CRMの顧客データはどう扱うの?活用・分析方法を徹底解説

更新日:2023.02.21 / CRM 

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CRMシステムの導入を検討しているものの、顧客データをどう活用し、どのように分析すればいいのか疑問に思っている人も多いでしょう。CRMは単純に顧客を管理するだけでなく、事業戦略をたてるうえでも重要な役割を担っています。そこで、この記事ではCRMシステムの導入前に知っておきたい顧客データの種類や活用法、分析法について紹介します。

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CRMの顧客データの種類

まず、CRM(Customer Relationship Management )というのは顧客管理システムのことです。データベースなどを用いて顧客の情報を管理する役割を担っています。CRMの顧客データは2種類に分けられ、それが「定量データ」と「定性データ」です。まず、定量データというのは、顧客の住所や家族構成、年齢といった顧客情報のことです。定量データには、数値で表せるという特徴があります。一方で、「定性データ」というのは、カスタマーセンターなどで蓄積したお客様の声やクレーム、問い合わせの履歴など、数値化することが難しい情報を指しています。

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顧客データを活用するメリット

CRMの顧客データを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、「クロスセル・アップセルが狙える」「効率的に営業活動を行える」という2点についてご紹介します。

 

クロスセル・アップセルが狙える

「クロスセル」とは、ある商品の購入を検討している顧客に、その商品に関連したほかの商品やサービスを買ってもらうことを指し、「アップセル」とは、顧客が購入検討中のものや、すでに使っているものよりも価格の高い上位の商品やサービスを買ってもらうことを指します。クロスセルとアップセルのどちらとも、成功すれば新たに顧客数を増やすことなく、売上を向上させることができることが特徴です。

こうしたクロスセル・アップセルの達成を目指すうえで役に立つのが、顧客データです。購入した日時や、利用開始後に顧客から寄せられたコメントや要望といったデータは、アップセルのタイミングを逃さないようにすることや、各顧客に対して適切な提案をすることに活用することができます。
また、クロスセルを目指したレコメンドをするためには、「どのような人にどんな商品が売れたのか」という購買データが欠かせません。

 

効率的に営業活動を行える

取得した顧客に関するさまざまなデータは、CRMで整理・分析することで営業活動のあらゆるシーンを効率化することができます。 

顧客の年齢層や、購買履歴、事業規模などの基本的な情報はもちろん、アプローチや商談に対する反応や温度感といった結果も、CRMシステムに入力することでスムーズに共有できます。データベースを検索すれば、名簿から顧客情報を探し出す時間や手間も必要なく、顧客情報を紛失する心配もありません。業務効率を高めることができるのです。

 また、蓄積された顧客データがあれば、顧客の動向を把握してより正確にニーズを堀り起こすこともできます。顧客データを活用して、それぞれのターゲットが持つ共通の特徴を探したり、現在の案件に似た過去のケースを参考にしたりすることで最適な営業戦略を作成し、着実に利益を目指していくことができるようになるでしょう。

 

CRMの顧客データの活用方法

では、CRMの顧客データは実際にどのような場面で活用できるのでしょうか。この段落では、CRMの顧客データの活用方法を2つ紹介します。

 

ダイレクトメールの配信

CRMに蓄積した顧客データを活用することで、企業はダイレクトメールの一斉送信ができます。既存の顧客なのか、見込み客なのかといった顧客の状況や属性に合わせて、ダイレクトメールの内容を変更することも可能です。顧客に応じた情報を発信することで、興味を持ってもらえる確率も上がるでしょう。なお、ダイレクトメールは送信して終わりではなく、送信したメールの開封率やクリック率を確認し、振り返りを行うことが大切です。

 

顧客データの分析と戦略立案

顧客データを分析することで、分析結果を基にした戦略立案ができます。たとえば、分析によって自社にとっての優良顧客を洗い出すことができれば、積極的に新しい商品やサービスを宣伝したり、貢献度に応じて優待したりすることもできるでしょう。現状としてまだ購入に至っていない顧客に対しては、データを生かして原因を追究し、改善策を考えることもできます。商品が売れたにせよ、売れなかったにせよ、その原因を探ることはビジネスを発展させていくうえで必要不可欠です。なぜ売れたのか、誰に売れたのか、いつ売れたのかなどは、蓄積された顧客データに、目的に応じた分析を加えることで見えてくるでしょう。

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CRMの顧客データの分析方法

セグメンテーション(segmentation)は、区分け・分割などの意味がある言葉です。その意味の通り、セグメンテーション分析というのは、顧客をある一定の条件においてグループ化する方法を指しています。一定の条件に当てはまる項目は、分析の目的によってさまざまです。たとえば、何歳以上、何歳以下といった「年齢」や、「購入履歴」「行動パターン」などの条件を設定することで、当てはまる属性ごとに顧客を分けることができます。このように顧客をセグメント化することによって、企業にはアプローチすべきグループの優先順位をつけられたり、それぞれのグループに適した戦略を考えられたりといったメリットがあります。なお、これから紹介する分析方法の中では、比較的簡単な分析法です。

セグメンテーションの具体的な方法は4つあります。1つ目は、「地理的変数(ジオグラフィック)」といって、地域や気候、人口密度などで顧客を分ける方法です。一例を挙げると、日本国内が対象であれば、「関西と関東」「都市部と郊外」のように分けることもできるでしょう。2つ目は、「人口統計分布(デモグラフィック)」といって、年齢や性別、家族構成、年収などで顧客を分ける方法です。どの年齢層の顧客が多いのか、独身なのか、既婚者なのか、どの程度の年収なのかといった情報をもとにグループ化することができるでしょう。

3つ目は、「心理的変数(サイコグラフィック)」といって、価値観やライフスタイルで顧客を分ける方法です。たとえば、なにが好きなのか、どのような健康志向を持っているのか、休日はどのように過ごすのかといった情報で分けることができるでしょう。古いものを大切にするのか、新しいものを柔軟に受け入れるのかといった価値観もこれに含まれます。4つ目は、「行動変数」といって、顧客の行動でパターン化する方法です。たとえば、インターネット上で商品を販売している場合、顧客が商品にアクセスした経路や日時、頻度、購入の履歴などの情報をもとに、顧客を分類します。こうした分析を行うことで、企業は消費者の姿をより具体的に感じることができるのです。

 

RFM分析

「RFM分析」は、「Recency (最近購入日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary (購入金額ボリューム)」の3つの指標から顧客をランク付けしてグループ化する分析方法です。RFM分析により、重要度の高い顧客グループを明確化してかけるコストの優先順位を定めることや、それぞれのグループごとに適したマーケティング施策を行うことができます。

Recency (最近購入日)に関しては、各顧客が商品を購入した最後の日付を基準に、より直近に購入した顧客のほうが良い個客であると判断します。

Frequency(購入頻度)に関しては、各顧客がこれまでに商品を購入した回数を基準に、より繰り返し購入している顧客のほうが良い顧客であると判断します。

 Monetary (購入金額ボリューム)に関しては、各顧客のこれまでの購入金額の総額を基準に、より購入金額が高い顧客のほうが良い顧客であると判断します。

 RFM分析を行う際は、まず各指標の基準を作成しましょう。たとえば、たまにしか買わない高額商品であれば、Rの基準はそれほど最近購入していない顧客でも優良顧客に分類されるようにする、長持ちするものの繰返し購入されるサプリメントのような商品であれば、Fの基準はより細かい数字でグルーピングするなど基準の設定の仕方は扱う商品によって大きく変わります。

各指標のランキング結果からは、単純に全指標が高ランクの「優良顧客」以外にも、Fが低いもののRが高い顧客は「新規顧客層」である、F・Mに関しては高いもののRが低い顧客はつなぎ止めが必要な「離れつつある顧客」であるなどさまざまなグループを見出すことができます。こうして導き出したそれぞれの顧客グループに向けて、異なるアプローチを行うことで長期的な売上拡大が狙えるようになるでしょう。

 

デシル分析

デシル(decile)はラテン語で「10等分」を表す言葉です。「デシル分析」というのは、名前の通り顧客を10等分に分ける分析方法です。では、何を基準に分けるのかというと、その答えは「顧客が使ったお金の合計」です。顧客の購入金額のデータを基に、顧客を10等分のグループに分けます。たとえば、500人の顧客のデータをデシル分析する場合は、購入金額に応じた50人ずつのグループができあがる計算です。できあがったグループには上から順に、「デジル1」から「デジル10」までの名前をつけます。

最後に、グループごとの購入比率や売上構成比をはじき出せば、各グループの中でも特に売上貢献度の高いグループが見えてくるでしょう。この分析のメリットは、手軽に分析が行える点と、顧客に応じたアプローチが考えられる点です。たとえば、売上貢献度の高いグループには高額商品を進めたり、一方で貢献度の低いグループには購買意欲をそそるようなお得な情報を提供したりと、グループによって戦略を変えることができるでしょう。

 

行動トレンド分析

「行動トレンド分析」は、時系列に重きを置いた分析方法です。まず、セグメンテーション分析によって顧客を年齢や性別などの属性ごとに分類し、時系列(シーズン)ごとの購買商品を分析します。これによって、シーズンごとの売れ行きや売れ筋を把握できるため、次の販売戦略を立てる際に生かすことができるでしょう。

 

CTB分析

CTB分析は、顧客の好みの傾向を知るとともに、顧客がどの商品を購入するのかを予想するための分析方法です。CTBは3つの英単語の頭文字をつなげたもので、Cは「Category(カテゴリ)」、Tは「Taste(テイスト)」、Bは「Brand(ブランド)」を表しています。CTB分析では、この3つの指標を軸に顧客を分類していきます。たとえば、カテゴリというのは、メンズなのかレディースなのか、アウターなのかトップスなのかといった商品のおおまかな分類のことです。テイストは、色や柄、素材などのことを指しています。ブランドは、どのブランドの商品なのかということです。CTB分析を行うことで顧客の傾向を導き出し、次にどの商品を購入するか予測することが可能になります。ただし、こうした細かい情報に関しては、まずはシステムを導入するなどして、必要なデータをピンポイントで抽出できる環境を整えておく必要があるでしょう。

 

顧客データの活用手順

効果的に顧客データをマーケティングに活用するためには、データ分析の精度を高め続けていく必要があります。そのため、顧客データを活用する際には、「収集」・「分析」・「見直しと改善」という手順を繰り返して行い続けることが大切です。

 

顧客データを収集する

顧客データの収集にあたって必要となるのが、顧客から収集するデータの項目や、顧客をグループ化するための指標の設定です。これらを設定する前に一度ターゲットとなる顧客層を仮定し、その分析に必要になるデータを想定するのを忘れないようにしましょう。

顧客データの分析では、扱う商品やチャネルによってほとんど必要のない情報や、分析の邪魔になるような情報があります。データは分析だけでなく収集するのにも時間や手間といったコストがかかりますので、収集を始める前にある程度狙いをしぼっておくことで効率的にデータを集めることができるでしょう。

 

分析を行う

収集した顧客データをもとにデータ分析を行います。ここでは収集前に想定した、手に入れたい検証結果を導き出すのに最も効果的だと思われる分析方法を選びましょう。

それぞれの分析方法には、実行の手軽さや、結果から得られる消費者像の具体性など異なる特性がありますので、一概にどれがベストな方法であるということはできません。扱う商材や想定されるターゲット層、割くことのできるリソースなどを考慮してベターな方法を選ぶことになります。

 

分析結果をもとに改善案を検討する

得られた分析結果をもとに次の施策を検討し、実行していきます。データ分析は意思決定をより良いものにするための手段であって、それ自体が目的ではありません。そのため想定・期待していた結果と、実際の検証結果との間に差異があるとしても、その結果を都合よく解釈せずに扱うことを心掛けましょう。もしも分析に主観が入り込むと、客観的なデータに基づいて意思決定の質を高めるというデータ分析の本来の意義が失われてしまいます。

また、求めていた結果が出るまでデータの収集や、分析方法の変更を続けて、なかなか実行のプロセスに移ることができないという事態も避けるべきです。まずは設定した期限までに得られた結果から、暫定的な改善案を導き出して実践を行います。そしてそこから新たな仮説を立て、それに基づいてデータを収集・分析し、さらに改善案を検討するという手順を繰り返すことで、データ分析の質もそれに伴う意思決定の質も向上させていくことができるのです。

 

CRMにおいて顧客データを効果的に活用するためのポイント

この段落では、CRMにおいて顧客データを有効に活用するための2つのポイントを紹介します。

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PDCAを常に回す

顧客データの分析において重要なのは、繰り返すことです。改善を繰り返しながら、PDCA(Plan-Do-Check-Act)のサイクルを常に回すことが大切です。まずは、分析をする目的を明確にしましょう。間違っても、分析すること自体が目的にならないよう注意しなければいけません。また、せっかくの蓄積したデータを放置してしまうと、CRMにかかる費用を無駄にしてしまう恐れもあります。

 

操作がしやすいシステムを使用する

顧客データは、顧客が多ければ多いほどそのデータ量も比例して膨大になります。そのため、操作が難しいシステムを選んでしまうと、いざというときに手間や労力がかかるので注意しましょう。また、多機能のCRMシステムでも、事業の目的に合っていなければ宝の持ち腐れになってしまいます。顧客データをどのように活用したいのかを考え、必要な機能に絞って利用するといいでしょう。CRMシステムを選ぶうえで大切なポイントは、操作がしやすく、自社にとって必要な機能があるかどうかという点です。

 

CRMにおいてデータの取り扱いの注意点

顧客データは、活用することで初めてその価値を発揮してくれます。蓄積したデータは定期的に分析し、事業戦略をたてるうえで参考にするといいでしょう。ただし、データを蓄積していくうえでは、データが重複していたり、情報が古くなっていたりということが起こる可能性もあります。そのため、自社にとって必要なデータは定期的に精査し、不要なデータは蓄積しないようにすることが大切です。

 

CRMで蓄積したデータは効果的に活用しよう!

CRMで蓄積したデータは、有効活用することで企業の今後の戦略立案に役立ちます。ただ情報を蓄積していくのではなく、目的に応じて分析を繰り返してみましょう。また、CRMは機能性に優れていることよりも、その企業に合った機能があるかどうかのほうが重要です。国産営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」はシンプルな機能で操作がしやすいことが特徴です。

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