2019.09.06 / 顧客分析 

CRMとは?基本知識やほかのシステムとの違いも分かりやすく解説!

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CRMを導入する企業は急速に増えています。しかし、CRMとは何かいまひとつわからない、どのようにして導入を進めたらいいのか悩んでいる企業経営者や営業・ビジネス部門担当者は多いのではないでしょうか。そこで、このような人に向け、CRMについての基本知識をわかりやすく解説します。また、導入するための準備やチェック項目も紹介します。

1.CRMの基本知識

「CRM(Customer Relationship Management)」は、マネジメント手法の1つを表し、顧客管理や顧客関係管理と訳される言葉です。おおまかにいえば、顧客を中心にした業務プロセスや経営戦略を構築して実行していこう、という概念を表しています。CRMはITやクラウドを使った顧客情報管理ツールを指す場合もあります。しかし、厳密にはツールの場合は「CRMシステム」を使って区別します。

1-1.ビジネスにおいて欠かせない概念

顧客との良好な関係は、ビジネスに欠かせない概念です。この関係を築けてこそ、顧客との取引が継続し、業績の安定化や向上につながるからです。そのために、CRMでは顧客の履歴、自社と顧客双方の関わり方の履歴を管理して分析するというアプローチを取り、「顧客ニーズに応えられているか」「新たなニーズはないか」などを分析します。
顧客の購入履歴や商品やサービスに対する意見などを蓄積していけば、顧客ニーズに適切に応えられているのか、クオリティを維持できているのかなどがわかります。また、新規購入や商品の切り替えなどのタイミングを逃していないか、適切に商品を勧めることで利益の取りこぼしがなくなっているか、など多岐にわたる情報を分析できます。分析をさらに進めていけば、顧客の事情に合わせた新たなニーズの発掘も可能となるでしょう。また、休眠している顧客をピックアップして、積極的に販促活動をするなどもできるようになります。
既存の顧客の分析は、後続顧客へのサービス向上、新規顧客開拓にも有効です。多くの顧客を分析すれば、求められている商品・サービスの傾向も分析でき、それを商品開発や経営戦略に役立てることもできます。

1-2.顧客との関係・コミュニケーション履歴の情報管理

顧客との関係を分析したりコミュニケーション履歴の情報管理をしたりするのは、既存顧客に自社の商品からより良い体験をしてもらい、見込み顧客に購買行動をとってもらうためです。長期的に顧客を獲得し、顧客の満足度・顧客ロイヤルティを向上させるために、CRMというマネジメント手法を活用します。
CRMは顧客との深い関係を築くことで、リピーターを増やし、自社製品のファンを獲得することを目的としています。継続的な取引によって安定的な収入が見込めるからです。現在、注目を集めている「LTV(Life Time Value)」(顧客生涯価値)は、一時的な売り上げではなく、トータルで利益を捉える考え方です。CRMはこの考え方と同じように、顧客との深いつながりによって利益の最大化を目指すマネジメント手法といえます。

顧客との関係性を深めるために重要なのは、ユーザーニーズをくみ取ることです。そのために、コミュニケーション履歴などの情報を分析するのは重要です。また、たとえば顧客との主な接点がウェブサイトなら、この販売方法の利便性を充実させることも、ユーザーニーズに沿うことになるでしょう。このようなステップによって顧客と良好な関係が築ければ、自社の製品のリピーター、ファンは確実に増えます。また、評判がよくなれば口コミを通じて新規顧客が獲得できるなどの可能性もあります。CRMシステムはこうしたマーケティングを支援するツールです。

1-3.ビジネスシーンでトレンドになっている背景

CRMがビジネスシーンでトレンドになっている背景には、インターネットの普及が土台にあります。自宅に居ながらさまざまな店舗の商品やサービスを比較検討できる環境は、企業にとっては類似サービスを持つ会社が急増したのと同じです。実店舗を持たないEC事業者が増えたこともこの状況に拍車をかけています。
また、従来の実店舗販売、テレビ・ラジオ・ダイレクトメール経由の販売だけでなく、ウェブサイトやSNSにおける販売など、顧客との接点が多様化(オムニチャネル化)してきました。従来のように台帳に顧客の情報を記録し、個人の勘や経験則で仕入れや顧客サービスをするには情報量や販売手段が多すぎて限界にきています。
2017年のIDC Japanの発表によると、日本国内CRM市場の規模は約940億円で、2021年まで毎年平均5%で成長していくだろうということです。この数字はコンタクトセンターアプリケーション市場・カスタマーサービスアプリケーション市場・マーケティングアプリケーション市場・セールスアプリケーション市場を合計して計算されています。

2.CRMシステムとそのほかのシステムとの違い

ここではCRMシステムとSFA、POSシステム・エクセルによる顧客管理システムの違いを解説します。

2-1.混同されやすいSFAとの違い

SFA(Sales Force Automation)は「営業支援システム」と訳される用語で、営業の効率化を図る目的で利用されるツールのことを意味します。CRMシステムとSFAシステムは混同されやすいシステムです。たしかに、SFAには顧客管理など、CRMシステムにある機能が搭載されています。しかし、CRMシステムの顧客管理は、既存顧客との関係を良好に保ち、売上げを向上させることを目的としたものです。一方、SFAシステムにおける顧客管理は営業活動のサポートが目的です。
たとえば顧客との関係を深めるために、CRMシステムは顧客管理情報からメールの配信やアンケートを行っています。しかし、このような機能はSFAにはありません。SFAでは顧客管理情報を営業活動のサポートのために使います。たとえば、顧客情報を営業部員の巡回スケジュールの管理に役立てたり、位置情報システムと連携したりするために使います。

2-2.従来型であるPOSシステムとの違い

CRMシステムの場合、たとえば商品の売上げ情報から個人のデータまで紐付けてたどれます。一方、POSシステムの場合、個人データまではたどれません。もともと、POSシステムは売上集計・売上分析・在庫管理が主な機能で、店頭での価格データの誤入力防止や、在庫状況などを本部と店舗で共有するなどが目的で導入されているからです。つまり、POSは従業員のミスを減らしたり、業務を効率化するためのシステムであり、顧客との関係構築までは考えられていません。
顧客管理情報も含まれていますが限定的です。レジ担当者が見た目で判断して年齢や性別などの属性を入力できる機能もありますが、これでは個人データまではたどりつけません。もし毎日同じ商品が売れている理由を分析しようと思っても、それを同じ人物が購入しているのかなどを調べるのは不可能です。

2-3.エクセル顧客管理システムとの違い

最も手軽な顧客管理方法は、エクセルを用いて表形式のデータベースを設計し、運用することです。実際、小規模な店舗や個人事業者などで、この方法が取られています。Officeがプリインストールされているパソコンもありますし、別途購入しても初期費用はそれほどかからないのがメリットです。ただし、顧客との関係を管理するうえでは、CRMシステムに比べて機能がかなり劣ります。たとえば、顧客に対してメールを自動配信するなどはできません。導入のしやすさはあるものの、CRMツールとして十分とはいえないのです。

3.CRM導入の目的として挙げられるもの

ここでは、CRM導入の主な目的を解説します。

3-1.顧客満足度の向上

顧客満足度の向上はCRM導入の目的のひとつです。CRMによって顧客との関係に注目することで、顧客満足度の向上ができるからです。性能の良い商品を開発するなども顧客満足度の向上につながるのは確かですが、アフターサービスを改善するなどによっても顧客満足度は向上します。
たとえば、大切な顧客と直接言葉を交わすコールセンターなどにおいて、顧客満足度の向上が目指せます。コールセンターにCRMシステムを導入すれば、問い合わせなどの電話を受けたスタッフは、顧客の氏名や電話番号などから、ただちに購入履歴などの顧客データを引き出せます。スピーディな対応が重要なコールセンターにおいて、大幅なサービスの質向上が可能です。また、顧客の詳細なデータを知ることで、マニュアルにはないきめ細かな対応もできます。

3-2.マーケティング戦略

CRMはマーケティング戦略のためにも導入します。特に強みがあるのは、既存の顧客に対してです。顧客情報を元にグレードアップした商品を購入してもらったり、普段購入している商品と一緒に追加購入してくれそうな商品を勧めたりできるからです。消費者のニーズの多様化などから、新規顧客開拓、新商品開発はリスクが高くなりました。こうしたことからも、CRMにおける既存の顧客の売上げ向上を重視し、購買履歴などにもとづいた効果的な販促活動をすることは、とても効果的です。
顧客情報を集めることで、顧客個人に対してだけでなく、どの層にどのようなアプローチをしたらよいのかも分析しやすくなります。最も効果をあげられるマーケティング戦略を検討するためにも、CRMを活用できるでしょう。

3-3.各チーム間の連携強化

大企業でCRMを導入する場合には、各部署の連携を強化する目的があることが多いといえます。会社が大きくなるほど、業務が細分化されて壁ができやすくなるからです。それぞれの部署が相反する目標を立ててしまうことすらあります。CRMを導入すれば情報が一元化されるので、顧客目線に合わせて目標・方向を合わせやすくなります。たとえば、もっとリーズナブルな商品に対する顧客ニーズが強いなら、その情報を共有した各部署が協力してコストカットを計画するなどが可能です。目標がひとつになり、各部署が連携しやすい環境になります。

4.CRMを導入する前にやること

CRMを導入するにあたっては「使用目的を明確にする」「必要な機能を選ぶ」「ツールの種類と予算を決める」「運用できそうかを試してみる」など前準備が必要です。それぞれ解説します。

4-1.使用目的の明確化

CRMシステムを導入するときには、機能自体に目が向いてしまいやすいといえます。たとえば、スマホで顧客の購入履歴を参照できる機能がCRMシステムにあるとき、単に便利そうだからという理由で導入を決めてしまいやすいのです。しかし、何のためにその機能を導入するのか明確にしておかないと、効果を発揮しません。CRMシステムの導入には初期費用や運用費用もかかります。費用対効果を高めるために、目的意識を明確にしましょう。
多くの企業では「解約率を下げたい」「リピーターを増やしたい」「効果的な経営戦略を立てたい」といった目的でCRMシステムを導入します。この場合「顧客属性と解約理由や問い合わせの履歴が紐付けられた情報を分析するのは、解約率を下げるため」などの目的意識を持つことが重要です。同じように「顧客データを分析したりアフターフォローの満足度をチェックしたりするのは、リピーターを増やすため」「売上げ予測をするのは、経営戦略を立てるため」など目的をはっきりさせておきましょう。そうしないと、便利な機能を導入したものの、結局役に立たなかったということになりかねません。

4-2.必要な機能の選択

目標や使用目的が決まったら、具体的にどのような機能が必要なのかピックアップしましょう。業務フローのどこに組み込むのか、そこでどのような機能が必要なのかを決めていきます。多機能なCRMは一見便利に見えますが、結局使わない機能も多く、必要な機能が探しにくくなってしまうので注意が必要です。業務フローに合ったCRMの機能だけに絞り込んでいきましょう。機能の選定が完了したら、各部署に説明を行い、必要な機能を網羅していることを確認します。問題がなければ機能の選択は完了です。

4-3.ツール選定

CRMシステムは大きく分けると2種類あります。ひとつは、企業ごとに機能のカスタマイズが可能なオンプレミス型です。もうひとつは、既存のCRMを月額契約し、IDを取得して使うクラウド型です。
オンプレミス型は会社の業務に最適な機能を組み込めるのがメリットといえます。デメリットは高価なことです。ただし、適切にカスタマイズできれば業務を大幅に効率化できるので、トータルで考えればランニングコストを抑えることも可能です。クラウド型は月額制なので、初期費用を安くできるのがメリットです。しかし、高額な月額料金のCRMの場合、ランニングコストが高い場合もあります。また、必要な機能が網羅されていないことがあるのもデメリットです。こうしたメリット・デメリットを検討したうえ、予算に合わせて選びましょう。

4-4.試用体験

CRMシステムは会社のさまざまな人が利用するため、使いやすいことが重要です。最も良いのは、導入前に試験運用をしてみることです。そのため、一部のCRMシステムは無料試用ができるサービスを提供しています。実際に使ってみると機能や運用のしやすさをチェックできます。また、使い方に慣れることができるでしょう。コストとの兼ね合いも1カ月ほど使用すればわかります。そうすることで導入後に問題が発生しにくくなり、スムーズな運用につなげられるのは大きなメリットです。ただし、試用期間や一部の機能が制限されている場合があります。

CRMを理解して適切なツール選びを

顧客満足度の向上や顧客ロイヤルティを向上させることによって長期的な顧客を獲得できるCRM、CRMシステムを取り入れる会社は増えています。効果的な経営戦略の作成や、企業の各部署の連携をサポートしてくれるのも、情報を一元管理できるCRMのメリットです。CRM、CRMシステムについて理解を深めたうえで適切なツールを選びましょう。また、CRM/SFA「ちきゅう」への導入の問い合わせや、無料トライアルを利用することも可能です。

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