顧客ニーズの把握方法5選|潜在ニーズを引き出すフレームワークと分析手法

【この記事のまとめ】
顧客ニーズとは、顧客が抱える「理想と現実のギャップ」を埋めたいという欲求。 単なる「欲しいもの(ウォンツ)」ではなく、その背後にある「解決したい目的」を指す。
顧客ニーズ把握のポイント
- 顕在ニーズと潜在ニーズ: 自覚のある悩みだけでなく、無意識下の課題を見抜くことが重要。
- 代表的な把握方法: 5 Why分析、ソーシャルリスニング、RFM分析、JTBD(ジョブ理論)など。
- ヒアリングのコツ: 「なぜ?」と問い詰めず、背景や理想の状態を伺う質問に変換する。
- データ活用: SFA/CRMで行動履歴を可視化し、ニーズの変化を予測する。
失注の原因は「ニーズの取り違え」にある。本音を見抜くプロの視点
「顧客の要望通りに提案したのに、失注した」「ニーズは把握しているはずなのに、競合に勝てない」……。 そんな悩みを抱える営業・マーケターは少なくありません。
実は、顧客が口にする「〇〇が欲しい」という言葉をそのまま信じているうちは、プロの仕事とは言えません。なぜなら、顧客自身も「自分が本当に解決すべき課題」に気づいていないことが多いからです。
本記事では、顧客の「建前」を剥がし、成約に直結する「本音」を引き出すための、具体的かつ実践的な手法を解説します。
「IT×営業 お役立ち資料」無料eBookダウンロードはこちら!
【結論】顧客ニーズとは?
顧客ニーズとは、顧客が抱える「理想と現実のギャップ」を埋めたいという欲求のことです。
単に「何かが欲しい」という状態(ウォンツ)ではなく、その背後にある「解決したい課題」や「達成したい目的」を指します。
- ニーズ(Need): 目的。例「業務を効率化して残業を減らしたい」
- ウォンツ(Want): 手段。例「最新のSFAツールが欲しい」
顧客ニーズには、自覚がある「顕在ニーズ」と、無意識下に隠れた「潜在ニーズ」の2種類があります。現代のビジネスでは、顧客自身も言語化できていない「潜在ニーズ」をいかに予測・特定できるかが差別化の鍵となります。
【リアルな現実】ニーズとウォンツの混同が「失注」を招く

現場で最も多い失敗は、顧客の「ウォンツ(手段)」を「ニーズ(目的)」と勘違いすることです。
- 顧客の言葉(ウォンツ): 「もっと低価格なツールを探している」
- 営業の勘違い: 「価格が最優先ニーズだ。値引きしよう」
- 真のニーズ(本音): 「社内の承認を通すために、投資対効果(ROI)を明確にしたい(価格はその一部に過ぎない)」
このように、顧客の言葉を鵜呑みにすると、本質的な課題からズレた提案になり、最後は「価格競争」に巻き込まれて疲弊します。
顧客の「本音」に辿り着くための2つの層
AI時代、検索すれば誰でも「答え」に辿り着けるからこそ、
プロには「言語化されていない領域」へのアプローチが求められます。
① 顕在ニーズ(氷山の一角)
顧客が自覚しており、口に出す要望です。「残業を減らしたい」「売上を上げたい」など。ここは競合も全員狙っているため、価格競争になりやすい領域です。
② 潜在ニーズ(海面下の巨大な塊)
顧客自身も気づいていない、あるいは言葉にできていない欲求。「実は、部下とのコミュニケーション不全が根本原因だ」「本当は、他部署へのメンツを保ちたい」など。
ここを突き止めると、顧客からの「そんなことまで考えてくれたのはあなただけだ」という絶大な信頼(マインドシェア)を得られます。
現場で即役立つ!ニーズ把握のフレームワーク5選
5 Why分析(なぜを5回繰り返す)
対人ヒアリングでは「なぜ?」と詰め寄るのではなく、「〇〇を実現したい背景には、どのような課題があるのでしょうか?」と、柔らかく深掘りします。
ソーシャルリスニング
アンケートには「綺麗な回答」しか並びません。X(旧Twitter)や口コミサイトで、自社・他社製品の「生々しい不満」を拾い上げることで、市場が本当に求めている「逃げ場のないニーズ」が見えてきます。
インサイダー・ヒアリング
決裁権者本人ではなく、現場の担当者や、過去に取引のあった窓口から「社内の力学」や「過去の失敗談」を聞き出すことで、組織特有の潜在ニーズを特定します。
RFM分析(行動は嘘をつかない)
言葉よりも「過去にいくら払ったか」「どれくらいの頻度で検討しているか」という行動データの方が、その人のニーズを正確に物語ります。
JTBD(片付けたい仕事)理論
「顧客はその商品を使って、どんなジョブ(仕事)を完了させたいのか?」という視点。
- 例:スターバックスに行くのは「コーヒーを飲むため」ではなく、「落ち着いて仕事をする場所を確保するため」というジョブ。
【実践】相手を不快にさせず「本音」を引き出す質問フレーズ集

顧客の真のニーズを探る際、直接的な問いかけは相手に圧迫感を与え、心理的ハードルを上げてしまいます。プロは「なぜ」という言葉を別の表現に変換し、相手が自然に心を開くようにナビゲートするのです。
| 目的 | 変換フレーズの例 |
| 背景を伺う | 「どのような背景から、ご検討を始められたのでしょうか?」 |
| 理想を伺う | 「今の運用で、本当はもっとこうなればいいのにと感じる部分はありますか?」 |
| 影響を伺う | 「その課題が解決されることで、現場の業務にはどのような変化が生まれますか?」 |
| 優先順位を伺う | 「あえて今、一つだけ解決するとしたらどれになりますか?」 |
| 仮定で伺う | 「もし予算や工期の制限がなかったとしたら、一番手を入れたいのはどこですか?」 |
4. データ活用が「勘」を「確信」に変える
プロの勘は鋭いものですが、組織として再現性を持たせるにはテクノロジーが不可欠です。
特にB2Bビジネスでは、顧客の検討期間が長いため、「過去の接点履歴」からニーズの変化を読み解く必要があります。
- 「最近、急にFAQの『セキュリティ』のページを何度も見ている」
→ 顕在ニーズは「機能」でも、潜在的には「導入の安全性を上申するための材料」を欲しがっている可能性が高い。
このように、顧客の足跡(データ)を「GENIEE SFA/CRM」のようなツールで可視化することで、最適なタイミングで「刺さる提案」を打ち込めるようになります。
まとめ:選ばれる理由は「ニーズの先回り」にある
顧客ニーズを把握する本当の目的は、顧客を驚かせることです。 「そうそう、それが知りたかったんだよ」という言葉を引き出せたとき、競合比較は無意味になります。
データとフレームワークを武器に、顧客の「最高の理解者」を目指しましょう。
関連おすすめ記事































