kintone(キントーン)の使い方を徹底解説!用途別の活用事例をご紹介

kintoneは、プログラミング知識不要で業務アプリを作成できるクラウドサービスです。顧客管理や日報作成など、業務に合わせたアプリを自社で簡単に構築でき、情報の一元管理と業務効率化を実現できます。
本記事では、kintoneの基本機能から具体的な使い方、業種別の活用事例まで詳しく解説します。初心者の方でもすぐに実践できる内容をまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
kintoneなどのSFA/CRMが必要不可欠になっている背景

日本企業が抱えるITシステムの老朽化と複雑化は、経営課題として深刻さを増しています。経済産業省の「DXレポート」によれば、既存システムの課題を放置した場合、年間最大12兆円の経済損失が発生すると指摘されています。
バックオフィス業務のオンライン化といった「守りのDX」に企業を留めてしまい、「攻めのDX」への移行を阻んでいる状態です。現場の社員が自ら業務課題を解決するシステムを開発する流れが注目される理由は、組織全体でデジタル変革を推進できるためです。
kintoneはプログラミング知識を持たない社員でも、業務アプリを構築できるノーコードツールとして注目されています。
出典:DXレポート2(中間取りまとめ)|デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会
kintoneとは

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務アプリ開発プラットフォームです。ここでは、以下の項目別でkintoneの詳細を解説します。
- 特徴
- 仕組み
特徴
kintoneはドラッグ&ドロップの直感的な操作により、IT部門に依頼せず現場の担当者が自分でアプリを構築することが可能です。従来のシステム開発では膨大な費用と時間がかかりましたが、kintoneを活用すれば短時間で業務システムを完成させられます。
システム開発のコストを抑えられる点は、中小企業にとって大きな魅力です。
仕組み
kintoneは「情報の蓄積」を主軸とした仕組みで、蓄積したデータを効率的に管理するアプリを簡単に作成できます。ゼロからカスタマイズする方法に加え、用途別テンプレートを活用すれば、業種や業務内容に応じたアプリをすぐに構築することが可能です。
アプリに入力した情報はクラウド上に蓄積され、検索機能やフィルター機能で必要なデータを素早く抽出できます。
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kintoneを使いこなすための基本機能

kintoneには、業務を効率化するための多様な機能が標準搭載されています。ここでは、主要な基本機能について以下の項目別で解説します。
- 顧客・案件管理機能
- プロジェクト管理機能
- ファイル管理機能
- 日報作成機能
顧客・案件管理機能
顧客の連絡先や商談履歴を一元管理すれば、営業チーム全員が同じ情報にアクセスでき、引き継ぎ時の混乱を防げます。過去の問い合わせ内容や提案資料を顧客情報に紐づけて管理すれば、担当者以外でも状況を即座に把握することが可能です。
案件の進捗や受注確度をアプリで可視化すれば、営業マネージャーが的確なアドバイスを提供しやすくなります。
プロジェクト管理機能
タスクの担当者や期限、進捗状況をアプリで管理すれば、プロジェクト全体の進行を把握することが可能です。ポータル機能で売上情報や業務に関するコミュニケーションを集約すれば、確認漏れを防ぎやすくなります。
通知・リマインダー機能により、期限が近づいたタスクや未対応の案件を自動で通知します。
ファイル管理機能
提案資料や各種カタログなどのファイルをアプリに添付して保存すれば、ノウハウを共有できます。関連するファイルがデータとセットで管理されるため、別のフォルダを探す手間が省けます。
見積書や契約書などの重要書類をクラウド上で一元管理すれば、バージョン管理や更新履歴の追跡が容易です。
日報作成機能
日々の業務内容や報告事項、所感を記録するアプリを作成すれば、チーム全体で活動状況を共有することが可能です。テンプレートを活用して入力項目を統一すれば、メンバー間で報告内容のばらつきが減少します。
コメント機能を使えば、上司や同僚が日報に対してフィードバックを残せます。
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kintoneと連携してさらに業務の効率化を目指すならGENIEE SFA/CRM(ちきゅう)

GENIEE SFA/CRM(ちきゅう)は、シンプルな画面設計と直感的な操作性が特徴の営業管理ツールです。定着率99%を実現する誰でも使える管理画面により、ベテラン営業の方でも使いこなせます。
kintoneと連携すれば、蓄積した顧客データをGENIEE SFA/CRMに取り込み、多角的な分析が可能です。営業分析や売上予測の精度が向上し、戦略的な営業活動を展開できます。
詳細な機能と導入効果については、以下からご確認ください。
初心者向けkintoneの使い方

kintoneを初めて使う方でも、基本的な操作を理解すれば短時間でアプリを作成し、業務に活用できます。ここでは、初心者におすすめの使い方を以下の項目別で解説します。
- アプリの作成
- スペースの作成
- スレッドの作成
- データ編集や追加
- コメントの記入
アプリの作成
アプリの作成方法は、一から作る方法、サンプルアプリを使う方法、ExcelやCSVを読み込む方法の3通りです。一から作る場合は、「はじめから作成」を選択してアプリ名を入力し、フィールドをドラッグ&ドロップで配置します。
サンプルアプリを使う方法では、アプリストアから用途に合ったテンプレートを選択し、すぐに利用を開始できます。
スペースの作成
スペースを作成する際は、ポータル内の「スペース」エリアにある「+」アイコンをクリックし、「スペースを作成」を選択します。新規に作成する場合は「はじめから作る」を選び、スペーステンプレートを利用する場合は好みのテンプレートを選びましょう。
基本設定タブでスペースの名称やカバー画像などの詳細を設定し、参加メンバータブでメンバーを追加します。最後に「保存」をクリックすれば、スペースの作成が完了します。
スレッドの作成
スレッドは、「スペースのポータルと複数のスレッドを使用する」が有効になっているスペースでのみ追加できます。対象スペースのポータルで、「スレッド」エリアの「+」アイコンをクリックして作成を開始しましょう。
スレッド名と内容を入力し、通知設定を行います。「スレッドの作成をスペース参加メンバーに『自分宛』で通知する」にチェックを入れると、「自分宛」で通知されます。チェックなしの場合、通知は「すべて」のメンバーに送信されます。
データ編集や追加
データを編集する際は、右側の「アプリ」項目から編集したいアプリをクリックし、一覧画面を表示します。左側のオレンジ枠のデータ編集アイコンをクリックすると、詳細画面が表示されます。
「レコードを編集する」アイコンをクリックすれば、入力欄が表示され各項目が編集可能です。編集を終えたら「保存」をクリックして変更を確定します。
コメントの記入
kintoneでは、一つのデータに紐づけてコメントを残すことが可能です。データを見ながら一つの画面で質問や相談などを行えるため、スムーズなコミュニケーションが実現します。
詳細画面の右側に表示されているのがコメント欄です。コメントを記入し、入力を終えたら「書き込む」をクリックしましょう。宛先を指定した場合は、指定された人に通知されます。
kintoneの用途別の活用事例7選

kintoneは業種や業務内容を問わず、多様な分野で活用されています。ここでは、kintoneの実践的な活用事例を紹介します。
- 営業における顧客管理の情報一元化
- 製造業務での情報共有と生産性の向上
- 建設業務でのリアルタイム情報共有
- 医療・福祉現場における情報一元化と業務効率化
- 総務・人事業務での効率向上とペーパーレス化
- 自治体業務の自動化と市民対応力の向上
- 請求業務の自動化と情報連携強化
1. 営業における顧客管理の情報一元化
エネチェンジ株式会社では、事業拡大に伴う案件数増加により、Excel管理でのデータ肥大化や計算式のズレが発生していました。顧客情報や商談進捗が個人のPCに分散し、リアルタイムでの共有が困難な状態が続いていました。
kintoneを導入し、顧客情報や商談の進捗、対応履歴を一つのアプリで一元管理するSFA/CRMシステムの基盤を構築しました。営業担当者は外出先からスマートフォンで情報を確認・更新でき、上司がリアルタイムで進捗を把握できる環境が整った事例です。
2. 製造業務での情報共有と生産性の向上
製造業では、複雑な工程、在庫、品質管理が紙の台帳やExcelに依存し、情報の不透明さや転記ミスが課題でした。神戸製鋼所では紙台帳による在庫管理で、転記ミスや指示遅れが頻繁に発生していました。
kintoneを活用して製造工程ごとの進捗状況をリアルタイムで可視化し、関係者全員が最新情報を共有できる環境を構築しています。神戸製鋼所は在庫管理をkintoneでクラウド化し、データの一元管理を実現した事例です。
3. 建設業務でのリアルタイム情報共有
建設業では、日報やヒヤリハット報告が紙ベースで、現場と本社間の情報共有にタイムラグが生じていました。住友不動産では、工事の工程管理の品質が担当者のスキルに依存し、ばらつきが生じていました。
kintoneはスマートフォンやタブレットからの日報登録を可能にし、現場からリアルタイムで情報を共有できる環境を提供します。協成工業株式会社では、日報アプリと経理担当者の請求管理アプリを連携させ、集計作業を自動化した事例です。
4. 医療・福祉現場における情報一元化と業務効率化
医療・福祉の現場では、患者・利用者情報が手書きやExcelで分散管理され、二重入力や転記ミスが頻繁に発生していました。緊急時の情報共有が困難になるリスクを抱えていました。
kintoneは患者カルテや介護記録をデジタル化し、情報を一元管理する基盤を構築します。医師や看護師などがチームで情報を共有できる、包括的なケアを実現した事例です。
5. 総務・人事業務での効率向上とペーパーレス化
株式会社メルカリの総務・人事部門では、各種申請が紙やメールで行われ、書類管理が煩雑で非効率でした。申請方法が複数のツールに分散していたため、対応の遅延が大きな課題となっていました。
kintoneは各種申請業務をオンラインで完結させるワークフローアプリを構築し、ペーパーレス化を実現します。申請状況が一目で確認でき、承認プロセスの透明性が高まります。
6. 自治体業務の自動化と市民対応力の向上
自治体では、行政文書の処理や市民からの問い合わせ対応がアナログな方法で行われ、多大な工数を要していました。神戸市役所では、公用車の車検切れ確認漏れという重大なリスクを抱えていました。
kintoneは行政業務をデジタル化し、情報の一元管理と円滑な共有を可能にします。山形県酒田市でも、定期船の予約電話をkintoneで管理するオンラインシステムを構築しました。
7. 請求業務の自動化と情報連携強化
経理部門は、現場の日報やプロジェクトの工数データを手動で集計し、請求書と照合する作業に膨大な時間を費やしていました。現場と経理の情報連携が密ではない企業で、特に顕著な課題でした。
kintoneは現場の日報アプリと請求管理アプリを連携させ、プラグインkrewDataを活用すれば、工数集計から請求データの作成までを自動化します。転記作業が不要になり、ヒューマンエラーのリスクを低減できます。
kintoneを使う前に注意する3つのポイント

kintoneの導入を成功させるには、事前準備が極めて重要です。ここでは、利用する際の注意点について以下の項目別で解説します。
- どんな業務を改善したいか決める
- 業務に必要な項目を洗い出す
- チームメンバーとアプリを共有・運用する
1. どんな業務を改善したいか決める
目的が曖昧なままアプリを作成すると、使われないアプリが乱立して管理が煩雑になるリスクがあります。「手作業での日報集計に時間がかかっている」といった、具体的な業務課題を明確にすることが重要です。
「日報の集計を自動化する」「顧客情報を一元管理する」など、具体的なゴールを設定すれば、達成すべき目標が明確になります。
2. 業務に必要な項目を洗い出す
実際に使っている日報や見積書などを見ながら、「日付」「担当者」「金額」「顧客名」といった項目を書き出す作業を行いましょう。必要な項目が不足すると、後から追加する手間が発生するため、事前の洗い出しが重要です。
業務に応じて適切なフィールドタイプを選択すれば、使いやすいアプリを構築できます。
3. チームメンバーとアプリを共有・運用する
作成したアプリをチームメンバーに公開する際は、アクセス権設定を適切に行います。権限の付与範囲を誤ると情報漏れリスクが増大するため、慎重に設定することが必要です。
いきなり本格運用するのではなく、まずは少人数でテスト的に使ってみて、使いにくい点や改善点がないかを確認しましょう。
まとめ:kintoneと連携するならシンプルな画面で操作性バツグンのGENIEE SFA/CRM(ちきゅう)

kintoneは、プログラミング知識がなくても業務アプリを作成でき、情報の一元化と業務効率化を実現できるクラウドサービスです。顧客管理から日報作成、プロジェクト管理まで、幅広い用途に対応しています。
GENIEE SFA/CRM(ちきゅう)とkintoneを連携させれば、営業活動の効率化とデータ管理の両立が可能です。全社員にkintoneのライセンスを付与するのではなく、GENIEE SFA/CRMと役割を分担することで、重複したライセンス費用を削減できます。
シンプルな画面設計により初心者の方でも操作しやすく、定着率は99%を誇ります。業務改善とDX推進を本格的に進めるなら、kintoneとGENIEE SFA/CRMの併用を検討してみてください。


























