図解でわかる
「SaaS」の正体
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よく聞くIT用語の⼀つである「SaaS」。
実は、何を指すのか詳しくは知らないという⽅も多いのではないでしょうか。
そんな⽅のために、SaaSの概要を図解しながら分かりやすくまとめました。
そもそも「SaaS」とは?
SaaSとは、「Software as a Service」の略で「サース」または「サーズ」と読みます。
SaaSは、ソフトウェアの提供形態の1つで、インターネットを通じてクラウド上でソフトウェアが利⽤できる形態のことを指します。従来のソフトウェアはパッケージ型で提供され、利用にはライセンス購入が必要でした。一方、SaaSはソフトウェアをインストールする必要がなく、インターネットが使える環境であれば誰でも・どこからでも利用することができます。
そして、課金の仕⽅も従来の買い切りモデルではなく、継続的に課金するサブスクリプションモデルが一般的となっています。
SaaSのメリット
1.導入コストが低い
ベンダーが提供するクラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由して利⽤するため大幅に初期費用が抑えられるほか、サーバーやストレージなどの構築・管理作業は必要ありません。このため、導入への準備期間も短縮できます。
2.メンテナンスの手間がかからない
ベンダーによってサービスが⾃動でアップデート・更新されるため、常に最新機能を使用することができます。また、セキュリティ面でも最新状態が維持されます。
3.必要な機能だけ利用可能
必要なタイミングで必要な機能を選んですぐに導入することができます。利便性が高く、導入費用を抑えることができます。
従来のパッケージ型提供は、導⼊時に⾼額の購入費用がかかったり、⼿動でアップデートを⾏わなければならなかったりと不便な部分も少なくありませんでした。
ソフトウェアの購入費用やアップデートの料⾦もライセンス料に含まれるため、導⼊コストを抑えつつ、コストの平準化が期待できます。またインターネット環境さえあれば、基本的にはどこからでもいつでもアクセスできる利便性もSaaSならではの魅⼒の⼀つです。
「SaaS」の市場規模
SaaSという⾔葉が⽣まれる前から、ASP(Application Service Provider)としてネットワークを通じたソフトウェアの提供は⾏われていました。
2006年頃からアメリカ国内でクラウドという概念が浸透し始め、クラウドコンピューティング上で提供されるソフトウェアをSaaSと呼ぶようになり、世間に浸透していきました。
その後もSaaSは進化を続け、2023年のデータでは、日本国内の市場規模は約1.4兆円。
そして2027年には2兆円を超えると予測されており、国内でも最も注目されている市場の一つです。
Source:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版/2021年版/2022年版/2023年版」より見込および予想値
「SaaS」の種類
SaaS業界には、顧客関係管理(CRM)、プロジェクト管理、コラボレーションツール、会計・財務管理、マーケティングオートメーション、カスタマーサポート、データ分析・ビジネスインテリジェンス(BI)、通販支援(E-commerce)、サイバーセキュリティなど、多岐にわたるツールが存在します。
おおまかなジャンルだけでも、これだけ多岐にわたるソリューションが揃っています。もちろん、ここには載っていないサービスも数えきれないほどあり、今も新しいサービスが⽣まれています。これだけ⾒てもSaaSの可能性が伝わってきます。
「SaaS」の今後
着実に成⻑を続け、今やビジネスのあらゆるシーンに浸透しているSaaS。
すでに、市場のニーズに⼗分に応えているようにも思えますが、進化の余地はどこにあるのでしょうか。
今後、社会からSaaSに寄せられる期待はどのように変化していくのか。
そしてその期待に、どのように応えていくことになるのでしょうか。
最後に、私たちなりに今後のSaaSを予測する上でのキーワードをピックアップしてみました。
ぜひ、皆さんも今後SaaSはどう進化していくのか、考えてみてください。
AI
AIを⽤いた⾃動化の流れは加速を続けています。代表的な例はチャットボット。過去のやりとりを学習させることで⾃動応答を可能にしたチャットボットは、顧客対応場⾯で既に多く⽤いられています。さらに、広告配信やマーケティングの領域でもAI導⼊のムーブメントが⾒られます。今後、AI対応はSaaS業界の⼤きなテーマの⼀つになっていくでしょう。
コンサルティング
ITの進歩に伴い、SaaSも進化を続けています。あらゆる機能が充実し、利便性が⾼まっている⼀⽅で、機能が豊富であるが故にシステムを使いこなす難易度も上がりつつあります。単にシステムを提供するだけでなく、どこでどのような機能を使うことで価値を最⼤化できるのか。運⽤を支援するITコンサルティングの必要性は⾼まっていくのではないでしょうか。
iPaaS
iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、「クラウド総合プラットフォーム」とも呼ばれ、近年目覚ましく進化している分野です。iPaaSを用いることで、組織内外にあるオンプレミスシステムや複数のクラウドベースのシステム(SaaS)を組み合わせ、連携させることができます。
現代では様々なシステムを導入している企業が増えています。例えば請求書システムは○○、顧客情報システムは○○、売上管理システムは○○など、データの同期・統合が複雑となり結果、マネジメントに多くの労力やトラブルが発生する原因を作っています。
そこでiPaaSを導入すると、バラバラに管理されていたデータを統合し、システム間の連携がシームレスな状態を作ることが可能となります。SaaSの普及に伴い、今後iPaaSの普及率もさらに上がる見込みです。