チャットボットには、シナリオ型やAI型、ハイブリッド型などさまざまな種類があります。
それぞれのチャットボットには特徴や得意・不得意があり、業務効率化や顧客対応の改善など、活用できるシーンも異なります。
本記事では、チャットボットの主な種類をわかりやすく整理し、導入時のポイントを解説します。

目次
チャットボットの主な種類

チャットボットにはさまざまな種類があり、仕組みや得意分野によって導入効果が大きく変わります。
ここでは、代表的なチャットボットの種類とそれぞれの特徴・メリット・デメリットをわかりやすく整理します。
シナリオ型(ルールベース型)
シナリオ型チャットボットは、あらかじめ設定された対話フローに沿ってユーザーの質問に答えるタイプです。FAQや定型的な問い合わせに適しており、導入も比較的簡単です。
| 特徴 | 設定したシナリオに沿って回答。想定外の質問には対応できない |
| メリット | 導入コストが低く、安定した回答が可能 |
| デメリット | 柔軟性が低く、複雑な質問には不向き |
AI型(FAQ型・機械学習型)
AI型チャットボットは、過去の問い合わせデータやFAQを学習して、自動で最適な回答を導き出します。
自然言語処理(NLP)を活用しているため、ユーザーの表現が多少異なっても対応できます。
| 特徴 | 機械学習により問い合わせ内容を理解し、柔軟に回答 |
| メリット | 定型以外の質問にも対応可能で、自動化範囲が広い |
| デメリット | 導入準備や学習に時間がかかる、初期データが必要 |
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、シナリオ型とAI型を組み合わせたチャットボットです。定型的な問い合わせはシナリオ型で処理し、複雑な質問にはAI型が対応します。大規模なサポートや多様な問い合わせに適しています。
| 特徴 | ルールベースとAIの両方の強みを活かす |
| メリット | 幅広い問い合わせに対応できる、導入後の改善も柔軟 |
| デメリット | 導入コストはやや高め、運用設計が複雑 |
会話型・ログ型
会話型チャットボットは、ユーザーとの自由な会話を通じて、ブランドとのエンゲージメントを高めることを目的としたタイプです。FAQの対応にとどまらず、ユーザー体験の向上や親しみやすさの演出にも役立ちます。
一方、ログ型チャットボットは、ユーザーの操作履歴や過去の問い合わせ履歴を活用して、最適な案内や提案を行うタイプです。業務効率化や顧客分析に強みがあり、データを活かしたサポートやマーケティング施策にも活用できます。
| メリット | ユーザーの意図を深く理解できる、データ活用が可能 |
| デメリット | 導入設計が複雑、継続的な改善が必要 |
種類ごとの比較と選び方のポイント

チャットボットには複数の種類があり、仕組みや得意分野によって導入効果が大きく変わります。
ここでは、各種類の特徴やメリット・デメリットを比較し、導入時に重視すべきポイントをわかりやすく整理します。
種類ごとの比較
| 種類 | 導入コスト | 運用負荷 | 得意分野 | 導入期間 |
|---|---|---|---|---|
| シナリオ型 | 低 | 低 | 定型FAQ対応 | 1~2週間 |
| AI型 | 中~高 | 中 | 柔軟な回答・複雑な問い合わせ | 1~2か月 |
| ハイブリッド型 | 中~高 | 中 | 幅広い問い合わせ対応 | 1~3か月 |
| 会話型 | 中 | 中 | ブランド体験・自由対話 | 1~2か月 |
| ログ型 | 中 | 中~高 | データ活用・業務効率化 | 1~3か月 |
選び方のポイント
チャットボットを選ぶ際には、以下のポイントを意識すると自社に最適な種類を選びやすくなります。
- 導入目的を明確にする
FAQ対応や問い合わせ削減、購入支援、ブランドエンゲージメントなど、目的に応じて種類を選定。
- 業務フローや問い合わせ内容を整理する
定型的な質問が多ければシナリオ型、複雑で多様な質問がある場合はAI型やハイブリッド型が適しています。
- コストと運用リソースを考慮する
初期導入コストだけでなく、運用や改善に必要な人的リソースも含めて判断。
- 将来的な拡張性や技術トレンドを意識する
生成AIやハイブリッド型など、将来的な自動化や高度化に対応できるかも確認。
- ユーザー体験への影響を考える
雑談型やログ型などはユーザーとの自然な会話やデータ活用が可能で、満足度向上や離脱防止に効果があります。
業務目的・ユースケース別のおすすめタイプ

チャットボットは種類ごとに得意分野が異なるため、業務目的やユースケースに応じて最適なタイプを選ぶことが重要です。自社の業務フローや目的に合ったボットを導入することで、効率化や顧客体験向上の効果を最大化できます。
ここでは、具体的なユースケースごとにおすすめのチャットボットタイプを整理します。
カスタマーサポート向け
カスタマーサポート業務では、FAQや問い合わせ対応の自動化が求められます。この場合、シナリオ型やAI型のチャットボットが効果的です。
| シナリオ型 | 定型的な質問への対応が得意で、導入も短期間で可能 |
| AI型 | 複雑な問い合わせや多様な表現にも対応できるため、顧客満足度の向上に貢献 |
ECサイト/Web接客向け
ECサイトやWeb接客では、購入支援や離脱防止、ユーザーへの最適な提案が重要です。AI型やハイブリッド型のチャットボットがおすすめです。
| AI型 | ユーザーの質問や購入状況に合わせて柔軟に対応 |
| ハイブリッド型 | 定型質問はルールベースで対応し、複雑な問い合わせにはAI型で対応するため、幅広い接客が可能 |
入力フォーム最適化(EFO)向け
フォーム入力時の離脱を防ぐには、雑談型や会話型のチャットボットが効果的です。ユーザーに寄り添った対話形式で入力を誘導することで、CVR(コンバージョン率)の向上にもつながります。
| 特徴 | ユーザーとの対話形式で必要情報を自然に入力させるタイプ。質問を促したり、入力をサポートしたりできる |
| メリット | 入力途中の離脱を防ぎ、CVR(コンバージョン率)向上やユーザー満足度向上に貢献 |
社内ヘルプデスク向け
社内ヘルプデスクでは、操作マニュアルや申請フローの案内などが中心です。ログ型+シナリオ型の組み合わせが適しています。
| 特徴 | 過去の問い合わせ履歴や操作履歴を活用し、最適な案内を提供 |
| メリット | 定型的なフローやマニュアル案内に適しており、回答精度も安定 |
チャットボット導入を成功させるためのステップ

チャットボットの導入を成功させるには、種類や機能を理解するだけでなく、計画的なステップに沿って準備・運用することが重要です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
チャットボットは種類ごとに得意分野や導入効果が異なります。チャットボットの種類を理解し、目的や業務フローに応じて選定することが、導入成功の鍵です。
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