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稲盛和夫氏に学ぶ 企業を成功に導くリーダーの心の持ちよう

更新日:2024.05.22 / ビジネス戦略
稲盛和夫氏に学ぶ 企業を成功に導くリーダーの心の持ちよう

京セラやKDDIの創業者であり、2010年に倒産したJALをたった3年で再建した立役者、稲盛和夫氏。「生きる伝説」ともいわれた稲盛氏が、仕事を成功に導く上で最も大切にしたのは「心のあり方だ」と、著書『心。』(サンマーク出版)では書かれています。今回は、その『心。』(サンマーク出版)から。どんな心の持ちようが、企業を成功へと導くのでしょうか。

ビジネスにおいては、何をやってもうまくいかず「負のスパイラル」に陥ることもあります。そんなときこそ経営者がすべきことが、一つあります。自身と社員の「心のありよう」を見直すという作業です。

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組織のあり方を決めるのはリーダーの心

組織のあり方を決めるのはリーダーの心

<「カニは自分の甲羅に合わせて穴を掘る」といいますが、組織はそのリーダーの「器」以上のものにはならないものです。なぜなら、その生き方、考え方、また心に抱いている思いがそのまま、組織や集団のあり方を決めていくからです。したがって、リーダーにもっとも大切な資質は何かと問われれば、私は迷いなく、それは“心”であると答える。あるいは人格、人間性といいかえてもよいかもしれません>(同書)

組織をマネジメントする人物は意識を高くもって自分の心を高めていくべきだ、と稲盛さんは説きます。人を束ねる際に必要なのは、才能でも知識でも、経験の豊富さでもない。何があってもゆるがない強い精神力を持ち合わせる重厚さこそが、リーダーの資質として大切だと言うのです。

<どのような人がリーダーにふさわしいのかといえば、つねに勤勉さをもって仕事に身を捧げ、自らの心を高めつづけている人でしょう。(中略)それはつまり、人生を生きるにあたってすばらしい哲学をもっているということです>
(同書)

強い精神力を持ちながら、奢らず、初心を忘れず勤勉さをもって仕事に臨む。困難な局面でも、諦めずに常にポジティブな精神を持って明るい未来へと向かって行動を起こしていく。そういった精神こそが、運命を味方につけ、よい結果に恵まれる所以なのです。

リーダーの“心”を、従業員にも伝える

稲盛氏は、2010年に倒産したJALを再生させた人物でもあります。企業再生の際に行ったのも、前述の「心」に基づいた行動でした。再建時は、すでに「何をどうすれば再生できるか」といった信念は持っており、それを誰がどう実行するのかということが問題になっていたといいます。彼がまず伝えたのは、組織マネジメントの方法でもテクニックでもなく大切にしてきた人生哲学と経営哲学、すなわち「フィロソフィ」を説くことだったといいます。

<私が仕事をするうえで、また人生を歩むうえで指針とし、経営をするうえで判断を下す基準としているのが「フィロソフィ」です。フィロソフィとは「哲学」という意味ですが、自分たちはどこをめざし、どう行動するかという「考え方」であり、行動規範でもあります。京セラをはじめ、私が経営にかかわった会社では、すべての従業員がそれに基づいて判断をくだし、行動を起こせるように、同じフィロソフィを共有し、日々心に刻みます>
(同書)

彼のフィロソフィの一つに、「ひたすら目の前にある仕事に没頭すること」があったといいます。仕事に全神経を注ぐことで心から雑念が取り去られ、無心に近い状態になる。そんな研ぎ澄まされた心の状態が、物事をいい方向に導いてくれるヒントを与えてくれるというのです。

<それらはたとえば、「一生懸命に仕事に打ち込む」「感謝の気持ちを忘れない」「つねに謙虚で素直な心をもつ」など、子どものころに親からいわれ、また学校で先生に教わったようなプリミティブな教訓や道徳をベースにした考え方です。(略)粘り強く社員に伝えていった結果、一人、二人としだいに理解を示してくれるものがふえ、(略)フィロソフィが従業員に浸透するにしたがって、会社の業績も驚異的な伸びを見せるようになり、予想をはるかに上回る成果を上げることにつながったのです>
(同書)

どれも、特別なテクニックがいるようなことではありません。とても基本的な「心のもちよう」です。自分の目の前に起こる出来事は、自分の心が引き寄せてくるものそのもの。「心の構造」がしっかりしていれば、人生もビジネスも良い方向に進んでいくのです。

企業再生の第一歩は「心」を合わせること。そのためには、社員同士の風通しをよくし、目指す方向性を明確にしておく必要があります。

これからのビジネスや社員とのコミュニケーションで必要なのは、社員の「心」であり、メンバーが同じ方向に進んでいる一元化、可視化だ、とも言えます。
営業支援ツールのSFAは、目標を明確化させるという意味において、非常に効果を発揮します。いまの課題がどこにあり、どこを目標に定めるかということを一覧で「可視化」してくれるため共通認識が取りやすく、情報共有もしやすくなります。

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