アップセルとは?重要性や成功のポイントを解説

更新日:2024.02.02 / 営業ノウハウ 

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アップセルは顧客単価を高め、LTV(顧客生涯価値)を向上させるための営業手法のひとつです。

顧客数を増やさず総売上額を増やす、効率のいい方法ではありますが、アップセルを成功させるためにはさまざまな条件があります。さらに、アプローチを間違えると逆に顧客を失うことにもなりかねないため、慎重に進めなければなりません。

今回は、アップセルの意味や重要性、成功させるポイントなどを紹介します。

アップセルは顧客単価を向上させる取り組み

アップセルとは、顧客の単価を向上させることや、そのための取り組みのことです。「アップセールス」「アップセリング」などとも呼ばれ、自社の商品やサービスを利用中の顧客や検討中の顧客に対し、より上位モデルに移行してもらうことを指します。単純に高いものをすすめるのではなく、「こちらのほうが業務効率向上につながる」「事業拡大に合わせてこういった機能が役立つ」など、顧客に付加価値を提供することがポイントです。

営業において、顧客単価の向上は当然に考えられてきたことです。しかし、サブスクリプション型ビジネスの増加でLTVの重要性が高まっていることから、改めてアップセルが注目されています。顧客の情報収集力の向上や購買行動の変化、特にBtoBの場合は承認フローの複雑化などで、新規顧客獲得のコストが上がっていることなども理由のひとつでしょう。

アップセルとクロスセルの違い

アップセルとクロスセルは、顧客の使用している商品やサービスに付加価値をつけてもらう点で似ています。アップセルは顧客が既に知っている・利用している商品やサービスを、上位プランに移行してもらうことであるのに対し、クロスセルは顧客がまだ利用したことのない商品やサービスを、追加で購入・契約してもらうことです。

例えば、サブスクリプション型ビジネスのビジネスツールの場合、より高機能・多機能なプランへの乗り変えを促すことがアップセルにあたります。それに対し、関連商品を買ってもらったり、オプションサービスを付加してもらったりするのが、クロスセルです。

アップセルもクロスセルも、新規顧客を獲得するより低コストで売上を伸ばす方法として、多くの企業が注力しています。

クロスセルとは?アップセルとの違いや成功のポイントを解説

アップセルが重要な理由

購買行動の変化で顧客とのタッチポイントは細分化し、新規顧客の獲得が難しくなっています。既に商品やサービスを利用中の既存顧客であれば、比較的低コストで売上を伸ばすことが可能です。

新規顧客への販売コストは、既存顧客の販売コストの5倍かかるという、1:5の法則があります。つまり、同額の売上でも新規顧客のコストは高く、利益率が下がってしまうということ。継続的な収入の維持・拡大のためには顧客単価の向上が不可欠です。

また、アップセルは特にSaaSビジネスで重要視されている、LTV最大化につながります。顧客のニーズに合った上位モデルの商品やサービスを紹介し、利用してもらえれば、顧客満足度の向上や継続利用につながるでしょう。継続利用はLTVの最大化をもたらすため、それにつながるアップセルは重要です。

アップセルのメリット

注目度が増しているアップセルですが、実施することでどのようなメリットがあるでしょうか。アップセルを行う具体的なメリットについてご紹介します。

顧客単価の向上

アップセルの第一の目的は、顧客単価の向上です。新規顧客への売上より、既存顧客のアップセルの売上は小さいことが多いかもしれませんが、既存顧客の販売コストは新規顧客より小さいです。既存顧客の単価を大きくできれば、効率的に売上を伸ばせます。

業務の効率化

何度か述べたように、新規顧客の獲得コストは高いです。接触するためにSNSやWebサイトの運用、広告出稿などの費用がかかり、リード獲得してからはナーチャリングを行う手間が必要でしょう。商談となっても、アポイントや資料作成、商品説明など手間と時間がかかります。

既に自社の商品やサービスを理解している顧客であれば、そういった費用や手間をかけずに、効率的に売上増加が見込めます。

アップセルのポイント

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アップセルを成功させるには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。顧客にアプローチする際には、以下の点を確認しておきましょう。

顧客情報を収集して分析する

ニーズに合わない商品やサービスをすすめても、アップセルにはつながらず、顧客を失う可能性すらあります。顧客のニーズを正しく把握することが何より重要であり、そのためには顧客情報の正確な分析が必要です。

顧客が不満や不足を感じていないか、何を求めているのか、SFAやCRMといったツールを利用し、購買や行動、クレームや問い合わせの履歴などから、顧客ニーズを理解しましょう。何を得と感じるか、現在の利用シーンでどのようなプラスアルファがあれば喜ばれるのか、顧客視点で考えてください。

アップセルしやすい商品設計を行う

既存顧客と定期的にコミュニケーションをとり、自社の商品やサービスのどのようなところに魅力を感じているのか、何が不満なのか把握することが重要です。

ニーズを踏まえた改善は顧客満足度の向上につながり、LTVの最大化にもつながるでしょう。顧客が「ちょうどこういうものが欲しかった」と思える商品やサービスを提供できれば、アップセルの成功率も向上します。

顧客ロイヤルティを高める

顧客ロイヤルティは、顧客が感じるブランドや商品、サービスに信頼や愛情を指します。リピート率が高く良好な関係を築けている顧客を、ロイヤルティが高い顧客といい、アップセルが成功しやすいです。

顧客ロイヤルティを高めるのは簡単ではありませんが、カスタマーサクセスが定期的に顧客と接触を持つ、メルマガやアンケートなどで顧客とのつながりを維持するなど、「お得意様向け企画」などで、ロイヤルティの向上を図っていくことが重要です。

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アップセルにおける注意点

アップセルで最も注意すべきは、押しつけないことです。顧客が今より高い商品やサービスを導入するには、それだけメリットやその後の利用シーンをイメージできなければなりません。顧客に合った商品やサービスでなければ、単に押し売りに感じられ、企業イメージの低下要因になります。

また、アップセルに成功して終わりではなく、顧客との関係性を維持していくことが重要です。

アップセルを実施して効率的な売上拡大を目指そう

アップセルはより少ないコストで売上の増大を図れる、効率の良い方法です。しかし、既存顧客に闇雲にアプローチするだけでは、効果が見込めないばかりか、かえって顧客を失う可能性もあります。

重要なことは、顧客ニーズを把握し、その上で必要な商品やサービスのアップセルを目指すことです。SFAやCRMも利用し、顧客情報の収集と分析した上で、効率的な売上拡大を図ってください。

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