2019.09.26 / SFA
なぜSFAの導入が必要なのか?
SFAとCRMの違いや関連するシステムを解説

働き方改革やIT化などの流れによって、「SFA」の導入を検討する企業が増えています。では、あなたはSFAが一体何なのか、説明できますか?
この記事を読めば、「そもそもSFAとは?」という基本から「SFAツール導入のメリットやデメリット」、「導入時のプロセスや選定のポイント」、また「SFAツールのトレンド」まで、SFAについて詳しくご説明しています。
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SFAとCRMについて
まずは、SFAとCRMとは何か、紹介します。
SFAとは?
SFAとは、「Sales Force Automation」の略で、営業のプロセスや商談の進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステムです。日本語では、「営業支援システム」「営業支援ツール」と呼ばれています。
そもそも、1990年代前半にアメリカで誕生し、現在は世界中の多くの企業で導入されています。日本でも1990年代後半から普及し始めました。
さらに近年、働き方改革の流れやコロナ禍によるリモートワークの広がりで、業績向上や営業生産性の向上、業務効率化などを目的として、大手企業だけでなく、中小企業まで幅広く活用が進んでいるのです。
営業の管理者の方はSFAツールを活用することで、営業商談にまつわるあらゆる項目を管理できます。
予算と比較した時の現在の商談の達成状況、商談のステータス、部下の提案や行動、過去の顧客との対応履歴の把握などをすることで、営業チームの現状が確認できます。
SFAの機能
SFAの具体的な機能として、下記のようなものが挙げられます。
・顧客管理
・案件管理
・行動管理
・予実管理
・スケジュール管理
・日報管理
・タスク管理
SFAでは、上記のような営業情報を一元管理、つまり「営業の見える化」が実現するのです。
CRMとは?
SFAと並んで紹介されることが多いのが、CRM(Customer Relationship Management)です。
CRMツールの主な機能は、
・顧客情報
・商談情報
・営業活動
の管理と分析です。
顧客情報を扱うシステムをCRMツールと呼びますが、SFAツールはCRMツールの機能を含んでいる場合が大半です。CRMツールが持つ顧客情報を基礎的なデータとし、営業活動の情報、商談情報が紐づいていきます。
次章では、SFAツールを導入する主なメリットを、「経営者」「営業責任者」「営業担当者」の3つの視点に分けてご紹介していきます。
SFAツールを導入する主なメリット
SFAツールを導入することで、現場の営業担当者できでなく、経営者や管理者にもさまざまなメリットが生まれます。
経営者のSFAツール導入のメリット
経営者にとっての一番のメリットは、「会社の業績達成能力が向上する」ことです。営業の行動件数・予算との差異分析・業績見通しの把握などの把握したい情報をシステムが自動的に可視化してくれることで、企業全体の業績達成能力が向上します。
また、営業管理が優れた会社の営業マネジメント、分析ノウハウをSFAツールに実装することで会社のさらなる成功が見込めます。また、従業員の生産性の向上が見込まれます。
営業責任者(マネージャー・管理職)のSFAツール導入のメリット
業績の向上以外に、顧客や商談の管理がはるかに効率的になります。Excelや紙での管理の場合はどうしても過去の履歴が追えず、行動管理も煩雑になりがちです。
そもそも管理をあまりしてきていない場合は、勘や経験に頼って管理をしてしまうこともあるかもしれません。そういった場合はデータを活用することで科学的な営業管理のアプローチが使えます。
SFAツールのサポートで、顧客や商談管理が効率的になることで、マネージャーは案件のアドバイスや部下の育成に集中できます。また、管理者の方が見たいレポートや抑えたいポイントをシステムが自動的に可視化できるので、会議の準備時間も大幅に短縮できます。
営業担当者のSFAツール導入のメリット
営業担当者にとっては自身の目標達成まで道のりが可視化されることで効率的な営業活動を行えます。
それに加え、社内での顧客の過去の応対履歴やつながりが可視化されることで受注率が上がったり、顧客の引継ぎがスムーズに行えたりします。
また最近のSFAツールは、営業活動にまつわる各種社内の作業の手間を肩代わりしてくれるので、業務削減にもつながります。
SFAツールなしでも営業管理はできる?
前章ではSFAツールを活用するメリットをご紹介しましたが、実際ツールがなくても、営業管理自体は可能です。ここではさまざまな営業管理方法についてご紹介します。
ホワイトボードで管理
オフィスにホワイトボードを置いて、営業管理をする方法です。
ボードには、営業メンバーの名前と、各メンバーの売上やスケジュール、案件情報などを記載しておきます。
導入コストも抑えられるため、始めやすいというメリットがあるでしょう。しかし、テレワークを実施している、または外出する営業メンバーが多いとホワイトボードを確認することができないため、この管理方法を実施するのは難しいといえます。
Excel(エクセル)で管理
2つめはExcelで営業管理する方法です。会社で使用されるパソコンにはExcelが入っていることも多いため、比較的導入ハードルが低いといえます。
しかし、データを更新したら、必ず都度営業メンバーに共有する必要があります。例えば、「2020年〇月〇日 No.24(28行目)△△案件の情報更新しました」などのメッセージとあわせてデータを共有、他メンバーが更新を行うには、最新データをダウンロードして入力を行うという手間が発生するのです。手間が発生するほかにも、どれが最新情報なのか分からなくなるなどのトラブルも発生しかねません。
また、更新を繰り返しExcelのデータ量が増えると、動作が重くなる、ファイルがなかなか開かないなど問題が発生します。そのため、継続的に管理を行うのであれば、Excelの使用はおすすめできません。
スプレッドシートで管理
Googleスプレッドシートで管理する方法です。Googleスプレッドシートの機能はExcelとほとんど変わりませんが、一番異なるのが「共有しやすい」点です。
GoogleスプレッドシートはGoogleアカウントがあれば誰とでも共有できます。そのため社内で情報共有する際に便利です。また編集した情報はリアルタイムに反映されるので、間違えて古い情報を参考にしてしまったということがありません。
しかし、スプレッドシートもデータ量が増えると、動作が遅くなったり、データを開くことができなくなったりすることがあります。そのため、ある程度データが溜まったら、新たにシートを作成し、そちらに情報を更新していくということが必要になります。
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SFAツールを導入しない場合の問題点
前章では、SFAツールを活用する以外の営業管理方法をご紹介しました。どれも比較的簡単に導入できる方法ですが、データが重くなる、ミス・トラブルが発生しやすいなどの懸念があることは、お分かりいただけたかと思います。
そのため、複数の営業メンバーで、継続的に営業管理を行っていくのであれば、SFAツールの導入が得策だといえるのです。
この章では、SFAツールを導入しない場合に発生し得る問題点を、もう少し詳しく見ていきましょう。
過去の履歴が残らず、自由に追加と削除ができてしまう
Excelでの情報管理の場合は、会議などのデータ集計に時間がかかります。
同じような用途で活用するのにも関わらず、それぞれに整形や集計作業をする必要があります。
ある会社では毎四半期行われる重要会議のために、資料を作成するチームが土日に集計作業を行っていました。
データの集計に手間がかかり、多角的な分析ができない
SFAツールは名刺管理専用ツールではありませんが、完全無料で任意の項目で管理できるのが特徴です。
また、項目やシートの作り方によっては、商談状況も管理できます。ただし、名刺のデータ入力を手作業もしくは、別サービスにてデータ化しなければならず、工数がかかってしまうのが難点です。
PCでしか作業できない
Excelでの管理の場合には、顧客情報を入力するのは必然的にPCが必要になってきます。そのため営業担当者はオフィスに一度帰社して情報を記入するケースが大半です。
働き方改革で、より効率的な作業の仕方が求められてきています。
情報の管理が属人化してしまう
SFAツールを導入していない場合、情報の管理が営業担当の個人に依存するなど属人化のデメリットがあります。情報管理の属人化が常態化してしまうと、案件がブラックボックス化して引き継ぐことが分からなかったり、トラブルが生じた際にリカバリーが効かなくなってしまったりする悪影響があります。例えば、営業担当が急な要件で業務に入れないなどの事態がこのケースに該当するでしょう。
また、属人化が浸透してしまっていると、担当者が切り替わったタイミングで顧客が離脱してしまうリスクにさらされ、売上が激減することも珍しくありません。その他にも、業務スピード・業務効率の低下や品質管理が難しくなるなどの欠点も生じます。企業にとって属人化は何一つ良いことはないため、SFAを導入して対策を図る必要があります。
業務効率の悪化につながる
一般的なSFAツールには商談の管理機能やレポーティング機能、ハンディな見積書作成機能やスケジューラーなどが搭載されています。これらの機能は従来の作業ベースの業務を簡略化するだけでなく、移動中やリアルタイムでの更新・共有が可能になるため非常に便利です。
一方で従来の管理方法であれば、そうはいきません。商談の内容をまとめ直したり、まとめた内容を社内共有したりと事務作業も多く発生します。また、共有しない限りは案件の進捗も可視化されていないため、部下や部署、上司などにも逐一連絡をする必要があります。移動時間や事務作業中は他の業務に取り掛かることも難しく、自身の仕事に使える時間はどんどん減ってしまうでしょう。
しかし、SFAを導入していればそんな心配は必要ありません。タクシーや電車に乗っている数分を利用して履歴の確認や顧客情報の閲覧などができますし、情報を更新すれば誰でも確認することが可能です。限られたリソースを上手く使えるようになり、業務効率が上がれば残業も減るでしょう。
このように、SFAツールの導入の有無は業務効率に大きな影響を与えます。生産性や業務スピードの改善に課題を感じている場合はすぐに導入するべきでしょう。
機会損失につながる
本来得られるはずの機会を失ってしまうのは、企業にとってできる限り避けたいことでしょう。一般的に、機会損失は営業体制が整っていない場合や、営業プロセスに課題がある場合に起こります。例えば、WEBサイトからの問い合わせが100件ある中で、50件しか対応ができないといったケースが機会損失にあたります。原因として対応速度が追いつかなかったり、情報の管理体制が整っていなかったりすることが考えられますが、裏を返せば環境を整備するだけで売上を倍以上に伸ばすことも可能なのです。
SFAでは情報が一か所に集約されるため、対応速度も業務負荷も減るうえに、システム上で情報共有がされるので複数部署との連携もスムーズに進みます。また、各担当者の営業活動が不透明な状態では、上司が的確なアドバイスを行うことは難しいですが、SFAによって可視化されていれば営業プロセスに応じた細やかなアドバイスが可能となります。優秀な営業マンの営業プロセスを可視化することもできるので、営業マンのスキルのバラつきによって逃していた案件もしっかりと契約に導くことができ、営業部門全体のスキルを向上させることができます。
このように、ビジネスチャンスを逃したくないのであれば、SFAの導入をおすすめします。
セキュリティ面
顧客管理をExcelで行なっている企業も多いのではないでしょうか。Excelは顧客管理に向いていないさまざまな理由がありますが、特に心配なのがセキュリティ面です。
Excelは、USBメモリなどの記憶媒体に保存してしまえば、すぐに持ち出せます。この面はメリットでもありますが、セキュリティ面から見ると大きな危険をはらんでいます。これは、顧客情報のような機密情報を、簡単に持ち出せてしまうと、情報漏洩の危険性が高まるからです。
またExcelはシートごとに閲覧や編集権限などを付与できますが、細かい情報を制御することはできません。マクロウィルスなどに対して、個別に対策を行う必要も出てくるでしょう。
上記のような理由から、セキュリティ面から見ても、Excelで顧客情報の管理を行うことはおすすめできません。
SFAツールを導入する主なステップ
ここでは、SFAを導入するまでのステップをご紹介します。
SFAツール導入の目的の整理
まずはSFAツールを導入する目的を整理します。
「営業の働き方改革をしたい」、「管理表のオンライン化をしてみたい」、「名刺や顧客の情報を蓄積・可視化したい」など、さまざまな目的が考えられます。
SFAツールは多様な使い方ができますが、導入により達成したいことを決めると導入の設計やプロジェクトがスムーズに進みます。
営業担当者にSFAツールの導入を理解してもらう
SFAツールを実際に使ったり、活用したりするのは現場の人間です。そのため営業担当者にSFAツールの導入の意義を理解してもらう必要があるでしょう。
SFAツールを導入すると、その分入力の手間が発生し、仕事が増えてしまいます。営業担当者はただでさえタスクが多いので、「手間がかかる」と反対する営業担当者もいるかもしれません。
そのため、SFAツールにどんなメリットがあるのか、どう活用すれば業務効率化につながるのかなどをしっかり共有し、導入の理解を得ましょう。
導入SFAツールの決定
現在市場には100を超えるSFAツールが登場しています。
後述の一覧などを参考にして、数あるSFAツールから自社の規模や用途にあったものを選んでください。
現在の管理方法のSFAツールへの移行
現在の管理方法で必要な情報や項目をSFAツールに移します。
営業管理のフォーマットをSFAツールに移したり、自社で販売している商品の情報や目標・予算の情報をSFAツールに登録したり、会議で見る資料をSFAツールに再現させ実際の業務がSFAツールのみで運用できるように設定をしていきます。
SFAツールの活用の勉強会
実際に活用される営業の方に導入のための説明会や、マニュアルを提供します。実際に定着するまで繰り返し伝え、指摘をするのも大切です。SFAツールなどのツールは現場で実際に活用されて初めて効果を発揮します。まずは、現場のスタッフに使ってもらい、定着することを目標にしましょう。
使い方で分からないことがあった場合はSFAツールの会社のサポートに聞きましょう。
情報分析を行う
SFAツールはただ情報を記録して可視化されただけで満足してはいけません。SFAツール上に集まった情報をもとに分析を行って、営業活動の改善点を見出す作業を行ってこそSFAの真価を発揮できます。ツールを導入するとさまざまなデータが数値およびグラフで表せるようになるため、情報分析が容易にできます。
SFAを活用して営業活動のどういったプロセスにボトルネックがあるのか、数値やデータから洗い出しましょう。
SFAツールの導入で注意すべきこと
SFAツール導入のための準備が整ったら、次のステップはいよいよ実際にツールを導入することです。
しかし、SFAツールは、導入後も気を付けておきたい点が存在します。ここでは、SFA導入の際の注意点に関してご紹介します。
SFAツールを導入して終わりにしない
SFAツールは導入して終わりではなく、それを活用することこそ本番です。
しかし実際にSFAツールを導入してみたものの、うまく活かせず失敗してしまっている企業もあります。
それには、以下のような失敗理由が考えられます。
導入の目的が不明瞭
SFAツール導入の最大の目的を明確にして、それに見合ったツールを選ばず、ただ便利なツールだからといった導入してしまう企業もあります。
社員側からすれば、目的が分からないのに、ただ作業だけが増えた状態になります。これだと、ツールを積極的に利用しようという気が起こらず、導入は失敗に終わってしまうでしょう。
不要な機能が多い
SFAツールは、情報管理に役立つさまざまな機能が搭載されていることが多いです。
しかし、多機能であるがゆえに使いこなせず、現場の混乱を招いてしまうケースもあります。
特に、ツールの使用方法や運用方法について説明する時間もないのに、ただ導入してしまった企業に起こりがちです。活用するよりも前に教育に時間がかかり、結果的にSFAツールを敬遠してしまうケースもあります。
情報収集をした後どう活かしていいのか分からない
SFAツールにおける情報収集は活用の第一歩に過ぎません。そこから商談状況などを常に更新し、今後の営業に活用していくのが本来の使い方です。
しかし入力方法は教育しても、それを今後どう活用していいかの教育が十分に行われていないと「ただ入力するだけ」になってしまいます。
このような失敗を犯さないためにも、SFAツール導入時には、導入する目的、運用方法、活用方法などをしっかり説明することが大切です。
SFAツールの運用担当者を決める
SFAツールをきちんと運用していくなら、運用体制を明確にしましょう。
どんなSFAツールを導入しても、必ず一人以上は専任のシステム管理者が必要です。システムを管理する人がいなければ、うまく運用していくことは難しいでしょう。
システム管理者(運用担当者)は主に以下のような業務を担当します。
・顧客情報の登録
・報告用のフォーマットやレポート機能の設定
・社内に向けたSFAツールの使用方法の説明やマニュアル作成
・成果測定や運用方法の変更の検討
管理者を決めることにより、ツールに関して不明点が出た際に「誰に聞いたらよいのか」が明確になります。これが決まっていないと、誰に聞いたら解決できるのかが分からずそのままうやむやにしてしまうケースもあるでしょう。
それを防げるのが、専任の管理者です。
もしこのような専任の管理者が置けない場合は、できるだけ運用が簡単で誰でも使えるツールを選びましょう。
テレワークで明らかになるSFAツールの必要性
近年、多くの企業がテレワークを導入しています。テレワークにはさまざまなメリットがありますが、情報共有がしにくいというデメリットもあります。
よりお互いの営業活動が見えづらくなってしまうため、より情報共有を徹底する必要があるのです。そのための方法の一つが、SFAツールです。SFAツールを導入することで、その情報共有がより効果的になるでしょう。
最近のSFAツールのトレンド
近年、どのようなSFAツールが人気を集めているのでしょうか。SFAツールの最新トレンドをご紹介します。
クラウドサービスの利用が当たり前
SFAツールのシステムは、クラウドサービスを利用することが主流になっています。
オンプレミスの時代では、ソフトウェアがアップデートされるたびにインストールし直す作業が必要だったり、外部から必要な情報にアクセスできなかったりしました。
しかし、クラウドが主流になったことで安全性とアクセスの利便性が両立できるようになりました。
営業担当者の情報入力がより簡単に便利に
SFAツールを導入していない会社では、商談情報の記入のタイミングが担当者によってバラバラなことが多いです。帰社直後に入力する人もいれば、1週間分まとめて作業する人もいるでしょう。
記入のタイミングが統一できてない場合は、情報の抜け漏れが増える可能性があります。
昨今では、国産のプラットフォームを中心にSFAツールの情報入力のインターフェイス(画面)がより洗練されてより利用者が入力しやすくなってきています。
例えば、移動中でも入力ができるようにスマートフォン用のアプリと連携できるSFAツールも増えています。
また、グループウェア(Gmailなど)と連携をして営業の方のメールをそのまま取り込むことで顧客情報の入力の手間を減らしているものもあります。
一昔前は顧客情報の入力は項目が多く手間がかかりましたが、名刺をカメラやスキャナーで読み込み、SFAツールにそのまま情報をインポートする方法 が主流になっています。
外部サービス連携でさらに便利に
SFAツールが出現した当初は商談を管理するだけのシステムでしたが、昨今は営業の方の営業活動全体をサポートするようにさまざまな機能開発がなされていっています。
また、働き方改革の流れもあり、他のシステムとの連携も増えています。
例えば、社内のチャット(SlackやChatwork)と連携をすれば、会議で案件の確認をしなくても、チャット上でやりとりができます。
また、営業の行動管理のリマインドをメールだけでなくSlackにも送信できます。
見積り・請求書のテンプレートシステムとも連携することで、営業の方がSFAツールに入力した情報から見積り・請求書が作成でき、そのまま顧客に送付し、履歴も保存されるようになってきています。
また、後述のMA(マーケティングオートメーション)と連携すれば、見込み客のWeb上での興味情報や活動情報を可視化したり、顧客への案内のメールを自動化したり、失注した顧客を定期的に掘り起こすような活動を自動化することもできます。
もちろん、全ての機能をいきなり使う必要はありません。ですが、このようなテクノロジーを活用することで令和時代の営業の働き方改革を実現できます。
SFAツールを選ぶ際のポイント
ここでは、導入を検討されている方向けに、SFAツールの選び方のポイントを解説します。
使いやすいこと
SFAツールは商談情報、顧客情報がきちんと入力されてこそ、精度の高い分析や管理機能が発揮されます。
ユーザーの営業担当者にとってSFAはほぼ毎日活用するシステムになるので、使いやすさがとても大切です。
また、管理者はSFAツールを使って部下の行動管理や分析、目標管理を行いますが、管理者が見たい項目が簡単に分析・活用できることが導入を検討する上で重要なポイントになってきます。
サポートが充実している
SFAツールは使い始める時に、組織情報や顧客情報を登録し、普段Excelなどで管理されている項目をSFAツールで再現する必要があります。また営業チーム、組織の変更や、戦略変更、商材変更などがあったときにも一定の設定の変更が必要となってきます。
きちんと使いこなしていくためには、システムに慣れるまでのサポートが重要になってきます。
電話対応だけでなく、チャットを使ったサポートなども行っている企業もあります。導入当初は分からないことやトラブルも多いので、サポート体制が充実しているものを選びましょう。
テクノロジー・将来性
1990年の登場から比べてSFAツールは格段に進化しています。当初は商談情報の把握や管理からスタートしたSFAツールも、昨今のテクノロジーの進化と合わせて営業の働き方改革を実現するための強い味方にもなってきています。
これからも技術は進化していきますが、時代と共に進化していくSFAツールを選ぶのが良いでしょう。
導入実績を確認する
SFAツールの導入実績を確認してみるというのも1つの手です。ユーザーの支持を得ているSFAツールは導入実績もしっかりと公開しています。
また、実績だけでなく、導入事例も併せてチェックするようにしましょう。自社に近い規模、業種の事例があれば抱えている課題が似ている可能性が高く、どのような点に注意して導入したか、どのくらいの改善効果が得られたかなどがイメージできます。
実績があるから必ず自社にマッチするとは限りませんが、ツールを選ぶ際の1つの指針として参考にしてみましょう。
無料トライアルを利用してみる
SFAツールの吟味と選定が終わり、導入間近の段階まで来たら無料トライアルを利用してみましょう。提供するベンダーにもよりますが、多くのSFAツールは無料トライアルが提供されているケースが多いため、実際に使って試してみることも大切です。ベンダーからの説明では分からない使い勝手はもちろん、業務への実際の貢献度なども分かるはずです。
社員にヒアリングを行う
最終的に導入を決めるのはトップですが、その前に社員にヒアリングを行うことをおすすめします。
勝手にツールを決めてしまうと、現場に必要な機能が搭載されていなかったり、不要な機能が多かったりして使いにくい場合があります。
まず実際に、使う社員にどのような機能があったらいいかなどのヒアリングを行いましょう。そして、使用する社員とってメリットのあるツールの中から選択します。
また導入前に、ツールを使用して業務を行う姿がイメージできるかということもヒアリングしておきましょう。
ツールを導入することにより、業務フローがどう変化するのか、どう効率的になるのかを具体的にイメージできるかどうかが大切です。できるだけ現場の入力負荷がなく、組織として把握すべき情報をきちんと入れられるようなツールを選びましょう。
国内のSFAツール紹介
ここでは、国内ベンダーが提供するSFAツールを3つご紹介します。
ちきゅう
(画像引用:https://chikyu.net/)
ジーニーが提供する国産のSFAツールです。使いやすさにこだわり、導入からカスタマイズまで、社内にSFAツール専任の担当者がいなくても使えるような簡単な設計になっています。
低価格ですが、モバイルアプリや名刺の自動読み込みなど、機能も充実しています。
月額 4,980円〜
下記ページでは、ちきゅうの製品資料を無料でダウンロードいただけます。ぜひ気軽にご利用ください。
ちきゅうの導入事例
ここでは、ちきゅうの導入事例をご紹介します。
・明成法務司法書士法人
2009年に事務所を開業し、不動産登記や相続関連、債務整理など幅広い業務を行っています。同法人では2015年から「ちきゅう」を活用しています。
【導入前の課題】
「ちきゅう」導入前はExcelを使って売上管理を行なっていたそうです。しかし事務所の規模が拡大するにつれ、事業計画も変化してきました。
毎月の数値目標を、もっと精緻に設定したいと思っていたそうです。それにはまず現状の月ごとの売上見込を正確に把握する必要がありました。しかし、Excelではリアルタイムの営業数字を把握しづらいことに気づいたそうです。
正確な売上予測ができず、Excelでの営業管理に限界を感じていました。
【導入後の効果】
「ちきゅう」は主に売上データ管理に使われており、入力したデータをもとにして、管理職が月々の売上見込額や案件本数、目標金額などを確認します。
さらに正確な売上データが管理できるようになったため、営業データの分析や戦略設計も可能になりました。この情報をもとに、営業担当者の活動指針を決定できるようになったそうです。実際に数字が可視化されたことで、所員の営業に対する意識も変わり、それが成果につながっています。
さらに案件ごとに取引先や各チャネル情報を入力すれば、これまで分かりにくかった収益構造の可視化にもつながりました。
また、活動履歴機能も活用しているそうです。「ちきゅう」を使えば案件獲得から受注完了までのプロセスを、一元管理し可視化できます。これにより、法人全体の管理ツールとしてだけでなく、所員一人ひとりの業務や成果も分かりやすくなったとのことです。
ナレッジスイート
(画像引用:https://knowledgesuite.jp/)
SFAツールだけでなくカレンダー機能をはじめとしたグループウェアの機能も持っています。
月額 6,000円〜
SalesCloude
(画像引用:https://www.salesforce.com/)
アメリカのSalesforce社が提供する、世界ナンバーワンのシェアを持つ営業支援システムです。AppExchangeというアプリのストアがあり、様々なシステムと連携できます。
強力なワークフロー設計システムを保持しており、設計次第で多様な業務に対応ができます。
月額 3,000円〜 (Essentialsプラン)
下記のコラムでも、SFAツール7つを比較してご紹介しています。SFAの導入をご検討中の方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。
【2020年度版】営業支援ツール・システム(SFA)7つの機能・価格を徹底比較!
SFAツールの導入成功事例
ここでは、SFAを導入してどのように成功したのか、事例をご紹介します。
リアルタイムの商談管理が実現
AI CROSS株式会社は、SFAツールを導入することで、以下のような変化があったそうです。
導入前の課題
SFAツール導入前は、リアルタイムでの商談管理ができず、受注の取りこぼしが発生していました。人員不足により、1,000件以上のデータが未入力になっていたそうです。
Excelで管理していましたが、1件1件Excelを開かなければ商談状況が把握できないため、商談スピードが遅いということが一番の課題でした。また、営業状況や月次の売上が、月末にならないと把握できないことにも課題を感じていたそうです。
導入後の効果
SFAツール導入後は、情報が一元管理できるので、リアルタイムでの商談管理ができるようになりました。商談状況がリアルタイムで把握できるようになり、商談のスピード感に対応できる体制が構築できたそうです。
また、一目で商談状況が分かると、商談の取りこぼしが減り、受注額が増加。
さらに、情報をきちんと管理することで売上予測ができるようになり、経営層やマネジメント層にもリアルタイムに情報を提供できるようになりました。
根拠のある経営判断を実現
イベントレジスト株式会社は、SFAツールを導入することで、以下のような変化があったそうです。
導入前の課題
Excelで営業管理を行なっていましたが、営業活動の振り返りや分析が正確に行えないことが課題だったそうです。過去の営業実績に基づいた詳細な分析ができず、どんな商品構成が売れたのか、失注原因は何だったのかなど、今後の営業活動に役立つ情報が残せませんでした。
さらに、営業活動や投資が個人の感覚に依存する、属人化が発生していたそうです。
導入後の効果
SFAツールによって、情報を共有しながら蓄積できるようになりました。全員が細かく数字を確認できるので、営業状況や売れた機能、問い合わせ方法などはないかなどすぐに共有できます。また、情報をもとにあらゆる角度から顧客情報の分析が可能になり、確かな裏付けのある投資のポイントが見えるようになったそうです。
さらに組織全体が俯瞰した視点で情報を見ることができ、長期的な売上計画を意識できるようになりました。
進化するSFAツール
SFAツールは営業の商談管理から始まりましたが、近年では利用者により配慮し、商談管理だけでなく営業の生産性全体を底上げするシステムに進化しています。
SFAツールの導入で、営業効率は大きく向上します。
この機会に、SFAツールの導入を検討してみませんか?
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