EFOの基礎知識と重要性
デジタルマーケティングが進化を続ける中、Webサイトにおけるユーザーエクスペリエンスの重要性が高まっています。
その中でも入力フォームの最適化は、多くの企業が着目をしています。
Baymardの調査によると、ECサイトにおけるかご落ち率は平均70.22%に達しています。その主な理由の一つとしてチェックアウトプロセスの複雑さが挙げられています。
[出典]Baymard Institute “50 Cart Abandonment Rate Statistics 2025” (2025)
つまり、せっかく広告やコンテンツで獲得した見込客の半数以上が、フォーム入力の段階で失われているのです。
このような課題に対する解決策として注目を集めているのが、EFO(Entry Form Optimization:フォーム最適化)です。
EFOとは、入力フォームの使いやすさを改善し、完了率を向上させるための施策全般を指します。

EFOの効果
得られる効果として最もインパクトが大きいものは、コンバージョン率の向上です。
入力フォームからの離脱数を抑え完了率を向上させます。結果的に、コンバージョン率の向上に寄与します。
また、EFOがもたらす効果は、単なるコンバージョン率の向上にとどまりません。ユーザーにストレスフリーな入力環境を提供することで、顧客満足度の向上やブランドイメージの強化にもつながります。
さらに、適切な入力補助機能やエラー表示の実装により、入力ミスを防ぎ、データ品質の向上も実現できます。
EFOを実践する上での効果的な考え方
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EFOを効果的に行うためには、ユーザーの行動を「入力前」「入力中」「再入力」という3つのフェーズに分けて考えることが重要です。
各フェーズでユーザーが直面する課題に適切に対応することで、全体的な入力体験を向上させることができます。
1. 入力前:戦意喪失を防ぐ
フォーム入力を始める前の段階では、「心理的ハードルを下げる」ことが重要です。ユーザーが入力フォームを見たときに感じる不安や躊躇を軽減し、スムーズに入力を開始できるような工夫が必要です。この段階でユーザーの戦意を喪失させないことが、コンバージョン率向上の第一歩となります。
▽具体的なポイント
- 入力項目数を明確に表示(例:「必須項目は5項目のみ」)
- 所要時間の明示(例:「入力時間約3分」)
- 入力のメリットを分かりやすく提示
- プログレスバーによる全体の流れの可視化
- 安心感を与えるセキュリティ表示
- 視認性の高いデザインと直感的なレイアウト
2. 入力中:モチベーションの維持
実際の入力作業中は、「モチベーションを保つ」ことが鍵となります。
ユーザーが入力を「面倒」と感じないような、スムーズな入力体験を提供することが重要です。
具体的には、入力補助や進捗表示などをすると良いでしょう
▽具体的なポイント
- 入力補助機能の実装
- 住所自動入力
- 郵便番号からの住所検索
- カレンダーピッカー
- プルダウンメニュー
- 入力状況の可視化
- 進捗バーの表示
- 残り項目数の表示
- スマートフォンに最適化された入力インターフェース
- 適切なキーボードタイプの自動切り替え
- タップしやすいボタンサイズ
- 画面スクロールの最小化
3. 再入力:ユーザーストレスの軽減
エラーや修正が必要な場合の再入力時には、「ユーザーに手間をかけさせない」ことが重要です。
一度の入力で誤字脱字や入力ミスを防ぎ、万が一エラーが発生した場合でも、最小限の労力で修正できる仕組みを整えることが必要です。
▽具体的なポイント
- リアルタイムバリデーション
- 入力中のエラーチェック
- エラー時の明確なガイダンス
- エラー箇所の明示
- 具体的な修正方法の提示
- 入力内容の自動保存

効果が出やすいEFOの施策4選
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入力項目の削減と最適化
EFO施策で最も即効性の高い施策は、入力項目の見直しです。
フォームで収集している情報の中には、必須でない項目が含まれていることも多々あります。
入力項目を削減することで、ユーザーの心理的負担を大きく軽減できます。
重複する情報の収集を避けつつ、任意項目についてはフォームの中盤以降で表示させたり削除をすると良いです。
初期段階での入力負担を最小限に抑えることで、フォームの完了率を向上できます。
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入力例の明示
ユーザーの入力をスムーズにするために、具体的な入力例を表示することが効果的です。各入力欄の横やプレースホルダーとして適切な入力例を示すことで、ユーザーは迷うことなく正しい形式で情報を入力することができます。
特に電話番号やカタカナ名など、特定の形式が求められる項目については、望ましい入力形式を明確に示すことで、入力ミスを削減することができます。この施策は実装が比較的容易かつ、短期的に効果が出やすい傾向があります

必須/任意項目の視覚的な区別
フォームにおいて、必須項目と任意項目を視覚的に明確に区別することは、ユーザーの入力効率を大きく向上させます。
具体的には、必須項目にはアスタリスクマークを付与、任意項目はその旨を明確に表示する。
そうすることで、ユーザーは一目で入力の優先順位を理解することができます。また、必須項目を目立つ色で表示するなど、視覚的な区別を加えると、さらに分かりやすくなります。
この施策も少ない作業で実装が可能なので、出来る限り対策をした方が望ましいでしょう。

リアルタイムのエラー検出と表示
フォーム入力において、ユーザーが最もストレスを感じる瞬間の一つが、入力完了後に大量のエラーメッセージが表示される場合です。この問題を解決する効果的な方法が、リアルタイムでのエラー検出です。
フォーム入力の最後に一括でエラーを表示するのではなく、各項目の入力直後にチェックを行うことで、ユーザーは入力しながら徐々に修正を進めることができます。例えば、メールアドレスを入力した直後に形式が正しくない場合、その場で指摘することで、ユーザーは手戻りなく修正をすることが可能です。
また、エラーを指摘する際は「@マークを入れてください」「半角英数字で入力してください」といった具体的な修正方法を示すことが重要です。「入力形式が間違っています」のような抽象的な表現は避け、ユーザーが迷わず修正できるように明確にするようにしましょう。
さらに、エラーのある入力欄を赤枠で囲むなど、視覚的な強調を加えることで、ユーザーは問題のある箇所を直感的に理解できます。このような親切な誘導により、ユーザーは安心してフォーム入力を進めることができ、結果として入力完了率の向上につながります。

チャットボットを活用したEFO施策
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EFO施策の一環としてチャットボットを活用する企業が増えています。従来の固定的なフォームではなく、会話型で入力が可能なチャットボットフォームが注目を集めています。
チャットボットによるEFOの最大の特徴は、ユーザーの入力負担を大幅に軽減できる点です。例えば、一度に多くの入力項目を表示する代わりに、「お名前を教えていただけますか?」「ご連絡先のメールアドレスをお願いできますか?」といった具合に、1つずつ質問を投げかけることで、ユーザーの心理的ハードルを下げることができます。
例えば、保険の見積もりや住宅ローンの事前審査など、多くの情報が必要なケースでは、「ご年収は○○万円以上ですか?」「現在、他社のローンをご利用中ですか?」といった質問を通じて、ユーザーが迷わず回答できる環境を整えることができます。
また、入力エラーの防止にも効果を発揮します。電話番号やメールアドレスの入力時に、フォーマットが正しくない場合は「○○○-○○○○の形式で入力してください」といった具体的なガイダンスをリアルタイムで提供できます。これにより、従来のエラーメッセージよりも親切な誘導が可能となり、入力ミスによる離脱を防ぐことが可能です。
チャット型EFOツール「GENIEE CHAT」
株式会社ジーニーでは、入力フォームを改善し、コンバージョン率を向上させるための「GENIEE CHAT」を提供しています。
Webサイト上に設置している入力フォームをチャット型に置き換えることで、スムーズなフォーム入力が可能になり、その結果、フォーム離脱率を低減し、入力完了率の向上が期待できます。
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まとめ
EFO施策は、単なるフォームの改善施策ではありません。CVというビジネスの成果に直結します。効果的なEFO施策を実現するためには、常にユーザー目線での設計を心がけ、継続的に改善をしていく必要があります。
まずは、ユーザーの行動を「入力前」「入力中」「再入力」という3つのフェーズに分けて、現状のフォームの課題を洗い出すことをおすすめします。そして、この記事で紹介した「取り組んでほしいEFO施策4選」を是非取り組んでください。
