\ 定着率99%以上 /
トレンドおさえた、高コスパなSFA/CRM
※1 スマートキャンプ株式会社主催「BOXIL SaaS AWARD Summer 2024」SFA(営業支援システム)部門で受賞
GENIEE SFA/CRMダッシュボード
ITreviewリーダー2024春
SFAツール
(営業支援システム)部門
ITreviewリーダー2024春
CRMツール部門
ITreview中堅企業部門リーダー2024春
SFAツール
(営業支援システム)部門
BOXIL SFA(営業支援システム)部門 Good Service Summer2024
SFA(営業支援システム)部門※1

複数システムのデータが散在|CDP活用でデータクレンジングと名寄せを自動化

公開日: / 更新日: / データ活用/CDP

はじめに:マーケティング費用対効果(ROI/ROAS)測定課題

広告運用担当者マーケティング責任者の皆さん、こんな経験はありませんか?

同じ顧客に異なるキャンペーンメールを重複送信してしまい、クレームを受けた。広告レポート自動化を導入したものの、データの不整合で正確な費用対効果(ROI/ROAS)が測定できない。

ターゲティング精緻化を目指したのに、顧客データがバラバラで思うようなCPA改善が実現できない——。

これらの問題の根本原因は、顧客データの重複・分散にあります。いわゆるデータサイロ化問題です

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2024年に発表した「DX動向2024」によると、企業におけるデータの利活用状況について、「全社で利活用している」「事業部門・部署ごとに利活用している」「現在実証実験を行っている」と回答した企業は約6割に達しています。しかし、データ整備・管理・流通の課題として「人材の確保が難しい」と回答した企業が57.5%と突出して高く、デジタルマーケティング担当者の多くがデータクレンジング(データの洗浄・整理)の必要性を実感していることが明らかになりました。

また、中小企業庁が2024年に公表した「中小企業白書」では、中堅・中小企業の経営層の66.2%がDXの取組段階1~2(初歩的な取組)にとどまっており、特にEC・通販業界広告・マーケティング業界では、複数媒体への入稿作業の煩雑さにより、同一顧客の情報が異なる表記で管理されるケースが頻発していることが報告されています。

この状況は単なる管理上の問題ではありません。新規顧客獲得の機会損失、パーソナライズ配信の精度低下、そして最終的にはブランディング戦略全体への悪影響をもたらします。限られたマーケティング予算を最大限活用するためには、正確な顧客データに基づくデータドリブン意思決定が不可欠です。

本記事では、データクレンジングと名寄せ(顧客データ統合)の基本から実践的な進め方まで、業務効率化PDCAサイクル高速化を実現するデータ統合戦略を解説します。AIエージェントCDP活用といった最新技術も含め、AX(デジタルトランスフォーメーション時代に求められるデータ管理に関してお伝えします。


参考資料:

データクレンジングとは?データ統合基礎知識

マーケティング責任者の皆さんは、「複数部署で同じ顧客に重複してアプローチしてしまう」といった課題に直面していませんか?

その根本原因は、データクレンジングと名寄せが適切に行われていないことにあります。

データクレンジングと名寄せの基本概念

データクレンジングとは、重複や誤記、表記ゆれを削除・修正してデータの品質を高める作業です。

名寄せとは、複数のデータベースにある顧客データを1つの顧客データとして統合する作業です。

データクレンジング前の課題例

  • 会社名の「株式会社」と「(株)」が混在
  • 電話番号の表記が「03-1234-5678」「03(1234)5678」と表記ルールが統一されていない
  • 同一顧客が複数システムで別人として管理
  • カタカナ、漢字、英語名、ひらがな混在等で同じ顧客でも別々のレコードで複数存在

これらの問題により、ターゲティング精緻化CPA改善の機会を逸失しています。

詳細な比較と実践的な進め方については、次章で解説します。


参考資料:

データクレンジングと名寄せの比較

マーケティング担当者にとって、データクレンジングと名寄せの違いとその役割を正しく理解しておくことが重要です。

項目データクレンジング名寄せ
基本的な役割個別データの品質向上・表記統一複数データソースの顧客統合
解決する課題表記ゆれ、重複、欠損値の除去同一顧客の分散データ統合
マーケティングへの効果CPA改善、配信精度向上パーソナライズターゲティング精緻化
実行タイミングデータ統合前の前処理段階クレンジング後の統合段階
対象範囲単一データベース内の整理複数システム間の連携
技術的アプローチルールベースの自動処理属性マッチングによる判定
継続性定期的なメンテナンス新規データ発生時の随時実行

実践的な進め方の比較

実際にデータ統合プロジェクトを進める際、データクレンジングと名寄せでは異なるアプローチが必要です。以下の比較表で、それぞれの具体的な進め方を確認しましょう。

ステップデータクレンジングの進め方名寄せの進め方
1. 現状把握データ形式・品質の詳細調査複数システムの顧客データ分布確認
2. 基準設定表記ルール・品質基準の策定顧客識別キー・マッチング条件の定義
3. 実行・検証ルール適用とデータ品質確認統合処理と重複排除の検証
4. 運用・改善品質監視と基準見直し統合精度の継続的向上

このように段階的に進めることで、業務効率化を図りながら確実にデータ品質を向上させることができます。

データクレンジングによる「攻めのDX」

中堅・中小企業の経営層が推進する「攻めのDX」において、データクレンジングと名寄せは単なる技術的な作業ではなく、ビジネス成果に直結する施策の1つになり得ます。

目標・目的データクレンジングの貢献名寄せの貢献
顧客体験向上正確な顧客情報による適切なコミュニケーション一貫した顧客体験の提供
売上・LTV最大化ROI予測精度向上新規顧客獲得機会の最大化
競争力強化リアルタイム分析の信頼性確保競合分析における優位性確立
業務効率化広告レポート自動化の精度向上PDCAサイクル高速化

これらの戦略的効果により、コンサルティングDXブランディング戦略の成功確率を大幅に向上させることができます。

データクレンジングと名寄せにおける課題と対策比較

データ統合プロジェクトでは、技術的な課題だけでなく、組織的・運用的な課題も発生します。事前に課題を把握し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

主要課題データクレンジングの対策名寄せの対策
データ多様性標準化ルールの体系的整備柔軟なマッチングアルゴリズム導入
作業効率AIエージェントによる自動化CDP活用による統合プラットフォーム構築
人的リスクルールベース処理による標準化システム化による判定精度向上
継続性定期監視とアラート機能リアルタイム統合処理の実装

適切な対策を講じることで、クリエイティブ自動生成広告審査自動化といった高度な自動化施策の基盤を構築できます。

しかし、これらの対策を実行する際に、多くの企業が直面する根本的な困難があります。次章では、なぜデータ突合がこれほど困難なのか、その本質的な理由を解説します。

データ突合における課題

理論的には単純に見えるデータ統合作業が、なぜ多くの企業で課題となっているのでしょうか。その答えは、データ突合(マッチング)に内在する3つの構造的困難にあります。

1. データ形式の多様性による技術的困難

前章で解説した表記ゆれの問題(生年月日、電話番号、会社名の形式差)により、同じ顧客であっても別人として扱われ、ターゲティング精緻化の機会を逸失します。

さらに深刻な問題:

  • 構造化データと非構造化データの混在
  • リアルタイムデータと静的データの処理速度差

これらの技術的制約により、従来の手動処理やルールベースシステムでは、広告レポート自動化リアルタイム分析に必要な処理速度と精度を両立することが困難になっています。

2. 識別キーの不完全性による論理的困難

完全な識別キーの不在が、データドリブン意思決定を阻害する最大の要因です。

主要識別キーの限界

  • メールアドレス:プライベート・ビジネス用の使い分け、転職による変更
  • 電話番号:携帯電話番号の変更、法人の代表番号と直通番号の混在
  • 住所情報:引越し、表記ゆれ(「1-2-3」「1丁目2番3号」)

この結果、新規顧客獲得施策で既存顧客にアプローチしてしまい、ROI予測の精度が低下します。

3. リアルタイム性要求による運用的困難

EC・通販業界では、顧客データの更新頻度が飛躍的に増加しており、従来の手法では対応できない状況が生まれています。

処理能力の限界

  • 手動突合:1件あたり数分から十数分の作業時間
  • 従来システム:夜間バッチでの処理限界
  • 人的リソース:業務効率化の阻害要因

この状況下でリアルタイム分析PDCAサイクル高速化を実現するには、根本的なアプローチの変更が必要です。

CDP:データ突合困難の救世主システム

これらの困難を解決する「救世主」として注目されているのが、**CDP(Customer Data Platform)**です。CDPは単なるデータ統合ツールではなく、マーケティング戦略全体を変革するプラットフォームです。

CDPによる技術的困難の解決

AI搭載の自動マッチング機能
CDPは機械学習アルゴリズムを活用し、従来では不可能だった高精度なデータ突合を実現します:

  • 表記ゆれの自動認識:「株式会社」「(株)」「Co.,Ltd.」の統一
  • 類似度判定:氏名の読み方違いや略称の自動判別
  • パターン学習:過去の突合結果から精度を継続的に向上

CDPによる識別精度の飛躍的向上

複数キーによる多角的マッチング
CDPは単一の識別キーに依存せず、複数の属性を組み合わせた確率的マッチングを実行します:

マッチング手法技術的効果
確率的マッチング従来手法より大幅な精度向上
機械学習判定誤判定率の大幅削減
リアルタイム更新データ鮮度の大幅改善

※マーケティングへの具体的効果については、前章の比較表を参照してください。

CDPがもたらす戦略的価値

「攻めのDX」の実現基盤
CDPはブランディング戦略コンサルティングDXの基盤となり、以下の効果をもたらします:

  • AIエージェント連携による自動化推進
  • 広告審査自動化による運用効率化
  • 複数媒体への入稿作業の煩雑さ解消

ROI向上の具体的効果

総務省「令和2年版 情報通信白書」によると、「データを活用することによる具体的な変化・影響を尋ねた設問では、『業務効率の向上』という割合が最も高く、『意思決定の向上』、『マーケティング力の向上』などが多くの回答者に挙げられていた」

また、中小企業庁「2022年版 中小企業白書」では、「感染症流行下でデジタル化の取組が進展した企業は、進展しなかった企業と比べて労働生産性及び売上高の減少幅が小さく、感染症の影響が低い傾向にあった」

ことが報告されており、CDPは前章で解説した戦略的効果を実現する具体的な手段として機能します。

次章では、これらのデータ突合困難とCDP活用効果を、広告・マーケティング業界EC・通販業界中堅・中小企業の業界別に具体的な事例とともに詳しく解説します。


参考資料:

データ統合で実現する5つのマーケティング革命

データ統合により、以下5つの革命的変化が実現します:

1. 精密ターゲティングによる獲得効率向上

  • 顧客セグメント精度の大幅改善
  • 新規顧客獲得コストの最適化
  • 潜在顧客の効率的発見

2. 自動化による運用効率革命

  • 広告運用の自動化実現
  • PDCAサイクル高速化
  • 人的リソースの戦略業務への集中

3. 即時分析による機会損失防止

  • リアルタイム分析による迅速な戦略修正
  • 予算配分の動的最適化
  • 市場変化への即座対応

4. 高精度予測による投資判断改善

  • ROI予測精度の飛躍的向上
  • 科学的根拠に基づく予算配分
  • 長期的な顧客価値の正確な算出

5. 戦略時間の創出

  • データ管理業務の大幅削減
  • 競合分析ブランディング戦略への時間確保
  • 創造的業務への集中

これらの革命的効果は、単独で発生するものではありません。相互に連携し合うことで、データドリブン意思決定を基盤とした持続的な競争優位性を構築します。では、これらの効果を実際に実現するための具体的なステップを見ていきましょう。

実践的なデータ統合4ステップ

理論的な効果を理解したところで、実際にデータ統合を進めるための実践的なアプローチをご紹介します。多くの企業が「何から始めればよいかわからない」という課題を抱えていますが、以下の4ステップに沿って進めることで、確実に成果を上げることができます。

ステップ1:現状把握と課題特定

  • データ資産の全体調査
  • 品質評価(重複率、欠損率、表記ゆれ)
  • 課題優先度の決定

ステップ2:統合基準の策定

  • 顧客識別キーの定義
  • 表記統一ルールの設定
  • 更新頻度・タイミングの決定

ステップ3:段階的実行と検証

  • テストデータでの検証
  • CDP活用による自動化導入
  • 効果測定と改善点抽出

ステップ4:継続改善サイクル構築

  • 定期監視システムの構築
  • 新規データソース対応
  • AIエージェント学習機能の活用

これらの4ステップを着実に実行することで、前述した5つのマーケティング革命を段階的に実現できます。重要なのは、完璧を求めすぎず、小さな成功を積み重ねながら改善を続けることです。

データ統合による組織変革は、一朝一夕には実現できませんが、適切なステップを踏むことで確実に成果を上げることができます。次章では、これらの取り組みがもたらす持続可能なマーケティング組織への転換について詳しく解説します。

CDPツール×AI活用事例

CDPツールには様々な活用方法があります。

更に昨今、AI技術の進化により企業内活動における様々な分野、業界でAi×CDPモデルの活用シーンが拡大しているのです。

これからは各企業が常時事業活動で収集蓄積するデータをどう活かし収益に繋げていくかが重要な局面となっており、それだけにデータ活用に価値を発揮するCDPの活用がポイントとなってくるのです。

ここでは主にAIエージェントとCDPツールを連携させた最新の活用事例

をご紹介します。

広告代理店モデル

製造業提供モデル

バックオフィス・ヘルプデスク活用モデル

その他の業界では

不動産業界

反響営業において、サイトからの問い合わせ(MA)から初回面談までの期間短縮(SFA)、CRMのデータを一元管理することで顧客のライフスタイルに合わせた追客体制を自動化し、属人化解消と成約率向上を実現

広告・マーケティング業界

クライアント企業ごとに使用システムが異なる過去キャンペーン効果と担当者の嗜好を統合分析し、提案精度向上と案件管理の効率化を達成

小売・EC業界

店舗とオンラインの購買データを統合し、リピーター獲得戦略の立案と売上予測の精度向上を支援金融・保険業界コンプライアンス要件を満たしながら顧客のライフステージ変化を把握し、最適なタイミングでの商品提案を可能にする

メーカー(消費財)

販売店経由の売上データとエンドユーザーの反応を統合し、効果的な販促施策の立案と市場動向の先読みを実現

など最近ではAIとの連携により各業界の課題に合わせた柔軟なソリューションを提供することが可能となっています。

これらの機能により各部署各組織のデータ活用における各種作業、分析の時間が短縮されます。

CDPツールとは?メリットやおすすめツールをご紹介
CDPとBIの違いとは?選び方やおすすめツールをご紹介
営業・マーケティングツールの集約に悩む企業の救世主【CDPツール】導入ガイド

CDP×AIエージェント連携具体例

昨今特に競争が激しくAI活用による業務効率化が必須課題となっている広告代理店業界におけるAIエージェント×CDPの活用事例を紹介します。

事例1:株式会社ピアラ

株式会社ピアラは中堅中小企業を中心に設立以来20年間にわたり、1000社以上のクライアントに対し、YahooやGoogleのWEB広告などの他、認知から理解・共感、購入、そしてファン化に至るまで、ダイレクトマーケティングを中心とした包括的なマーケティング支援を提供してきた中堅の広告代理店となります。

同社では多岐にわたる業種やジャンル、ターゲット、顧客の悩み、媒体、クリエイティブなど、独自のタグ付けを行った多岐にわたるデータを大量に蓄積しており、それに基づいてクライアントのニーズに最適な広告戦略を日々行ってきましたが、これらの大量且つバリエーション豊富なデータは、広告運用の精度を高めるための貴重な資産である一方で同社内だけではうまく活用しきれていないといった課題も同時に抱えていました。

そこで同社は株式会社ジーニーのグループ企業となる株式会社JAPAN AIが提供するAIエージェントサービスとGENIEE CDPを連携し活用することで、広告レポート作成の他クライアント向けに従来大半を手作業行っていたクライアント支援業務を大幅に効率化することを実現しました。

これにより、同社は人的リソースをコンサルティングなどより戦略的な業務に集中できる体制を実現し収益構造の転換を図っています。

さらに、どのクリエイティブが最も費用対効果が高いかをAIが自動で分析し、その要素を言語化して、新しいクリエイティブを生成することで、クリエイティブ制作のスピードと質を飛躍的に向上させる取り組みも同時に進めています。

自動生成したクリエイティブを直接各媒体プラットフォーム(Meta、Google、Yahoo!、LINE等)へ入稿し、運用結果を再び広告レポートとして自動生成することで、PDCAサイクルを効率的かつ効果的に実行できるようになります。

それにより、同社が支援するクライアントはWEB広告の費用対効果を最大化し、新規顧客の獲得を加速させることが可能となるのです。

AIによるリアルタイムな効果測定と分析に基づき、迅速な改善策を講じることで、PDCAサイクルを高速化し、継続的な効果向上と限られた予算で最大の効果を引き出し、CPAの改善、ROASの向上に貢献するといった取り組みを開始し業界内外からも高い注目を集めている事例となります。

 今後は更にCDP×AIエージェントの連携を深化させることより、広告運用の自動化と効率化、ターゲティングとパーソナライズの精緻化、高速PDCAサイクルの実現を通じて、クライアントに対してより高い価値を提供するだけでなく、業務効率の向上により、クライアントはより迅速かつ効果的なマーケティングを展開することが可能となり、ビジネスの成長を加速させることが期待されています。

DX根本課題を解決するCDPとは?DMPとの違いや使い分け~AIエージェント連携データ統合事例~
DXを阻むデータのサイロ化・属人化を解決【CDPツール】とは?
【CDP活用】営業活動でよくある悩みを解決する顧客プロファイル構築法とは?

CDP×AIエージェント導入後効果検証

※同社公開済決算資料より抜粋

CDP×AIエージェントモデル導入開始は2024年12月。開発期間も考慮した導入後約半年となる2025年2025年5月15日に開示された第1四半期決算(2025年1月~3月)資料内でその効果を確認することができてます。

まず売上高は四半期ベースで過去最高額に到達し業務効率化だけでなくトップラインの向上が可視化されました。

重点戦略においてCDP×AIの活用を掲げ引き続き事業を推進していくと同時に、特に戦略③にある通り「CDP×AI」モデル開発が順調に進み、CDPに集約統合された各種データのAIによる学習が進むことで成果物のアウトプット精度の向上と業務効率化に効果をあげている点が確認できます。

CDP×AI活用による具体的な成果指標として業務時間200時間の削減が想定されています。

結果として業務の効率化のみならず成果向上によるトップラインの増加により同社として過去に例を見ない高い成長率を実現することができました。その背景には昨年末導入を開始したCDPとAI連携によるデータ活用が業務効率化と同時に成果物アウトプットの質向上が寄与している点は言うまでもありません。

参照元:https://www.piala.co.jp/ir/library/presentation

事例2:ブランディングテクノロジー株式会社

ブランディングテクノロジー株式会社は、中堅・中小企業のブランディングおよびデジタルマーケティングの広告代理店として長年事業展開をしてきました。同社の特徴は広告枠を売って終わりではなく、顧客に寄り添い伴走支援を行うことで長年信頼と実績を積み上げてきました。

しかし、同社の事業モデルは伴走型と言われるように大量のデータを収集分析し成果を産み出す労働集約型且つ工数の伴う一方で成果を出し続けるには社員が多くの時間を投下するビジネスモデルでありました。

近年、AIを用いた事業の効率化を経営上の重要施策として展開する中、CDPツールの導入と合わせ以下機能を有したAIエージェントを駆使することでコンサルティング業務の効率化だけでなく成果向上を持続的に図る事業モデルへの転換を図る意思決定を行いました。初期段階において以下の取り組みを開始しています。

導入するAIエージェント例

  • 広告バナーエージェント:ペルソナ策定から素案作成まで広告バナー作成の自動化
  • 競合/顧客分析エージェント:競合他社のHPやSNSの分析結果、顧客動向をレポートとして生成
  • 広告審査エージェント:法規制・ガイドライン遵守確認の自動化(審査時間を約75%削減)
  • コンサルナレッジ検索エージェント:類似案件の抽出やベストプラクティスの提案
  • ブランディング戦略エージェント:企業理念・価値観、市場トレンドを踏まえた戦略策定
  • SEO最適化エージェント:SEO戦略の自動化・最適化支援
  • ROI予測エージェント:施策ごとのリスク評価・シナリオ分析による投資効果予測
  • 顧客カテゴリ分析エージェント:顧客データの自動分析・最適セグメント化

「GENIEE CDP」では、基幹システムや業務系SaaS、各種広告媒体のデータを一元管理し、さらにWEB検索データや顧客の行動データまでをリアルタイムに統合することで、従来各所に分散していた様々なデータソースを統合し、より深い顧客理解と効果的なマーケティング施策の立案が可能になります。

「GENIEE CDP」で構築したデータ基盤と、JAPAN AIが提供する最先端のAIソリューション群の統合的なアプローチにより、データドリブンな意思決定とAIによる業務効率化を同時に実現し、より戦略的で効果的なコンサルティングサービスを提供することができるようになりました。

事例3:某国内大手レジャー系グループ企業

まとめ:持続可能なマーケティング組織への転換

本記事では、データクレンジングと名寄せによる顧客データ統合の重要性から、CDP活用による実践的な解決策まで解説してきました。

データ統合がもたらす組織変革

データ統合は単なる技術的改善ではなく、組織全体のマーケティング能力を根本的に変革します。中堅・中小企業の経営層にとって、これは「守りのDX」から「攻めのDX」への転換点となります。

組織レベルでの変化:

  • デジタルマーケティング担当者の業務が戦略的思考中心に転換
  • 広告運用担当者が創造的な施策立案に集中可能
  • マーケティング責任者が長期的な競争戦略に注力

このような組織変革により、従来の「作業中心」から「価値創造中心」へと業務の質が根本的に変化し、企業全体の競争力向上につながります。

業界横断的な競争優位性の確立

EC・通販業界では顧客体験の一貫性向上、広告・マーケティング業界では提案精度の向上、WEB広告運用業界では自動化による効率革命が実現します。これらの効果は業界を問わず、SEO最適化コンサルティングDXといった他の施策との相乗効果を生み出します。

次世代マーケティングへの道筋

データ統合を基盤とした次世代マーケティングでは、以下の要素が重要になります:

技術的進化の活用:

  • AIエージェントによる高度な自動化
  • クリエイティブ自動生成による制作効率化
  • 広告審査自動化による運用最適化

戦略的思考の深化:

  • データドリブン意思決定による科学的アプローチ
  • ブランディング戦略競合分析の高度化
  • ROI予測に基づく投資判断の精緻化

これらの要素が組み合わさることで、従来の経験や勘に頼ったマーケティングから、データに基づく科学的で再現性の高いマーケティングへと進化を遂げることができます。

継続的成長への投資

データ統合は一度実施すれば完了する取り組みではありません。業務効率化PDCAサイクル高速化を通じて、継続的な改善サイクルを構築することが重要です。

長期的視点での取り組み:

  • 定期的なデータ品質監視
  • 新技術への適応と学習
  • 組織能力の継続的向上

データ統合による顧客データの統一は、新規顧客獲得からパーソナライズ配信、ターゲティング精緻化まで、マーケティング活動全体の基盤となります。複数媒体への入稿作業の煩雑さ広告レポート自動化の課題を解決し、真の意味でのリアルタイム分析を実現することで、持続可能な競争優位性を確立できるのです。

今こそ、データ統合による組織変革に取り組み、次世代マーケティング組織への転換を図る時です。

これからは、CDPによるデータ統合で、組織全体の情報活用力を底上げする時代です。ぜひこの機会に、データの力で組織を根本から変えてみませんか。

詳しくはこちらの問い合わせフォームからご相談ください。

※お問い合わせの際に「CDP×AIエージェント関連記事」と添えて頂くと御社の業界の事例提供と合わせスムーズにAIエージェント×CDP活用の専門家がご相談をお受けすることが可能です。

本記事で使用した専門用語集

本記事で使用している主な専門用語を、どなたにも分かりやすく整理しました。ITやシステムに詳しくない方でも理解できるよう説明しています。

データ管理・統合専門用語

データクレンジング
重複や誤記、表記ゆれを削除・修正してデータの品質を高める作業。例:「株式会社」と「(株)」の統一、電話番号形式の統一など

名寄せ
複数のデータベースにある顧客データを1つの顧客データとして統合する作業。同一顧客の分散した情報をまとめる処理

データ突合(マッチング)
異なるデータソース間で同一顧客を特定し、データを結合する処理

表記ゆれ
同じ内容でも異なる表記で記録されている状態。例:「03-1234-5678」「03(1234)5678」「03 1234 5678」

識別キー
顧客を特定するための基準となる情報。メールアドレス、電話番号、顧客IDなど

データサイロ化
各部門が異なるシステムを個別に運用し、データが分散・孤立している状態

構造化データ
データベースや表形式で整理されたデータ

非構造化データ
テキスト、画像、音声など形式が統一されていないデータ

確率的マッチング
複数の属性を組み合わせて、統計的に同一顧客である可能性を判定する手法

ルールベース処理
事前に定義されたルールに従って自動的にデータを処理する方式

バッチ処理
データを一定量まとめて定期的に処理する方式

リアルタイム処理
データが発生した瞬間に即座に処理する方式

システム・プラットフォーム用語

CDP(Customer Data Platform)
既存システムの運用を変更することなく、散在する顧客データを統合し、リアルタイムで一元管理・活用するためのプラットフォーム

SFA(営業支援システム)
Sales Force Automationの略。営業プロセスの管理・分析により営業効率を向上させるシステム

CRM(顧客関係管理システム)
Customer Relationship Managementの略。顧客情報を一元管理し、長期的な関係構築を支援するシステム

MAツール
マーケティングオートメーションツール。顧客の行動を自動追跡し、最適なタイミングでアプローチするシステム

AIエージェント
人工知能を活用して自動的にタスクを実行するシステム

機械学習アルゴリズム
データから自動的にパターンを学習し、予測や判定を行うAI技術

API連携
異なるシステム間でデータを自動的に連携・共有する仕組み

マーケティング・営業専門用語

ターゲティング精緻化
広告配信対象をより詳細に絞り込み、効果的にアプローチすること

CPA改善
Cost Per Acquisition(顧客獲得単価)を下げて効率を向上させること

パーソナライズ
個々の顧客の属性や行動に合わせてコンテンツや体験をカスタマイズすること

ROI予測
Return on Investment(投資対効果)を事前に予測すること

ROAS
Return on Advertising Spend(広告費用対効果)の略。広告投資に対する売上の比率

リアルタイム分析
データが発生した瞬間に即座に分析・可視化すること

PDCAサイクル高速化
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを短期間で回すこと

データドリブン意思決定
データに基づいて客観的に判断・決定を行うアプローチ

LTV(Life Time Value)
顧客生涯価値。一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益

顧客セグメント
顧客を特定の条件でグループ分けしたもの

業務効率化・自動化用語

広告レポート自動化
広告の効果測定レポートを自動生成する仕組み

複数媒体への入稿作業の煩雑さ
複数の広告媒体に個別に広告を設定する作業の複雑さ

クリエイティブ自動生成
AIを活用して広告素材を自動的に作成する技術

広告審査自動化
広告の審査プロセスを自動化する仕組み

DX・デジタル変革用語

DX(デジタルトランスフォーメーション)
デジタル技術を活用して業務プロセスや組織を根本的に変革すること

攻めのDX
新たな価値創造や競争優位性確立を目的としたデジタル変革

守りのDX
業務効率化やコスト削減を目的としたデジタル変革

コンサルティングDX
コンサルティング業界におけるデジタル技術活用による変革

SEO最適化
検索エンジンでの上位表示を目的としたWebサイト最適化

データ分析・活用用語

360度の視点
営業・マーケティング・サポートなど全部門の顧客接点データを統合した包括的な顧客理解

行動ログ
顧客のWebサイト閲覧、メール開封、資料ダウンロードなどの行動記録

アクセス解析
Webサイトの訪問者の行動を分析するツール

業界・職種用語

EC・通販業界
インターネットや通信販売を主要な販売チャネルとする業界

広告・マーケティング業界
広告制作・配信やマーケティング支援を行う業界

WEB広告運用業界
インターネット広告の運用代行を専門とする業界

中堅・中小企業の経営層
従業員数や売上規模が中程度の企業の経営陣

広告運用担当者
Web広告の配信設定、効果測定、最適化を行う専門職

マーケティング責任者
企業のマーケティング戦略立案・実行を統括する管理職

デジタルマーケティング担当者
デジタル媒体を活用したマーケティング活動を担当する専門職

課題・問題用語

機会損失
本来得られるはずだった利益や成果を逃すこと

重複送信
同じ顧客に同じ内容を複数回送ってしまうこと

データの不整合
システム間でデータの内容に矛盾がある状態

成果指標・効果測定用語

KPI
Key Performance Indicatorの略。目標達成度を測る重要業績評価指標

費用対効果(ROI/ROAS)
投資した費用に対して得られる効果や利益の比率

注:この用語集は、記事内で実際に使用されている用語を中心に構成しており、どなたでも理解できるよう平易な言葉で説明しています。記載されている情報は執筆時点のものであり、最新情報は各ツールの公式サイトでご確認ください。

定着率99%の国産SFAの製品資料はこちら

なぜ「GENIEE SFA/CRM」が選ばれるのか
  • SFAやCRM導入を検討している方
  • どこの SFA/CRM が自社に合うか悩んでいる方
  • SFA/CRM ツールについて知りたい方
個別相談会個別相談会定着率99%国産SFA「GENIEE SFA/CRM」定着率99%国産SFA「GENIEE SFA/CRM」
GENIEE’s library編集部
GENIEE’s library編集部

GENIEE’s library編集部です!
営業に関するノウハウから、営業活動で便利なシステムSFA/CRMの情報、
ビジネスのお役立ち情報まで幅広く発信していきます。