目次
インプレッションの基本的な意味と重要性

マーケティング用語における「インプレッション」は、「デジタル広告やSNS投稿が表示された回数」を示す指標です。
よく英語の「impression」という単語を略し、「imp」とも表現されます。
例えば、ウェブサイトやSNSで広告が1回表示されるたびに、インプレッション数は1回とカウントされます。スマートフォンでInstagramを見ているときに表示される広告や、Googleで検索したときに表示される広告も、画面に表示されるたびにインプレッション数として計測されています。
広告やコンテンツがどれだけの人々の目に触れる機会があったのかを数値化することで、マーケティング施策の正しい効果測定を助けます。また、この数値は他の重要な指標を算出する際の基準となり、総合的なマーケティング効果の分析に不可欠です。
なぜインプレッション数が重要なのか
インプレッション数は、ターゲットユーザーへの露出度を直接的に示す指標です。広告やコンテンツがどれだけの人々の目に触れる機会があったのかを数値化することで、マーケティング活動の基礎的な効果測定が可能になります。また、この数値は他の重要な指標を算出する際の基準となり、総合的なマーケティング効果の分析に不可欠です。
インプレッションと関連する指標

Webマーケティングを効果的に進めるには、インプレッション(広告表示回数)だけでなく、関連する複数の指標を組み合わせて分析し改善することが重要です。
最終目的であるCV(コンバージョン)の獲得を達成するための、一連の指標について解説します。
基本となる到達指標
リーチ数
リーチ数とは、「広告やコンテンツに触れたユニークユーザーの数」を表します。
そのため、例えば同じ人が何度も広告を見た場合でも1人としてカウントされます。インプレッション数が「見られた回数の合計」だとすれば、リーチ数は「見た人の数」と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、あるユーザーがInstagramを見ていて、朝、昼、夕方と1日の中で3回同じ広告を目にしたとします。この場合、実際に広告を見た人は1人なのでリーチ数は「1」となります。一方で、その人が3回広告を目にしているためインプレッション数は「3」とカウントされます。
PV(ページビュー)数
ページビュー(PV)数は、「Webサイトの各ページが何回閲覧されたかを示す基本的な指標」です。インプレッション数が増えれば、通常はPV数も増加することが期待できます。ただし、PVはサイト内でのページの閲覧回数を、インプレッションは広告の表示回数を示すため、それぞれ異なる意味を持つ指標として理解する必要があります。
フリークエンシー
フリークエンシーは、「1人のユーザーが平均して何回広告を目にしたかを表す指標」です。インプレッション数をリーチ数で割ることで算出できます。例えば、インプレッション数が1000回、リーチ数が200人の場合、フリークエンシーは5回となり、1人あたり平均5回広告に接触したことがわかります。
ユーザー反応を測る行動指標
CTR(クリック率)
CTRは、広告の表示回数(インプレッション)に対してユーザーがクリックした割合を示します。算出方法は以下のとおりです。
CTR = クリック数 ÷ インプレッション数 × 100 |
広告の魅力度や効果を測る重要な指標となり、CTRが高ければ、「広告を適切なユーザーに届けられている」「広告からWebサイトへうまく誘導できている」といえます。

エンゲージメント
エンゲージメントは、「ユーザーがコンテンツに対してどれだけ積極的に反応したかを示す指標」です。いいね!、コメント、シェアなどの行動がこれにあたります。インプレッション数に対するエンゲージメント数の割合を見ることで、コンテンツがどれだけユーザーの心に響いたかを把握することができます。

成果を測る指標
CVR(コンバージョン率)
CVRは、自社のWebサイトに訪問したユーザーが「申し込み」「購入」などの最終的な成果(CV)に至った割合を示します。算出方法は以下のとおりです。
CVR = CV数 ÷ 訪問数 × 100 |
CVRが高ければ、「適切なユーザーがサイトを訪れている」「サイト内での導線や商品提案が効果的に機能している」といえます。

主要プラットフォームでのインプレッションの測定方法

デジタルマーケティングにおいて、インプレッションは非常に重要な数値です。どんなに優れたクリエイティブ・メッセージであっても、ユーザーの目に触れなければ興味を持ってもらえることはありません。
そのため、適切なインプレッション数の確保と測定は、マーケティング戦略の基盤となります。
ここでは、インプレッションの正しい測定方法を解説します。
インターネット広告
GoogleやYahooなどのリスティング・ディスプレイ広告では、インプレッション数が重要な指標とされています。広告がユーザーの目に触れることは、広告効果を最大化するために非常に重要です。インプレッションは、ユーザーが開いたページに広告が表示された回数を示します。
インプレッションのカウント方法は以下のとおりです。
- Yahoo広告
- 静止画: 広告面積の50%以上が1秒以上表示された場合。
- 動画: 広告面積の50%以上が2秒以上表示された場合。
- Google広告
- 静止画・動画ともに、広告面積の50%以上かつ1秒以上表示された場合。
特に正確なインプレッションをカウントしたい場合は、ビューアブルインプレッションを設定することが推奨されます。
SNS
SNSマーケティングにおいて、投稿がどれだけのユーザーの目に触れたかを把握することは非常に重要です。各プラットフォームは独自の分析ツールを提供しており、詳細なデータの確認が可能です。
- X(旧:Twitter)
- インプレッション:ツイートがタイムラインに表示された回数
- 「ツイートアクティビティ」で確認可能
- Instagram
- インプレッション:投稿が表示された総回数(同じユーザーの複数回表示も含む)
- 「インサイト」機能で詳細データを確認可能
- Facebook
- ページや投稿が表示された回数
- ビジネスマネージャーで詳細な分析が可能
SEO(自然検索結果)
SEOにおけるインプレッションは、Googleの検索結果ページ(SERP)でサイトが表示された回数を示す重要な指標です。検索順位と密接に関連しており、上位表示されるほどインプレッション数が増加する傾向にあります。
Google Search Consoleを活用することで、詳細なインプレッションデータを確認し、SEO施策の効果測定に活用できます。
Google Search Consoleでの計測
検索クエリ分析の重要性
サイトがどのようなキーワードで検索されているかを把握することは、SEO戦略の基本となります。高インプレッションを獲得しているキーワードの特定や、新たな上位表示機会の発見により、効果的なコンテンツ戦略を立案できます。また、ユーザーの検索意図を理解することで、より的確なコンテンツ提供が可能になります。
デバイス別パフォーマンスの把握
モバイル、PC、タブレットなど、デバイスごとの表示回数や順位の違いを理解することは、現代のSEOにおいて必須です。特にモバイルファーストインデックスの時代において、デバイス別の最適化は検索順位に大きく影響します。各デバイスでの表示パフォーマンスを把握し、適切な対策を講じることが重要です。
時系列でのトレンド分析
日次、週次、月次でのデータ推移を確認し、サイトのパフォーマンス変動を把握することは、継続的な改善に不可欠です。季節変動や施策の効果測定、前年比較などの時系列分析により、長期的な視点でのSEO戦略の立案と改善が可能となります。特に、施策実施前後での変化を正確に把握することで、より効果的な改善活動につながります。
インプレッションを増やす方法

ここまではインプレッションの重要性や測定方法について説明しました。インプレッションを増やすことは、認知度の向上やコンバージョンの増加につながる重要な要素となります。
以下では、インプレッション数を効果的に増やすための施策を解説します。
広告予算の適切な配分
インプレッション数を増やす最も即効性のある方法は、広告予算の増額です。予算を増やすことで、広告の表示回数は自然と増加していきます。特に、投資に見合う成果が得られている場合は、積極的な予算配分を検討する価値があります。
ただし、予算の増額には適切な限度があります。一定のラインを超えると、追加投資に対する効果が低下してしまいます。これは、配信枠の限界や、同一ユーザーへの過剰な広告表示により、効率が悪化するためです。そのため、予算増加に伴う効果を慎重に観察しながら、最適な投資水準を見極めることが重要です。
キーワード選定の最適化
リスティング広告やSEOにおいて、キーワードの選定は広告表示機会を左右する重要な要素です。例えば、月間検索数が10,000回のキーワードと100回のキーワードでは、前者の方が露出機会を大きく増やせる可能性があります。
しかし、検索ボリュームだけで判断するのは適切ではありません。競合状況や、実際のコンバージョン(CV)獲得効率なども考慮する必要があります。検索数の多いキーワードが必ずしも最適とは限りませんが、適切なキーワード選定は、インプレッション数の増加に大きく貢献します。
入札単価の戦略的な設定
リスティング広告における入札単価は、広告の表示機会を直接的に左右します。広告の掲載順位は、入札単価と広告ランクによって決定されるため、適切な入札管理が重要になります。
入札単価を上げることで広告の表示優先度は高まりますが、同時に広告費用も増加します。そのため、投資効果を見極めながら、戦略的な入札単価の設定を行う必要があります。
クリエイティブとランディングページの最適化
広告の上位表示には、「広告ランク」の向上が不可欠です。広告ランクは「入札単価×品質スコア+広告表示オプション」で決定され、この数値が高いほど、より多くのユーザーへのリーチが期待できます。
広告ランクを向上させる主な要素は以下の3点です:
- キーワードと広告内容の整合性: 設定したキーワードと広告文の関連性が高いほど、品質スコアは向上します。
- 広告とランディングページの一貫性: 広告からの遷移先であるランディングページは、ユーザーの期待に応える内容である必要があります。これにより、離脱を防ぎ、コンバージョン率の向上につながります。
- コンバージョン実績: 広告経由での成果獲得数も、広告ランクに影響を与える重要な指標です。
広告媒体の適切な選択
広告効果は、ターゲット層と媒体の相性によって大きく変わります。現在の配信媒体が、目標とするユーザー層に効果的にリーチできているか、定期的な見直しが必要です。
例えば、リスティング広告に加えて、SNS広告などの異なる媒体を組み合わせることで、より幅広いユーザー層へのアプローチが可能になります。適切な媒体選択と組み合わせにより、効率的なインプレッション数の増加を実現できます。
まとめ
インプレッションは、デジタル広告やSNS投稿の表示回数を示す重要な指標です。効果的なマーケティング戦略には、インプレッション数の適切な管理と分析が不可欠です。主要プラットフォームごとに測定方法は異なりますが、Google広告、SNS、SEOなど、各媒体での正確な計測と分析により、より効果的な広告運用が可能になります。また、予算配分、キーワード選定、クリエイティブの最適化など、複数の要素を総合的に改善することで、持続的なインプレッション数の向上を実現できます。
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