MAツールとは、マーケティング活動を自動化し、効率的に運用するためのツールです。
近年、顧客の興味関心が多様化する中で、このMAツールを導入する企業が増えています。
MAツールを活用することで、顧客一人ひとりのニーズに合わせた個別対応が可能となり、より効果的なマーケティングが実現できます。
しかし、MAツールの効果を最大限に引き出すためには、その仕組みや機能をしっかり理解しておくことが重要です。
本記事では、MAツールの機能やメリットについて、わかりやすく解説していきます。
MAツールでできること
まずはMAツールでどのようなことができるのかを見ていきましょう。
顧客情報の集約と管理
オンライン、オフライン問わず、様々なチャネルで入手した顧客情報を集約管理することができます。
Webサイト上で入手した顧客情報であればツールが自動登録してくれるほか、名刺のスキャン機能などを搭載しているツールもあります。
顧客の属性などの情報を充実させることで、各顧客に応じたマーケティング施策を展開できるようになります。
見込み顧客との定期接触
特にBtoB企業においては、商品・サービスの購入・契約に至るまで社内の承認プロセスを経るため、検討期間が長期化する傾向があります。
そのため、購入を検討している見込み顧客に対して、定期的に接点を持つ必要があります。
MAツールでは顧客の行動履歴を蓄積でき、顧客をセグメントに応じて分類することができます。
分類されたセグメントに応じてメールを自動で配信するなどの機能があるため、見込み顧客に対し定期的に接点を持つことができます。
確度の高い見込み顧客の選別
見込み顧客の中でも、特に商品やサービスの購入に至る可能性が高い顧客に対してアプローチできます。
例えば、料金ページの閲覧や資料のダウンロードといった特定のアクションが行われた場合、「確度の高いリード」として検出し、通知してくれる機能があります。
そのリードに対し、重点的にマーケティング施策を展開すれば機会損失を防ぐことができます。
MA施策の効果検証
マーケティング施策の成功率はGoogleやMicrosoftなどの大手企業でも3割程度と言われています。成功率を高め、マーケティング施策の費用対効果を向上するには、適切なPDCAサイクルを回す必要があります。
MAツールではメールの開封率やリンクのクリック率、コンバージョン率、Webサイトの閲覧履歴といった顧客の行動を分析する機能が搭載されています。
展開したマーケティング施策に対し、どれだけの顧客のアクションにつながったのか把握できるためマーケティング施策の改善につなげることができます。
MAツールの8つの主要機能
ここまでMAツールでできることについて解説してきました。次はMAツールの主要な機能を8つご紹介します。
前述の「MAツールでできること」と、どのように結びつくのかを意識しながら、チェックしてみてください。
MAツールでできること | MAツールの主な機能 |
---|---|
顧客情報の集約管理 | 顧客データの一元管理
他システムとの連携機能 LP/フォーム作成機能 |
見込顧客のナーチャリング(育成) | メール作成・配信機能
シナリオ作成機能 |
確度の高い見込み顧客の選別 | 行動検知機能スコアリング機能 |
MA施策の効果検証 | Webアクセス・行動解析機能 |
1. 顧客データの一元管理機能
MAツールには、さまざまなチャネルから取得した顧客情報を一元管理する機能があります。
具体的には、以下のような情報を収集・管理できます。
- 企業情報:業種、従業員数、売上高など
- 担当者の情報:部署、役職など
- 行動履歴:過去の取引情報、Webサイトへの訪問回数、資料請求履歴、セミナー申し込み履歴など
顧客ごとの詳細なデータを蓄積し、より精度の高いマーケティング施策を実行できるようになります。
2. 他システムとの連携機能
営業活動を仕組み化するSFAや、顧客情報を集約するCRMと連携する機能です。
- SFA(セールスフォースオートメーション):
商談から成約までを管理するシステムです。見込み顧客の情報、商談内容、進捗状況を記録します。
- CRM(カスタマーリレーションマネジメント):
既存顧客との関係を管理するシステムで、成約状況、商談内容などを管理します。
MA、SFA、CRMは共通する情報を管理するケースが多いため、スムーズに連携できる機能が搭載されています。また、別ツールを利用している他部署ともデータを共有しやすくなるというメリットがあります。
3. LP/フォーム作成機能
ランディングページ(LP)や資料請求・問い合わせフォームを作成する機能です。
LPとは製品やサービスの魅力を1ページで伝え、資料請求や問い合わせを促すためのページです。
MAツールを活用すると、LPやフォームの作成・管理を一括で行い、申し込みデータの分析も可能となります。
さらに、コンバージョンデータを蓄積することで、クロスセルやアップセルの戦略にも活かすことができます。
4. メール作成・配信機能
MAツールには、メールを作成し配信する機能が備わっています。テキストメールだけでなく、デザイン性の高いHTMLメールも作成できます。
また、顧客全員に一斉送信はもちろん、顧客セグメントや興味関心事に応じたメールの配信も可能です。
さらに、開封率やクリック率などを計測することができるため、それらのデータを活用しながら、効果的なメールを配信することで、より高い効果を期待できます。
5. シナリオ作成機能
シナリオ作成機能は見込み顧客の成約に至るまでの行動を予測し、最適なタイミングとアプローチ方法を自動化する機能です。
例えば、セミナー終了時刻にメール配信するといったアクションや、メール未開封者に対して、別タイトルのメールを配信するといったアクションを自動で実行することができます。シナリオを設定することで顧客に対するアプローチの抜け漏れを防ぎ、より効果的なマーケティング施策を実施できます。
6. 行動検知機能
行動検知機能とは顧客が特定の行動をとった場合に通知してくれる機能です。
例えば、メールの開封やWebサイトの訪問、料金ページの閲覧などがトリガーになります。顧客が検討度の高いアクションを実行した際、迅速に対応することが可能となります。
7. スコアリング機能
スコアリング機能とは見込み顧客の購入意欲を点数化し、成約の可能性を測定する機能です。
例えば、「メールを開封したら1点」「資料請求をしたら5点」「お問い合わせは10点」というように、顧客の行動に応じてスコアを累積し、一定の点数に達したら購入を促すメールを送信したり、特典を案内するなどの施策に活用ができます。
購入意欲が高い顧客を見極め、効率的にアプローチできることが特徴です。
8. Webアクセス・行動解析機能
Webアクセス・行動解析機能は、見込み顧客のWebサイト上での行動を分析する機能です。
具体的には、「サイトへの訪問数」「閲覧ページ数」「サイト内遷移」「クリック数」などを計測できます。
これらのデータをもとに、顧客の興味関心を把握し、適切なタイミングでメール配信や広告施策を実施することができます。
行動データを活用することで、より精度の高いマーケティングが可能となります。
MAツールを導入して得られるメリット
ここまで、MAツールの主要な機能について解説しました。
ここからは、MAツールを導入することで得られる具体的なメリットを3つ紹介します。
マーケティング施策の自動化
MAツールではWebサイト閲覧情報の解析、スコアリング、メール作成・配信を自動で実行できます。
そのため、リードの検知からメール配信まで自動で実行することができ、効率的にリードにアプローチすることができるようになります。
また、これまで解析やメールの作成などに費やしていた時間は他の業務に充てることができるようになるため、業務効率化を図ることもできます。
営業部門とマーケティング部門のデータの一元管理
顧客が商品やサービスを購入するまでに収集されるセミナー申し込み履歴などの顧客情報や取引先情報、購入履歴は従来では関連部署で分散して管理するのが一般的です。
MAツールを導入することでSFAやCRMで管理するデータも一元管理し、より効果的なマーケティング施策を展開することができます。
CRMについてはこちら: CRMとは?BtoC事業における活用方法やメリットを解説!
確度の高い顧客獲得ができる施策を行える
様々なデータを横断的に分析し改善することで、顧客獲得の可能性を最大限高めることができます。
Webサイトの訪問履歴や配信メールのクリック数など、あらゆる接点から顧客の行動分析が実行でき、マーケティング施策をより効果的に展開できるようになります。
MAツールを導入する手順
MAツールを導入することでマーケティング施策をより効率化し効果を最大化できます。ここからは、MAツールの導入手順を解説します。
1. 自社の課題を明確にする
MAツールを効果的に活用するためには、まず自社の課題を整理することが重要です。
課題を分析することで、自社にとって本当に必要な機能が明確になり、最適なツール選定が可能となります。
また、現状を見直すことで、MAツールの導入によって業務をどのように改善できるかが具体的にイメージできるようになります。
2. MAツールの選定をする
課題を明確にし、必要な機能を特定したらツールの選定に入りましょう。
自社に必要な機能の有無はもちろんのこと、価格や導入サポート体制、使いやすいUI/UXかどうかも選定ポイントとなります。
3. MAツールの設計とフローを構築する
ツールを選定したらMAツールの設計とフローの構築に進みます。
蓄積するデータの範囲やインプット元の設定、ダッシュボードの項目を決め、効果的にツールを活用できるようにします。
また、ペルソナの設計やカスタマージャーニーマップの策定、コンテンツの内容作成といったマーケティングシナリオの設計も重要です。
4. 他部門との連携を強化する
MAツールの効果を最大限引き出すには、マーケティング部門だけではなく、他部門と連携して活用することが重要です。
特に、営業部門との連携は欠かせません。営業担当者は顧客との直接的な接点を持ち、貴重な情報を日々蓄積しています。
マーケティングと営業が密に連携し、役割分担を明確にしたうえで、情報をスムーズに共有できれば、より質の高いリード獲得や成約率の向上に繋がります。
MAツールを軸とした部門間の協力体制を整えることで、ビジネス全体の成果を高めることが期待できるでしょう。
まとめ
MAツールはマーケティング施策を自動化し効率化するツールです。
MAツールを導入することで複数の部門に散在していた顧客データを一元管理できるほか、購入確度の高いリードの獲得にもつなげることができます。
また、様々なデータを蓄積することで多様な観点から改善策を見つけることができます。
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さらに、顧客の興味関心に応じたコンテンツの配信が可能で、SMSやLINEなどの多彩な配信チャネルにも対応。
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