CDPツールとは?MA・BI・CDPの違いやおすすめツールをご紹介

企業が持つ顧客データをどのように活用するかは、競争力を左右する重要なテーマとなっています。マーケティングオートメーション(MA)、ビジネスインテリジェンス(BI)、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)は、それぞれ異なる役割を担いながら、組織全体の成長を支える仕組みです。
本記事では、MA・BI・CDPの違いや共通のメリット、導入時の注意点を解説するとともに、3つの機能を一体的に提供するソリューションの可能性についても触れていきます。データを軸にしたマーケティングや業務改善を検討する方にとって、有益な指針となる内容です。
CDPツールとは

CDPツールは、顧客データを収集・整理・分析し、その成果を事業活動に反映させるための仕組みです。CDPは「Customer Data Platform」の略称で、部門やチャネルごとに散在している顧客情報を一元的にまとめ、効率的に扱えるようにします。デジタルマーケティングが広がり、顧客一人ひとりに最適化したOne to Oneマーケティングの必要性が高まる中、その基盤としてCDPツールの導入が進んでいます。統合したデータを活用することで、多様なニーズに応じた施策立案や精度の高い戦略展開が可能になる点が特徴です。
MA・BI・CDPの違い

マーケティング領域で比較されるMA・BI・CDPは、それぞれ異なる役割を持ちます。自社の課題に適した選択を行うためには、特徴を整理して理解することが重要です。ここではその違いについて詳しくお伝えします。
- 目的の違い
- 使い分けの具体例
目的の違い
MA、BI、CDPは、それぞれ目的や扱うデータ、利用者が異なります。違いを整理すると以下の通りです。
項目 | MA(マーケティングオートメーション) | BI(ビジネスインテリジェンス) | CDP(カスタマーデータプラットフォーム) |
目的 | 見込み顧客の育成と商談化を自動化 | 過去・現在のパフォーマンスを分析し意思決定を支援 | 顧客データを統合し顧客理解を深化 |
扱うデータの種類 | オンライン行動履歴、属性データ | 会計、販売、在庫、人事などの業務データ | オンライン・オフラインのファーストパーティ顧客データ |
主な利用者 | マーケティング部門、インサイドセールス | 経営層、部門長、現場担当者 | マーケティング部門、データアナリスト |
使い分けの具体例
ツールの選定は、解決したい課題に応じた使い分けが欠かせません。例えばMAは、展示会で獲得した大量の名刺リストをもとに、一人ひとりの購買意欲を測定しながら自動でメールを配信し、効率的に商談へとつなげたい場面で効果を発揮します。BIは、全国展開する店舗の売上をリアルタイムで集計・可視化し、地域や商品ごとの動向を把握して在庫や販売戦略を最適化したいケースに有効です。そしてCDPは、ECサイトの閲覧履歴と実店舗での購買履歴を統合し、オンラインとオフラインを横断した顧客全体像を把握した上で、LTV向上を目的としたパーソナライズ施策を立案する際に役立ちます。
MA・BI・CDPを網羅するGENIEE

MA・BI・CDPはいずれも重要な役割を担うツールですが、実際の運用では複数のシステムを組み合わせることでデータが分断され、連携や管理に手間がかかってしまうケースが少なくありません。GENIEEであれば、マーケティングオートメーション、顧客データ基盤、BIといった領域をすべて自社開発のプロダクトで提供しているため、最初から連携を前提としたスムーズな運用を実現できます。
全プロダクトを自社で開発している強みを活かし、柔軟なカスタマイズやシームレスな機能統合が可能です。また、導入支援から運用まで伴走型のサポートを提供しており、MAだけでなくCDPやBIの活用まで含めて一気通貫で支援を受けられます。データ連携や運用の負担を最小限に抑えながら、成果につながるマーケティング基盤を整備できる点が、GENIEEの大きな特徴です。
MA・BI・CDPで共通してできること

MA、BI、CDPはいずれも異なる目的を持ちながらも、導入することで共通して得られる効果があります。ここでは以下の観点についてお伝えします。
- データの統合と一元管理
- データに基づいた意思決定の促進
- 部門間連携の強化
データの統合と一元管理
MA、BI、CDPはいずれも分散して存在するデータを集約し一元管理できる点に共通の強みがあります。これにより、情報が部門ごとに分断されるサイロ化を解消し、全社的なデータ活用を可能にします。
MA:見込み顧客のオンライン行動履歴や属性情報、セミナー参加記録などを集約し、リードデータベースとして管理します。これにより、一人ひとりの行動を時系列で正確に把握することができます。
BI:販売、在庫、財務、人事といった幅広い業務システムに蓄積されたデータを統合し、分析可能な形式に変換します。常に最新の情報に基づいて迅速な意思決定が可能になります。
CDP:オンラインとオフラインの多様なチャネルから収集した顧客データを顧客IDに紐づけて統合します。ECサイトの購買履歴と実店舗のPOSデータを組み合わせ、顧客の全体像を明確に把握できます。
データに基づいた意思決定の促進
勘や経験に頼るのではなく客観的なデータをもとに迅速かつ的確な意思決定を行える環境を整えられる点も、MA・BI・CDPの共通した強みです。
MA:顧客行動を可視化するだけでなく、購買意欲を数値化するスコアリング機能により、営業が優先すべきホットリードを自動抽出します。最適なタイミングで確度の高い商談を生み出せるため、属人的な判断から脱却できます。
BI:集約したデータをグラフやダッシュボードで直感的に可視化することで、経営層から現場までが同じ情報を共有できます。売上の増減要因や業務課題を素早く特定し、的確な対応につなげられます。
CDP:統合された顧客データを活用して属性や行動に基づいたセグメントを作成できます。これによりROIの高いパーソナライズ施策を立案・実行でき、戦略的にデータを意思決定へと還元できます。
部門間連携の強化
部門ごとに分断されていたデータや業務プロセスを横断的に連携できるようになり、組織全体の協働体制を強化できる点も大きなメリットです。
MA:マーケティング部門が獲得した見込み顧客情報を営業部門と共有し、最適なタイミングで引き渡せる仕組みを整えます。これにより、リードの受け渡し基準(SLA)が明確になり、部門間の認識のずれを解消します。
BI:販売・財務・人事といった各部門のデータを一元管理し、ダッシュボードとして全社に共有します。部門横断で経営状況を可視化できるため、迅速な分析と業務改善が可能になります。
CDP:顧客データを企業全体のハブとして統合し、マーケティング、営業、カスタマーサービス、経営層などが共通の情報基盤を利用できます。その結果、全社で一貫した顧客体験を提供できる体制を実現します。
CDP(顧客データ基盤)とは?機能や顧客データを統合する仕組みを解説
CDPおすすめツール7選

企業のマーケティング戦略において、顧客データを統合・活用するCDPは欠かせない存在となっています。ここでは代表的な7つのCDPツールについてお伝えします。
商品名 | 主な機能 | プラン |
GENIEE CDP | ・全チャネルの顧客データ統合とリアルタイム活用 ・AI/機械学習による高度なデータ分析 ・ノーコードでの多様なツール連携 | ※詳細は直接お問い合わせください |
Salesforce Data Cloud | ・ゼロコピー統合で主要プラットフォームと接続 ・構造化/非構造化データの統合 ・200種以上の標準コネクターを提供 | ※要問い合わせ(既存のSalesforceユーザーは無料で利用開始可能) |
b→dash | ・CDP/MA/BI/Web接客をAll in oneで提供 ・ノーコードでデータ取込 ・加工・統合・活用を実現 ・メール、LINE、Push通知、SMS配信機能 | ※詳細は直接お問い合わせください |
AIRIS | ・リアルタイムでのデータ統合とID解決 ・113種以上のプラットフォームとのデータ連携 ・AIによるインサイト抽出と予測分析(AutoML搭載) | ※詳細は直接お問い合わせください |
カスタマーリングス | ・顧客データ統合とセグメント抽出 ・分析機能(RFM、LTVなど) ・アクション実行(メール、LINE、SMSなど) | ※詳細は直接お問い合わせください |
Mobile Marketing Cloud(MMC) | ・Email/SMS配信の自動化(ステップメール対応) ・簡単LP広告作成ツール ・顧客情報管理とセグメンテーション | ※詳細は直接お問い合わせください |
INTEGRAL-CORE | ・ノーコードでの顧客データ統合(SCV機能) ・リアルタイムデータ収集・処理 ・専用環境でのセキュアな運用 | ※詳細は直接お問い合わせください |
1. GENIEE CDP

商品名 | GENIEE CDP |
主な機能 | ・全チャネルの顧客データ統合とリアルタイム活用 ・AI/機械学習による高度なデータ分析 ・ノーコードでの多様なツール連携 |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください |
出典 | https://cx.geniee.co.jp/product/cdp/ |
GENIEE CDPは株式会社ジーニーが提供する顧客データ基盤で、分散したデータを統合し、マーケティング活用を容易にすることを目的としています。特徴として、多様な外部ツールとノーコードで連携できるため、専門知識がなくてもスムーズに導入・運用が可能です。また、売上分析や購入転換率分析などを標準搭載したテンプレートダッシュボードに加え、AIが分析をサポートし、施策に直結するインサイトを効率的に得ることができます。
2. Salesforce Data Cloud

商品名 | Salesforce Data Cloud |
主な機能 | ・ゼロコピー統合で主要プラットフォームと接続 ・構造化/非構造化データの統合 ・200種以上の標準コネクターを提供 |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください(既存のSalesforceユーザーは無料で利用開始可能) |
出典 | https://www.salesforce.com/jp/data/ |
Salesforce Data Cloudは世界的に利用されるCRM基盤「Salesforce」を中心に、外部の多様なデータソースとシームレスに連携できるCDPです。Amazon S3やMicrosoft Azureなどからも簡単にデータを取り込め、統合された顧客データを管理画面で直感的に把握できます。また、ローコードビルダーを活用することで、LTVやエンゲージメントスコアなどの指標を容易に抽出可能です。
3. b→dash

商品名 | b→dash |
主な機能 | ・CDP/MA/BI/Web接客をAll in oneで提供 ・ノーコードでデータ取込 ・加工・統合・活用を実現 ・メール、LINE、Push通知、SMS配信機能 |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください |
出典 | https://bdash-marketing.com/ |
b→dashは、「データマーケティングをもっとスマートに」をコンセプトとしたCDPツールです。SQLを使わずにノーコードで操作でき、データの取り込みから加工、統合、抽出、活用までをワンストップで実現します。さらに、MAやBI、Web接客などの機能も追加可能で、幅広い施策を1つのプラットフォーム上で完結できます。エンジニアが不在の環境でもスムーズに導入でき、初期構築から利活用までサポート体制も整っている点が特徴です。
4. AIRIS

商品名 | AIRIS |
主な機能 | ・リアルタイムでのデータ統合とID解決 ・113種以上のプラットフォームとのデータ連携 ・AIによるインサイト抽出と予測分析(AutoML搭載) |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください |
出典 | https://www.appier.com/ja-jp/products/airis |
AIRIS(アイリス)は、Appier社が提供するAI搭載型のCDPツールです。高度な分析力と直感的なデータ可視化によって、顧客インサイトを迅速に取得できます。CRMや外部データベースとの統合管理に対応し、複数チャネルを横断した顧客理解を実現します。また、リアルタイムでのリマーケティングや広告費用の最適化も可能で、効率的なマーケティング施策を支援します。
5. カスタマーリングス

商品名 | カスタマーリングス |
主な機能 | ・顧客データ統合とセグメント抽出 ・分析機能(RFM、LTVなど) ・アクション実行(メール、LINE、SMSなど) |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください |
出典 | https://www.customer-rings.com/ |
カスタマーリングスは、ECやBtoCサービスの売上向上を支援するCDPツールです。CDPとして顧客情報の統合に加え、アクセスログやコールログ、店舗接客記録なども管理できます。さらにBI機能としてRFM分析やLTV分析をはじめ、バスケット分析による商品の組み合わせ把握も可能です。MA機能も搭載されており、メールやLINE配信などの施策をノーコードで実行できます。
6. Mobile Marketing Cloud(MMC)

商品名 | Mobile Marketing Cloud(MMC) |
主な機能 | ・Email/SMS配信の自動化(ステップメール対応) ・簡単LP広告作成ツール ・顧客情報管理とセグメンテーション |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください |
出典 | https://www.cm.com/ja-jp/mobile-marketing-cloud/ |
Mobile Marketing Cloud(モバイルマーケティングクラウド)は、顧客に合わせた情報をメールやSMSで届けられるマーケティング基盤です。顧客データを管理画面で扱い、適切にセグメントを行うことで、個別のニーズに対応した配信が可能になります。さらに、行動条件をもとにした広告配信にも対応しており、メールやSMSの反応を踏まえた効率的な施策実行を支援します。多様なマーケティング活動をまとめて展開できる点が大きな強みです。
7. INTEGRAL-CORE

商品名 | INTEGRAL-CORE |
主な機能 | ・ノーコードでの顧客データ統合(SCV機能) ・リアルタイムデータ収集・処理 ・専用環境でのセキュアな運用 |
プラン | ※詳細は直接お問い合わせください |
出典 | https://www.ever-rise.co.jp/integral-core/ |
INTEGRAL-CORE(インテグラルコア)は、株式会社EVERRSEが開発・提供するCDPツールです。国内で初めて米国のCDP協会に登録された実績を持ち、オンラインとオフラインの多様なチャネルから顧客データを収集・統合できます。店舗での来訪を検知するビーコンやAIカメラによる識別情報の取得にも対応し、事業部やグループ会社をまたいだデータ管理も実現可能です。さらに、ノーコードで名寄せ処理やセグメント分け、スコアリングを実行できる柔軟さも備えています。
MA・BI・CDPを導入する際に注意すべき点

これらのツールを導入する際には、共通して考慮すべき重要なポイントがあります。導入効果を十分に発揮するためには、事前準備や社内体制の整備も欠かせません。ここでは以下の観点についてお伝えしていきます。
- 目的の明確化と導入後の運用設計
- データ基盤の整備
- 人材の確保とITリテラシーの向上
目的の明確化と導入後の運用設計
MA・BI・CDPを導入する際に欠かせないのは「何のために導入しどの課題を解決するのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なままでは、せっかくの高機能も十分に活かせず、効果が限定されてしまいます。
MA:スコアリングやシナリオ設定の前に、「どの基準で購買意欲を判断するのか」を明確にしなければ運用が滞る可能性があります。
BI:レポート作成そのものが目的化すると、可視化が意思決定に結び付かず、効果が限定的になります。ツールの役割を組織全体で共有することが重要です。
CDP:顧客データを集めること自体が目的ではなく、統合した情報をどう活用しビジネス目標を達成するかという戦略設計が成果を左右します。
データ基盤の整備
ツールの力を活かす前提となるのが整理された正確なデータです。社内に分散している情報をそのまま扱うと不整合や欠損が生じ活用の妨げになります。導入効果を引き出すには、事前にデータを整備し、信頼性を高めておくことが重要です。
MA:ウェブ上の行動履歴だけに頼らず、アプリの利用状況や実店舗での購買履歴も統合しなければ、パーソナライズ精度に限界が生じます。
BI:部門ごとに形式や定義が異なるデータをそのまま統合すると不整合が起こり、レポートの信頼性が失われます。重複や欠損を取り除き、正しい数値に整えることが欠かせません。
CDP:サイロ化を解消する基盤である一方、紙媒体や分散管理のままでは整備に工数がかかります。集約と標準化を進め、活用できる状態に整えることが導入成功の鍵となります。
人材の確保とITリテラシーの向上
高度なツールを導入しても、それを使いこなす人材や組織文化が伴わなければ成果は限定的になります。運用を支えるスキルや知識を社内にどう確保するかが、成功の分かれ目となります。
MA:マーケティング知識や運用経験を持つ人材がいなければ、機能を十分に活用できず、導入効果が発揮されません。
BI:現場のITリテラシーが低いと新システムに適応できず、使われないツールになってしまいます。業務フローに即した設計と教育が不可欠です。
CDP:増え続ける顧客接点を適切に管理するには専門知識やリソースが必要です。DX推進全般と同様に、人材不足が導入の大きな障壁となります。
まとめ:MA・BI・CDP全てを兼ね備えているGENIEE

MA・BI・CDPはそれぞれ異なる役割を持ちながらも、データの一元管理や意思決定の高度化、部門間連携の強化といった共通のメリットをもたらします。ただし、導入にあたっては目的の明確化やデータ基盤の整備、人材確保などに注意が必要です。こうした課題を踏まえた上で、各ツールをどう選び、どう連携させるかが成果を左右します。
GENIEEはMA・BI・CDPすべての機能を一社で提供しているため、顧客データを集め(CDP)、その意味を見極め(BI)、最適なタイミングで届ける(MA)といった一連の流れをスムーズにつなげて動かすことが可能です。さらに、導入支援や伴走サポートも整備されており、MAだけでなくCDPやBIまで含めて安心して運用を開始できます。大手から中堅企業まで幅広い導入実績を持つGENIEEなら、業界を問わず信頼して活用できる環境を整えることができます。