Webサイトのコンバージョン率を大きく左右するCTAボタン。
たった1つのボタンデザインや配置の改善で、成果が跳ね上がった事例も少なくありません。

しかし、「どのようなデザインが効果的なのか」「どこに配置すべきか」など、試行錯誤を重ねている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、CTAボタンの基礎から実践的なテクニックを体系的に解説していきます。

そもそもCTAボタンとは?

そもそもCTAボタンとは?その役割について

CTAとは「Call To Action(コール トゥ アクション)」の略で、ユーザーに対して何らかの行動を誘導をするという意味を持ち、CTAボタンはWebサイト上に設置し、クリックを促すボタンのことを指します。

代表的な具体例

  • 購入ボタン:「今すぐ購入」「カートに入れる」
  • 申し込みボタン:「無料体験を始める」「会員登録」
  • 資料請求ボタン:「資料をダウンロード」「詳細をチェック」
  • お問い合わせボタン:「相談する」「問い合わせる」
CVRを向上!LP改善の基本ステップ
CTAボタンの例(実際にダウンロードいただけます)

CTAボタンの役割と重要性

Webサイト上においてCTAボタンは、ユーザーが検討したあとに「次に進むための道しるべ」や「行動を後押しするきっかけ」として機能します。

商品説明や価値が十分に伝わったタイミングで、明確な言葉と適切な配置でCTAを提示することで、検討を終えたユーザーが迷うことなく次のステップへと進めるようになります。

また、CTAボタンは、ユーザーにサービス・商品に届けるための接点ともいえます。
効果的なCTAボタンは、ユーザーの意思決定つまりは「CV」を促すため、サイトの成果を高めるためには必須の要素となっています。

CTAボタンの成果を左右するポイント

CTAボタンの成果を左右するポイント


成果を最大化するためには、CTAボタンのデザインが大きく影響します。

CTAボタン自体が、ユーザーに行動を促す心理トリガーであるため、色や文言、配置といった要素が直接作用します。
コントラストや余白、サイズ、クリックしやすい領域などを全体デザインと一貫させて最適化することが重要です。最終的には色・文言・配置をA/Bテストで検証し、定量的に最も効果の高い組み合わせを見つける必要があります。

ここからは、成果を獲得するために抑えておきたいデザインの4つのポイントを紹介します。

1.CTAボタンの色

色彩心理学を活用し、ユーザーの注意を引きつける色を選ぶことが重要です。
例えば、赤・青・緑にはそれぞれ下記のような効果があります。

  • 赤:緊急性を感じさせ、行動を促すエネルギーを与える。
  • 青:信頼感や安心感を与え、落ち着いた行動を促す効果。
  • 緑:自然や健康を連想させ、ポジティブな気持ちを引き出す。


業界に合った色を選ぶことで、ユーザーの興味を引きやすくなります。
また、補色関係を活用することでボタンを際立たせることも効果的です。

(例)全体カラーの青に対してオレンジのCTAボタンを設置
クリックしたくなる色


2.視認性・操作性の改善

ボタンのサイズ、フォント、配置などは、見やすさと使いやすさのバランスが重要です。

特にモバイルユーザーにとって、指でタップしやすいサイズ感であることがクリック率向上に寄与します。
具体的には、サイズは少なくとも幅44ピクセル以上を確保することが望ましいとされています。

フォントも読みやすさを意識し、なるべくシンプルなものを選ぶと良いでしょう。
また、ボタン周りに十分な余白(ホワイトスペース)を設けることで、他の要素から視覚的に区別させ、ユーザーが迷わずタップできるようにしましょう。

3.エフェクトの活用

CTAボタンへの注意を引くために、エフェクトの活用も効果的です。

よく使われるものの1つにホバーエフェクトがあります。
ホバーエフェクトはボタンや画像、リンクなどにマウスカーソルを重ねた際に、色や形などに変化させるエフェクトを指します。

ユーザーがボタンにマウスを重ねた際に動的な変化を加えることで、ボタンに対する興味を引くことが可能です。
色が変わる、影がつく、拡大するなどのエフェクトも有効です。

(例)色を反転させるホバーエフェクト

4.テキストによる訴求

フレーズはCTAボタンのクリック率に大きく影響します。
できるだけ短く、具体的な動詞を用いて一目で伝わる内容を心がけましょう。
訴求するポイントを明確にすることで、フレーズの幅を広げることが可能になります。
代表的な訴求パターンは以下です。

緊急性やメリット
(例)「今すぐ購入」「無料で試す」

限定感や時間制限
(例)「残りわずか」「今なら限定〇%オフ」などの表現は、希少性や期限を示してユーザーに早急な行動を促します。

心理的ハードルを下げる表現
(例)「簡単に登録」「おためし体験に申し込む」

「BTRNUTSS(バターナッツ)」を意識しつつ、短く具体的な動詞を用い、訴求ポイント(緊急性・限定感・安心感)に応じて文言を使い分けることで、CTAの効果を高められます。

効果的な配置と動線設計の考え方

効果的な配置と動線設計の考え方

CTAボタンの配置はユーザーの行動を促す上で非常に重要です。配置場所によって、ユーザーがどのタイミングで行動を起こすかが大きく変わるので目的に合わせて使い分けることを心がけましょう。

例えば、ファーストビューに配置する場合は、ユーザーにサイトに流入後すぐに行動を促すことができるため、特にキャンペーンページや緊急性のあるオファーに効果的です。対してページの下部に配置する場合は、ユーザーはすでにサイト内の情報を受け取っている状態ですので、単価が高かったり、ハードルが高い商品・サービスのCTAとして有効です。


また、複数のCTAボタンを設定したり、画面の端に固定してCTAボタンを表示させることで、ユーザーの意欲が高まったタイミングで行動遷移を促すことができるので、成果を獲得しやすくなります。
視線の流れを考慮した配置を心がけることも重要です。

成果を生むCTAボタンを作る5ステップ

成果を生むCTAボタンを作る6ステップ

CTAボタンを効果的にデザインするための5つのステップを紹介します。

1. ペルソナ設定

まずターゲットとなるユーザー像を明確にします。年齢・職種・役職・業務課題・使うデバイス・意思決定の速さなどを具体化しておくと、どの訴求(緊急性・メリットなど)が刺さりやすいか判断しやすくなります。「代表的な3〜4パターンのペルソナ」を作り、それぞれのペルソナに対する主要な行動フロー(認知→検討→行動)を書き出すと設計がぶれることも少なくなります。

 2. 競合分析

競合のCTAボタンを調査して、どの文言・色・配置が多く使われているか、成果が出ていそうかを分析しましょう。優れている点は取り入れる一方で、自社の差別化ポイント(例:金額や機能やプラン展開など)をCTAで明確に打ち出せるかも併せて確認しましょう。

3. デザインの基本設定/配置・導線の調整

ボタンの色・サイズ・フォント・余白などの基本の部分は、「見やすさ」と「使いやすさ」を意識するようにしましょう。
テキストのコントラスト比は原則としてWCAG推奨の4.5:1以上を目安にし、モバイルではタップ領域を最低44×44px確保するとよいでしょう。またテキストは動詞を先頭にした短い表現で訴求を明確にしつつ、補助的にアイコンを用いると効果的です。

ユーザーの行動を考慮しながら、CTAボタンを配置します。視線の流れやスクロールの動きを分析し、最も自然にボタンに辿り着くように配置することがポイントです。

4. ABテストと効果測定と改善

異なるデザインや配置のCTAボタンをテストし、どちらがより成果を上げるかをモニタリングをします。
A/Bテストは仮説を立てて、一つの要素だけを変えるシンプルな進め方が有効です。
(例)「無料で試す」と「今すぐ試す」といった文言比較

変数は文言・色・サイズ・配置などのうち一つに絞り、指標としてはCTRとコンバージョン率(場合によってはCPAやLTVも)をするとよいでしょう。

ABテスト

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5. 効果測定と改善

ABテストの結果や、クリック率などのデータを基に、CTAボタンのデザインを改善していきます。効果を最大化するために、継続的な最適化が必要です。その際は、以下の要素を拾い上げ分析することをおすすめします。

  • クリック率の分析:CTAボタンのクリック率を定期的に分析し、どのデザインや配置が最も効果的かを把握します。クリック率が低い場合は、色や文言、配置などを変更し、改善を図ります。
  • ヒートマップの活用:ユーザーがページ内でどこに注目しているのかを可視化するために、ヒートマップツールを活用します。これにより、CTAボタンが視認されているかどうか、配置を見直す必要があるかを判断できます。
  • ユーザー行動の追跡:ユーザーがどのタイミングでページを離脱しているのかを追跡し、CTAボタンが適切なタイミングで配置されているかを確認します。


デザイン初心者でも安心!無料で使えるツールとテンプレート

デザイン初心者でも手軽にCTAボタンをデザインできるツールやテンプレートは以下です。
これらのツールを活用することで、誰でも簡単に魅力的なCTAボタンを作成することができます。

  • Canva直感的に操作できるデザインツールで、豊富なテンプレートが揃っています。
  • Figmaコラボレーション機能が強力で、チームでデザインを進める際に便利です。


効果的なCTAボタンデザインのためのチェックリスト

文言・マイクロコピー

  •  訴求文言が短く具体的か(目安:動詞先頭・2〜4語)。何をするか・何が得られるかが明確になっていること。
  •  ベネフィットが短く表現されているか(「何が得られるか」を端的に示す)。
  •  ボタン下に不安を取り除く補助文(例:「30秒で完了」「クレジット不要」)を置いているか。

デザインとアクセシビリティ

  •  ボタンがページ内で目立っているか(アクセントカラー/十分なコントラスト)。
  •  テキストと背景のコントラスト比がWCAGの目安を満たしているか(通常4.5:1以上)。
  •  フォントサイズ・太さで視認性を確保しているか(小さい文言は避ける)。
  •  アイコンは補助的に使われ、テキストの意味を損なっていないか。
  •  ホバー/アクティブ/フォーカス時の視覚的フィードバックを用意しているか(キーボード操作対応含む)。
  •  色選定はブランドとの調和を保ちつつ、アクセントカラーで目立たせているか。
  •  動きやアニメーションは過剰でなく注意を引く程度に抑えられているか(目障りでないこと)。
  •  モバイルでのタップ領域を最低44×44px確保しているか(実際のクリック可能領域を含めて確認)。

配置・導線

  •  ファーストビューに主要CTAを置くか、必要ならスクロール追従で固定しているか。
  •  資料や説明の直後にもCTAを配置しているか(情報提供→アクションの自然な流れ)。
  •  長いページでは適切な箇所(上部・中盤・下部)に複数設置しているか。
  •  ユーザーの視線(Zパターン等)や導線を意識してレイアウトしているか。
  •  主要CTAとセカンダリCTAの視覚的優先度が明確か(色・サイズで差別化)。

クリック可能性・認知性

  •  ボタンが「クリック可能」だと直感的に分かるデザインか(影・立体感・マウスオーバー等)。
  •  視認性を損なわずに、ボタンだと分かる工夫(形状・余白)があるか。

計測・分析

  •  セグメント別の結果(デバイス、流入経路、ペルソナ)も分析しているか。
  •  ヒートマップで到達性/視認性を確認しているか。
  •  セッションリプレイで実際の操作を確認しているか。
  •  離脱ポイント・フォームの項目別離脱率を計測しているか。

まとめ

この記事内容を基に、自社のCTAボタンを見直し、改善を始めましょう。
まずはペルソナ設定と競合分析から始めることがおススメです。

小さな変更でも、ユーザーの行動や成果に大きな影響を与える可能性があります。
CTAボタンのデザインは継続的に改善し、常に最適化を目指すことが成果を上げる鍵です。


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