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DWH、CDP、データレイクハウスの違いと国内主要プレイヤーの比較・紹介

公開日: / 更新日: / データ活用/CDP
DWH、CDP、データレイクハウスの違いと国内主要プレイヤーの比較・紹介

この記事を読んで分かること

  1. CDP、DWH、データレイクハウス3つのアーキテクチャの違い:DWHは高速BI分析、CDPは顧客マーケティング、データレイクハウスは統合分析基盤と、それぞれ異なる目的と特性を持つ。
  2. 各々のメリット・デメリット:DWHは信頼性が高いが非構造化データに弱く、CDPはパーソナライゼーションに優れるが顧客データに特化(※)、データレイクハウスは柔軟性が高いが運用が複雑
  3. 併用時の考慮点:複数システムの組み合わせでニーズに対応できる一方で、データ重複やETL処理の複雑化といった課題が発生する場合があるため注意が必要である。
  4. 国内主要プレイヤー:Snowflake・BigQuery(DWH)、Treasure Data(CDP)、Databricks・Microsoft Fabric・GENIEE などが主要な選択肢としてある。
  5. 選択の指針:ビジネス要件、データ特性、組織成熟度に応じて、最適なアーキテクチャを選択・組み合わせることが競争優位性を確保するための重要な経営判断の一助となる。

※次世代型CDPでは各ツールそれぞの良さを採り入れており補完的なツールとして注目を集めています。

はじめに

デジタル化の進展に伴い、企業が扱うデータ量は急速に増加しています。同時に、データの活用方法も多様化し、従来のデータウェアハウス(DWH)だけでは対応しきれないニーズが生まれています。

本記事では、DWH、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)、データレイクハウスの3つのアーキテクチャの違いを明確にすると共にAI技術の進化により新しい分野として注目されている次世代型CDPについても触れながら、それぞれのメリット・デメリット、併用時の考慮点、そして国内の主要プレイヤーを紹介します。

1. 3つのデータアーキテクチャの定義と特徴

1-1. データウェアハウス(DWH)

定義:構造化データを集約し、分析・レポート作成に特化したデータベースシステム

DWHは、販売データ、顧客情報、市場データなど複数のデータソースから構造化データを統合し、事前に定義されたスキーマ(Schema on Write)に基づいてデータを整理・標準化します。

ビジネスインテリジェンス(BI)による意思決定支援に最適化されており、高速なクエリ処理と高い信頼性が特徴のツールです。

主な用途:
– ダッシュボード・レポート作成
– 定型的なデータ分析
– 経営層への意思決定支援


1-2. カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)

定義:顧客データを統合・管理し、主にマーケティング活動に活用するプラットフォーム

※直近では社内の様々な社内ナレッジデータを収集統合整理した上でAIエージェントで活用するといった新しい仕組みの1つとしても注目を集めています。

CDPは、複数のタッチポイント(Webサイト、アプリ、メール、SNS等)から顧客データを収集し、統一された顧客プロファイルを構築します。リアルタイムで顧客行動を反映し、パーソナライゼーション、セグメンテーション、キャンペーン最適化に活用されます。

主な用途:
– 顧客の360度ビュー構築
– パーソナライズされたマーケティング
– 顧客体験(CX)の向上
– 広告・メール配信の最適化
– 社内ナレッジの共有

1-3. データレイクハウス

定義:DWHの高性能とデータレイクの柔軟性を統合した新しいデータアーキテクチャ

データレイクハウスは、構造化・半構造化・非構造化データをすべて一つのプラットフォームで管理します。オープンなファイルフォーマット(Delta Lake、Apache Iceberg等)を採用し、BI分析と機械学習の両方に対応します。

主な用途:
– 統合分析基盤の構築
– BI分析と機械学習の統合
– リアルタイムデータ処理
– 非構造化データの活用

2. 3つのアーキテクチャの比較表

DWH、CDP、データレイクハウス比較表

3つのデータアーキテクチャの特性を一目で比較

項目DWHCDPデータレイクハウス
対象データ構造化データ顧客関連データ
次世代型CDPでは構造化・非構造化データにも対応可能(※)
構造化・非構造化データ全般
スキーマ管理Schema on Write顧客スキーマ固定Schema on Read/Write併用
処理速度高速中程度高速
スケーラビリティ中程度中程度高い
コスト高い中程度中程度~低い
主要ユーザーデータアナリスト、経営層マーケティング、営業データサイエンティスト、アナリスト
実装の複雑性低い中程度高い

 3. 各アーキテクチャのメリット・デメリット

DWHのメリット・デメリット

メリット:
– 高速なクエリ処理により、ダッシュボード・レポート作成が効率的
– スキーマが厳格で、データの整合性と信頼性が高い
– BIツールとの相性が良く、導入実績が豊富
– 運用が比較的シンプル

デメリット:
– 非構造化データ(画像、動画、ログ等)の対応が困難
– 新しいデータ形式への対応に時間がかかる
– ストレージ・計算リソースのコストが高い
– データ変換・整備に手間とコストが必要

 CDPのメリット・デメリット

メリット:
– 顧客の統一ビューにより、360度パーソナライズされたマーケティングが実現
– リアルタイムで顧客行動を反映可能
– 複数のマーケティングツール・チャネルとのリアルタイムデータ連携が容易
– マーケティング効果の向上が期待できる

デメリット:
– 顧客データに特化しており、他のデータ活用には制限がある(※)
– 導入・運用コストが高い(※)
– ベンダー依存性が高い傾向

※次世代型CDPではAIエージェントと連携することでその用途は多岐に渡っており、オンラインで収集される匿名データ、展示会や内覧、店舗で収集可能なオフラインで接点の取れているデータ、更には社内のデータに至るまで様々なデータを取り扱うことが可能になっています。

コストに関してもGENIEE CDPのようなBIダッシュボード機能が一体化したものやAIエージェント連携による効率化の仕組みをを活用することによりコスト効率を最大化させる施策なども可能となっています。

 データレイクハウスのメリット・デメリット

メリット:
– DWHの高性能とデータレイクの柔軟性を両立
– 構造化・非構造化データを一元管理でき、データの冗長性が少ない
– BI分析と機械学習を同一プラットフォームで実行可能
– オープンスタンダード採用により、ベンダーロックインを回避
– スケーラビリティに優れ、大規模データに対応

デメリット:
– 運用の複雑性が高く、専門知識が必要
– パフォーマンスチューニングに手間がかかる
– Delta Lake等のオープンフォーマットの習得コスト

また、どれか1つというよりもそれぞれの良さを活かしながら併用するという考え方もあります。

ただその場合のデメリットなども把握しながらツール選定を行うと良いでしょう。

 4. 併用時のメリット・デメリット

CDP、DWH、データレイクハウス併用におけるメリットとは?

1. 用途に応じた最適化:DWHでBI分析、データレイクハウスで機械学習と、それぞれの強みを活かせる
2. 段階的な導入:既存DWHを維持しながら、新しいユースケースにデータレイクハウスを活用
3. リスク分散:複数のプラットフォームにより、単一障害点を回避
4. CDPの活用:顧客データはCDPで管理し、その他のデータはデータレイクハウスで処理

併用時のデメリット

1. データの二重持ち:複数システム間でデータが重複し、ストレージコストが増加
2. 運用負荷の増加:複数システムの管理・保守に人的リソースが必要
3. データ一貫性の課題:システム間のデータ同期に遅延が生じる可能性
4. ETL処理の複雑化:システム間のデータ移動にETL処理が必要となり、開発コストが増加
5. ガバナンスの不整合:テーブルとファイルのアクセス制御方式の違いにより、データガバナンスが複雑化

5. 国内主要プレイヤーの紹介

DWH分野

Snowflake

クラウド上で提供されるSaaS型のデータウェアハウス(DWH)であり、「データクラウド」と呼ばれるプラットフォームです。

従来のDWHの課題を克服するために、ストレージとコンピューティングリソースを分離した独自のアーキテクチャを採用し、高いスケーラビリティ、パフォーマンス、柔軟性を実現しています。

また、データ分析機能に加え、データ共有機能や機械学習機能も備えており、データ分析基盤として幅広く利用されています。

特徴

– クラウドネイティブなDWHとして、スケーラビリティと高速処理が特徴
– 国内でも大手企業での導入が進んでいる
– 構造化データの分析に最適

向いている用途

  • マルチクラウド環境でのDWH構築
  • セミ構造化データを含む多様なデータ分析
  • データ共有・データマネタイズ
  • スケーラビリティと柔軟性を重視した分析基盤
特徴詳細
クラウドネイティブAWS、Azure、GCPのマルチクラウド対応で、ベンダーロックインを回避
コンピュートとストレージの分離独立したスケーリングが可能で、リソース効率が高い
高速処理自動キャッシング、クエリ最適化により、複雑なクエリも高速実行
スケーラビリティ自動スケーリングで、ワークロードに応じた柔軟な対応が可能
セミ構造化データ対応JSON、Parquet等のセミ構造化データをネイティブサポート
データ共有機能Snowflake Data Marketplaceで、データの安全な共有・販売が可能
使いやすさSQLベースで、学習曲線が緩く、導入が容易
従量課金制使用したコンピュートリソース分のみ課金、コスト予測が立てやすい


Amazon Redshift

Amazon Redshiftは、AWSが提供するフルマネージドのクラウドデータウェアハウスです。

特徴
– AWSが提供するマネージドDWH
– 低コストで大規模データ分析が可能
– AWS生態系との統合が容易

向いている用途

  • 大規模なBI分析・レポート作成
  • AWS生態系を活用した分析基盤
  • コスト効率を重視したDWH構築
特徴詳細
マネージドサービスインフラ管理が不要で、スケーリングやバックアップが自動化
高速処理列指向ストレージとMPP(並列処理)により、大規模データの高速クエリが可能
スケーラビリティノード追加で簡単にスケール、ペタバイト規模のデータに対応
低コスト従量課金制で、使用量に応じた料金体系。オンデマンドと予約インスタンスを選択可能
AWS統合S3、Lambda、Glue等のAWSサービスとシームレスに連携
SQL対応標準SQLで操作でき、既存ツール・BIツールとの互換性が高い
セキュリティVPC、IAM、暗号化等により、エンタープライズグレードのセキュリティを実現


Google BigQuery

Google BigQueryは、Googleが提供するサーバーレスのクラウドデータウェアハウスで、大規模データの高速分析に特化したサービスです。以下が主な特徴です。

特徴
– Googleが提供するサーバーレスDWH
– SQLでの高速クエリ処理が特徴
– 機械学習機能も統合

向いている用途

  • 大規模ログ・イベントデータの分析
  • Google Analytics、Google Ads等のGoogleサービスデータの分析
  • リアルタイムダッシュボード・レポート作成
  • SQLベースの機械学習
  • スケーラビリティと運用効率を重視した分析基盤

特徴詳細
サーバーレスインフラ管理が不要で、クエリ実行に集中できる。自動スケーリングで負荷対応
超高速処理Dremelエンジンによる分散クエリ処理で、ペタバイト規模のデータを秒単位で分析
従量課金制実行したクエリのデータスキャン量に基づいて課金。使用しない時は費用が発生しない
SQL対応標準SQLで操作でき、既存スキルを活かせる
Google Cloud統合Cloud Storage、Dataflow、Vertex AI等と連携し、統合分析基盤を構築可能
機械学習統合BigQuery MLで、SQLだけで機械学習モデルの構築・予測が可能
リアルタイム分析ストリーミング挿入対応で、リアルタイムデータの分析が可能
セキュリティIAM、VPC Service Controls、暗号化等により、エンタープライズグレードのセキュリティを実現
データ共有BigQuery Data Transfer Serviceで、複数組織間のデータ共有が容易


CDP分野

Treasure Data

Treasure Dataは、日本発のクラウドベースのCDP(カスタマーデータプラットフォーム)で、顧客データの統合・分析・活用に特化したサービスです。

特徴
– 日本発のCDPプラットフォーム
– 顧客データの統合・活用に特化
– 国内企業での導入実績が豊富

向いている用途

・顧客データの一元管理・分析

・マーケティングオートメーション・パーソナライゼーション

・顧客セグメンテーション・ターゲティング

・クロスチャネルキャンペーン管理

・顧客LTV最大化

特徴詳細
CDP機能顧客データを一元管理し、360度顧客ビューを実現。マーケティング・営業活動に活用
データ統合オンプレミス、クラウド、SaaS等、多様なデータソースからのデータ統合が容易
リアルタイム処理ストリーミングデータのリアルタイム処理で、即座の顧客対応が可能
マーケティングオートメーションセグメンテーション、パーソナライゼーション、キャンペーン自動化を実現
プリペイド課金月額固定制で、コスト予測が立てやすい
日本企業向け対応日本語サポート、日本の法規制対応(個人情報保護法等)が充実
エコシステムSalesforce、Adobe Experience Cloud等の主要マーケティングツールと連携
セキュリティSOC 2 Type II認証、データ暗号化、アクセス制御等により、エンタープライズグレードのセキュリティを実現


GENIEE CDP

GENIEE CDPは、オンライン・オフラインの全顧客接点からデータを一元管理し、リアルタイム分析で個別化されたマーケティングを実現するCDPツールです。

特徴

ゼロコピー技術により企業のDWHを直結し、データ複製なしに最新データを高速処理できます。

AI×自然言語UIにより、専門知識がなくても誰もが高度な顧客分析やセグメンテーションを実行可能ですテンプレートBIダッシュボードで初期設定直後から主要KPIを可視化でき、分析から施策実行まで一貫して支援。ジーニーのマーケティングクラウド製品群と標準連携し、オールインワンの統合マーケティングプラットフォームとして機能。

特徴詳細
日本企業向け最適化日本の法規制(個人情報保護法等)に完全対応。日本語UIで使いやすい
顧客データ統合CRM、ECサイト、広告プラットフォーム等、複数ソースのデータを一元管理。オンライン・オフラインデータ、構造化データ、非構造化データに対応。顧客ニーズに合わせ柔軟にデータ設計をカスタマイズ可能
リアルタイム処理顧客行動をリアルタイムで捕捉し、即座のマーケティング対応が可能
セグメンテーション顧客属性・行動に基づいた柔軟なセグメント定義で、ターゲティング精度向上
マーケティングオートメーションGENIEE MAと連携することでメール、SMS、LINE、Web等のチャネルを横断したキャンペーン自動化が可能
ジーニーグループ連携・AIエージェント・BIダッシュボードジーニーが提供する広告プラットフォーム(SSP等)とシームレスに連携が可能な他、SFA、CRM、AI専門グループ会社のJAPAN AIが提供するAIエージェントとの連携も可能。
GENIEE CDPがAI活用に最適化されたRAGREADYな状態にデータを統合整理しAIエージェントがデータ活用を最大化する仕組みを構築
更にBIダッシュボード機能を搭載し自然言語でやりとりしながらリアルタイムにデータの分析可視化が可能。
他社DWH、データレイクハウスツールとの連携にも柔軟に対応可能
プライバシー・セキュリティデータ暗号化、アクセス制御、監査ログ等により、エンタープライズグレードのセキュリティを実現
日本語サポート日本語による充実したサポート体制

日本発のCDPとして、国内企業の特性や法規制に対応した機能を備えています。ジーニーの広告プラットフォームとの連携により、データドリブンな広告配信を実現できます。

⚖️ 他のCDPとの比較

項目GENIEE CDPTreasure DataSegment
主な用途CDP・マーケティングCDP・マーケティング分析データ収集・配信
日本企業向け最適化充実標準
広告連携ジーニー連携限定的豊富
マーケティング機能充実充実限定的
日本語サポート充実標準限定的
価格体系要問い合わせ月額固定制従量課金制

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データ×AIエージェントがなぜ、またどのようにして事業課題を解決するのか?次世代型CDPとは?
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Segment

Segmentは、米国発のカスタマーデータプラットフォーム(CDP)で、顧客データの収集・統合・配信に特化したサービスです。以下が主な特徴です。

特徴
– 顧客データの収集・統合に特化
– 複数のマーケティングツールとの連携が容易
– グローバルスタンダードとしての地位

向いている用途

  • マーケティング・分析ツール間のデータ統合
  • 顧客データの一元管理・配信
  • リアルタイムパーソナライゼーション
  • マーケティングオートメーション
  • アナリティクス基盤の構築
特徴詳細
データ収集Webサイト、モバイルアプリ、サーバーサイド等、複数チャネルからのデータ収集を一元化
統合プラットフォーム複雑なデータパイプラインを構築せず、ノーコードでデータ統合が可能
リアルタイム配信収集したデータをリアルタイムで、マーケティング・分析ツールに配信
統合Salesforce、HubSpot、Google Analytics、Mixpanel等、主要ツールとの連携が豊富
顧客プロファイル複数ソースのデータを統合し、統一された顧客プロファイルを構築
セグメンテーション顧客属性・行動に基づいた柔軟なセグメント定義が可能
プライバシー対応GDPR、CCPA等の規制対応機能が組み込まれている
スケーラビリティ大規模データ(数十億イベント/日)にも対応可能

データレイクハウス分野

Databricks
– データレイクハウスのパイオニア
– Delta Lakeを開発・提供
– リクルート、日本経済新聞社、カルビーなど大手企業が導入
– Azure Databricksとしてクラウドプロバイダーと統合

Microsoft Fabric
– Microsoftが提供する統合分析プラットフォーム
– Power BI、Azure Synapse等と統合
– OneLakeによる一元化されたデータストレージ
– SaaSサービスとして利用可能

6. 選択・導入のポイント


DWHを選ぶべき場合
– 定型的なBI分析・レポート作成が主要用途
– 構造化データのみを扱う
– 高速なクエリ処理が必須
– 運用の簡潔性を重視

CDPを選ぶべき場合
– マーケティング効果の向上が最優先
– 顧客データの統一ビュー構築が必須
– リアルタイムなパーソナライゼーションが必要
– 複数チャネルでの顧客接点管理が必要

データレイクハウスを選ぶべき場合
– BI分析と機械学習の両方を実施
– 非構造化データ(画像、ログ等)を活用
– 大規模で多様なデータを扱う
– 長期的なスケーラビリティが重要
– 専門知識を持つチームがある

併用を検討すべき場合
– 既存DWHを維持しながら新しいユースケースに対応
– 顧客マーケティングとデータ分析の両立
– 段階的なデジタル化推進
– 複数の分析ニーズに対応

7.次世代型CDP(AIエージェント連携モデル)導入活用事例

CDPツール×AI(次世代型CDP)活用事例

ここではDWH、データレイクハウスの役割も代替すると期待されている最新の次世代型CDPツールの導入活用事例について紹介したいと思います。

次世代型CDPはもはや従来のCDPだけの役割にとどまらず、様々な役割・活用方法が期待されているのです。

昨今、AI技術の進化により企業内活動における様々な分野、業界でAi×CDPモデルの活用シーンが拡大しています。

これからは各企業が常時事業活動で収集蓄積するデータをどう活かし収益に繋げていくかが重要な局面となっており、それだけにデータ活用に価値を発揮するCDPの活用がポイントとなってくるのです。

ここでは主にAIエージェントとCDPツールを連携させた最新の次世代型CDPの活用事例をご紹介します。

広告代理店モデル

製造業提供モデル

バックオフィス・ヘルプデスク活用モデル

その他の業界では

不動産業界

反響営業において、サイトからの問い合わせ(MA)から初回面談までの期間短縮(SFA)、CRMのデータを一元管理することで顧客のライフスタイルに合わせた追客体制を自動化し、属人化解消と成約率向上を実現

広告・マーケティング業界

クライアント企業ごとに使用システムが異なる過去キャンペーン効果と担当者の嗜好を統合分析し、提案精度向上と案件管理の効率化を達成

小売・EC業界

店舗とオンラインの購買データを統合し、リピーター獲得戦略の立案と売上予測の精度向上を支援金融・保険業界コンプライアンス要件を満たしながら顧客のライフステージ変化を把握し、最適なタイミングでの商品提案を可能にする

メーカー(消費財)

販売店経由の売上データとエンドユーザーの反応を統合し、効果的な販促施策の立案と市場動向の先読みを実現

など最近ではAIとの連携により各業界の課題に合わせた柔軟なソリューションを提供することが可能となっています。

これらの機能により各部署各組織のデータ活用における各種作業、分析の時間が短縮されます。

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CDPとBIの違いとは?選び方やおすすめツールをご紹介
営業・マーケティングツールの集約に悩む企業の救世主【CDPツール】導入ガイド

CDP×AIエージェント連携具体例

昨今特に競争が激しくAI活用による業務効率化が必須課題となっている広告代理店業界におけるAIエージェント×CDPの活用事例を紹介します。

事例1:株式会社ピアラ

株式会社ピアラは中堅中小企業を中心に設立以来20年間にわたり、1000社以上のクライアントに対し、YahooやGoogleのWEB広告などの他、認知から理解・共感、購入、そしてファン化に至るまで、ダイレクトマーケティングを中心とした包括的なマーケティング支援を提供してきた中堅の広告代理店となります。

同社では多岐にわたる業種やジャンル、ターゲット、顧客の悩み、媒体、クリエイティブなど、独自のタグ付けを行った多岐にわたるデータを大量に蓄積しており、それに基づいてクライアントのニーズに最適な広告戦略を日々行ってきましたが、これらの大量且つバリエーション豊富なデータは、広告運用の精度を高めるための貴重な資産である一方で同社内だけではうまく活用しきれていないといった課題も同時に抱えていました。

そこで同社は株式会社ジーニーのグループ企業となる株式会社JAPAN AIが提供するAIエージェントサービスとGENIEE CDPを連携し活用することで、広告レポート作成の他クライアント向けに従来大半を手作業行っていたクライアント支援業務を大幅に効率化することを実現しました。

これにより、同社は人的リソースをコンサルティングなどより戦略的な業務に集中できる体制を実現し収益構造の転換を図っています。

さらに、どのクリエイティブが最も費用対効果が高いかをAIが自動で分析し、その要素を言語化して、新しいクリエイティブを生成することで、クリエイティブ制作のスピードと質を飛躍的に向上させる取り組みも同時に進めています。

自動生成したクリエイティブを直接各媒体プラットフォーム(Meta、Google、Yahoo!、LINE等)へ入稿し、運用結果を再び広告レポートとして自動生成することで、PDCAサイクルを効率的かつ効果的に実行できるようになります。

それにより、同社が支援するクライアントはWEB広告の費用対効果を最大化し、新規顧客の獲得を加速させることが可能となるのです。

AIによるリアルタイムな効果測定と分析に基づき、迅速な改善策を講じることで、PDCAサイクルを高速化し、継続的な効果向上と限られた予算で最大の効果を引き出し、CPAの改善、ROASの向上に貢献するといった取り組みを開始し業界内外からも高い注目を集めている事例となります。

 今後は更にCDP×AIエージェントの連携を深化させることより、広告運用の自動化と効率化、ターゲティングとパーソナライズの精緻化、高速PDCAサイクルの実現を通じて、クライアントに対してより高い価値を提供するだけでなく、業務効率の向上により、クライアントはより迅速かつ効果的なマーケティングを展開することが可能となり、ビジネスの成長を加速させることが期待されています。

DX根本課題を解決するCDPとは?DMPとの違いや使い分け~AIエージェント連携データ統合事例~
DXを阻むデータのサイロ化・属人化を解決【CDPツール】とは?
【CDP活用】営業活動でよくある悩みを解決する顧客プロファイル構築法とは?

CDP×AIエージェント導入後効果検証

※同社公開済決算資料より抜粋

CDP×AIエージェントモデル導入開始は2024年12月。開発期間も考慮した導入後約半年となる2025年2025年5月15日に開示された第1四半期決算(2025年1月~3月)資料内でその効果を確認することができてます。

まず売上高は四半期ベースで過去最高額に到達し業務効率化だけでなくトップラインの向上が可視化されました。

重点戦略においてCDP×AIの活用を掲げ引き続き事業を推進していくと同時に、特に戦略③にある通り「CDP×AI」モデル開発が順調に進み、CDPに集約統合された各種データのAIによる学習が進むことで成果物のアウトプット精度の向上と業務効率化に効果をあげている点が確認できます。

CDP×AI活用による具体的な成果指標として業務時間200時間の削減が想定されています。

結果として業務の効率化のみならず成果向上によるトップラインの増加により同社として過去に例を見ない高い成長率を実現することができました。その背景には昨年末導入を開始したCDPとAI連携によるデータ活用が業務効率化と同時に成果物アウトプットの質向上が寄与している点は言うまでもありません。

参照元:https://www.piala.co.jp/ir/library/presentation

事例2:ブランディングテクノロジー株式会社

ブランディングテクノロジー株式会社は、中堅・中小企業のブランディングおよびデジタルマーケティングの広告代理店として長年事業展開をしてきました。同社の特徴は広告枠を売って終わりではなく、顧客に寄り添い伴走支援を行うことで長年信頼と実績を積み上げてきました。

しかし、同社の事業モデルは伴走型と言われるように大量のデータを収集分析し成果を産み出す労働集約型且つ工数の伴う一方で成果を出し続けるには社員が多くの時間を投下するビジネスモデルでありました。

近年、AIを用いた事業の効率化を経営上の重要施策として展開する中、CDPツールの導入と合わせ以下機能を有したAIエージェントを駆使することでコンサルティング業務の効率化だけでなく成果向上を持続的に図る事業モデルへの転換を図る意思決定を行いました。初期段階において以下の取り組みを開始しています。

導入するAIエージェント例

  • 広告バナーエージェント:ペルソナ策定から素案作成まで広告バナー作成の自動化
  • 競合/顧客分析エージェント:競合他社のHPやSNSの分析結果、顧客動向をレポートとして生成
  • 広告審査エージェント:法規制・ガイドライン遵守確認の自動化(審査時間を約75%削減)
  • コンサルナレッジ検索エージェント:類似案件の抽出やベストプラクティスの提案
  • ブランディング戦略エージェント:企業理念・価値観、市場トレンドを踏まえた戦略策定
  • SEO最適化エージェント:SEO戦略の自動化・最適化支援
  • ROI予測エージェント:施策ごとのリスク評価・シナリオ分析による投資効果予測
  • 顧客カテゴリ分析エージェント:顧客データの自動分析・最適セグメント化

「GENIEE CDP」では、基幹システムや業務系SaaS、各種広告媒体のデータを一元管理し、さらにWEB検索データや顧客の行動データまでをリアルタイムに統合することで、従来各所に分散していた様々なデータソースを統合し、より深い顧客理解と効果的なマーケティング施策の立案が可能になります。

「GENIEE CDP」で構築したデータ基盤と、JAPAN AIが提供する最先端のAIソリューション群の統合的なアプローチにより、データドリブンな意思決定とAIによる業務効率化を同時に実現し、より戦略的で効果的なコンサルティングサービスを提供することができるようになりました。

事例3:某国内大手レジャー系グループ企業

その他にもtoB、toC向けに幅広い業界特化型導入事例があります。


8. まとめ


DWH、CDP、データレイクハウスは、それぞれ異なる目的と特性を持つデータアーキテクチャです。DWHは高速なBI分析に、CDPは顧客マーケティングに、データレイクハウスは統合分析基盤に最適です。

企業のデータ活用戦略は、ビジネス要件、データの特性、組織の成熟度に応じて、これらを適切に選択・組み合わせることが重要です。特にデータレイクハウスは、DWHとデータレイクの課題を解決する新しい選択肢として注目されており、国内でも大手企業での導入が進んでいます。

今後、データ活用の重要性がさらに高まる中で、自社のニーズに合わせた最適なアーキテクチャの選択が、競争優位性を確保するための重要な経営判断となるでしょう。
 

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