目次
マーケティングにおけるCVRの重要性

2020年4月にコロナウイルスの流行拡大に伴い、これまでWebマーケティングになじみのなかった企業も含め、多くの企業がオンライン上から顧客を獲得するために、Webサイトの改修強化やデジタル広告の利用へと舵をきるようになりました。
そのため、以前にも増して重要度が高まっているのが、Webサイトからの「CVR」です。CVRは、アクセスに対して、何件が成果につながったかの割合を表す代表的な指標です。
▼関連記事:コンバージョンレート(CVR)とは?計算方法やCTRとの定義・重要性の違いを解説
そもそもチャットボットとは

チャットボットとは「チャット(対話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉です。
テキストや音声を介して「自動応答するプログラム」のことを指します。
2020年のコロナウイルス感染拡大以降、企業のDX化がさらに加速しました。その影響で、オンラインでのコミュニケーションを重視する傾向が強まりました。
現在は、コミュニケーションの手段としてチャットボットを導入する企業が増えています。
▼関連記事:AIチャットボットとは?おすすめ10選と活用事例を解説
市場規模も拡大
2024年8月に発表されたITRの調査報告によると、2023年のチャットボット市場の売上は、前年度比16.5%増の111億8,000万円となりました。2024年は、2023年を上回る19%増の想定です。
また、ChatGPTなどの生成AIとの連携が拡大。各企業にチャットボットの導入が進んでいることもあり、2023年~2028年のCAGR(年間平均成長率)は15.5%。2028年には230億円を予測しています。
チャットボット導入で狙う効果
チャットボットの導入を多くの企業が進める理由は、大きく分けて以下の2つです。
- カスタマーエクスペリエンスの向上
- チャットボットを活用したEFO対策によるCVR改善
カスタマーエクスペリエンスを向上させる
カスタマーエクスペリエンス(CX)は、日本語で「顧客体験」や「顧客体験価値」と呼ばれます。
製品サービスを購入した時に感じる使い心地などの物質的価値だけではありません。ユーザーと企業の関わりにおいて、さまざまなキャンペーンやサポート体制を通して良い体験・経験を与えます。その経験価値を指す言葉です。 製品やサービスの提供を受けた時に感じる心理的・感覚的な価値が、企業のブランディングやロイヤルカスタマーの創出につながります。そのため、収益向上を図る施策として欠かせないものとなっています。
チャットボットを導入することで、これまでユーザーの問い合わせに対しすぐに対応できます。また、フォーム入力における離脱などの課題を解決することができます。結果的に、ユーザーに与えるカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上がCVRの向上へとリンクすることから、導入する企業が増えています。
▼関連記事:カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?
CVRを改善する
Webサイトでユーザーがフォームへ入力の途中で離脱する割合は、株式会社ファインドスターが行った調査によると、化粧品・健康食品などの単品ECでは84%にも及ぶそうです。
フォームの離脱率はWebサイトによってばらつきがあります。しかし、平均で50~80%のユーザーが情報入力を完了しないまま、フォームを離脱しているといわれています。
一般的に、フォーム離脱にはEFOが有効だと考えられています。しかし、EFOの対策を行う場合は、フォームの項目やデザインの調整をする際に、Webコーディングの知識がある程度必要です。そのため、社内にコーディングができる人材がいないと、なかなか改善が進みませんでした。
しかし、最近ではユーザーが会話形式で入力作業を行えるチャットボット型のEFOという仕組みが生まれました。
この「チャットボット型のEFOツール」を活用することで、EFO対策が簡単に行えるようになり、CVR改善を目的に導入する企業が増えているのです。

チャットボットでCVRが改善できる理由
Webサイトの成果を高めるうえで、チャットボットは非常に有効な施策です。
従来の入力フォームでは、項目の多さや操作の煩雑さが原因でユーザーが途中離脱するケースが少なくありません。
一方、チャットボットを導入すれば、会話形式で情報を入力できるため、心理的なハードルが大きく下がります。
入力フォームの離脱率を低減できる
CVRが伸び悩む最大の原因は、入力フォームでの離脱です。名前・住所・電話番号など、多くの項目が一画面に並ぶと、ユーザーは面倒に感じてページを閉じてしまいます。
チャットボットなら、質問を一つずつ表示する「ステップ型」の入力体験を提供できます。一問一答形式で進むため、ユーザーは次に何を入力すべきか迷いません。入力の負担が軽くなり、途中で離脱するリスクも大幅に減少するでしょう。
さらに、選択肢をボタンで提示すれば、タップだけで回答が完了します。スマートフォンからのアクセスが多いサイトでは、この操作性の違いが離脱率に直結するポイントです。フォーム離脱という「CVRのボトルネック」を解消できる点が、チャットボット最大の強みといえます。
ユーザー体験の向上でコンバージョンへ誘導しやすくなる
チャットボットは、単なる入力補助ツールではありません。ユーザーとの対話を通じて、最適なコンバージョンポイントへ自然に誘導できる「接客ツール」としても機能します。
シナリオ設計を工夫すれば、資料請求・見積もり依頼・会員登録など、複数のゴールへ振り分けることもできるでしょう。ユーザーの温度感に合わせた提案ができるため、押し売り感のない自然な導線を構築できる点が大きなメリットです。結果として、サイト全体のユーザー体験が向上し、CVR改善につながります。
24時間365日対応で機会損失を防げる
ユーザーがサイトを訪問するタイミングは、営業時間内とは限りません。夜間や休日にアクセスしたユーザーが疑問を解消できず、そのまま離脱してしまうケースは多く見られます。
チャットボットを設置すれば、時間帯を問わず即座に対応が可能です。よくある質問への自動回答はもちろん、問い合わせフォームへの誘導や商品提案まで、人手を介さず実行できます。
データ蓄積によりCVR改善のPDCAが回せる
チャットボットの導入効果は、設置した時点で終わりではありません。運用を続けることで蓄積されるデータこそが、継続的なCVR改善の原動力になります。
具体的には、以下のようなデータを取得・分析できます。
- 起動率:どのページでチャットボットがよく利用されているか
- 離脱ポイント:シナリオのどのステップでユーザーが離脱したか
- 完了率:コンバージョンまで到達したユーザーの割合
これらの指標をもとに、シナリオの分岐を見直したり、質問の順序を入れ替えたりすることで、CVRを段階的に引き上げていけます。感覚に頼った改善ではなく、データドリブンなPDCAサイクルを構築できる点が、チャットボットならではの強みです。
チャットボットでCVR改善をする際の注意点

ここではCVR改善を実際に行う際に注意したいポイントを解説します。
①離脱箇所を分析する
改善を始める前に、ユーザーの離脱ポイントを明確にすることから始めましょう。
離脱しているページが入力フォームのページであれば、チャットボット型のEFOの導入で改善が期待できます。
②チャットボット型EFOを導入する場合は、ABテストができる体制を用意する
チャットボット型のEFOを活用する場合、効果的な運用のコツは、ABテストを行うことです。
フォームのデザインや、質問項目などいくつかのパターンを用意します。よりユーザーの離脱が少ないものに最適化することで、CVRを向上できます。
ABテストの場合はショートスパンで改善と検証を繰り返すことが多いです。そのため、ABテスト機能のあるツールを選択することで、運用負担が軽減されるでしょう。
▼関連記事:EFOチャットボットでユーザー体験を最適化する方法
チャットボットツールの選び方
チャットボットでCVRを改善するには、自社の導入目的に合ったツールを選ぶことが成果の鍵を握ります。
現在、市場には数多くのチャットボットツールが存在しますが、機能や得意領域はそれぞれ異なります。目的とツールの特性がかみ合わなければ、期待した効果は得られません。ここでは、ツール選定で失敗しないための4つの判断基準を紹介します。
導入目的(EFO型 / 問い合わせ対応型 / 接客型)で絞る
ツール選びの第一歩は、「何のために導入するのか」を明確にすることです。チャットボットは大きく3つのタイプに分類できます。
- EFO型:入力フォームの離脱を防ぎ、資料請求や申し込みの完了率を高める
- 問い合わせ対応型:よくある質問への自動回答でカスタマーサポートの負荷を軽減する
- 接客型:ユーザーの行動データをもとに、最適な商品やコンテンツを提案する
たとえば、フォーム離脱が課題ならEFO型が最適でしょう。一方、問い合わせ件数の削減が目的なら、FAQ連携に強いツールを選ぶべきです。自社の課題を正しく把握しないまま多機能なツールを導入すると、使いこなせずコストだけが膨らむリスクがあります。まずは「どの指標を改善したいのか」を社内で整理することから始めましょう。
自社サイトとの連携・設置のしやすさを確認する
どれほど高機能なツールでも、自社サイトにスムーズに設置できなければ意味がありません。導入前に確認すべきポイントは主に3つあります。
- 1つ目は、設置方法のシンプルさです。タグを1行貼るだけで動作するツールなら、エンジニアの工数を最小限に抑えられます。
- 2つ目は、CRMやMAツールとのデータ連携です。チャットボットで取得したリード情報を営業活動に活かすには、既存システムとの接続が欠かせません。
- 3つ目は、デザインのカスタマイズ性です。自社サイトのトーンに合わないチャットボットは、ユーザーに違和感を与えかねません。ブランドカラーやフォントを柔軟に変更できるかどうかも、選定時に見落としがちな重要項目です。導入後に「連携できなかった」と気づくことがないよう、事前の技術検証を怠らないようにしましょう。
シナリオ設計のサポート体制を比較する
ツールベンダーによって、サポート体制には大きな差があります。
テンプレートを提供するだけの会社もあれば、専任のコンサルタントが伴走してくれる会社も存在します。
特に初めてチャットボットを導入する場合、シナリオの初期設計から改善提案まで一貫して支援してくれるベンダーを選ぶと安心でしょう。
確認すべき項目を整理すると、以下のとおりです。
- 導入時のシナリオ設計を代行してくれるか
- 定期的な改善ミーティングの機会があるか
- 業界・業種ごとの成功パターンを持っているか
ツールの機能だけでなく、「運用を一緒に伸ばしてくれるパートナーかどうか」という視点で比較することが重要です。
費用対効果(CVR改善幅 × LTV)で判断する
ツール選定の最終判断は、費用対効果で行いましょう。月額料金の安さだけで選ぶと、機能不足やサポート不足で成果が出ず、結果的にコストが無駄になるケースも珍しくありません。
費用対効果を正しく算出するには、以下の計算式が参考になります。
投資回収の目安 =(CVR改善による増加CV数 × 顧客1人あたりのLTV)− ツール月額費用
たとえば、月額5万円のツールを導入してCVが月10件増加し、顧客1人あたりのLTVが3万円であれば、月間の投資回収額は25万円です。この場合、初月から十分な費用対効果が見込めるでしょう。
逆に、LTVが低い商材では高額なツールを導入しても回収が難しくなります。自社の商材特性と照らし合わせ、現実的なROIをシミュレーションしたうえで判断してください。
目的別のツール選定パターン
実際の選定イメージを、目的別に整理しました。
| 課題 | 最適なタイプ | 選定のポイント |
|---|---|---|
| フォーム離脱率が高い | EFO型 |
|
| 問い合わせ対応に 人手が足りない |
問い合わせ対応型 |
|
| サイト回遊率が低く 離脱が多い |
接客型 |
|
| 上記すべてを 改善したい |
EFO+接客の ハイブリッド型 |
|
自社の課題が複数ある場合でも、まずは最もインパクトの大きい1つに絞って導入するのが成功の近道です。
まずは目的を明確にし、スモールスタートで検証を
「多機能だから」「有名だから」という理由だけで導入を決めることは避けましょう。
大切なのは、自社の課題と導入目的を明確にし、それに合ったツールを選ぶこと。最初から大規模に展開するのではなく、特定のページや導線に限定して小さく始め、データをもとに効果を検証していきましょう。
成果が確認できた段階で、対象ページの拡大や機能の追加を検討すれば、リスクを抑えながら着実にCVRを改善できます。
チャットボット導入でCVRを改善した事例
スキンケア業界:株式会社バルクオムの事例
同社では、CVRを改善するためにチャットボット型EFOツール「GENIEE CHAT」を導入しました。
公式オンラインストアにおいて、入力項目の多さによるユーザー離脱や、改善サイクルのスピード感に対応できるパートナーが見つからないこと、さらに運用リソースの負担が課題となっていました。
具体的には、入力項目を最低限に整理するEFOテストの実施や、LPで使用している装飾付きCTAボタンへの変更など、PDCAを繰り返しながら改善を進めました。
その結果、CVRが約1.5倍に向上。さらに、1作業あたりの工数も大幅に削減することができました。
よくある質問(FAQ)
Q1. チャットボットを導入するとCVRはどのくらい上がりますか?
チャットボットの導入により、CVRが1.2〜2倍程度の改善が期待できます。
特にEFO型チャットボットでは、入力フォームの離脱率が大幅に低下するため、改善幅が大きくなる傾向があります。
ただし、効果はサイトの業種・流入経路・既存フォームの状態によって異なります。導入後にシナリオの最適化やA/Bテストを繰り返すことで、さらなる改善が見込めるでしょう。
まずは特定のページに限定して導入し、数値の変化を検証することをおすすめします。
Q2. チャットボットとEFOツールの違いは何ですか?
EFOツールは、既存の入力フォームを最適化するためのツールです。
入力補助・エラー表示の改善・住所自動入力など、フォームそのものの使いやすさを向上させる機能が中心となります。
一方、チャットボットは会話形式でユーザーとやり取りし、情報入力だけでなく商品提案や問い合わせ対応まで幅広くカバーできます。近年では、チャットボットにEFO機能を組み込んだ「チャットボット型EFO」も登場しており、両方の強みを活かした運用が可能です。
フォーム改善だけが目的ならEFOツール、接客や導線設計まで含めて改善したい場合はチャットボットが適しています。
Q3. チャットボットの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
一般的には2週間〜1か月程度で導入が完了します。(※ ツールの種類や設計の複雑さによって異なります)
シナリオ型のチャットボットであれば、テンプレートを活用することで最短数日での設置も可能です。
導入までの主なステップは、5段階に分かれます。
- 目的の整理
- シナリオ設計
- デザイン調整
- タグ設置
- テスト運用
ベンダーのサポート体制が充実していれば、社内のリソースを最小限に抑えながらスムーズに立ち上げられるでしょう。
Q4. チャットボットの導入費用はどのくらいかかりますか?
チャットボットの費用は、月額1万円〜30万円程度と幅があります。
価格差が生まれる主な要因は、機能の範囲・サポート体制・カスタマイズ性の3つです。
シンプルなFAQ対応型であれば低価格帯で導入できますが、EFO機能や接客機能を備えたツールは中〜高価格帯になる傾向があります。
重要なのは、月額費用の安さではなく、CVR改善によるリターンとのバランスです。前章で紹介した「CVR改善幅 × LTV」の計算式を活用し、投資回収の見通しを立てたうえで判断しましょう。
Q5. スマートフォン経由のCVR改善にもチャットボットは有効ですか?
スマートフォンユーザーに対してはPCユーザーよりも、チャットボットの効果を実感できると言えます。小さな画面で多数の入力項目を埋めるフォームは、PCと比べて離脱率が上がりやすい傾向にあります。チャットボットなら、選択肢のタップだけで回答が進むため、スマートフォンとの相性は抜群です。ToC向けサイトではモバイル流入比率が70%を超えるケースも珍しくありません。スマートフォンでのCVR改善を重視するなら、チャットボットの導入は優先度の高い施策といえるでしょう。
Q6. チャットボットを導入した後、効果測定はどのように行えばよいですか?
効果測定では、主に4つの指標を追跡することをおすすめします。1つ目はチャットボットの「起動率」、2つ目はシナリオの「完了率」、3つ目はコンバージョンに至った「チャット経由CVR」、4つ目は「離脱ステップ」の特定です。これらのデータはほとんどのツールが管理画面上で確認できます。導入直後は週次、安定稼働後は月次でレポートを確認し、シナリオの改善に活かしていきましょう。PDCAを回し続けることで、CVRは段階的に向上していきます。
まとめ
①近年CVRの向上がますます重要になっている
コロナウイルスの流行拡大以降、ほとんどの企業がオンライン上から見込客を獲得するために、Webサイトの改修強化やデジタル広告の利用へと舵をきるようになり、CVRを向上させることの重要度が増しています。
②CVR向上のためのチャットボット利用が増えている
ここ数年でチャットボットの市場規模は約10倍に拡大すると予想され、導入企業も増えてきています。
③チャットボット導入でCVRを向上するアプローチ方法は2種類
CVRの向上には「顧客満足の向上」と「入力フォーム離脱の抑制」の2つのアプローチがあります。
④「顧客満足の向上」を実現するためには、シナリオの効果測定が大
チャットボットを導入してWeb接客を行う場合は、シナリオを設計するだけでなく、その効果測定までを視野に入れた運用プランの設計が成功の秘訣です。
⑤「入力フォーム離脱の抑制」はチャットEFOのABテストが重要
チャットEFOを設置しても、すぐに効果が出るとは限らないため、いくつかのフォームパターンを用意してABテストを行うことで、より効果の高いEFO対策を行うことができます。
チャットボットでCVRを改善するなら「GENIEE CHAT」
株式会社ジーニーでは、入力フォームを改善し、コンバージョン率を向上させるための「GENIEE CHAT」を提供しています。
Webサイト上に設置している入力フォームをチャット型に置き換えることで、スムーズなフォーム入力が可能になり、その結果、フォーム離脱率を低減し、入力完了率の向上が期待できます。

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