CDP×LINE連携による顧客データ統合・効率化事例

顧客接点の多様化に伴う営業現場の課題

現代の営業組織は顧客データの複雑化という新たな課題に直面しています。
この背景には、顧客接点の多様化とデータ分散があります。顧客は複数のチャネルを使い分け情報収集を行うことで、各チャネルに顧客データが分散し、効率的な営業活動を阻害要因にもなっています。
例えば以下のように顧客接点と得られるデータが分散しています。
チャネル種別 | 具体例 | 蓄積されるデータ |
---|---|---|
デジタル | Webサイト、SNS、メール | 閲覧履歴、問い合わせ内容、反応率 |
オフライン | 店舗、展示会、セミナー | 来店履歴、商談内容、参加状況 |
コミュニケーション | 電話、LINE、チャット | 通話記録、メッセージ履歴、対応履歴 |
営業支援システム | SFA、CRM、MA | 商談進捗、顧客属性、マーケティング施策履歴 |
顧客の全体像が見えない営業活動の弊害
データが分散し顧客の全体像が見えづらくなると以下のような課題が生まれます。
- 複数チャネルの顧客行動データが分散し、統合的な分析ができない
- 顧客の真のニーズや購買意向を正確に把握できない
- 適切なタイミングでのアプローチができず、営業機会を逸失
- データ活用の限界による競争力低下
- 蓄積された顧客データを営業戦略に活かしきれない
- 顧客一人ひとりに最適化されたアプローチができない
- データドリブンな営業活動への転換が進まない
など
これらの課題は、オンライン・オフライン両方で顧客接点を持ち、継続的な顧客フォローで長期的な顧客との関係構築が求められる業界では特に弊害があります。
次章では、これらの根本原因である「データのサイロ化」について詳しく見ていきましょう。
データのサイロ化が招く弊害

上記の図のようにデータが各ツール毎に分散しサイロ化することで業務の現場で以下のようなを問題を招きます。
システム間連携不備
- SFA、CRM、MAが個別運用され、リード情報の引き継ぎが不完全
- オンプレミス(自社サーバー設置型)システムと営業ツール間の情報断絶
- リアルタイムでの在庫・価格情報共有ができない
手作業によるデータの突合の限界
- 経理・会計データと営業実績の分離により、正確な収益性分析が困難
- 複数システムからのデータ抽出・突合作業に月20-30時間を要する企業が多数
- 担当者の人件費換算で月10-15万円相当の工数が発生
- 手作業による転記ミスやデータ不整合のリスクが常に存在
上記を一例としてデータのサイロ化は社内で様々な弊害を生み出し、全社の生産性向上の妨げとなります。

次章では、これらの課題を解決するCDPの具体的な機能とLINE連携によって得られるメリットについて解説していきます。
CDP×LINE連携により産み出される効果

これまで見てきたデータ分散の課題を解決する具体的な手段として、CDP(カスタマーデータプラットフォーム:顧客情報を一元管理・分析するシステム)とLINEの活用連携による営業活動の効率化について注目が集まっています。
CDPツール3つの主要機能
昨今、顧客との接点においては、オンライン・オフライン問わず複数の販売チャネルが存在し、それぞれで顧客接点とデータの収集機会が生まれています。
各ツールの仕様やデータ格納形式が統一されていないことが多く、従来は各チャネルのデータを手作業で集約・整理する必要があり、多大な時間とコストを要していました。
CDPツールの出現により、これら人が行っていた作業プロセスがほぼ完全に自動化され、リアルタイムでの情報統合が実現します(一部リアルタイム性を求めない領域にはバッチ処理という手法も採り入れられています)。
CDPを採り入れることでどのようなメリットや世界観があるのか触れていきたいと思います。
部門横断的なデータ活用の実現
多くの企業では、営業部門、マーケティング部門、カスタマーサポート部門がそれぞれ独自のシステムで顧客情報を管理しており、情報の分断が発生しています。
この状況では、顧客の全体像を把握することが困難で、一貫性のある顧客対応ができません。
CDPは、これらの分散した情報を統一的に管理し、組織全体での情報共有を可能にします。
高度な分析基盤との連携統合された顧客データは、営業戦略の最適化において重要な役割を果たすのです。
特に、マーケティングオートメーション(MA)との組み合わせにより、顧客解像度があがった状態で個々の顧客に最適化されたアプローチが可能となります。
フルファネルマーケティングの実現
CDPとLINE連携により、フルファネルマーケティング(認知から購買、顧客維持までの全プロセスを一貫して最適化するマーケティング手法)が可能になります。
認知から購買までの一気通貫した営業活動
- 初回接触から成約まで、すべてのタッチポイントでデータを蓄積
- 各段階での顧客行動を分析し、次のアクションを最適化
- ボトルネックの特定と改善による全体的な成約率向上
圧倒的なリーチ力と高いエンゲージメント
LINEの強みは何と言っても利用人口は国内1億弱ともいわれる圧倒的なリーチ力と高いエンゲージメントにあります。
- 従来のメール配信(開封率20-30%)を大幅に上回る60-80%の高い開封率
- 月間アクティブユーザー9,500万人という国内最大級のユーザーベース
- 即時性の高い双方向コミュニケーションによる迅速な顧客対応
精密なターゲティング・セグメンテーション
- 蓄積された行動データに基づく最適なアプローチタイミングの特定
- 顧客セグメントに応じた効果的なメッセージ配信
- 購買後の継続的な関係構築とアップセル機会の創出
CDP×LINE活用によるベネフィット

これまで解説してきたCDP×LINE連携基盤を実際の営業現場で活用するために、具体的なアプローチ手法について詳しく見ていきましょう。営業DX推進者が実際の現場で活用できる3つの核となる手法を解説します。
精密なターゲティング
全チャネル統合によるセグメント構築CDPの最大の強みは、オンライン・オフラインを問わず、あらゆる顧客接点のデータを統合できることです。
Webサイトでの行動履歴、店舗での購買データ、展示会での名刺交換情報、電話での問い合わせ内容など、従来は分散していた情報を一元化し、顧客ごとの詳細なプロファイルを構築できます。
この統合データを基に、LINEでの配信セグメントを高精度で作成することが可能になります。
従来のメールやSMSでは実現困難だった、顧客の行動パターンや購買意向に基づく細分化されたアプローチが実現します。
個別最適化された顧客体験の提供
LINE×CDP連携により、顧客一人ひとりの状況に応じたパーソナライズされた体験を提供できます。
顧客のLINEアカウント情報(ID、電話番号、メールアドレス等)をCDPの顧客データと紐づけることで、会員情報、ポイント残高、購買履歴などをリアルタイムで可視化することができます。
さらに、過去の購買パターンや閲覧履歴を分析し、最適なタイミングで関連商品の提案や限定クーポンの配信が可能になります。
これにより、認知から購買、アフターフォローまでの全プロセスをLINE上で完結させ、顧客満足度と継続率の向上を実現できます。
AI駆動による営業活動の自動最適化
予測分析による戦略的アプローチ
蓄積された顧客データを機械学習で分析することで、営業活動の精度を飛躍的に向上させることができます。具体的には、購買可能性の高い顧客の予測、最適なアプローチタイミングの特定、離脱リスクの早期発見などが可能になります。
これらの予測に基づき、LINE上での配信内容やタイミングを自動調整することで、営業チームの工数を削減しながら成約率の向上を実現できます。また、成功パターンの学習により、継続的な改善サイクルが自動化されます。
技術的な連携実装
データ統合の仕組みLINE×CDP連携の実現には、両プラットフォーム間での顧客データの適切な紐づけが不可欠です。LINEユーザーの識別情報(ユーザーID、登録電話番号、メールアドレス等)をCDPの顧客マスターデータと照合し、統一的な顧客IDで管理することで、シームレスなデータ活用が可能になります。
また、LINE上での顧客行動データ(メッセージ開封率、リンククリック率、購買完了率等)をリアルタイムでCDPに蓄積することで、より精度の高い顧客分析と次回アクションの最適化が実現します。
これらの手法により、従来の一方向的な営業アプローチから、顧客との双方向コミュニケーションを基盤とした関係構築型営業への転換が可能になります。
これらの手法を踏まえて、次章では具体的な業界でのCDP×LINE連携活用シーンを詳しく見ていきましょう。
業界別活用シーン

これまで解説してきたCDP×LINE連携の機能と実践的手法を踏まえて、実際のビジネス現場でどのような成果を生み出せるのかを業界別に具体的に検証していきましょう。
各業界が抱える固有の営業課題に対して、どのような解決アプローチが有効なのかを詳しく解説します。
クライアント関係深化型ビジネス
長期的なパートナーシップが成功の鍵となる業界では、継続的な信頼関係の構築が最重要課題です。
課題:長期的な信頼関係構築の必要性
- 複数のプロジェクトを並行管理する中での情報整理の困難
- クライアントの潜在ニーズを把握するための継続的なコミュニケーション不足
CDP×LINE連携による解決策
- プロジェクト進捗や成果報告をLINEで定期配信し、関係性を維持
- クライアントの反応データを蓄積し、次回提案内容を最適化
- 業界トレンド情報の配信により、コンサルティング価値を向上
このアプローチにより、単発の取引から継続的なパートナーシップへの転換が実現し、顧客生涯価値の最大化が期待できます。
店舗・本部連携型ビジネス
多拠点展開を行う業界では、各拠点の情報を統合し、全体最適化を図ることが競争力の源泉となります。課題:多拠点での情報共有と在庫連携
- 店舗ごとの顧客データが分散し、全体最適化が困難
- リアルタイムな在庫情報共有ができず、販売機会を逸失
CDP×LINE連携による解決策
- 店舗横断での顧客購買履歴を統合し、最適な商品レコメンドを実現
- 在庫状況に応じた自動的な代替商品提案
- 来店予約や取り置きサービスをLINE上で完結
これにより、顧客満足度の向上と同時に、在庫回転率の改善や機会損失の削減が実現します。
継続フォロー型ビジネス
顧客との長期的な関係維持が収益の基盤となる業界では、適切なタイミングでのアプローチが成功の鍵となります。課題:長期的な顧客関係維持とタイミング管理
- 契約更新時期の管理と適切なアプローチタイミングの把握
- 顧客のライフステージ変化に応じた商品提案の難しさ
CDP×LINE連携による解決策
- 契約更新時期の自動リマインドと個別相談の案内
- ライフイベント(結婚、出産、転職等)に応じた最適な商品提案
- 定期的な情報提供により、顧客との接点を継続的に維持
継続的な関係維持により、顧客離れの防止と新規獲得コストの削減が同時に実現できます。
パートナー連携型ビジネス
販売パートナーとの協力関係が事業成功の要となる業界では、情報共有の質が競争力を左右します。課題:販売パートナーとの情報共有と協力体制構築
- 販売店ごとの営業活動状況の把握困難
- エンドユーザーの声が製造元まで届かない情報断絶
CDP×LINE連携による解決策
- 販売店向けの商品情報や販促ツールをLINEで迅速配信
- エンドユーザーからの問い合わせを販売店と製造元で共有
- 売上実績に応じたインセンティブ情報の自動配信
パートナーとの連携強化により、市場シェアの拡大と顧客満足度の向上を両立できます。
長期育成型ビジネス
検討期間が長い高額商材を扱う業界では、見込み客との継続的な関係構築が成約率向上の決定要因となります。課題:見込み客の長期的な育成と適切なアプローチタイミング
- 検討期間が長い商材での継続的な関係維持
- 購買意欲の変化を適切に察知する仕組みの不足
CDP×LINE連携による解決策
- 物件情報や市場動向を定期的に配信し、関心を維持
- 顧客の検索履歴や問い合わせ内容から購買意欲を分析
- 最適なタイミングでの個別相談や内覧会の案内
長期的な顧客育成により、成約率の向上と営業効率の最適化が実現します。

CDP×AI活用モデル採用による企業競争力強化
CDPはLINEに限らず様々なツール、システムのデータを統合することが可能です。
これからは各ツール、システムで膨大に収集蓄積したデータを如何にしてAIと連携させ活用できるかが企業の競争力を決めると言っても過言ではありません。
ここでは最新のAIエージェントとの連携を行うことで業務効率化と競争力強化につながる事例を紹介したいと思います。
AX時代の最新データ活用戦略「CDP×AIエージェント」連携モデル
CDPツールは高精度なRAGを搭載した「AIエージェント」と連携することで、企業内外から収集蓄積したありとあらゆるデータを情報を整理・統合し、より精度の高い情報を効率的に利活用するといった新しいビジネスモデルを構築することが可能な時代となっています。
しかし、それらの具体的な導入までのプロセスをイメージすることはそう容易いことではありません。
その画期的なCDPとAIの融合によるイノベーションを実現するにあたり、いま国内外各業界から高い注目を集めているサービスがあります。
それが株式会社JAPAN AIが提供を開始したJAPAN AI CONSULTINGです。
JAPAN AIコンサルティング AX(AIトランスフォーメーション)概要

※公式HPより抜粋
これから企業は営業やマーケティングで収集蓄積した顧客情報だけでなく企業活動で得られる膨大なデータ資産をCDPを介在させることでリアルタイムで集約・統合し、精度の高いRAGを搭載したAIエージェントが自律的に考えデータを分析、活用することで様々な業務を高いレベルで実行する。このAI活用×データ利活用の黄金サイクルの実現が企業の生産性を向上させると同時に今後の生き残りを決定づけると言っても過言ではないのです。
しかし、いざ生成AIやAIエージェントを社内に導入するとなった際に、すぐに導入するにはいくつか超えるべき障壁や課題があります。
AI活用においてよくある課題感とその解決策

実はAIエージェントを導入する際に(情報・業務の精度に影響する)最も重要な点として、正確な情報をアプトプットさせるためのデータの集約・整理・統合(データの下処理)実施有無があります。
そのAIが読み込み学習するデータの下処理過程がRAGの精度を決定付けるといっても過言ではありません。
そういった課題に対してアプローチ可能なサービスが
AI搭載次世代型データプラットフォーム GENIEE CDP(DB)の基盤構築となります。
※以下概念図イメージとなり実際には顧客課題・ニーズに応じカスタマイズした要件定義を行います

・CDPを活用し社内で保有している各種データを統合。施策やRAGに活用できる形への加工を自動化
・生成AI活用によるアウトプットの精度を高め、さらなる生産性の向上を実現
CDP×AIエージェント業界活用事例
では実際に業界毎のAIエージェント×CDPモデルを使った活用シーンを見ていきましょう。ここでは3つの業界における活用例を紹介します。
広告代理店モデル

製造業提供モデル

バックオフィス・ヘルプデスク活用モデル

次章では、更に分かりやすく業界を特定した具体的な導入事例を紹介できればと思います。

【発展型】CDP×AIエージェント連携(広告代理店)モデル
昨今特に競争が激しくAI活用による業務効率化が必須課題となっている広告代理店業界におけるAIエージェント×CDPの活用事例を紹介します。
事例1:株式会社ピアラ
株式会社ピアラは中堅中小企業を中心に設立以来20年間にわたり、1000社以上のクライアントに対し、YahooやGoogleのWEB広告などの他、認知から理解・共感、購入、そしてファン化に至るまで、ダイレクトマーケティングを中心とした包括的なマーケティング支援を提供してきた中堅の広告代理店となります。
同社では多岐にわたる業種やジャンル、ターゲット、顧客の悩み、媒体、クリエイティブなど、独自のタグ付けを行った多岐にわたるデータを大量に蓄積しており、それに基づいてクライアントのニーズに最適な広告戦略を日々行ってきましたが、これらの大量且つバリエーション豊富なデータは、広告運用の精度を高めるための貴重な資産である一方で同社内だけではうまく活用しきれていないといった課題も同時に抱えていました。
そこで同社は株式会社ジーニーのグループ企業となる株式会社JAPAN AIが提供するAIエージェントサービスとGENIEE CDPを連携し活用することで、広告レポート作成の他クライアント向けに従来大半を手作業行っていたクライアント支援業務を大幅に効率化することを実現しました。
これにより、同社は人的リソースをコンサルティングなどより戦略的な業務に集中できる体制を実現し収益構造の転換を図っています。

さらに、どのクリエイティブが最も費用対効果が高いかをAIが自動で分析し、その要素を言語化して、新しいクリエイティブを生成することで、クリエイティブ制作のスピードと質を飛躍的に向上させる取り組みも同時に進めています。
自動生成したクリエイティブを直接各媒体プラットフォーム(Meta、Google、Yahoo!、LINE等)へ入稿し、運用結果を再び広告レポートとして自動生成することで、PDCAサイクルを効率的かつ効果的に実行できるようになります。
それにより、同社が支援するクライアントはWEB広告の費用対効果を最大化し、新規顧客の獲得を加速させることが可能となるのです。
AIによるリアルタイムな効果測定と分析に基づき、迅速な改善策を講じることで、PDCAサイクルを高速化し、継続的な効果向上と限られた予算で最大の効果を引き出し、CPAの改善、ROASの向上に貢献するといった取り組みを開始し業界内外からも高い注目を集めている事例となります。

今後は更にCDP×AIエージェントの連携を深化させることより、広告運用の自動化と効率化、ターゲティングとパーソナライズの精緻化、高速PDCAサイクルの実現を通じて、クライアントに対してより高い価値を提供するだけでなく、業務効率の向上により、クライアントはより迅速かつ効果的なマーケティングを展開することが可能となり、ビジネスの成長を加速させることが期待されています。
CDP×AIエージェント導入後効果可視化
※同社公開済決算資料より抜粋
CDP×AIエージェントモデル導入開始は2024年12月。開発期間も考慮した導入後約半年となる2025年2025年5月15日に開示された第1四半期決算(2025年1月~3月)資料内でその効果を確認することができてます。

まず売上高は四半期ベースで過去最高額に到達し業務効率化だけでなくトップラインの向上が可視化されました。

重点戦略においてCDP×AIの活用を掲げ引き続き事業を推進していくと同時に、特に戦略③にある通り「CDP×AI」モデル開発が順調に進み、CDPに集約統合された各種データのAIによる学習が進むことで成果物のアウトプット精度の向上と業務効率化に効果をあげている点が確認できます。

CDP×AI活用による具体的な成果指標として業務時間200時間の削減が想定されています。

結果として業務の効率化のみならず成果向上によるトップラインの増加により同社として過去に例を見ない高い成長率を実現することができました。その背景には昨年末導入を開始したCDPとAI連携によるデータ活用が業務効率化と同時に成果物アウトプットの質向上が寄与している点は言うまでもありません。

参照元:https://www.piala.co.jp/ir/library/presentation
事例2:ブランディングテクノロジー株式会社
ブランディングテクノロジー株式会社は、中堅・中小企業のブランディングおよびデジタルマーケティングの広告代理店として長年事業展開をしてきました。同社の特徴は広告枠を売って終わりではなく、顧客に寄り添い伴走支援を行うことで長年信頼と実績を積み上げてきました。
しかし、同社の事業モデルは伴走型と言われるように大量のデータを収集分析し成果を産み出す労働集約型且つ工数の伴う一方で成果を出し続けるには社員が多くの時間を投下するビジネスモデルでありました。
近年、AIを用いた事業の効率化を経営上の重要施策として展開する中、CDPツールの導入と合わせ以下機能を有したAIエージェントを駆使することでコンサルティング業務の効率化だけでなく成果向上を持続的に図る事業モデルへの転換を図る意思決定を行いました。初期段階において以下の取り組みを開始しています。
導入するAIエージェント例
・広告バナーエージェント:ペルソナ策定から素案作成まで広告バナー作成の自動化
・競合/顧客分析エージェント:競合他社のHPやSNSの分析結果、顧客動向をレポートとして生成
・広告審査エージェント:法規制・ガイドライン遵守確認の自動化(審査時間を約75%削減)
・コンサルナレッジ検索エージェント:類似案件の抽出やベストプラクティスの提案
・ブランディング戦略エージェント:企業理念・価値観、市場トレンドを踏まえた戦略策定
・SEO最適化エージェント:SEO戦略の自動化・最適化支援
・ROI予測エージェント:施策ごとのリスク評価・シナリオ分析による投資効果予測
・顧客カテゴリ分析エージェント:顧客データの自動分析・最適セグメント化

「GENIEE CDP」では、基幹システムや業務系SaaS、各種広告媒体のデータを一元管理し、さらにWEB検索データや顧客の行動データまでをリアルタイムに統合することで、従来各所に分散していた様々なデータソースを統合し、より深い顧客理解と効果的なマーケティング施策の立案が可能になります。

「GENIEE CDP」で構築したデータ基盤と、JAPAN AIが提供する最先端のAIソリューション群の統合的なアプローチにより、データドリブンな意思決定とAIによる業務効率化を同時に実現し、より戦略的で効果的なコンサルティングサービスを提供することができるようになりました。

AI×CDPの活用で持続可能な組織への転換を

以上のように現代の企業が抱える課題は、もう小手先の改善では乗り切れません。経営層やDX推進者の皆様が本当に目指すべきは、データを武器にした持続可能な強い組織づくりです。
まずは小さく始めてみませんか
- 今のデータ状況を整理する:どこにどんなデータがあるのか、まずは現状把握から
- CDP導入の青写真を描く:理想の姿に向け、段階的な計画を立てる(伴走支援を受けながらで可)
- 成果を数字で追いかける:データ統合の効果を、可視化できる仕組みの構築(ダッシュボード等)
- 成功体験を全社に広げる:成功事例(部署)を他部署にも横展開
これからは、CDPによるデータ統合で、組織全体の情報活用力を底上げする時代です。ぜひこの機会に、データの力で組織を根本から変えてみませんか。
詳しくはこちらの問い合わせフォームからご相談ください。
※お問い合わせの際に「CDP×AIエージェント関連記事」と添えて頂くと御社の業界の事例提供と合わせスムーズに相談をお受けすることが可能です。

持続可能な営業組織への転換

CDP×LINE連携に限らずCDP×AIエージェントモデルは企業の競争力強化を実現する戦略的投資です。
データドリブン営業文化の確立
経験や勘に依存した営業手法から、科学的根拠に基づく戦略的営業への転換が実現します。
トップセールスの成功パターンをデータ化・標準化することで、組織全体のパフォーマンス向上が可能になります。
競争優位性の持続的確保リアルタイムな顧客データ分析により、市場変化への迅速な対応力を獲得できます。一人ひとりの顧客に最適化されたアプローチにより、価格競争からの脱却と安定した収益基盤の確立が実現します。
今後CDPツールの導入・活用は企業にとっても必須の選択肢なっていくことでしょう。
本記事で使用した専門用語集

本記事で使用している主な専門用語を、どなたにも分かりやすく整理しました。ITやシステムに詳しくない方でも理解できるよう説明しています。
- 営業・ビジネス専門用語
-
- 営業DX推進者
- 企業内でデジタル技術を活用した営業プロセス改革を主導する責任者
- 企業の営業管理ツール決済者
- 営業システムの導入・変更を決定する権限を持つ管理者
- 属人化
- 特定の営業担当者だけが顧客情報や営業手法を持っている状態。ベテラン営業が退職すると、貴重な顧客情報や営業ノウハウが失われてしまうリスクがある
- データドリブン営業
- データに基づいて意思決定や行動を行う営業アプローチ
- フルファネルマーケティング
- 認知から購買、顧客維持までの全プロセスを一貫して最適化するマーケティング手法
- 顧客生涯価値
- 一人の顧客が企業にもたらす長期的な利益の総額
- アップセル
- 既存顧客により高額な商品・サービスを提案すること
- エンゲージメント
- 顧客との関係性の深さや結びつきの強さ
- タッチポイント
- 企業と顧客が接触するすべての接点
- システム・IT専門用語
-
- CDP(カスタマーデータプラットフォーム)
- 既存システムの運用を変更することなく、散在する顧客データを統合し、リアルタイムで一元管理・活用するためのプラットフォーム
- SFA(営業支援システム)
- Sales Force Automationの略。営業プロセスの管理・分析により営業効率を向上させるシステム
- CRM(顧客関係管理システム)
- Customer Relationship Managementの略。顧客情報を一元管理し、長期的な関係構築を支援するシステム
- MA(マーケティングオートメーション)
- 顧客の行動を自動追跡し、最適なタイミングでアプローチするシステム
- データサイロ化
- 各部署が異なるシステムを個別に導入し、データが分散・孤立している状態
- オンプレミス
- 企業が自社内に設置・運用する基幹業務システム。社内からのみアクセス可能な場合が多い
- API連携
- 異なるシステム間でデータを自動的に連携・共有する仕組み
- BI(ビジネスインテリジェンス)
- データを分析・可視化してビジネス判断を支援するシステム
- ID名寄せ
- 複数のシステムに分散している同一顧客の情報を統合し、一人の顧客として管理すること
- ワークフロー処理
- 業務プロセスを自動化し、決められた手順で処理を進める仕組み
- ノーコード
- プログラミング知識がなくても、画面操作だけでシステムを構築・運用できる仕組み
- スケーラビリティ
- 事業成長に応じてシステム規模を拡張できる能力
- データ分析・活用専門用語
-
- リアルタイム連携
- データの更新や処理が即座に反映される仕組み
- セグメント配信
- 顧客を属性や行動パターンで分類し、グループごとに最適化されたメッセージを配信すること
- パーソナライゼーション
- 一人ひとりの顧客に合わせてコンテンツや体験をカスタマイズすること
- 予測分析
- 過去のデータから将来の顧客行動や市場動向を予測する分析手法
- 機械学習
- コンピューターがデータから自動的にパターンを学習し、予測や判断を行う技術
- テンプレートダッシュボード
- あらかじめ設定された分析画面で、すぐに使える状態で提供される管理画面
- ターゲティング
- 効果的な営業対象を絞り込むこと
- ボトルネック
- 営業プロセスの中で効率を阻害している要因や段階
- 営業プロセス専門用語
-
- リード
- 商品・サービス購入の可能性がある見込み客
- 商談ステージ
- 営業プロセスを段階別に分けた管理単位(初回接触、提案、クロージングなど)
- ROI(投資対効果)
- Return on Investmentの略。投資にかけた費用に対する効果・利益の指標
- 成約率
- 問い合わせや商談から実際の契約に至る割合
- 開封率
- 送信したメールが開封された割合
- クリック率
- メール内のリンクがクリックされた割合
- 離脱率
- サービスの利用を停止した顧客の割合 >
- 継続率
- サービスを継続利用している顧客の割合
- 業界分類専門用語
-
- クライアント関係深化型ビジネス
- 長期的なパートナーシップが成功の鍵となる業界
- 店舗・本部連携型ビジネス
- 多拠点展開を行う業界
- 継続フォロー型ビジネス
- 顧客との長期的な関係維持が収益の基盤となる業界
- パートナー連携型ビジネス
- 販売パートナーとの協力関係が事業成功の要となる業界
- 長期育成型ビジネス
- 検討期間が長い高額商材を扱う業界
- 導入・運用専門用語
- パイロット導入
- 本格導入前に限定的な範囲で試験的にシステムを導入すること >
- 段階的導入
- リスクを最小化するために、段階を分けて徐々にシステムを導入する手法
- カスタマイズ
- 企業の個別要件に合わせてシステムを調整・変更すること
- セキュリティ・コンプライアンス専門用語
- プライバシーマーク
- 個人情報保護の体制を整備している事業者に付与される認定マーク
- ISO/IEC 27017
- クラウドサービスにおける情報セキュリティ管理に関する国際規格
- データ暗号化
- データを第三者に読み取られないよう変換する技術
- アクセス権限設定
- システムの利用権限を担当者ごとに適切に管理すること
- 特定ツール・サービス名
-
- GENIEE CDP
- 株式会社ジーニーが提供する顧客データプラットフォーム
- KUZEN(クウゼン)
- 株式会社クウゼンが提供するLINE特化型マーケティングツール
- Synergy!
- シナジーマーケティング株式会社が提供するCRMシステム
- JAPAN AI
- 営業データの自動分析とレポート生成を支援するAIサービス
- LINEヤフー Partner Program
- LINEとの連携サービスを提供する企業向けの認定プログラム
注:この用語集は、記事内で実際に使用されている専門用語を中心に構成しており、どなたでも理解できるよう平易な言葉で説明しています。記載されている情報は執筆時点のものであり、最新情報は各ツールの公式サイトでご確認ください。