クリック率(CTR:Click Through Rate)は、オンライン広告やWebページのパフォーマンスを評価するための大切な指標です。

この記事では、クリック率に関する業界の平均値、効果的な改善方法、成功事例を紹介し、皆さんの疑問を解消しながら次のステップに進むためのヒントをお届けします。

CTR(クリック率)とは?

クリック率とは

CTRは、広告やWebページが表示された回数(インプレッション)に対して、どれだけクリックされたかの割合を示す指標です。

計算式

CTR(クリック率)=クリック数÷広告の表示回数×100

この指標を使うことで、ユーザーが広告やページにどれだけ興味を持っているかを数字で把握することができます。

例えば、1000回表示されて50回クリックされた場合、CTRは5%になります。

関連記事

CTRとCVRの違いとは? 重要性と改善方法を解説


業界ごとのCTRの目安

業界ごとのCTRの目安

CTRは業界や広告の種類によって大きく変わります。
WordStreamの調査によると、業界別の平均的なCTRの目安は以下になります。

業界平均CTR(リスティング広告)平均CTR(ディスプレイ広告)
アドボカシー(推奨者)4.41%0.59%
自動車4.00%0.60%
BtoB2.41%0.46%
消費者向けサービス2.41%0.51%
出会い系サービス6.05%0.72%
Eコマース2.69%0.51%
教育3.78%0.53%
人材2.42%0.59%
金融・保険2.91%0.52%
健康・医療3.27%0.59%
家具・インテリア2.44%0.49%
産業サービス2.61%0.50%
法律2.93%0.59%
不動産3.71%1.08%
テクノロジー2.09%0.39%
旅行・ホスピタリティ4.68%0.47%
引用:https://www.wordstream.com/blog/ws/2016/02/29/google-adwords-industry-benchmarks

検索広告(リスティング広告)のCTRは一般的に3~5%程度が平均とされています。検索ユーザーの意図が明確なため、比較的高いCTRが期待できます。

一方、ディスプレイ広告は、バナーや画像などの視覚的な要素を用いるため、CTRは0.5%前後が一般的です。検索広告と比べるとCTRは低めですが、これはユーザーが必ずしも広告に対して積極的な関心を持っているわけではないためです。

これらの平均値を参考にしながら、自社の広告パフォーマンスを評価してみましょう。

CTRの基準値をどう活用するか

CTRの基準値をどう活用するか

CTRの目安を知ることは大切ですが、単に業界平均を上回るか下回るかを確認するだけでは意味がありません。CTRは、その広告やページがどの程度目的を達成しているかを示す指標の一つの為、他の指標(例えば、コンバージョン率やリード獲得率)と組み合わせて総合的に評価することが必要です。

例えば、CTRが高くても、コンバージョン率が低い場合は、広告の内容と遷移先のサイトの情報に一貫性がない可能性があります。ユーザーが広告で興味を持ったとしても、その後サイトに遷移した際に、「思っていた内容と違った…」「求めいていた内容ではなかった…」とコンバージョンに至らないケースがあります。

その為、クリックの質も合わせて評価し、ユーザーが次のアクションに進むような工夫をすることが大切です。

CTRを改善する方法

コルクボードにランプが光っている絵が描かれた付箋が貼ってある図

CTRの向上は広告やページの効果を大きく左右します。ここでは、改善するための具体的な方法をいくつかご紹介します。


魅力的な見出しとコピーの作成

広告の見出しやリンクテキストは、ユーザーの注目を引く最初のポイントです。ユーザーにとって価値があり、明確なメリットを強調した見出しを作ることが重要です。

例えば、「今だけ限定!20%オフセール実施中」など、具体的なメリットを伝えることでCTRを向上させることができます。また、数字や緊急性を取り入れた見出しは、ユーザーの興味を引きやすくなります。

適切なターゲティング

広告が適切なターゲットに表示されているかどうかはCTRに大きく影響します。

例えば、リスティング広告では、キーワードの選定が重要です。ユーザーの意図を正確に捉えたキーワードを選ぶことで、興味を持つユーザーに広告を届け、CTRを向上させることができます。また、オーディエンスの特性や興味に基づいたターゲティングを行うことも効果的です。

関連記事

ターゲティングを「旅行の計画」で例えてみた


A/Bテストの実施

広告の見出しや画像、ターゲティング条件などを変更してテストすることで、最も効果的な要素を見つけることができます。

例えば、異なる見出しでCTRがどの程度変わるかをテストすることで、ユーザーに最も響くメッセージを発見することが可能です。A/Bテストを定期的に行い、最適化を続けることで、長期的な成果を生むことができます。

関連記事

ABテストとは?ABテストの手順や注意点を解説!


クリエイティブの改善

広告クリエイティブは、ユーザーの目を引く大きな要素です。

特にディスプレイ広告では、画像の選択やデザインがCTRに大きな影響を与えます。画像の色使いやフォントの選び方、シンプルでわかりやすいデザインを心掛けることが大切です。

また、ユーザーの感情に訴えるビジュアルや、商品やサービスの価値を強調する画像を使うことも効果的です。

モバイルデバイスとデスクトップでのクリック率の違い

モバイルデバイスとデスクトップでのクリック率の違い

近年、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからのアクセスが増加しています。これに伴い、モバイルデバイスとデスクトップでのCTRには顕著な差異が見られます。

一般的に、モバイルユーザーは短時間で情報を得ようとする傾向が強く、直感的な操作を好むため、モバイル向けに最適化された広告やコンテンツは高いCTRを獲得しやすいです。一方、デスクトップユーザーはじっくりと情報を閲覧する傾向があり、詳細なコンテンツや複雑な操作にも対応できます。

このようなユーザー行動の違いを理解し、デバイスごとに最適なコンテンツや広告を提供することが、CTR向上の鍵となります。

CTRとエンゲージメント率の相関関係

CTRとエンゲージメント率の相関関係

CTRは、ユーザーが広告やリンクをクリックする割合を示す指標ですが、その後のユーザー行動、すなわちエンゲージメント率とも密接に関連しています。高いCTRを達成しても、その後のページ滞在時間やコンバージョン率が低ければ、真の効果を得られているとは言えません。

したがって、CTRの向上だけでなく、ユーザーがサイト内でどのように行動するか、どれだけ価値を感じているかを測定するエンゲージメント率も同時に分析し、総合的な改善を図ることが重要です。

ソーシャルメディアにおけるクリック率の特徴と最適化

ソーシャルメディアにおけるクリック率の特徴と最適化

ソーシャルメディアプラットフォームでは、ユーザーの興味関心に基づく広告配信が行われており、他の媒体とは異なるCTRの傾向が見られます。

例えば、FacebookやInstagramでは、視覚的なコンテンツがユーザーの注意を引きやすく、画像や動画を活用した広告が高いCTRを獲得する傾向があります。また、ユーザーのフィードに自然に溶け込むネイティブ広告形式も効果的です。

各プラットフォームの特性やユーザー行動を分析し、それに合わせたクリエイティブやメッセージを設計することで、ソーシャルメディアにおけるCTRを最適化することが可能です。

成功事例から学ぶクリック率向上のヒント

成功事例から学ぶクリック率向上のヒント

CTRを高めるには、単に広告を出すだけでは不十分です。実際に成果を上げている企業の取り組みを見てみると、「ターゲティング」と「クリエイティブ」の最適化が共通の鍵となっています。ここからは、成功事例をもとに、クリック率を向上させるための具体的なヒントを解説します。

ターゲティング最適化による効果

ある大手ECサイトでの実践例では、ユーザーの行動データを詳細に分析し、配信時間とターゲット層の最適化を行いました。
その結果、特定の時間帯での広告配信効率が大幅に向上。業界平均と比較して、CTRが約40%改善したことが報告されています。特に、深夜帯での配信最適化により、費用対効果を維持したままCTRを向上させることに成功しています。

クリエイティブ改善による持続的な成長


あるアパレル企業では、具体的な数値やベネフィットを明記したクリエイティブは、抽象的な表現を用いたものと比較して、平均で25〜35%高いCTRを記録しています。

改善前改善後
「着心地の良い春アイテムが続々入荷中」「【春の新作】接触冷感素材のワンピース24色展開」
「トレンド商品をお求めやすい価格で」「トレンド商品が最大50%OFF|3,990円~」
「人気商品をチェック」「週間売上TOP10のアイテムをチェック」


他にも、「効果が実感できる」という抽象的な表現から、「1週間で具体的な成果を実現」という明確な表現に変更することで、有意なCTR改善が確認されています。


CTRの改善とマーケティング戦略の全体最適化

CTRの改善とマーケティング戦略の全体最適化

CTRを改善することは重要ですが、それ自体が最終的な目標ではありません。CTRはあくまで途中経過の指標であり、最終的にはコンバージョン率や売上の向上に繋げることが目標です。

そのため、CTRを他のKPIと組み合わせて考え、全体的なマーケティング戦略を最適化することが求められます。

例えば、CTRが向上してもコンバージョンに至らない場合、ランディングページの内容を見直す必要があります。広告とランディングページのメッセージが一致しているか、ユーザーにとって価値のある情報が提供されているかを検討し、最適化することが大切です。

もし、広告予算が限られている場合であれば、特に優先順位をつけた改善が必要になります。CTRが低い要素に焦点を当て、改善を積み重ねることで効果的なパフォーマンス向上が期待できます。
ボトルネックを捉え、必要な施策を行うようにしましょう。

クリック率の最適化における課題と対策

クリック率の最適化における課題と対策

CTRを改善する過程で直面する主な課題には、ターゲティングの誤りやクリエイティブの品質不足があります。これらの課題を解決するためには、定期的なデータ分析と最適化を続け、ユーザーの反応を元に改善を重ねていくことが大切です。

また、広告予算が限られている場合は、特に優先順位をつけた改善が必要です。CTRが低い要素に焦点を当て、改善を積み重ねることで効果的なパフォーマンス向上が期待できます。

例えば、クリック数が少ない広告では、ターゲット設定を見直して、より適切なユーザー層にリーチすることを目指しましょう。

CTR改善後に期待できる効果

CTR改善後に期待できる効果

CTRを改善することで期待できる効果として、トラフィックの質と量が向上します。それにより、以下のような効果も見込めます。

  • コンバージョン率の向上:クリック率が高まることで、サイト訪問者の数が増加し、その中からコンバージョンするユーザーの数も増加します。
  • コストパフォーマンスの向上:クリック単価(CPC)が変わらない場合、CTRが上がることで、より少ない広告費で同じ結果を得られる可能性が高まります。
  • ブランド認知度の向上:より多くのユーザーに広告がクリックされることで、ブランドの露出が増え、認知度の向上にも繋がります。

まとめ

まとめ

CTRは、広告やページのパフォーマンスを評価する上で欠かせない指標です。適切にターゲティングを行い、効果的なコピーやクリエイティブを活用することでCTRを向上させることができます。

ただ、CTRだけでなく他のKPIも合わせて捉え、マーケティングの全体的なパフォーマンスの最適化を目指すことが大切です。


成果を最大化

関連資料

成果を最大化する!効果的なWeb広告の実践法

Web広告で成果を上げるためには、「ターゲティング・クリエイティブ・運用改善」の3つの要素を的確に押さえることが重要です。本資料では、それぞれの要素について、基本原則や成果を引き出すポイントをわかりやすく解説。

GENIEE CX NAV1 編集部

「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」というパーパスを掲げる株式会社ジーニーの
CXプラットフォーム事業本部が運営しております!

Webマーケティングにおけるノウハウや
パーソナライズされた顧客体験を叶える最新情報など皆様のお役に立てる情報をお届けします。

関連記事

当ブログがおすすめしている記事