売上を伸ばし続けるには、既存顧客のリピートだけでは限界があります。市場環境の変化や顧客の離脱を考えると、新規顧客獲得の施策を計画的に実行することは、BtoC企業にとって避けられないテーマです。「何から手をつければいいのか」「施策が多すぎて選べない」と感じているマーケターも少なくありません。

この記事では、新規顧客獲得の施策について、BtoCマーケティングの視点から体系的に解説します。オンライン・オフラインの主要施策12選に加え、施策の分類と選び方、実行プロセス、KPI設計、そしてよくある失敗パターンまで、実務で使える情報をまとめました。

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なぜ新規顧客獲得が必要なのか

顧客獲得施策で悩む理由

ここでは、新規顧客獲得がBtoC企業にとってなぜ欠かせないのかについて解説します。

既存顧客だけでは売上が頭打ちになる理由

マーケティングの世界では「1」がよく引き合いに出されます。既存顧客に販売するコストを1とすると、新規顧客の獲得には5倍のコストがかかるという考え方です。この数字だけを見ると「既存顧客を大事にしたほうが効率的」と思えるかもしれません。

しかし、どれだけ丁寧にフォローしても、顧客は一定の割合で離脱します。引っ越し、ライフスタイルの変化、競合への乗り換え——理由はさまざまですが、BtoCでは特に顧客の入れ替わりが激しい傾向にあります。化粧品ECサイトであれば、定期購入者の年間離脱率が20〜30%に達することも珍しくありません。

既存顧客の維持だけに注力していると、売上は緩やかに縮小していきます。新規顧客の獲得は、この自然減を補い、事業を成長軌道に乗せるための基盤です。コストが高いからといって後回しにするのではなく、既存顧客の維持と並行して取り組むべきテーマといえます。

BtoCビジネスにおける新規獲得の位置づけ

BtoBと比べると、BtoCの新規顧客獲得にはいくつかの特徴があります。購買の意思決定が個人に委ねられるため、検討期間が短く、感情や直感が判断に影響しやすい点がそのひとつです。一方で、1件あたりの単価はBtoBより低いケースが多く、獲得数のボリュームが売上を左右します。

こうした構造から、BtoCでは「いかに多くの見込み客と接点を持ち、短い検討期間のなかで購買につなげるか」が勝負になります。店舗予約サービスであれば、検索結果で目に入った瞬間に予約まで完了するケースもあり、この速さに対応できる施策設計が求められます。

見落としがちなのが、新規顧客の獲得が「市場でのポジション確保」にも直結する点です。競合が積極的に広告やSNSで露出を増やしているなかで、自社だけが既存顧客頼みでいると、認知度の差がじわじわと広がっていきます。新規獲得施策は、売上の確保だけでなく、市場における存在感を維持するためにも欠かせません。

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新規顧客獲得の施策を2つの軸で分類する

ここでは、施策の全体像を整理するための2つの分類軸について解説します。

オンライン施策とオフライン施策の違い

新規顧客獲得の施策は、大きくオンラインとオフラインに分けられます。オンライン施策はWeb広告やSNS、SEOなど、インターネットを介して見込み客にアプローチする方法です。対してオフライン施策は、チラシ、DM、イベント、看板など、物理的な接点を通じて認知や来店を促します。

BtoCでは近年オンライン施策の比重が高まっていますが、オフラインが不要になったわけではありません。飲食店や美容サロンのように商圏が限定されるビジネスでは、ポスティングや駅前の看板が依然として有効に機能しています。大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、自社の商材やターゲットに合った組み合わせを見つけることです。

オンラインは効果測定がしやすく、少額から始められる点が強みです。一方、オフラインは地域密着型のビジネスや、実物を手に取ってもらいたい商材との相性がよいといえます。両者の特性を理解したうえで、予算と目的に応じて配分を決めるのが現実的なアプローチです。

プル型とプッシュ型の使い分け

もうひとつの分類軸が、プル型とプッシュ型です。プル型は、顧客が自ら情報を探しに来る流れをつくる施策を指します。SEOやコンテンツマーケティング、口コミサイトへの掲載などが該当します。プッシュ型は、企業側から能動的にアプローチする施策で、Web広告、DM、メールマーケティングなどが含まれます。

BtoCの場合、プル型施策は「今すぐ買いたい」層だけでなく、「なんとなく気になっている」層との接点をつくれる点が大きなメリットです。化粧品ブランドがスキンケアの悩みに答えるブログ記事を公開し、そこから商品ページへ誘導するのは典型的なプル型の流れといえます。

プッシュ型は即効性がある反面、ターゲティングを誤ると広告費が無駄になりやすい側面もあります。両方をバランスよく組み合わせることで、短期的な集客と中長期的な認知拡大を同時に進めることが可能です。

施策の分類マトリクス

ここまでの2つの軸を掛け合わせると、施策の全体像が見えてきます。以下の表で主要な施策を整理しました。

分類 プル型(顧客が見つけに来る) プッシュ型(企業から届ける)
オンライン
  • SEO対策
  • 自社サイト・コンテンツマーケティング
  • 口コミアプリやサイトへの登録
  • MEO
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • インフルエンサーの活用
  • 動画広告・動画コンテンツ配信
オフライン
  • 紹介プログラム
  • 店頭POP・サンプル配布
  • 口コミ・レビュー促進
  • ダイレクトメール
  • ポスティング
  • チラシ・交通広告
  • イベント・展示会

自社の商材とターゲットがどの象限に当てはまるかを考えると、注力すべき施策が絞り込みやすくなります。すべてを同時に実行する必要はなく、まずは自社に合った象限から着手するのが現実的です。

BtoCの新規顧客獲得に効果的な施策10選

ここでは、BtoCの新規顧客獲得で特に活用頻度の高い10の施策を解説します。

施策名 施策のメリット
リスティング・ディスプレイ広告 購買意欲の高い層への即時アプローチ、配信結果をもとにした改善のしやすさ
SNS広告 詳細なターゲティングによる配信精度の高さ、潜在層への自然な認知拡大
インフルエンサーの活用 第三者の推薦による信頼感の醸成、共感や口コミの広がりやすさ
自社サイト 継続的な情報発信拠点の確保、問い合わせや購入への導線設計のしやすさ
SEO対策 広告費に依存しにくい集客基盤の構築、中長期的な費用対効果の高さ
プレスリリース配信 メディア掲載による信頼性の向上、接点のなかった層への認知拡大
動画コンテンツ 映像と音声による直感的な訴求、短時間での理解促進と記憶定着
ダイレクトメール 紙媒体ならではの印象の残りやすさ、ブランドの信頼感や特別感の演出
ポスティング 特定エリアへの直接訴求、クーポンや特典による来店・問い合わせ促進
口コミアプリやサイトへの登録 利用者評価による信頼性の向上、検索時の露出増加と自然流入の獲得

リスティング・ディスプレイ広告

Web広告は、新規顧客獲得の施策として即効性と精度の高さを兼ね備えた手法です。インターネット上で顧客の行動や興味関心に応じて広告を配信できるため、効率的にアプローチできます。

検索エンジンを利用したリスティング広告では、ユーザーが入力した検索語句に連動して自社の広告表示が可能なため、すでに商品やサービスに関心を持っている見込み客に対してタイムリーに情報を届けられます。

また、特定のWebサイトやアプリに表示されるディスプレイ広告を活用すれば、ターゲット層が集まる媒体で認知度を高められます。さらに、広告の効果測定がリアルタイムで行えるため、クリック数やコンバージョン率などのデータをもとに、継続的に改善を図れる点もメリットです。

▼関連記事:リスティング広告のCVR改善の基本

SNS広告

SNS広告は、新規顧客獲得の施策として幅広い層へのアプローチを可能にする手法です。多くの人が日常的にSNSを利用しているため、タイムライン上に自然な形で広告を表示させられます。

通常のWeb広告と異なり、ユーザーが能動的に情報を探している状態ではなくても、目に触れる点が大きな特徴です。例えば、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINEなど、各プラットフォームには異なる年齢層や興味関心を持つユーザーが集まっています。各媒体では詳細なターゲティング設定が可能であり、年齢、性別、地域、趣味嗜好などの属性に基づいて配信先を絞り込めます。

広告からダイレクトに商品購入ページや問い合わせフォームへ誘導できるため、スムーズな顧客獲得につながる点もメリットの一つです。

インフルエンサーの活用

インフルエンサーの活用は、信頼性を重視した新規顧客獲得の施策として注目されています。企業が直接発信する広告よりも、第三者であるインフルエンサーからの推薦は消費者に受け入れられやすく、高い訴求効果が期待できるためです。

美容系の商品であれば美容に詳しいインフルエンサーに依頼することで、その分野に関心を持つフォロワーへ効率的にリーチできます。重要なのは単純なフォロワー数ではなく、投稿に対する反応の質です。コメントやシェアといった能動的な行動が多いインフルエンサーほど、フォロワーとの関係性が深く、影響力も大きいといえます。

また、自社のブランドイメージや価値観と合致する人物を選定することも欠かせません。世界観が異なる相手では、たとえ拡散力があっても適切なメッセージが届かない可能性があります。

自社サイト

自社サイトの充実は、新規顧客獲得施策の基盤となる重要な取り組みです。企業の情報発信拠点として機能するWebサイトは、24時間365日顧客との接点を生み出し続けます。検索エンジン経由でサイトを訪れるユーザーは、自発的に情報を求めている状態であり、購買や問い合わせにつながる可能性が高い見込み客です。

商品やサービスに関連するキーワードで検索した際に自社サイトが上位表示されれば、広告費をかけずに継続的な流入が期待できます。また、サイト内のコンテンツを充実させることで、訪問者の滞在時間が延び、企業への信頼感や理解が深まります。

導線設計を工夫して問い合わせフォームや資料請求ページへ誘導すれば、具体的なアクションにつなげられることも効果の一つです。自社サイトは一度構築すれば長期的に効果を発揮する資産となり、費用対効果の高い新規顧客獲得の施策として機能し続けます。

▼関連記事:サイト改善で成果を出す5つの手順と実践ポイント

SEO対策

SEO対策は、長期的な視点で新規顧客獲得を実現する施策として不可欠です。検索エンジンからの流入は広告費をかけずに継続的な集客を可能にするため、費用対効果が高い特徴があります。

特にオンラインで商品やサービスを提供する企業にとって、検索結果での表示順位は売上に直結する重要な要素です。潜在顧客が抱える悩みや疑問に関連する言葉を分析し、それらをサイト内のコンテンツに適切に配置することで、検索時に自社ページが上位表示される可能性が高まります。

ユーザーの検索意図を理解し、求められている情報を的確に提供することが重要です。また、サイトの構造を整理して閲覧しやすくしたり、ページの読み込み速度を改善したりすることも、検索エンジンからの評価を高める要因です。

プレスリリース配信

プレスリリース配信は、信頼性の高いメディアを通じて新規顧客獲得を目指す施策です。企業が直接発信する広告と異なり、第三者であるメディアが取り上げることで、情報の信頼度が格段に向上します。

新商品の発売や事業提携、受賞歴といったニュース性のある情報を配信すれば、新聞やWebメディアに掲載される可能性があります。掲載されることで、これまで接点のなかった層に対しても自社の存在を知ってもらう機会が生まれ、ブランド認知の向上につながる点がメリットです。

また、メディアに取り上げられた記事は、企業の実績として長期的に活用できる資産にもなります。ただし、メディアは企業の意図とは異なる視点で記事を構成する場合もあり、想定外の切り口で報道されるリスクも考慮すべきです。

動画コンテンツ

動画コンテンツは、新規顧客獲得の施策として高い訴求力を持つ手法です。映像と音声を組み合わせることで、テキストや静止画では伝えきれない情報を短時間で効果的に届けられます。

商品の使用方法や実際の導入事例を動画で紹介すれば、視聴者は具体的なイメージを持ちやすくなり、購買意欲が高まります。また、視覚と聴覚に同時に働きかける動画は、人の記憶に定着しやすいことも特徴の一つです。

YouTubeやSNSなど複数のプラットフォームで配信できるため、幅広い層へのリーチも期待できます。動画を見て興味を持った視聴者が自社サイトへ訪問したり、問い合わせをしたりする導線を設計すれば、効率的に見込み客を獲得できるでしょう。動画コンテンツは制作に一定のコストがかかるものの、訴求力と拡散性から、新規顧客獲得の施策として有効な選択肢といえます。

ダイレクトメール

ダイレクトメールは、物理的な形で届けることで印象に残りやすい新規顧客獲得の施策です。デジタル広告が主流となった現代においても、紙媒体で送られる情報は受け手の記憶に定着しやすい特性を持ちます。

企業宛てに送付するカタログやパンフレットは、デスクや棚に保管されることが多く、必要になった際に再度手に取ってもらえる可能性があります。また、デザインや用紙の質感にこだわることで、企業の信頼性やブランドイメージを効果的に伝えることも可能です。

ただし、印刷費や郵送料などのコストが発生するため、ターゲットリストの精度を高め、無駄な配送を避ける工夫が必要です。さらに、送付先が多くなるほど費用も増大するため、費用対効果を慎重に検証しなければなりません。

ポスティング

ポスティングは、地域密着型ビジネスにおける新規顧客獲得の施策として効果的な手法です。各家庭の郵便受けに直接チラシや販促物を届けることで、確実に情報を届けられます。電話や訪問による営業活動と比較して、顧客側が自分のタイミングで内容を確認できるため、心理的な抵抗感が少ない点が特徴です。

飲食店や美容室、リフォーム業者など、商圏が限定される業種では、ターゲットエリアを絞り込んで効率的にアプローチできます。また、クーポンや特典情報を掲載することで、来店や問い合わせなど具体的な行動を促進することも可能です。ただし、配布範囲が広がるほど人件費や印刷コストが増加するため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

さらに、受け取った側が関心を持たない内容であれば、そのまま廃棄される可能性も高くなる点に注意が必要です。

▼関連記事:MEOとは?基本的な対策と上位表示のコツを解説

口コミアプリやサイトへの登録

口コミアプリやサイトへの登録は、消費者の購買行動に直結する新規顧客獲得の施策です。購入や来店を検討する際、多くの人が実際に利用した人の評価を参考にして判断します。特に飲食店や美容サロン、宿泊施設などサービス業では、口コミの影響力が極めて大きく、高評価を獲得することが集客に直結します。

また、口コミサイトは検索エンジンでも上位表示されやすいため、店舗名や関連キーワードで検索された際の露出機会が増える点も特徴の一つです。ただし、ネガティブな評価が投稿されるリスクもあるため、サービス品質の維持と適切な対応が欠かせません。

丁寧に返信することで誠実な姿勢を示せば、むしろ信頼性向上につながる場合もあります。口コミプラットフォームへの登録は、費用をかけずに始められる新規顧客獲得の施策として、有効な選択肢です。

施策を成果につなげる3つのステップ

新規顧客獲得施策を選ぶ前に押さえるべき3つのポイント

ここでは、施策を選んだあとに成果へつなげるための3つのステップについて解説します。

ターゲット設計とペルソナの明確化

施策を選ぶ前に、「誰に届けるのか」を明確にする必要があります。ターゲットが曖昧なまま施策を走らせると、広告のクリエイティブもコンテンツの方向性もぶれてしまい、結果として費用対効果が悪化します。

BtoCの場合、ペルソナは「30代・女性・会社員」のような属性情報だけでは不十分です。「平日は仕事で忙しく、スキンケアに時間をかけられない。週末にまとめ買いすることが多い」といった行動パターンや価値観まで踏み込むことで、どのチャネルで、どんなメッセージを届けるべきかが具体的になります。

ペルソナの設計には、既存顧客のデータが最も信頼できる情報源です。購買履歴、サイトのアクセスログ、アンケート結果などを分析し、「実際に買ってくれている人はどんな人か」を把握しましょう。想像だけで作ったペルソナは、実態とずれるリスクがあります。

▼関連記事:ペルソナマーケティングとは?具体例や成功事例を解説

KPI設計と効果測定の考え方

施策を実行したら、その成果を数値で把握する仕組みが欠かせません。見落としがちなのが、CPAとLTVの関係です。CPAだけを見て「この施策は高い」と判断するのは早計で、LTVが高い顧客を獲得できているなら、多少CPAが高くても投資回収は可能です。サブスクリプション型サービスでは、初月の獲得コストが高くても、12か月以上継続する顧客が多ければ十分にペイします。

効果測定のポイントは、施策ごとに計測の仕組みを事前に設計しておくことです。UTMパラメータの設定、コンバージョンタグの設置、アクセス解析ツールとの連携——これらを施策開始前に整えておかないと、あとから「どの施策が効いたのか」を判断できなくなります。

施策の優先順位と組み合わせ方

予算もリソースも限られるなかで、すべての施策を同時に実行するのは現実的ではありません。優先順位をつけるための判断基準として、以下の3つが参考になります。

1つ目は「即効性と持続性のバランス」です。Web広告は出稿すればすぐに流入が見込めますが、止めれば効果もゼロになります。SEOやコンテンツマーケティングは成果が出るまで時間がかかるものの、一度軌道に乗れば継続的な集客が期待できます。短期施策と中長期施策を組み合わせることで、安定した顧客獲得の基盤をつくれます。

2つ目は「自社の商材特性との相性」です。ビジュアルで訴求しやすい商材ならInstagramやTikTok、検索ニーズが明確な商材ならリスティング広告やSEO、地域密着型ならMEOやチラシ——商材の特性によって、効果が出やすいチャネルは異なります。

3つ目は「現時点で持っているリソース」です。社内にSNS運用の知見がなければ、いきなりTikTokに注力するのはリスクが高いといえます。まずは自社の強みを活かせるチャネルから始め、ノウハウが蓄積されてから新しいチャネルに展開するほうが、失敗のリスクを抑えられます。

新規顧客獲得で陥りやすい5つの失敗パターン

顧客獲得施策によくある失敗と対策

ここでは、施策の実行段階で陥りやすい失敗パターンと、見落としがちな注意点について解説します。

パターン1. 流行だけを理由に施策を選んでしまう

「TikTokが話題だから始める」「インフルエンサーマーケティングが注目されているから依頼する」——こうした判断は、自社のターゲットや商材との相性を無視しているため、費用だけがかさんで成果につながらないケースが少なくありません。

施策を選ぶ際は、流行ではなく「自社のターゲットがどこにいるか」を起点にすることが鉄則です。たとえば、40〜50代がメインターゲットのサプリメント通販であれば、TikTokよりもリスティング広告やSEOのほうが接点を持ちやすいといえます。

パターン2. 効果検証をせずに施策を放置する

Web広告を出稿したまま数値を確認しない、SNSアカウントを開設したものの更新が止まる——こうした「やりっぱなし」は、予算の浪費だけでなく、ブランドイメージの毀損にもつながりかねません。

施策は「始めること」よりも「続けて改善すること」のほうが難しいものです。運用体制を事前に決め、誰が・いつ・何を確認するのかを明確にしておくことが、成果を出すための前提条件になります。最低でも週次でCPAやCVRを確認し、数値が悪化していれば原因を特定して改善する——このサイクルを回せるかどうかが成否を分けます。

パターン3. 法規制への対応が不十分なまま施策を実行する

ステルスマーケティングは2023年10月から景品表示法の規制対象になっています。インフルエンサー施策を行う際にPR表記を入れないと、法令違反に該当する可能性があります。

メールマーケティングでは特定電子メール法によりオプトイン(事前同意)が必要です。個人情報の取り扱いについても、個人情報保護法に基づいた適切な管理が求められます。法令違反は企業の信頼を大きく損なうため、施策の設計段階で関連法規を確認しておくべきポイントです。

パターン4. 獲得後のフォローが手薄になる

新規顧客を獲得しても、初回購入だけで終わってしまっては投資を回収できません。よくある失敗は、獲得施策にばかりリソースを割き、獲得後のフォロー施策が後回しになることです。

初回購入者へのサンクスメール、使い方ガイドの送付、一定期間後のフォローアップ——こうした施策は地味に見えますが、リピート率に直結します。化粧品ECサイトの場合、初回購入から2回目の購入までの期間が最も離脱リスクが高いとされています。この期間に適切なコミュニケーションを取れるかどうかで、顧客のLTVが大きく変わります。

パターン5. 新規獲得とリピート促進を別々に考えてしまう

新規獲得の施策とリピート促進の施策を、まったく別のチームや予算で管理しているケースは少なくありません。しかし、顧客の視点から見れば、広告を見て購入し、その後フォローを受けるまでが一連の体験です。

たとえば、SNS広告で初回限定クーポンを訴求して獲得した顧客に対し、購入後のフォローメールで通常価格の案内しか届かなければ、期待とのギャップが生まれます。獲得時のメッセージと獲得後のコミュニケーションに一貫性を持たせることで、リピート率の向上が期待できます。新規獲得とリピート促進は、一連の顧客体験として設計する視点が求められます。

新規顧客獲得の施策で成功した事例

ここでは、新規顧客獲得施策に関連するBtoC企業の成功事例について解説します。

宅配クリーニング・生活サービスの事例:株式会社ホワイトプラス

株式会社ホワイトプラスは、宅配クリーニングを中心とした生活サービスを展開する企業です。新規顧客獲得に向けた施策では、SNS広告やチラシなど、オンライン・オフラインの接点を横断して計測できる仕組みを整えました。広告ごとの注文貢献を可視化し、成果の良いクリエイティブへ予算を集中することで、CPAを維持したままSNS広告の予算を約2.5倍へ拡大しています。

BtoC企業が参考にしやすいのは、単に広告予算を増やした点ではありません。どの広告や施策が最終的な注文につながっているのかを把握し、その結果をもとに投資判断を行っている点です。複数チャネルを組み合わせる場合ほど、流入数やクリック数だけでなく、実際の獲得につながった接点を確認することが重要になります。

出典:クロスデバイス分析で隠れたCVを可視化!CPAを維持しつつ広告費を2.5倍に増やせた方法

化粧品・メンズスキンケアD2Cの事例:株式会社バルクオム

株式会社バルクオムは、メンズスキンケアを中心に展開する企業です。
購入導線の改善において、チャットボット型EFO「GENIEE CHAT」の運用を開始しました。

注目したいのは、ツールを入れて終わりにせず、テストを繰り返しながら購入導線を調整し、CVRは約1.5倍に向上。
さらに、GENIEE 社の伴走支援により、社内の作業工数の短縮にも成功しています。

株式会社バルクオム様導入事例サムネイル画像

導入事例

株式会社バルクオム様

PDCAを回してCVR約1.5倍向上!バルクオムが取り組む”ユーザー視点に立った”購入導線設計とは?

よくある質問(FAQ)

Q1. 新規顧客獲得の施策は、まず何から始めるべきですか?

自社のターゲットと商材の特性を整理することが最初のステップです。ターゲットが明確でないまま施策を選ぶと、チャネル選定もメッセージ設計もぶれてしまいます。ターゲットを定めたうえで、少額から始められるWeb広告やSNS運用でテストし、反応を見ながら本格的な投資先を決めるのが堅実な進め方です。

Q2. BtoCの新規顧客獲得で、費用対効果が高い施策はどれですか?

一概に「この施策が最もコスパがよい」とは言い切れません。商材の単価、ターゲットの年齢層、競合の出稿状況などによって、最適な施策は変わります。ただし、中長期的に見ると、SEOやコンテンツマーケティングは広告費をかけずに集客できるため、費用対効果が高くなる傾向があります。短期的にはリスティング広告やSNS広告が即効性の面で優れています。

Q3. SNS運用と広告は、どちらに力を入れるべきですか?

目的とフェーズによって使い分けるのが現実的です。すぐに集客が必要な場合はSNS広告が有効ですが、ブランドの認知を広げたい段階ではオーガニックのSNS運用が効果を発揮します。予算に余裕があれば、広告で認知を取りつつ、運用で関係性を深めるという両輪で進めるのが理想的です。

Q4. 新規顧客獲得にかける予算の目安はありますか?

業種や事業フェーズによって大きく異なりますが、ひとつの考え方として「目標LTVに対してCPAが何割以内に収まるか」で判断する方法があります。たとえば、1人の顧客のLTVが3万円であれば、CPAを1万円以内に抑えられれば投資回収の見込みが立ちます。まずは少額でテストし、CPAの実績値を把握してから予算を拡大するのが安全です。

Q5. オフライン施策はもう効果がないのですか?

そんなことはありません。特に実店舗を持つビジネスや、地域密着型のサービスでは、チラシ、看板、イベントなどのオフライン施策が依然として有効に機能しています。オンラインとオフラインを組み合わせ、たとえばチラシにQRコードを載せてWebに誘導するなど、相互に連携させる設計が効果的です。

まとめ|自社に最適な新規顧客獲得の施策を見つける

新規顧客獲得の施策は、BtoC企業が持続的に成長するために欠かせない取り組みです。本記事で解説した内容を振り返ると、以下のポイントが実務で特に重要になります。

施策を選ぶ前に、まずターゲットと自社の商材特性を明確にすること。そのうえで、オンライン/オフライン、プル型/プッシュ型の分類を使って施策の全体像を把握し、自社に合ったチャネルを選定します。すべてを同時に始める必要はなく、少額のテストから始めて、効果が確認できた施策にリソースを集中させるのが現実的な進め方です。

KPI設計と効果測定の仕組みを事前に整えておくことも欠かせません。CPAだけでなくLTVとの関係を見ることで、本当に投資すべき施策が見えてきます。

そして、新規獲得はゴールではなくスタートです。獲得した顧客をリピーターに育てる導線まで含めて設計することで、施策の投資対効果は大きく変わります。

次のアクションとして、まずは自社の現状を棚卸しすることをおすすめします。現在どのチャネルからどれだけの新規顧客を獲得できているのか、CPAはいくらか、獲得後のリピート率はどうか。この現状把握が、次に取り組むべき施策を判断するための出発点になります。

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    GENIEE CX NAV1 編集部

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