Webサイトのコンバージョン率(CVR)を改善する際、多くの企業は広告やランディングページの改善に注力します。
しかし、実はフォーム離脱こそが、コンバージョン機会損失の最大の原因です。EFO(Entry Form Optimization)は、この離脱を防ぎ、CVRを改善する施策です。

本記事では、EFOの定義と重要性について詳しく解説します。

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EFOとは?基本的な定義と目的

EFOとは?

EFOとは、入力フォームを最適化し、ユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率を向上させるマーケティング施策です。

フォームはユーザーが購入・申し込みなどの最終的なアクションを取る場所です。一方、フォームからの離脱率は約60%~70%と言われています。つまり、広告費の大半を無駄にしてしまっている可能性が高いのです。

そのため、EFO対策を行うことは、コンバージョンに最も近い接点を改善し、投資対効果が高い施策になります。

フォーム離脱が起きる5つの主な原因

フォーム離脱が起きる5つの主な原因

フォーム離脱を防ぐには、まずなぜユーザーが離脱するのかを理解することが重要です。ここでは、フォーム離脱の主な5つの原因を詳しく解説します。

原因①:入力項目が多い

ユーザーがフォームを見た時、最初に感じるのは「入力の手間」です。入力項目が多いほど、ユーザーの心理的負担が増加し、離脱率が高まります。

特にスマートフォンでは、キーボード操作が煩雑になるため、入力項目の多さは手間に感じます。「住所」「フリガナ」「電話番号」など、本当に必要な項目のみに絞ることが重要です。

原因②:エラー表示がわかりづらい

ユーザーが入力を進める中で、エラーが発生した場合、エラー内容が不明確だと、ユーザーは何をすべきか分からず、離脱してしまいます。

よくあるエラー表示の問題:

  • エラーメッセージが小さく、見落とされる
  • 「入力エラーがあります」だけで、どこが間違っているか不明確
  • エラー箇所がハイライトされていない
  • エラーメッセージが技術的で、ユーザーに理解できない

「メールアドレスの形式が正しくありません」「電話番号は10~11桁で入力してください」など、具体的でエラー表示が必要です。

原因③:スマホでの操作性が悪い

スマートフォンからのフォーム入力は、デスクトップと比べて時間がかかる傾向にあります。

スマホでの操作性が悪い例:

  • フォーム幅がスマホ画面に対応していない(横スクロールが必要)
  • 入力フィールドが小さく、タップしづらい
  • ドロップダウンメニューが使いづらい

ユーザーは、わずかなストレスで離脱してしまうため、スマホ最適化は重要となります。

原因④:所要時間が不明確で進捗が見えない

ユーザーは「あとどのくらい入力が必要か」分からないと、不安感が増し、離脱につながります。

進捗が見えない場合の問題:

  • 「あと何項目あるのか」が不明確
  • 入力完了までの時間が予測できない

進捗バーや「ステップ 1/3」といった表示があると、ユーザー離脱率の低下につながります。

原因⑤:フォームへの動線が悪い

フォームまでの導線が複雑だと、ユーザーは目的のフォームにたどり着く前に離脱してしまいます。

動線が悪い例:

  • CTAボタンが分かりづらい/複数設置されている
  • フォームページへのリンクが分かりづらい
  • ランディングページからフォームまでのステップが多い
  • フォームの説明文が不十分で、何を入力するのか不明確

特に複数のCTAボタンがある場合、ユーザーは選択肢に迷い、どれをクリックすべきか判断できず、離脱してしまいます。

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EFO対策をしないことによる弊害

EFO対策をしないことによる弊害

フォーム離脱は、単なる「ユーザー体験の問題」ではなく、直接的な売上損失につながります。ここでは、EFO対策をしない場合の弊害について解説します。

多くの企業は、CVR低下の原因を「集客不足」や「広告の質」と考え、さらに広告費を増加させてしまいます。しかし、実際にはフォームでの離脱が原因となっているケースも少なくありません。

その結果、本来改善すべきフォーム離脱が放置され、CVRの頭打ち、CPAの高騰、広告投資回収効率の悪化につながります。

さらに、入力項目の多さ、エラー表示のわかりづらさ、スマホでの操作性の悪さなど、フォーム内の問題が蓄積すると、ユーザーの心理的ハードルが高まり、離脱率の増加につながります。これにより、既存の広告費や集客コストが活かされず、マーケティング全体の効率が低下してしまいます。

EFO対策で離脱を改善する6つの具体施策

EFO対策で離脱を改善する6つの具体施策

フォーム離脱の原因を理解したら、次は具体的な改善施策を実行することが重要です。ここでは、すぐに実装でき、効果が期待できる6つの施策を詳しく解説します。

施策①:入力項目を必要最低限に絞る

最も効果的で、簡単なEFO施策が、入力項目の削減です。

実装方法:

  • 現在のフォーム項目を一覧化し、「本当に必要か」を検討
  • 「あると便利」な項目は削除(例:フリガナ、会社名など)
  • 追加情報は、申し込み完了後に収集

施策②:リアルタイムエラー表示で再入力を防ぐ

ユーザーが入力を完了してから「エラーがあります」と表示されると、ユーザーはどこが間違っているか探す手間が発生し、離脱につながります。そのため、入力したタイミングで、エラーが分かるようにしましょう。

実装例:

  • メールアドレス入力時に、形式をリアルタイムで検証
  • 電話番号入力時に、桁数をリアルタイムで確認
  • エラーが発生した項目を赤色でハイライト
  • エラーメッセージを項目の直下に表示

施策③:住所・フリガナの自動補完を導入する

住所やフリガナの手動入力は、ユーザーにとって最も手間がかかる項目です。自動補完機能を導入することで、入力時間を削減できます。

自動補完機能の例:

  • 郵便番号から住所を自動入力

ユーザーが郵便番号を入力すると、都道府県・市区町村が自動入力

  • フリガナの自動変換

ユーザーが漢字で名前を入力すると、フリガナが自動生成

施策④:全角・半角の自動切り替えを設定する

ユーザーが電話番号や郵便番号を入力する際、全角・半角の入力ミスは頻繁に発生します。自動切り替え機能により、ユーザーの手間を削減できます。

自動切り替え機能の実装例:

  • 電話番号入力欄:全角数字を自動的に半角に変換
  • 郵便番号入力欄:全角数字を自動的に半角に変換
  • メールアドレス入力欄:全角英数字を自動的に半角に変換

施策⑤:入力途中の離脱防止ポップアップを活用する

ユーザーがフォーム入力途中でページを離脱しようとした場合、離脱防止ポップアップを表示することで、離脱を防ぐことができます。

例えば、ユーザーがフォーム入力中に、ブラウザの戻るボタンをクリックした際にポップアップを表示。「入力内容が失われます。本当に離脱しますか?」といった内容を表示します。

施策⑥:遷移先を1つに絞る

フォーム完了後の遷移先が複数ある場合、ユーザーは選択肢に迷い、どれをクリックすべきか判断できず、離脱してしまいます。

「資料をダウンロード」「メルマガ登録」「お問い合わせ」など、複数CTAボタンを設置している場合は、1つに絞りましょう。

ユーザーの選択肢を減らすことで、離脱を防ぐことにつながります。

EFO施策の進め方

EFO施策の進め方

EFO施策を実行する際、重要なのはデータに基づいた意思決定です。ここでは、GA4を活用したデータドリブンなEFO施策の進め方を紹介します。

ステップ①:GA4で離脱箇所を特定する

まず、どこでユーザーが離脱しているのかを特定しましょう。GA4を活用して、フォーム離脱の詳細データを取得します。

ステップ②:仮説を立てて施策を決める

GA4で離脱箇所を特定したら、なぜ離脱しているのかを仮説立てします。

ステップ③:A/Bテストで効果を検証する

仮説に基づいて施策を実行したら、A/Bテストで効果を検証することが重要です。

A/Bテストで効果が確認できた施策は、全てに反映しましょう。

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EFO対策の成功事例|CVR改善の実績

EFO対策の成功事例|CVR改善の実績

ここからは、メンズ向けスキンケアブランド、バルクオム社がチャット型フォーム「GENIEE CHAT」を導入し、CVR改善に成功した事例をご紹介します。

バルクオム社は、メンズ向けスキンケア製品を中心に展開するブランドで、新規顧客獲得の効率化とCPAの最適化が課題となっていました。従来のフォームでは入力離脱が発生しやすく、CVR向上のための改善施策が求められていました。

そこで、導入されたのがチャットボット型のフォームツール「GENIEE CHAT」です。実際の施策では、入力項目を整理し、必要な情報だけを順序立てて入力させるシナリオ設計により、離脱を抑制しました。

さらに、チャット画面のデザインや文言はブランドトーンに統一し、違和感なく利用してもらえる工夫が施されています。
導入後の成果として、CVRは約1.5倍に改善され、フォーム離脱率も低下しました。さらに、施策の効果を定期的に測定し、PDCAサイクルを回すことで、広告やLPとの相乗効果も確認され、KPI達成につながっています。

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導入事例

株式会社バルクオム様

PDCAを回してCVR約1.5倍向上!バルクオムが取り組む”ユーザー視点に立った”購入導線設計とは?

EFO対策に役立つツール

EFO対策に役立つツール

EFO施策を効果的に実行するには、適切なツールと計測方法が不可欠です。ここでは、EFO対策に役立つツールと、その活用方法を解説します。

GA4(Google Analytics 4)

GA4は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールで、EFO対策の第一歩として最も重要なツールです。

できること

  • デバイス別、流入元別のユーザー行動を分析
  • Webサイト・アプリのアクセスに関する様々な指標を確認可能
  • フォームページの離脱率を計測
  • 平均エンゲージメント時間の確認

Clarity

Clarityは、Microsoftが提供するヒートマップツールです。GA4で「どこで離脱しているか」を定量的に把握したら、Clarityで「なぜ離脱しているか」を定性的に理解することが重要です。

できること

  • ユーザーのクリック箇所と回数をヒートマップで可視化
  • ページのどの部分で離脱しているか、その割合を確認
  • セッション録画により、実際のユーザー行動を動画で観察

Optimize Next

Optimize Nextは、Googleが提供するA/Bテストツールで、EFO施策の効果を検証するために活用されます。

できること

  • フォームの複数パターンをA/Bテスト
  • 既存フォームと項目削減パターンの出し分けが可能
  • ノーコードで実装可能
  • GA4と連携し、テスト結果を自動的に分析

まとめ

本記事では、EFO(入力フォーム最適化)の定義から、具体的な施策、実装方法まで、包括的に解説しました。

EFO対策は、小さな改善の積み重ねが大きな成果につながる施策です。本記事で紹介した6つの施策を、順次実装することで、確実にCVRを改善できます。

ぜひ、今日からEFO対策を開始し、フォーム離脱を防ぎ、CVRを最大化してください。

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GENIEE CX NAV1 編集部

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