Webサイトで集客施策に力を入れているにもかかわらず、思うようにコンバージョンが獲得できないと悩んでいませんか?広告費をかけてユーザーを集めても、入力フォームで多くのユーザーが離脱してしまっているケースは少なくありません。
そこで注目されているのが、EFO(エントリーフォーム最適化)です。入力フォームを改善することでCVR(コンバージョン率)を向上させます。
本記事では、CVR改善の施策としてEFOを検討している方に向けて、EFOの基本概念から具体的な改善施策、効果測定の方法まで、実践的な内容を解説します。

目次
EFOとは?CVR改善との関係を理解する

EFO(Entry Form Optimization)とは、Webサイトやランディングページ(LP)に設置された入力フォームの「見やすさ」「使いやすさ」「入力負荷」「エラー対処」を改善する施策です。フォームはコンバージョン直前の最後の接点になります。そのため、ここでのユーザー体験がCVR(コンバージョン率)に直結します。
EFOがCVR改善に重要なのか
フォーム入力は、ユーザーが「購入」「問い合わせ」「資料請求」などのコンバージョン獲得に至る直前の段階です。一方、見にくさや入力の手間、エラーメッセージの分かりにくさなどが原因で、流入してきたユーザーが離脱してしまう要因にもなります。
特に、Cookie規制やプラットフォーム広告の仕様変更により、新規顧客獲得のコストが年々上昇しています。このような環境では、既存の流入ユーザーからのコンバージョン率を最大化することが、マーケティング効率を高める最優先課題となります。
EFOは、広告やSEOで獲得した貴重な流入を「最後の接点」で逃さないための、投資対効果の高い施策なのです。
EFOとCVR改善の関係
フォーム到達後の平均離脱率は40~50%、業界によっては70%に達することもあります。つまり、フォームに到達したユーザーの半数以上が送信前に離脱しているということです。
例えば、EFOにより入力項目を削減したり、エラーメッセージを分かりやすくしたり、自動補完機能を追加したりすることで、離脱率を低下させることができます。結果として、フォーム送信完了率が向上し、全体のCVRが改善されるのです。
フォーム離脱が起こる主な原因と課題|CVR改善の第一歩

ユーザーがフォームから離脱する理由は、心理的要因と技術的・デザイン的要因の2つに分けられます。これらの原因を理解することが、効果的なEFO施策の第一歩です。
ユーザーがフォームから離脱する心理的要因
入力項目の多さによる心理的負担
入力項目が多いと、ユーザーは「この入力にどのくらい時間がかかるのか」「本当に必要な情報なのか」という不安を感じます。特に、スマートフォンでの入力は手間がかかるため、項目が多いほど離脱率が高まります。
個人情報入力への不安
メールアドレスや電話番号、住所などの個人情報を入力することに対して、ユーザーは「この情報はどのように使われるのか」「セキュリティは大丈夫か」という懸念を持ちます。この不安が払拭されないと、フォーム送信を躊躇してしまいます。
技術的・デザイン的な離脱要因
エラーメッセージが分かりにくい
「入力に不備があります」というような曖昧なエラーメッセージでは、ユーザーは何が間違っているのか分かりません。「メールアドレスの形式が正しくありません」というように具体的な指示でないと、修正に時間がかかり、ユーザーはフォームを放棄してしまいます。
デバイスごとに最適化されていない
CTAや文字サイズが小さすぎたり、レスポンシブ対応がされていないと、ユーザーは誤タップや入力ミスを繰り返すことになります。これらのストレスが蓄積すると、ユーザーはフォームから離脱します。
読み込み時間やレスポンスの遅さ
フォーム送信後に読み込み画面が長く表示されたり、送信完了の確認がなかったりすると、ユーザーは「本当に送信されたのか」と不安になり、何度も送信ボタンを押してしまう可能性があります。
CVR改善に直結する4つのEFO施策

フォーム離脱の原因が分かったら、次は具体的な改善施策を実行します。ここでは、CVR改善に直結する4つの主要施策を紹介します。
入力項目削減によるEFO施策

ユーザーの入力負荷を減らすことが、離脱率低下の最短ルートです。まず、現在のフォームに含まれている全ての項目を洗い出し、「本当に必要な情報か」を検討してください。
必須項目と任意項目を分ける
全ての項目を必須にするのではなく、「今すぐ必要な情報」と「後で取得できる情報」に分けます。
例えば、会員登録フォームであれば、メールアドレスとパスワードは必須ですが、生年月日や職業などは任意にすることで、初期登録のハードルを下げることができます。
自由入力をプルダウンやラジオボタンに変更
「職業」「業界」「企業規模」などの項目は、自由入力ではなく、プルダウンメニューやラジオボタンで選択肢を提示する方が、ユーザーの入力時間を短縮できます。また、データの統一性も向上します。
自動補完機能によるEFO施策

自動補完や自動入力機能を活用することで、入力の手間を減らし、ユーザーのストレスを軽減できます。
郵便番号で住所を自動補完
郵便番号を入力すると、都道府県と市町村が自動的に入力される機能です。ユーザーは郵便番号だけを入力すれば良いため、入力時間が大幅に短縮されます。
電話番号やメールアドレスの入力制御
- 電話番号:ハイフンを自動挿入、デフォルトで数字キーボードを表示
- メールアドレス:デフォルトで英字キーボードを表示、@以下の候補を表示
これらの機能により、ユーザーの誤入力を防ぎ、入力時間を短縮できます。
UX/UI改善によるEFO施策

デザインやレイアウトの改善により、ユーザーがストレスなくフォームを入力できる環境を整えることが重要です。
LP内にフォームを設置
ユーザーがページに到達した時点で、フォームが見える位置に配置することで、スクロール負荷を減らし、入力開始までの時間を短縮できます。
また、LP内のCTAをボタンを押し、最下部のフォームまでスクロールさせるパターンも効果的です。
レスポンシブ対応
スマートフォンとPCでは、画面サイズが大きく異なります。各デバイスに最適化されたレイアウトを用意することで、ユーザーが快適に入力できる環境を提供できます。
プログレスバーの表示
複数ページのフォームの場合、「ステップ1/3」というように進捗を表示することで、ユーザーは「あと何ステップで完了するのか」を把握でき、入力のモチベーションを保つことができます。
エラーメッセージ改善によるEFO施策

曖昧なエラーメッセージや、セキュリティへの不安は、ユーザーが入力を躊躇う要因になります。
プレスホルダーの設置
各入力欄に「例:08012345678」「例:user@example.com」というように、入力例を表示することで、ユーザーの御入力を防ぐことができます。
セキュリティ表示
- SSL化の表示:「このサイトは安全です」
- プライバシーポリシーへのリンク:「個人情報の取り扱いについて」
- 利用目的の名器:「ご入力いただいた情報は、資料送付のみに使用します」
これらを表示することで、ユーザーの個人情報入力への不安を払拭できます。
EFO効果を最大化するための分析・検証方法

EFO施策を実行したら、その効果を正確に測定し、継続的に改善することが重要です。ここでは、効果測定に使用する3つの主要ツールの特徴と活用方法を紹介します。これらのツールを組み合わせることで、現状把握から仮説立案、効果検証までの一連のPDCAサイクルを実現できます。
アクセス解析ツールでEFOの効果を定量測定する
アクセス解析ツールは、フォーム全体の流入数・入力開始数・送信完了数などの数値的な推移を計測する役割を担います。
GA4(Googleアナリティクス4)を活用することで、ユーザーがどのステップで離脱しているかを定量的に把握できます。
アクセス解析で確認すべき指標
- フォーム到達率:全体のサイト訪問者のうち、フォームに到達したユーザーの割合
- 入力開始率:フォームに到達したユーザーのうち、実際に入力を開始したユーザーの割合
- フォーム完了率(CVR):フォームに到達したユーザーのうち、送信を完了したユーザーの割合
- 各ステップの離脱率:各入力項目ごとに、どれだけのユーザーが離脱しているか
おすすめツール:GA4
ヒートマップでユーザー行動を可視化
ヒートマップは、ユーザーのクリック・スクロール・熟読箇所などの行動を視覚化し、「どの場所でアクションが集中・離脱しているか」を把握できます。
GA4などのアクセス解析ツールでは数値しか見ることができません。しかし、ヒートマップを使うことで、ユーザーがどこで困っているのかが一目瞭然になります。
おすすめツール:Clarity
A/BテストツールでEFO施策の効果を検証
A/Bテストは、仮説に基づく施策の有効性を「違うパターン同士で比較」して定量的に検証する手法です。
ヒートマップやアクセス解析でユーザー離脱箇所の仮説を立てたら、実際に複数案を用意してA/Bテストで事前検証することが重要です。
また、テストを始める前に、以下のような評価基準を決めておくことが重要です。
- テスト期間:例)ページビューやコンバージョン数が十分に集まるまで
- 採用ルール:例)フォーム完了率が5%以上向上した場合
- 有意差がない場合の扱い:例)再度テストを実施するか、別の施策を検討するか
事前に判定基準を決めておくことで、テスト期間中の恣意的な判断を防ぐことができます。
おすすめツール:Optimize Next
EFOによるCVR改善の進め方と成功のポイント

EFO施策を効果的に進めるには、正しいプロセスと成功のポイントを理解することが重要です。
CVR改善の実現ステップ|分析から実装までのEFO施策
ステップ1:現状分析
まず、GA4とヒートマップツールを使用して、現在のフォームの問題点を特定します。どの項目で離脱が多いのか、ユーザーはどこで迷っているのかを把握しましょう。
ステップ2:施策の優先度付け
分析結果から、改善すべき項目を優先順位付けします。離脱率が高い項目から順に改善することで、効率的にCVRを向上させることができます。
ステップ3:仮説立案と施策実行
「この項目を削減すれば、離脱率が低下するだろう」というように、仮説を立てて施策を実行します。複数の施策を同時に実装するのではなく、1施策ずつ検証することが重要です。
ステップ4:A/Bテストで効果検証
施策の効果を検証するため、A/Bテストを実施します。事前に判定基準を決めておくことで、スムーズに改修を進めることができます。
ステップ5:継続的なPDCAサイクル
テスト結果に基づいて、施策を継続するか、別の施策を検討するかを判断します。この過程を繰り返すことで、継続的にCVRを改善できます。
EFOでCVR改善を成功させるポイント
1.EFO施策の複数同時実装は避ける
複数のEFO施策を同時に実装すると、どの施策がCVR改善につながったか不明確になります。まずは1施策ずつ検証を行い、効果的な施策を特定しましょう。
2.事前に判定基準を決めておく
A/Bテストを実施する際は、EFO施策の採用判断基準を事前に決めておくことが重要です。テスト期間中に判断基準が変わると、恣意的な判断につながる可能性があります。
3.継続的なPDCA
EFO施策は、一度実装したら終わりではなく、継続的にPDCAを回すことが重要です。ユーザーの行動パターンは時間とともに変化するため、定期的にヒートマップやGA4のデータを確認し、新たな課題がないか確認しましょう。
まとめ
EFOは、CVR改善の最優先施策です。フォーム到達後の離脱率改善することで、大きなCVR改善が期待できます。
まずは、現状分析から始めて、段階的に改善を進めてください。継続的なPDCAを回すことで、CVRの改善につながることに加え、マーケティング効率も高めることができます。
チャット型EFOツール「GENIEE CHAT」
株式会社ジーニーでは、入力フォームを改善し、コンバージョン率を向上させるための「GENIEE CHAT」を提供しています。
Webサイト上に設置している入力フォームをチャット型に置き換えることで、スムーズなフォーム入力が可能になり、その結果、フォーム離脱率を低減し、入力完了率の向上が期待できます。

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