EFOとは

EFO(Entry Form Optimization)は、Webサイト上の入力フォームを改善し、ユーザーの利便性を高める施策です。
入力時のストレスを軽減し、フォーム離脱を防ぐことで、コンバージョン率の向上を図ります。
特に、オンラインショッピングや資料請求など、ビジネスにおいて重要な役割を果たす入力フォームでは、ユーザーのスムーズな操作を支援することが求められます。
EFOの目的と重要性
EFOの主な目的は、ユーザーがストレスなく入力を完了できる環境を整え、「購入」「問い合わせ」「資料請求」といった、コンバージョンへつなげることです。
例えば、エラーメッセージがわかりにくいフォームでは、ユーザーが途中でフォーム入力を諦めてしまうケースも少なくありません。EFOでは、このような離脱要因を排除し、入力しやすいフォーム設計を行うことで、コンバージョンの向上を実現します。
適切な設計を行うことで、ユーザー体験の向上だけでなく、企業の収益拡大にも貢献することが期待できます。
EFOについての記事はこちら:EFO(入力フォーム最適化)とは? WebマーケティングのプロがEFOに力を入れる理由 | GENIEE CX NAV1
EFOを実施するメリット
EFOを導入することで、ユーザー体験の向上やコンバージョン率の改善など、さまざまなメリットが得られます。
まず、フォーム操作の煩わしさが減ることで、ユーザー満足度が高まります。例えば、エラー発生時に適切なメッセージを表示することで、ユーザーが修正すべき箇所をすぐ認識し、スムーズに入力を完了できます。
こうした改善により、フォーム離脱率が大幅に低下し、購入手続きや問い合わせの完了率が向上します。
結果として、ビジネスの成果にも好影響を与えることが期待できます。
さらに、EFOは入力ミスの削減にも寄与し、正確な情報を効率よく収集できるようになります。これにより、企業は信頼性の高いデータを基に顧客管理やマーケティング戦略を強化し、業務の効率化を実現できます。
また、ユーザーにストレスを与えない快適なフォーム体験を提供することで、企業の信頼性が高まり、ブランドイメージの向上にもつながります。このように、EFOはユーザーと企業双方にとって大きなメリットをもたらす重要な施策のひとつであるといえるでしょう。
ユーザーが入力フォームから離脱する主な原因

EFOを効果的に実施するためには、まずユーザーが入力フォームから離脱する原因を把握することが重要です。フォームの設計に問題があると、入力の途中で離脱してしまい、結果としてコンバージョンの低下につながります。
ここでは、代表的な離脱要因を3つ紹介し、それぞれの改善策について解説します。
入力事項が多い
入力項目が多すぎると、ユーザーにとって大きな負担となり、途中離脱する原因になります。特に必須ではない情報まで求めてしまうと、操作を放棄される可能性が高まります。
改善策
- 入力項目の最適化:本当に必要な情報だけに絞り、不要な入力を求めない
- ステップ形式の入力:入力を段階的に進められる設計にすることで、負担を軽減
- 進捗バーの設置:どのくらい完了したか可視化し、入力完了までのモチベーションを高める
- スキップ機能:重要度の低い情報を後回しにできる仕組みの導入
入力の手間が多い
入力形式が複雑だったり、選択肢が多すぎると、ユーザーは入力作業を煩わしく感じるものです。特に長文入力や細かい選択肢の指定が求められると、フォームの途中で離脱してしまうケースが増えてしまいます。
改善策
- 直感的なUI設計:プルダウンメニューやチェックボックスを最適化し、素早く選択できる環境を整備
- 自動入力や予測変換の導入:郵便番号から住所を自動補完するなど、入力負担を軽減
- リアルタイムの入力ガイドの提供:入力中にツールチップやエラーメッセージを表示し、迷いを減らす
- 視覚的な負担を軽減:適切な余白や色分けで、見やすく分かりやすいデザインを採用
入力データが消されてしまう
入力途中でエラーが発生し内容が消えてしまうと、ユーザーは大きなストレスを感じます。特に、時間をかけて入力した情報が消えると、再入力をためらってしまい、そのまま離脱してしまう可能性が高まります。
改善策
- 自動保存機能の導入:一定間隔で入力内容を保存し、万が一のエラー時にも復元可能にする
- 入力データの一時保存:セッションが切れても、再訪問時に情報を復元できるようにする
- 確認画面の設置:送信前に入力内容を確認できる仕組みを用意し、ミスを未然に防ぐ
- わかりやすいエラーメッセージ:発生したエラーの原因と修正方法を明確に提示
EFO改善するための11のポイント

EFOを効果的に進めるには、具体的なポイントを押さえることが重要です。
ここでは、ユーザーの離脱を防ぐための改善ポイントを11つご紹介します。
入力項目を最小限にする
フォームの入力欄が多いと、ユーザーの負担が増し、途中離脱の原因なります。そのため、収集する情報の目的を明確にし、不要な項目を削減しましょう。
例えば、購買履歴の把握が目的であれば、生年月日や住所の入力を必須にする必要はないかもしれません。
フォームの視認性を高め、直感的に入力しやすくするためにも、必要最低限の項目だけを設定しましょう。
必須項目と任意項目を明確に区別する
ユーザーが混乱しないように、必須項目には、アスタリスク「*」マークや太字を用いるなど、視覚的に強調しましょう。
一方で、任意項目には「任意」や「入力は任意です」といった注釈をつけることで、不要な負担を減らします。
さらに、リアルタイムのバリデーションを導入すると、入力ミスが発生したときに、すぐに修正でき、スムーズにフォーム入力を進めることができます。
入力例を表示する
ユーザーが正確に情報を入力できるように、各項目に具体的な入力例を示しましょう。
例:
- 名前欄:「例: 山田 太郎」
- 電話番号:「例: 090-1234-5678」
- 日付:「例: 2025/01/09」
プレースホルダーを活用することで入力フォーマットを直感的に理解しやすくなります。
離脱要因になるリンクの設置を避ける
フォーム内にユーザーを混乱させたり、入力作業から離脱させる要因となるリンクを設置するのは避けましょう。
例えば、外部サイトへのリンクや、無関係な情報への誘導リンクがあると、ユーザーはそのリンクをクリックしてフォーム記入を中断する可能性が高まります。
もしリンクを設置する必要がある場合は、そのリンクが新しいタブで開く設定をする、または、リンクに対する説明や警告を事前に加えるなど、ユーザーの混乱を防ぎつつ、フォームから離れない工夫をしましょう。
確認画面と完了画面の設置
フォーム入力後に確認画面を設けることは、ユーザーが入力内容を再確認する重要なステップです。この機能によって、入力ミスや情報の抜け漏れを未然に防ぐことができ、結果として正確なデータ収集につながります。
さらに、送信完了後に完了画面を提示することで、操作が正常に完了したことを明確に伝えることができます。この完了画面では、「次のステップに進む」や「ホームに戻る」などのボタンを設置し、スムーズな誘導を行いましょう。また、サンクスメッセージを添えることで、ユーザーへの感謝の気持ちを伝えるとともに、好印象を与えることができます。
住所やフリガナを自動入力にする
郵便番号を入力すると、住所が自動的で補完される仕組みを導入することで、ユーザーは詳細な住所を一から入力する手間が省けます。
また、名前を入力すると同時にフリガナが自動入力される機能も、入力の手間を減らすことができるため、入力完了率の向上が期待できます。特に、初めて利用するフォームにおいて、これらの機能があることでユーザーの入力負担が大幅に軽減され、スムーズな登録・送信が可能となります。
これに加えて、入力項目にリアルタイムでのバリデーションを組み込むことで、エラーや不正確なデータの入力を防ぐことが可能になります。例えば、誤った郵便番号を入力した際にはエラーメッセージをすぐに表示し、正しい情報を再入力してもらうように促すことで、ユーザーの満足度とフォーム完了率の向上が期待できます。
これらの自動入力機能を導入する際には、ユーザーが安心して利用できるようにプライバシー保護についても明確に説明を加えることが重要です。この説明によって、個人情報が適切に管理されるという安心感を与えることができます。
フォームの先頭項目に自動でカーソルを当てる
フォームを開いた際に、最初の入力項目に自動的にカーソルが移動するように設定することで、ユーザーは迷うことなくすぐに入力を開始できます。この機能は、ユーザーが初めてフォームにアクセスした際、どこから作業を始めればよいのかが瞬時に把握できるため、全体の操作性が大幅に向上します。
さらに、カーソルの自動配置は、フォーム完了までの時間を短縮し、ユーザー体験をより快適なものにします。例えば、ショッピングサイトや会員登録ページなどでは、このような細やかな配慮がユーザー満足度を高める大きな要因となります。
導入時には、アクセシビリティにも注意を払い、スクリーンリーダーを使用しているユーザーにも対応できるよう設計することが重要です。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでもスムーズに動作することを確認し、ユーザーがどのデバイスでも快適に入力を開始できる環境を提供しましょう。
入力形式を分かりやすく記載する
日付や電話番号など、フォーマットが決まっている項目には、入力例や説明文を添えることでユーザーが迷わず、正しい形式で入力できるようにしましょう。
例:
- 電話番号:「例: 090-1234-5678」
- 日付:「例: 2025/01/09」
- パスワードの設定:「パスワードは8文字以上、大文字・小文字・数字を含む必要があります」
このような工夫をすることで、入力の正確性が向上し、結果としてフォーム完了率やユーザー体験の向上につながるでしょう。
メールアドレスのドメイン候補を表示する
メールアドレス入力時には、ユーザーがスムーズに正確な情報を入力できるよう、よく使用されるドメイン(例: @gmail.com、@yahoo.co.jp、@hotmail.comなど)の候補を自動的に表示する機能を追加することが非常に効果的です。
特に、スマートフォンなどの小さな画面での操作では、このような候補表示が入力のスピードアップに役立ちます。
ユーザーが「@」まで入力した時点で、適切な候補が表示されるように設定することで、手動入力の必要がなくなり、効率的にフォームを完了できます。
さらに、この機能を導入する際には、表示されるドメイン候補をカスタマイズ可能にすることも検討すると良いでしょう。たとえば、ユーザーが企業の内部メールアドレスを使用するケースでは、特定のドメイン(例: @companyname.com)を優先的に表示するよう設定することで、さらなる利便性を提供できます。
こうした自動候補表示機能を活用することで、入力の正確性を高めるだけでなく、全体的なユーザーエクスペリエンスの向上にもつながります。
EFOの重要性についてはこちら:フォーム離脱率を下げるためのEFOの重要性とツールの役割 | GENIEE CX NAV1
ステップナビゲーションを表示する
フォームが複数ページに分かれている場合は、現在の進捗状況を示す、ステップナビゲーションを設置しましょう。
「ステップ1/3」や「残り2ステップ」といった具体的な進捗を表示することで、フォーム完了までの見通しが立ち、途中での離脱を大幅に減少させることが期待できます。
デザイン面では、ステップごとの進捗を視覚的に強調するため、ステップ間を線や矢印でつなぎ、現在のステップを目立たせる工夫をすると効果的です。これにより、ユーザーは直感的にフォーム操作を進められるようになります。
EFO効果の成功事例
実際にEFOを導入することで改善に成功した、企業様の具体的な事例をご紹介します。
D2C:化粧品系系事業主様
CVR改善・アップルセル率改善を目的にチャットボットを導入したことで、導入前と比較して、CVRが約127%、アップセル率が約125%へ改善しました。
人材系事業主様
予約完了までに「画面遷移なく完結させたい」、「フォーム内の順番変更等のABテストを簡単に実施したい」という背景から、チャットボットを導入し、結果として、CVRが導入前から約118%改善しました。
まとめ

EFO(Entry Form Optimization)は、入力フォームを最適化することでユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率を向上させる重要な施策です。適切に実施することで、ユーザーに快適な体験を提供すると同時に、ビジネスの成果を大幅に改善できます。
EFOは、一つひとつの小さな改善の積み重ねが成果につながる施策です。まずは取り組みやすいポイントから実践し、離脱率の低減とコンバージョン率の向上を目指していきましょう。
EFO改善にお悩みの方は、こちらからお問い合わせください。