かご落ち対策とは

かご落ち対策とは、ECサイトでユーザーが商品をカートに入れた後に、購入をしないでサイトから離脱してしまう現象(かご落ち)を防ぐための施策のことです。サイトから離脱してしまう現象は「カート落ち」や「カート放棄」などと呼ばれることもあります。

かご落ちの対策方法はいくつかあり、具体例として、かご落ちメールの配信、割引クーポンの提供、購入フローの簡略化、再訪問時にカート内容を保持させるなどがあります。かご落ち対策をすることで、購入率を向上させ、売上の最大化を図ることができます。



なぜユーザーは「かご落ち」するのか?

かご落ちしてしまう原因はいくつかあるため、ECサイト運営者は、その原因をしっかりと理解し、解決策を講じる必要があります。
主な理由をいくつか見ていきましょう。

価格や費用への不安

多くのユーザーがかご落ちする理由の一つは、価格や購入後に発生する追加費用への不安です。

商品をカートに入れたものの、最終的な金額が予想よりも高かったり、送料や消費税が加算されることで、購入をためらってしまうことがあります。特に、最終的な決済画面で追加費用を確認したユーザーが、驚きや不安を感じて購入を中止するケースは少なくありません。

そのため、価格に関する不安を減らすために、以下の対策が効果的です。

  • 送料を購入前に明確に表示する
  • 追加費用が発生する場合は、事前にユーザーに通知する
  • 割引やキャンペーン情報を目立つ場所で強調する

価格に関する透明性を高め、購入のハードルを下げることが重要です。

購入手続きの面倒さ

もう一つの大きな理由は、購入手続きが面倒だと感じることです。

ECサイトでの購入は、多くの場合、「ログイン→住所の入力→支払い方法の選択」といった、複数のステップを踏む必要があります。この過程が長く、煩わしいと感じるユーザーは、途中で離脱することが多いです。

購入までの手続きをスムーズにするために、以下のような改善が有効です。

  • ログインが不要なゲスト購入を可能にする
  • 住所入力の自動補完機能を導入
  • 支払い方法の選択肢を豊富にする
  • 項目を必要な情報だけにする

手続きを簡素化し、ユーザーの負担を減らすことで、購入の完了率を上げることができます。

フォーム改善の詳細はこちら:フォーム改善のポイントを16個ピックアップ! | GENIEE CX NAV1

競合との比較と購入タイミング

ユーザーは、購入前に他のECサイトと比較していることがあります。

特に製品の特徴が似ている場合、購入を決定するタイミングを見極めているのです。こうした「購入のタイミングを見極める」行動は、かご落ちの一因となります。

競合との比較や購入のタイミングを考慮して、以下のようなアプローチが有効です。

  • 限定的な割引オファーやセールを提供する
  • ユーザーに購入を急がせる仕掛けを作る(例:限定割引、残り在庫数の表示)
  • 「他のサイトで比較中」など、競合と比較する傾向があるユーザーには、強力な購入理由を提示する

割引や特典をオファーする場合、それを待ってから購入を決める傾向があるので、購入のタイミングや競合比較を避けるためには、ユーザーが「今すぐ購入したくなる」ような仕組みを作ることも大切です。

かご落ちは、ユーザーがなぜかご落ちしたのかを理解し、その原因に対して対策することが重要です。価格に関する不安、購入手続きの面倒さ、競合との比較といった要素を改善することで、ユーザーの購入意欲を高め、かご落ち率を低減させることができます。

かご落ち対策10選

ECサイトでの「かご落ち」は、オンラインショップを運営している多くの企業が直面する悩みのひとつです。
購入手続きを途中で放棄するユーザーが多いと、その分売上げの機会を逃してしまうことになりますが、適切な対策を講じることで、この問題を効果的に解決することが可能です。
ここでは、かご落ちを減らすための対策を10つ紹介します。これらを実施することで、売上アップに繋げることができます。


送料は無料or手続きの前に明確にしておく

多くのユーザーが購入をためらう理由の一つが、送料の高さです。
特に、商品をカートに入れて購入手続きに進んだ後に送料が加算されると、思わぬ出費に驚き、購入を中断してしまうことが多いです。これを防ぐためには、送料を事前に明示しておくことが重要です。また、送料無料キャンペーンを活用することで、ユーザーにとって非常に魅力的な提案をすることができます。

  • 対策例:カートページや商品ページに「送料無料キャンペーン中」や「〇〇円以上で送料無料」といったメッセージを目立つ位置に配置し、購入を後押しする。
  • 実施ポイント:送料無料の条件を明確に示すことで、ユーザーが途中で「送料が不安」と思うことを防ぎます。また、送料無料キャンペーンを期間限定で行うことにより、緊急感を与えて購入を促進する効果が期待できます。

アカウント登録なしで利用できるようにする

ユーザーが購入手続きを進める際、最も面倒に感じるのがアカウント登録です。

特に初めて訪れるサイトで新規登録を求められると、購入前に面倒さを感じて購入をやめてしまう可能性があります。
そこで、登録を後回しにして、ゲスト購入オプションを提供することで、ユーザーはすぐに購入手続きを進めることができるため、かご落ちのリスクを低減できます。

  • 対策例:「ゲスト購入」オプションを分かりやすく表示し、購入フローをスムーズにする。
  • 実施ポイント:新規ユーザーが簡単に購入を完了できる環境を整えることで、即座に商品を手に入れる体験を提供し、かご落ちを防ぐことができます。

購入までの手順をなるべく減らす

オンラインショップの購入プロセスが複雑だと、ユーザーが「面倒」と感じるポイントが増えてしまい、途中で放棄してしまう可能性が高くなります。そのため、購入までのステップを最小限に抑えることが重要です。特に、モバイル端末での購入フローが長いと、カートから離脱する原因になります。

  • 対策例:ワンページで完結するチェックアウトフォームを導入し、情報入力の手間を減らす。
  • 実施ポイント:購入プロセスを簡素化することで、ユーザーが「このサイトで購入するのが簡単だ」と感じるようになります。特にモバイル端末での購入をスムーズにすることが、購入率向上に大きく貢献します。

セキュリティ対策をアピールし安心感を与える

多くのユーザーは、オンラインでの支払い時にセキュリティ面で不安を感じます。特にクレジットカード情報などの個人情報を入力する際、安心して取引ができることを伝えることが重要です。SSL証明書を使った暗号化通信や、決済方法のセキュリティ強化をアピールすることで、ユーザーに安心感を与え、購入を後押しすることが可能です。

  • 対策例:「このサイトは安全です」といったメッセージを目立つ位置に配置し、SSL証明書などのセキュリティ対策を明示的に表示する。
  • 実施ポイント:オンラインでの支払いは非常にデリケートな部分です。セキュリティ面がしっかりしていることをユーザーに伝えることで、安心して購入してもらえるようになります。

入力フォームのアシスト機能導入・サーバーの強化

長い入力フォームや、動作が遅いサイトはユーザーのストレスを引き起こします。入力フォームのアシスト機能(例えば、住所の自動補完や選択肢の提案)を導入し、ユーザーの負担を軽減しましょう。また、ページの読み込み速度が遅い場合も、ユーザーが離脱する原因となります。これを改善するために、サーバーの強化を行い、ページの表示速度を向上させましょう。

  • 対策例:住所入力の際に自動補完機能を導入したり、サーバーの負荷を減らして読み込み速度を速くする。
  • 実施ポイント:ユーザーが快適に購入手続きを進められるよう、入力を簡単にし、ページの表示を迅速にすることで、かご落ちを減らすことができます。

返品・交換の条件を明確にする

購入後の返品や交換に関する不安も、ユーザーがカートを離脱する原因となります。特に、オンラインでの商品購入は実物を手に取って確認することができないため、返品・交換条件を明確に示すことが非常に重要です。ユーザーに安心感を提供し、購入意欲を引き出すために、返品・交換ポリシーを簡潔に記載しましょう。

  • 対策例:商品ページやカート内に「返品・交換ポリシー」を明確に記載し、購入後の安心感を提供する。
  • 実施ポイント:購入後に万が一の問題があった場合でも、スムーズに対応できる体制を整えることが、ユーザーにとっての安心材料となり、かご落ちを減少させます。

決済方法の選択肢を増やす

ユーザーが好む決済方法は人それぞれです。例えば、クレジットカードを使いたいユーザーもいれば、電子マネーやコンビニ払いを希望するユーザーもいます。これらのニーズに対応するために、決済方法の選択肢を増やすことが重要です。多くの決済手段を提供することで、ユーザーは自分に合った方法で購入を完了できます。

  • 対策例:Pay系でも、「PayPay」、「Apple Pay」、「Google Pay」など、さまざまな決済方法を導入する。
  • 実施ポイント:ユーザーの利便性を高め、選択肢を広げることで、購入の障壁を取り除きます。

配達方法の選択肢を増やす

配達方法の選択肢が限られていると、ユーザーが自分に合った配送方法を選べずに購入を諦めることがあります。特に急いでいる場合は、翌日配送や指定時間配送など、配達オプションを充実させることで、ユーザーの満足度を高めることができます。

  • 対策例:日時指定配送や宅配ボックス配送など、複数の配送方法を提供する。
  • 実施ポイント:配送方法を柔軟に設定することで、ユーザーの都合に合わせた配送が可能になり、購入を促進します。


かご落ちメールを送る

最後は、かご落ちメールの配信です。かご落ちしたユーザーを再度サイトへ誘導し、購入を促す重要な施策です。商品名を再提示したりお得な割引を提供するなどの工夫をすることで、ユーザーに再度購入を促進できます。かご落ちメールのタイミングや内容を適切に調整することで、高い効果を得ることができます。

  • 対策例
    • カートに商品が残っていることをリマインドし、割引クーポンを提供する。
    • 購入が完了しなかった理由を尋ね、ユーザーの不安を解消するための情報を提供する。
    • かご落ち後、早めにフォローアップのメールを送信し、再度購入を促す。
  • 実施ポイント:かご落ちメールの送信タイミングは非常に重要です。24時間以内に1通目を送信し、48時間以内に再度フォローアップを送ることで、効果的に購入を促進することができます。内容としては、商品の魅力を再確認させるだけでなく、限定割引や送料無料などのオファーを提供することで、購入意欲を高めることができます。

「かご落ち」を防ぐためには、ユーザーの心理に寄り添った対策を講じることが重要です。送料の明確化や、購入手続きの簡素化、セキュリティ対策など、さまざまな角度からユーザーの不安や面倒を取り除くことで、購買意欲を高め、最終的には購入完了率を向上させることができます。

また、かご落ちメールや決済方法の多様化、配送オプションの拡充といった対応を通じて、ユーザーに再度購入の機会を提供することで、かご落ちを減らすことができます。これらの対策を一貫して実施することで、ユーザーが安心して購入手続きを完了できるようになり、売上向上に繋がることでしょう。

今後も、ユーザーの購買行動を分析し、より効果的な対策を講じていくことが、ECサイト成功のカギとなります。
かご落ちメールの詳細はこちら:かご落ちメールの効果を最大化するための5つの重要ポイント | GENIEE CX NAV1

かご落ち対策ツールを選ぶ際に気を付けたいポイント

かご落ち対策を行う際、対策ツールを導入するのもひとつの手段です。自社にあったツールを選ぶことで、効率的かつ効果的に、かご落ちを減らし、売上げを向上させることができます。今回は、かご落ち対策のツールを導入する前に気を付けたいポイントを、3つの視点からそれぞれ解説します。

かご落ちメールの場合

かご落ちメールは、カートから離脱したユーザーに対して再度アプローチする手法です。ツール選びでは、次の点を考慮することが重要です。

  • 自動化機能:かご落ちメールを自動で送信できるツールを選びましょう。これにより、タイミングを逃すことなく、適切なタイミングでメールを送信することができます。例えば、カート放棄から一定時間が経過したユーザーに、リマインダーや割引クーポンを自動で送ることが可能になります。
  • パーソナライズ機能:メールの内容をパーソナライズできるツールを選ぶと効果的です。ユーザーの名前やカート内の商品情報を反映させることで、個別感を高め、ユーザーにアクションを促しやすくなります。
  • A/Bテスト機能:どの件名、デザイン、コンテンツが最も効果的かをテストできるツールを選ぶことが重要です。A/Bテスト機能を活用して、最も反応が得られる設定を見つけ、最適化していきましょう。
  • 分析機能:メールの開封率やクリック率、購入率などを分析できる機能も必須です。これにより、かご落ちメールの効果を定量的に把握し、改善点を見つけやすくなります。

決済フォーム改善の場合

決済フォームが複雑であったり、途中でユーザーが不安を感じることがあったりすると、かご落ちにつながってしまう可能性が高くなります。決済フォームを改善するツール選びでは、次の点に注目しましょう。

  • シンプルなUI/UX:決済フォームはなるべくシンプルで分かりやすいものにする必要があります。ユーザーが迷わずに入力できるようなインターフェースを提供するツールを選びましょう。
  • 入力アシスト機能:住所やカード情報の入力を補助する機能を備えているツールを選ぶと便利です。例えば、郵便番号の入力から自動で住所を補完したり、クレジットカード情報を自動で入力欄に反映させたりする機能です。
  • セキュリティ対策:決済時のセキュリティはユーザーにとって非常に重要です。SSL暗号化や、二段階認証など、セキュリティ機能が充実しているツールを選び、ユーザーの安心感を高めることが求められます。
  • 決済方法の多様性:クレジットカードや銀行振込、電子マネー、さらには後払い決済など、複数の決済方法に対応しているツールを選ぶことで、ユーザーの利便性が向上します。

WEB接客ツールの場合

WEB接客ツールは、サイト上でユーザーの行動に基づいてリアルタイムにアプローチするツールです。かご落ち対策においても非常に効果的です。選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • ユーザーの行動トラッキング機能:サイト上でのユーザーの動きを追跡し、特にカートに商品を入れてから放棄したユーザーに対して、ポップアップやチャットボットなどでアプローチできる機能を持つツールが有効です。ユーザーがどこで止まったのかを把握し、最適なタイミングで支援を提供できます。
  • チャットボット機能:かご落ちの際に、ユーザーにリアルタイムで疑問を解決したり、クーポンを提供したりすることができるチャットボット機能は非常に有用です。ユーザーが購入手続きで躓いた場合、すぐにサポートを提供することができます。
  • パーソナライズ機能:サイト内での行動や購入履歴などの情報から、ユーザーごとにカスタマイズされたサポートを提供できる機能が求められます。例えば、カートに残された商品に対して、関連商品やキャンペーンを提案するなど、個別対応が可能なツールが効果的です。
  • 自動ポップアップ機能:かご落ちを防ぐために、一定時間以上カートに商品が放棄された場合に、自動でポップアップを表示し、割引や送料無料のオファーを提案する機能を持つツールを選ぶと、ユーザーに即座に再考を促すことができます。

かご落ち対策をより効率的に行うのであれば、ツール選びは非常に重要です。ツールごとに強みや弱みがあるため、どの部分を重点的に改善したいかを明確にした上で、最適なツールを選ぶことがポイントとなります。選んだツールがユーザーの利便性を高め、購入を促進することで、かご落ち率を減らし、売上アップを実現できるでしょう。


まとめ

かご落ち対策は、ECサイトにおける重要な施策であり、売上げを向上させるためには、効果的なアプローチが必要です。ユーザーがかご落ちする理由として、価格の不安や購入手続きの面倒さ、競合との比較が挙げられ、それに対して、送料の明確化、簡易登録、手順の簡略化、セキュリティ対策などを行うことで売上げの向上が期待できます。

また、かご落ちメールや決済フォームの改善、WEB接客ツールなど、適切なツールを活用することで、かご落ち率を効果的に減らすことができます。

最終的には、これらの対策を継続的にテストし、改善していくことが成功の鍵です。今日からでも実施できる対策を取り入れ、かご落ち率を減少させ、売上げをアップさせましょう。

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GENIEE CX NAV1 編集部

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