営業の属人化とは?成功事例から学ぶ5つの解消方法を徹底解説
営業組織の運営でよく見られる課題に「営業の属人化」があげられます。属人化を放置すると、業務をどのように進めているのか、進捗の把握ができないなど、事業が抱える営業課題がどこにあり、対策できているのか確認に時間がかかるのがデメリットです。
とはいえ、営業の属人化はさまざまな課題や問題が絡み合うため、簡単に解消することが難しいのも事実です。
この記事では、営業の属人化を解消したい方へ向けて5つの方法をご紹介します。営業の属人化の基礎知識から原因を解説するほか、属人化を解消できた成功事例も紹介しますので、あわせてご参照ください。
この記事を読んでわかること |
✔︎ 営業の属人化が起きてしまう代表的な原因 ✔︎ 営業の属人化を解消するために必要なこと ✔︎ 営業の属人化に解消した成功事例 |
営業の属人化とは?
営業の属人化とは、業務のプロセスや営業ノウハウ、お客様とのお約束などが案件を営業担当者にしかわからない状態を指します。「進めている業務の進捗度合い」なども把握しづらいため、チーム一丸となって生産性を引き上げるのは難しい状態が営業の属人化です。
営業の属人化とは、以下のような状況があげられます。
- 顧客とのやり取りを営業担当者しか把握していない
- 営業ノウハウをチーム全体に共有できず各々が試行錯誤してしまう
- 最適化されていない手順やプロセスなど課題を見える化できない
- トップセールスマンに依存した営業成果になってしまう
たとえば、顧客からの問い合わせが部署にあった際、担当者との情報共有がうまくできていなければスムーズな連携も図れず、顧客満足度が低下してしまう恐れもあります。また、ノウハウも共有されないため、新人の教育なども効率的に行えない状況も営業の属人化による影響です。
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営業の属人化が起きてしまう3つの原因
営業の属人化が起きてしまう3つの原因に、以下の要因が挙げられます。ここでは、営業の属人化が起きてしまう3つの原因について解説します。
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情報やノウハウを共有するメリットがない
営業の属人化が起きてしまう原因に、情報やノウハウを共有するメリットがない点が挙げられます。たとえば、個人の成果によるインセンティブ比重が大きく、周囲がライバルとして扱われてしまう事例です。
個人インセンティブに比重が置かれてしまうと、「営業部署」としてチーム一丸となって連携することが難しくなってしまいます。場合によっては、できる限り営業活動に時間を使いたいと属人化を促進してしまう可能性も否めません。
情報やノウハウを共有するメリットがないことが原因で営業の属人化が起きている場合は、「個人ではなくチームで取り組む面にベネフィットを置く」などの対策が求められます。
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営業プロセスが標準化されていない
営業プロセス自体が標準化されていないことも、属人化しやすい原因のひとつです。個々で異なるアプローチ方法や応対を実施していると、マニュアルなどが整わず、手順自体が属人化してしまうのは避けられません。
また、個々で営業成果が大きく変動するため、どのような営業活動が効率的なのかデータに基づく判断がしにくくなってしまうのも課題です。顧客管理も個人に依存しやすいため、退職時に顧客を抱え込まれてしまうリスクにも繋がります。
営業プロセスのばらつきが原因で営業の属人化が起きている場合は、まず「営業プロセスを標準化・マニュアル化する」などの対策が求められます。
情報共有・蓄積の体制が整っていない
営業の属人化が起きてしまう根本的な原因に、情報共有・蓄積を行える体制が整っていない点が挙げられます。
「テンプレートの定まっていないチャットツール」「週一のミーティング」で済ませているなど、スムーズな情報共有を行える環境が整備されていないため、進捗報告等が後回しになり、結果として営業活動が属人化してしまう事例も少なくありません。
情報の共有や蓄積を行えるプラットフォームがなければ、営業活動を優先してしまい、ノウハウのシェアが能動的に行われにくいのも事実です。出先や移動中でも簡単に進捗状況をリアルタイムで共有できるような環境を整備すると、情報共有や蓄積がしやすくなります。
情報共有・蓄積の体制が整っていないため営業の属人化が起きている場合は、「クラウド対応のSFAツールなどを導入する」などの対策が求められます。
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営業の属人化によるデメリットについて
営業の属人化が起きてしまうとさまざまな不利益があるため、できる限り属人化を防ぐ対策が必要です。
営業の属人化を放置するデメリットは以下のようなものが挙げられます。ここでは、営業の属人化によるデメリットについて解説します。
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デメリット①:営業活動の管理ができなくなる
営業が属人化してしまうと、営業活動の管理ができなくなるデメリットがあります。管理ができないと営業のアプローチ手法を標準化できず、個々の担当者が自分の得意な営業手法を取り入れてしまう可能性があります。
その結果、どのように営業活動を進めるかの統一化が難しくなる点がデメリットです。加えて、進捗や成果状況を管理できない問題もあります。個々の担当者にフィードバックやマネジメントを行いにくくなるため、業務の効率化やノウハウの共有を実現しにくくなるのも事実です。
さらに、応対履歴などを参照しにくいため、担当者不在時にかかってきた顧客からの問い合わせへスムーズに対応できないのもデメリットのひとつ。顧客満足度の低下を招くほか、組織全体への不信感を抱かれてしまうリスクに繋がります。
デメリット②:社内にノウハウが残らない
営業が属人化すると、社内にノウハウが残らなくなってしまうのは避けられません。対応手法などの成功・失敗事例や、業務に関するスキルが属人化してしまい、組織として営業活動を行えなくなってしまいます。
その結果、どのようなアプローチ手法が営業効率を引き上げられるのか、データに基づく営業手法の開拓がしづらくなってしまうのも事実です。また、一人ひとりに合わせた指導ができないため、効率的な新人教育もしにくくなってしまいます。
加えて、対応履歴なども一元管理できないため、営業担当の引き継ぎ時に大きな手間がかかってしまうのもデメリットです。属人化している情報をヒアリングする必要があるほか、聞き漏れがあると顧客へ同じ質問をしたり、対応遅れなどが発生して大きなトラブルに繋がる可能性もあります。
営業の属人化を解消する5つの方法とは?
営業の属人化が起きる原因には「情報やノウハウを共有するメリットがない」「営業プロセスが標準化されていない」「情報共有・蓄積の体制が整っていない」などが挙げられます。
言い換えれば、上記の課題を解決する方法を導入すると、営業の属人化を解消する効果が期待できるのも事実です。具体的には、以下の5つの方法が挙げられます。ここでは、営業の属人化を解消する5つの方法についてそれぞれ解説します。
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情報共有をする文化を作る
営業の属人化を解消するには、情報共有を行う社内文化が大切です。定期的に営業マン同士の交流や、ノウハウを共有できるような場所づくりも重要ですが、仕組みだけでは定期的に情報共有が行われなくなる可能性もあります。
情報共有をする文化を作るには、「自主的に情報共有をやりたくなる」場所づくりが大切です。文化づくりには、情報共有を行うために定例ミーティングを行うだけでなく、参考になる情報共有に特典を付与すると、情報共有を主導的に行う文化を構築できます。
たとえば、チャットで情報共有を行ったとき、「ついたリアクションに応じたポイントで豪華特典を獲得できる」などの仕組みを作ると、自然と情報共有が行われやすくなります。
社内の営業プロセスを標準化する
個々のスキルに頼りがちな状況では、営業の属人化から脱することはできません。そのため、社内の営業プロセスを標準化する必要があります。経験豊富なトップセールスマンや、マネジメントに深く携わった人材より、どのような業務プロセスを標準化するか打ち合わせましょう。
成果を挙げている営業担当の意見を聞いて、標準化すべき営業プロセスを定めます。高度なスキルが求められるノウハウは再現性が低くなるため、あくまで「標準化しやすい営業プロセス」を選定することが大切です。
情報共有の仕組み仕込み化を進める
営業の属人化を防ぐために、情報共有の仕組み化も大切です。どのような情報を共有するのか、共有するタイミングなどを予め定めておきましょう。ただし、突然すべての情報を管理しようとすると大きな手間がかかり、把握漏れなどのトラブルも起きてしまうのも事実です。はじめは各情報に優先順位をつけて、スモールスタートするのをおすすめします。
たとえば、「1.取引先の担当者情報や対応履歴」「2.案件の進捗や商談内容、行動の履歴」「3.顧客へどのような資料を提示したのか、実施結果や改善案のまとめ」「4.組織や個人における目標の進捗や達成度」などの順で情報共有の仕組み化を進めましょう。
また、「どのようなフレーズでアプローチを試みたのか」などを含めてデータを残せば、成約率を高めやすい営業手法などを可視化できます。その結果、属人化したセールスマンの感性ではなく、データに基づく営業方法を策定できるのもメリットです。
営業プロセスを見える化して目標を設定する
営業プロセスを見える化して、目標を設定することも営業の脱属人化に重要です。個人の目標やチーム全体の目標を設定し、それぞれの進捗や達成度合いを把握できるようにすれば、各々のモチベーションに繋がります。
また、進捗や達成度合いが可視化されることで、各営業担当者のやる気を引き出せるのもポイントです。特に、チーム全体の目標を重視するような人事制度や評価制度を取り入れれば、より脱属人化を推し進めやすくなります。
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ITツールを導入する
営業の属人化を防ぐ方法のひとつに、ITツールを導入するのも選択肢としてあげられます。特にSFAツールなどの営業支援システムは、担当者や対応履歴を含んだ顧客情報や、過去の営業手法などをデータ化して保存できるメリットがあります。
また、「GENIEE SFA/CRM」などのSFAツールなら、スマホ1つで情報共有が行えるのも特徴です。案件の進捗状況なども出先で簡単に更新できるようになるため、情報共有するための負担を低減し、仕組みが部署内に浸透しやすくなるメリットもあります。
営業部門の属人化を解消するツールには、SFA以外にもCRM、チャットボット、文書管理システムなどさまざまな選択肢があります。
Excelやスプレッドシートで情報共有を行っている企業も少なくありませんが、情報漏洩のリスクやフォーマット崩れなどのトラブル事例があるのも事実です。営業の属人化を解消することに長けたSFAツールなら、知らないうちに発生するフォーマット崩れや、更新されにくいなどの課題を避けやすいメリットがあります。
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蝶理株式会社様では、「営業活動が属人化しており重要書類等の共有や引継ぎができていない」「忙しいプレイングマネージャーが多く、案件フォローに時間を要する」「見積もりの社内承認フローが整っていないことにより、利益の損失が生まれていた」など営業の属人化を始めとするさまざまな課題を抱えておられました。
1つの案件に1人の営業担当者しかついていなかったため、案件を情報共有する習慣がないことが問題に。そのため営業情報が属人化し、途中で異動や退職があると、社内で情報が引き継がれていないトラブルに見舞われてしまいました。
そこで、使いやすい画面とカスタマイズ性に魅力を感じて「GENIEE SFA/CRM」をご導入いただきました。シンプルな操作画面がお手軽で、システムに不慣れな現場メンバーもすぐに使いこなせたとのこと。加えて、特殊な営業体制に合わせてカスタマイズできるため、運用体制に合わせて柔軟に項目を変化できる仕組みもお選びいただいた理由だと述べられています。
さらに、「GENIEE SFA/CRM」は進捗管理なども一元管理できるため、マネジメント層が案件進捗を逐一確認・流れるような承認フローを実現できた点も魅力だと高くご評価いただいています。
商社特有の属人化した営業活動を可視化!ワークフロー機能の活用により営業組織のステップアップを実現
まとめ
営業活動では、個人の成果に比重を置いた評価システムだったり、情報を共有する文化づくりがされていなかったりすると、属人化が進んでしまう事例も少なくありません。営業活動が属人化してしまうと、顧客情報の共有がスムーズにできないだけでなく、データに基づく経営判断が行いにくいデメリットもあります。
そのため、「情報共有をする文化を作る」「社内の営業プロセスを標準化する」「情報共有の仕組み化を進める」「営業プロセスを見える化して目標を設定する」「ITツールを導入する」などの対策を取り入れるのがベストです。
特に、優秀な情報共有者には特典があったり、専用ツールでスムーズな情報共有がしやすい環境づくりをしたりすれば、営業の属人化を防ぎやすくなります。
営業活動の属人化にお悩みの方は、ぜひこの機会に「GENIEE SFA/CRM」のご利用をご検討ください。「GENIEE SFA/CRM」では顧客情報の一元管理から承認フロー、出先でもスマホ1つで情報共有ができるなど、営業活動の属人化を防ぐ仕組みが多数搭載されています。
顧客情報の共有からアプローチ手法の保存まで、幅広い機能をスポット的に搭載できるため、興味をお持ちいただけましたらぜひお気軽にお問い合わせください。