マーケティング活動を効率化し、顧客一人ひとりに最適なアプローチを実現するために欠かせないのが「CDP(カスタマーデータプラットフォーム)」です。
顧客データの収集・統合・活用を一元化できるCDPは、パーソナライズ施策やLTV向上、広告の最適化など、幅広い施策の基盤となる存在です。

しかし、CDPは、機能や価格、連携性などツールによって異なります。自社に合わないツールを選んでしまうと、運用の負担が増えたり、思うような成果が得られなかったりすることもあります。

本記事では、CDPツールのおすすめ12選を紹介するとともに、導入前に押さえておきたい「5つの選び方」についても解説します。
CDPツールの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

CDPツールとは

CDPツールとは

CDPとはCustomer Data Platformの略で、顧客データを集約・管理するためのデータ基盤のことを指します。
CDPを整備することでWebサイトやモバイルアプリ、メールなどのオンライン、オフラインソースから情報を取得することができるほか、顧客との関係構築・維持において最適なアクションを展開することができます。

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CDPツールの基本機能

CDPツールの基本機能

多くのCDPツールに搭載されている機能は、以下のとおりです。

機能内容
顧客データ一元化すべての顧客データを集約し単一のデータベースに一元化する機能
顧客データ分析とレポーティング基本的な分析レポートのテンプレートを備えているほか、カスタマイズ可能で詳細な分析が可能な機能
文書・ファイル管理機能業務に必要な文書やファイルを同一組織内で共有・保存し、すぐに検索できる機能
AIと機械学習AIや機械学習機能を備えており、顧客の過去の行動に基づいてサービスや商品を抽出したり顧客の将来の行動を予測する機能
外部データ統合と保管SFAやCRMのような外部ツールと連携し、その蓄積データを統合管理する機能
セグメンテーション顧客の定量的、定性的データや属性、ステータスより高度なセグメンテーションを行える機能


CDPツールを活用する5つのメリット

CDPツールを活用する5つのメリット

データドリブンマーケティングが加速する中、CDPツールの導入は多くの企業にとって急務となりつつあります。
CDPを活用することで得られるメリットは、単なる業務効率化にとどまらず、顧客体験の向上や売上拡大にもつながります。
ここでは、CDP導入で得られる代表的な5つのメリットについて、みていきましょう。

1. 顧客データを一元管理できる

CDPツールを利用するメリットの一つは顧客データを一元管理できる点です。
例えば、メールやSNS、Webサイトへのアクセス履歴といったオンラインチャネルに加え、実店舗での購入履歴のようなオフラインチャネルでの顧客データも管理することができます。
これらのデータは分析やマーケティング施策の展開においてもオンライン、オフライン問わず利用することができ、より精度の高いマーケティング活動が可能になります。

2. 顧客一人ひとりに対してピンポイントでアプローチできる

CDPツールは、複数のチャネルから顧客データを統合することで、顧客像をより高い解像度で把握できるのが特徴です。これにより、顧客一人ひとりの特性や行動に合わせた、より精度の高いマーケティング施策が可能になります。
集約されるデータが詳細であるほど、顧客理解の精度も向上し、パーソナライズの質も高まります。

3. データをリアルタイムに活用できる

CDPツールを活用すれば、Webサイトの閲覧や商品ページへのアクセスなど、顧客の行動データをリアルタイムで把握できます。
こうした行動をトリガーに、関連商品をレコメンドするなど、タイミングを逃さずにパーソナライズされたアプローチを行うことが可能です。
たとえば、ECサイトでカートに商品を入れたまま離脱したユーザーに対しては、リターゲティング広告を活用して購買を後押しする施策も実現できます。

4. 他システムとデータ連携できる

CDPツールは、他のシステムと柔軟にデータ連携できるのも大きな特長です。
たとえば、営業支援ツールであるSFA(Sales Force Automation)と連携すれば、営業活動のデータもマーケティングに活用可能になります。
リアルタイムで多様なデータを統合することで、より立体的な顧客理解が進み、精度の高いマーケティング施策を実現できるようになります。

5. データ保護と法令遵守の強化

CDPツールには顧客データセキュリティとコンプライアンスを強化する効果もあります。CDPツールで顧客データを一元管理することで情報散在を防ぎ、CDPのセキュリティを高めることで情報漏洩や不正アクセスのリスクを最小限に抑えます。
また、CDPツールはGDPRやCCPAなどの厳格なデータ保護規制に対応する機能も備えています。

CDPツールのおすすめ12選

CDPツールのおすすめ12選を徹底比較

以下では、おすすめのCDPツール12選を機能や特徴などのポイントとともにご紹介します。
自社のニーズに合ったツール選びの参考としてご活用ください。

1. GENIEE MA/CDP

GENIEE CDP
ツール名GENIEE MA/CDP
提供会社株式会社ジーニー
機能や特徴・柔軟な管理項目設定ノーコードでのコンテンツ設計顧客に合わせたマーケティング活動の自動展開多彩な配信チャネル
・活動の自動展開
・多彩な配信チャネル
・AIによるセグメントの最適化が可能
無料トライアル有り
URLhttps://cx.geniee.co.jp/product/cdp/

GENIEE MA/CDPは顧客のステータスと行動ログを詳細に管理でき、管理項目も自由に設計できます。また、コンテンツフォームなどをノーコードで柔軟に変更できるほか、顧客のニーズに応じたコンテンツを自動配信することもできます。配信チャネルはLINE以外にもメルマガやSMSも利用できます。通常のLINE向けMAだけでは十分な成果につながりにくいですが、GENIEE MA/CDPであれば様々なデータを利用し高度なマーケティングを展開できます。オールインワンな機能を求めているのであればおすすめのツールです。

2. CustomerRings

2. CustomerRings
ツール名CustomerRings
提供会社株式会社プラスアルファ・コンサルティング
機能や特徴ノーコードで連携データテーブルの作成不要データ加工可能
無料トライアルの有無無し
URLhttps://www.customer-rings.com/

SQLのようなプログラミング言語を必要とせず、ノーコードで外部ツールからデータベースを構築できるほか、データテーブルの作成も必要ありません。また、データ加工についても任意のデータ項目の統合を行え、統合されたデータを自動計算し新たな値を作成することもできます。

3. Adobe Real-Time CDP

3. Adobe Real-Time CDP
ツール名Adobe Real-Time CDP
提供会社Adobe株式会社
機能や特徴リアルタイムでの顧客把握AIアシスタントによる業務効率向上
無料トライアルの有無無し
URLhttps://business.adobe.com/jp/products/real-time-customer-data-platform/rtcdp.html

Adobe Real-Time CDPではオンライン、オフライン問わずあらゆるソースから顧客データを連携でき、ストリームデータからリアルタイムのインサイトを獲得することができます。
また、会話型のAIアシスタント機能を搭載しており、コンテンツの生成や分析の可視化、インサイトの予測などを行うことができます。

4. goline CDP

4. goline CDP
ツール名goline CDP
提供会社デジマ―ル株式会社
機能や特徴ノーコードでデータ連携自動データ加工データ品質管理と異常検知
無料トライアルの有無無し
URLhttps://digimarl.com/service/cdp/golinecdp/

データソースからのデータ抽出、変換、ロードといったデータフローを自動化する機能を備えており、ノーコードでデータ抽出が可能です。
また、データ形式や構造の変更といったデータ加工も自動化されています。さらに、データ品質管理ではデータの正確性や一貫性、完全性が担保されているかを監視し、欠損値や重複データが存在する場合は特定して修正するほか、外れ値を検出した場合はアラートで知らせてくれます。

5. Tealium AudienceStream CDP

5. Tealium AudienceStream CDP
ツール名Tealium AudienceStream CDP
提供会社Tealium
機能や特徴匿名顧客も追跡セグメントをノーコードで定義
無料トライアルの有無無し
URLhttps://tealium.com/ja/audiencestream-features/

データ集約からマーケティング施策展開までを担うTealium Customer Data Hubの構成製品の一つで、標準装備されているAPIコネクターでほとんどの外部ツールと連携し顧客データを抽出することができます。
また、会員IDなどが紐づいていない匿名の顧客も追跡できるほか、顧客のセグメントをノーコードで定義することもできます。

6. Sitecore CDP

6. Sitecore CDP
ツール名Sitecore CDP
提供会社Sitecore
機能や特徴世界的な導入実績充実したトレーニング
無料トライアルの有無無し
URLhttps://www.sitecore.com/products/customer-data-platform

エミレーツ航空やセブパシフィック航空といった航空業界をはじめ、アライド・アイリッシュ銀行やアイリッシュライフといった世界的企業への導入実績があるツールです。
学習サブスクリプションやインストラクター主導のトレーニング、認定資格もありトレーニング体制が充実しています。

7. INTEGRAL-CORE

ツール名INTEGRAL-CORE
提供会社株式会社EVERRISE
機能や特徴ノーコードでデータ連携リアルタイムデータの活用専用環境での構築データ活用のスペシャリストのサポート
無料トライアルの有無有り
URLhttps://www.ever-rise.co.jp/integral-core/

INTEGRAL-COREではSQLを使うことなく誰でも簡単に管理画面から顧客データを連携することができます。
また、大量アクセス・大量データ・高可用性を担保したシステム構築によりリアルタイムで顧客データを連携できます。セキュリティ対策のため専用環境で構築できるほか、マーケティングシステム開発を15年以上担ったデータ活用のスペシャリストによるサポートも充実しています。

8. Rtoaster insight+

Rtoaster insight+
ツール名Rtoaster insight+
提供会社株式会社ブレインパッド
機能や特徴顧客行動ログの自動収集データ加工、分析
無料トライアルの有無無し
URLhttps://www.brainpad.co.jp/rtoaster/products/insight/

Rtoaster insight+は顧客の行動ログを自動で収集開始し、分析やセグメント作成に扱いやすいように整理するほか、SQLを使いGUI上で加工、分析することが可能です。

9. Treasure Data CDP

Treasure Data CDP
ツール名Treasure Data CDP
提供会社トレジャーデータ株式会社
機能や特徴190超のデータ連携コネクタ行動理由も顧客データとして集約
無料トライアルの有無無し
URLhttps://www.treasuredata.co.jp/product/

Treasure Data CDPでは190を超える連携コネクタを標準装備しており、様々な外部ツールと連携し顧客データを集約することができます。また、顧客プロファイルデータにおいては製品やサービスを誰が購入したかだけでなく、なぜ購入したかという理由についても顧客データとして蓄積することができます。

10. KARTE Datahub

10. KARTE Datahub
ツール名KARTE Datahub
提供会社株式会社プレイド
機能や特徴多様なデータ連携先使いやすいBI画面
無料トライアルの有無無し
URLhttps://karte.io/feature/integration/

KARTE DatahubはGoogle AnalyticsやSalesforce Sales Cloudといったメジャーな外部ツールを含め様々なツールと顧客データを連携することができます。また、ノーコードで分析画面を編集することができ、各種データを加工し統合して一画面で分析することもできます。

11. SuccessHub

11. SuccessHub
ツール名Successhub
提供会社コミューン株式会社
機能や特徴顧客単位でタスクを自動発行
無料トライアルの有無無し
URLhttps://commune.co.jp/

Successhubでは顧客の契約内容、サービス利用状況、コミュニケーション履歴等の情報を一元管理します。顧客ごとに状況を把握でき、それに応じたタスクを各メンバーに割り当て、連絡までを一気通貫で自動実行します。

12. coorum

12. coorum
ツール名coorum
提供会社株式会社Asobica
機能や特徴ロイヤル顧客獲得を目標とした設計
無料トライアルの有無無し
URLhttps://coorum.jp/

既存顧客のロイヤル化に重きを置いたシステムであり、オンラインコミュニティをノーコードで構築できるほか、ファンコミュニティ内での顧客一人ひとりの行動ログを時系列で分析できます。そのため、キーワード調査やカスタマージャーニーの把握、ユーザー同士の交流頻度などを分析しロイヤリティ向上に寄与する要素を把握することができます。

CDPツールの5つの選び方

CDPツールの5つの選び方

CDPツールは種類も多く、どれも魅力的に見えるため「結局どれを選べばいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
実際に、機能や価格だけで選んでしまい、導入後に「思ったように使いこなせなかった」というケースも少なくありません。

CDPを最大限に活用するためには、目的や運用体制に合ったツールを見極めることが欠かせません。
ここでは、自社にフィットするCDPツールを選ぶために押さえておきたい5つのポイントを解説します。

1. 導入の目的を明確にする

CDPツールを選ぶ際、まず最初にすべきことは「自社が何を実現したいのか」をはっきりさせることです。
例えば「広告配信のパーソナライズを強化したい」「複数の顧客データを一元管理したい」「顧客ロイヤルティを高めたい」など、目的によって必要な機能や連携すべき外部システムは異なります。

目的があいまいなまま導入してしまうと、せっかくのツールを十分に活用できず、結果的に「宝の持ち腐れ」になってしまうこともあります。
まずは社内でマーケティング課題や顧客データ活用の方針を整理し、「何のためにCDPを使うのか」を明文化することから始めましょう。

2. 必要な機能の有無を確認する

CDPツールとして最低限の機能が備わっているか確認する必要があります。顧客データの収集や統合、活用できる形にデータを整理するクレンジング機能が備わっているかどうかや、顧客プロファイルの作成、セグメンテーション、レポート作成・分析が可能かどうか確認する必要があります。

3. 拡張性があるか、長期的に活用できるか確認する

導入するCDPツールに拡張性があるかどうかも重要なポイントです。顧客データは多種多様な観点から収集する必要があり、ツール導入前の顧客データだけでは十分な分析や活用が難しい場合があります。導入目的を明確にしたうえで、どのデータが必要なのか特定し、それらのデータを活用できるCDPツールを選択しましょう。

4. 費用対効果を確認する

当然ですが、自社にとって費用対効果(ROI)があるかどうかを確認しましょう。CDPツールは導入のための初期費用と運用していくための月額費用がかかるコストモデルがほとんどです。提供企業に問い合わせ見積もりを作成してもらい、自社にとって費用対効果のある選択なのか検討しましょう。

5. サポートが充実しているか確認する

CDPツールは他のマーケティングツールでデータを参照するデータベースとなるため、特に重要なコンポーネントです。導入や運用開始段階においては専門家の知見が必要な場合もあり、サポート体制が充実している製品を選ぶ必要があります。

まとめ

まとめ

顧客情報を一元管理するCDPツールはオンライン、オフライン問わずリアルタイムに顧客情報を集約することができ、顧客一人ひとりのニーズに応じたマーケティング施策を展開するうえで重要な役割を果たします。CDPツールは多様な種類が展開されているため、ツール選定においては自社の目的を明確にすることが求められます。

GENIEE MA/ CDP

株式会社ジーニーでは、オンライン・オフラインを問わずあらゆるチャネルの顧客データをリアルタイムで統合・分析できる「GENIEE MA/ CDP」を提供しています。
顧客行動の変化をすばやく捉え、パーソナライズされたアプローチを実現することで、顧客体験(CX)の向上を支援します。さらに、AI・機械学習を活用した分析基盤により、専門知識がなくても自然言語でインサイトを引き出し、誰でも施策に活かすことが可能です。

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    GENIEE CX NAV1 編集部

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