
また、データ統合時間の削減や顧客理解の向上など、運用効果を測定するKPIの設定も重要です。初期段階では業務効率化に関するKPIを設定し、運用が進んだ段階で売上やLTVなどの成果指標を設定すると効果を測定しやすくなります。
このように、運用体制とKPIを事前に設計することで、CDP導入後のデータ活用を継続的に改善できます。
Salesforce CDPを含め、自社の目的に合ったCDPを選定しよう

Salesforce CDPは、分散している顧客データを統合し、顧客理解やマーケティング施策の高度化を実現できるツールです。Salesforce製品との連携に優れており、部門を横断したデータ活用や顧客ごとに最適化された施策の実行が可能になります。
一方で、多機能がゆえに、導入目的や社内体制によって設計・運用の負荷が高くなる場合もあります。そのため、導入前には自社の運用体制で継続活用できるかを確認したうえで比較検討することが重要です。CDPはデータ基盤という重要なシステムであるからこそ、自社に合ったツールを吟味し、比較検討することが求められます。
コストパフォーマンスの高いCDPツールをお探しであれば、「GENIEE CDP」も一度検討のテーブルに乗せ、比較してみてください。GENIEE CDPは、さまざまなツールとノーコードで連携できる手軽さや、AIを活用した分析のサポートに強みを持つCDPです。
導入・運用体制が整っており、導入効果を最大化できるようにサポートを行います。導入を検討される方は、まずは資料ダウンロードをご検討ください。



























