オンライン商談を成功させるための7つのコツとは?
新型コロナウイルスの影響などもあり、直接対面しなくとも営業活動を行える「オンライン商談」を取り入れている企業も増えています。
オンライン商談は時間やコストの削減が期待できたり、あとから振り返りやすかったりなど、多くのメリットがあります。しかし実はメリットだけではなく、対面よりも相手側に伝わりにくい可能性があるなどの懸念点も介在するのです。
そのため、オンライン商談では対面商談とはまた違った工夫を凝らす必要があります。本記事では、オンライン商談を成功させるための5つのコツをご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
新型コロナウイルスの感染拡大によるオンライン商談の浸透
2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、業務スタイルが様変わりしました。そのうちのひとつが、オンライン商談の浸透です。
今までは対面での商談が一般的でした。しかし、感染拡大防止の観点から対面での営業活動を控える必要があり、オンライン商談が一気に浸透したのです。
オンライン商談とは、パソコンやタブレットなどの端末を利用して、オンライン上で商談を行うことを指します。相手と直接会うことはありませんが、カメラを使えば顔を見ながらやり取りができます。
インターネットにつながる端末さえあれば、好きな場所、好きなタイミングで商談が可能で、現在では多くの企業が導入しています。
では、オンライン商談にはどんなメリット・デメリットがあるのか、次章で詳しくご紹介します。
オンライン商談のメリット・デメリット
オンライン商談は多くのメリットがありますが、デメリット介在します。メリットだけではなく、デメリットもしっかり知っておくことが重要です。
ここでは、オンライン商談のメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット
まずは、メリットを5つご紹介します。
交通費や移動時間がかからない
オンライン商談の大きなメリットは時間や場所に縛られないことです。
従来の商談は、相手側の企業に出向いて行うのが基本で、遠方の取引先ともなれば多くの時間とコストがかかっていました。
オンライン商談であれば、相手側の企業の住所は関係ありません。遠方でも社内から出る必要がないため、時間とコストを削減できます。
商談数や資料作成の時間が増える
移動のための時間を削減できるため、その分の時間を他に割くことが可能です。
たとえば、商談数を増やせます。これまで1日あたり3~4社の商談が限界だった場合でも、オンライン商談に移行することで、6~8社に商談数を増やせる可能性があります。
商談数が増えればそれだけ成功数も上がるため、売上拡大につながる可能性もあるでしょう。
また、増えた時間をプレゼンのための資料作成に割くこともできます。時間を割いた分だけ内容の濃い資料を作成できるので、商談成功率アップが期待されます。さらに、資料の数を増やすことも可能です。
顧客や見込み顧客の心理的ハードルが低くなる
営業担当者が訪問しての商談となると、顧客側も商談場所を確保しなくていけません。また、「わざわざ来てもらうのだから」とある程度、契約の意志が固まってから話をしようと考える場合も多いです。
しかし、オンライン商談なら、営業担当者が足を運ぶことがないので、「話だけでも聞いてみようか」という気持ちになりやすいでしょう。そのため気軽に商談を承諾する企業も増えてくることが考えられます。
ただし、これにより商談数が増加しても、成功率の低い見込み顧客との商談が増える可能性もあるということを念頭に置く必要があります。
録画ができるので振り返りやすい
オンライン商談は録画することも可能なので、後から振り返りやすいのもメリットです。だれが何を発言したのかが分かりやすいことも、録画ならではです。
また万が一、後からクレームが入った場合でも、責任の所在が明確になります。さらに、今後の改善を練る場合も材料にもなるでしょう。
また対面での営業は、基本的に一人で行います。そのため、自社側は、その社員がどんな営業トークをしているのか、どんなテクニックを駆使しているのかが把握しづらい面があります。そのため、多くの契約を取る優秀な社員がいたとしても、そのノウハウを他の社員に共有することが難しいとされていました。
しかし、商談の内容を録画できれば、これらのノウハウを若手など他の社員にも伝えやすくなるでしょう。これにより営業部門全体のスキルアップが期待できます。
新人の教育がしやすい
上記のようにオンライン商談での様子を録画しておけば、その映像をそのまま新人教育の教材などとして利用できます。実際の様子を見せられるので、早くスキルを身に付けやすいでしょう。
また、今までは先輩社員が時間を確保することが難しく、新人の営業活動になかなか同行できないというケースも多くありました。しかし、オンライン商談なら場所関係なく参加でき、また途中退出も可能であるため、営業同行する回数を増やすことができるでしょう。
デメリット
続いて、デメリットを3つご紹介します。
説明が伝わりにくい可能性がある
オンライン商談は、資料などのファイルを送ることはできますが、実際に実物を手に取りながら説明できません。有形商材の場合、実際に手に取って説明ができないので、魅力を存分に伝えきれない可能性もあります。
画面や音声が乱れる可能性がある
オンライン商談を行うにはインターネット回線が必要です。回線の接続が不安定だと、相手の声が聞き取りづらかったり、画面が乱れて相手の顔が見えなかったりする可能性があります。
こうした場合は、回線が回復するまで待つことが多いですが、そのまま商談が流れてしまう場合もあります。また同じ説明を繰り返すことになることもあり、営業担当者も顧客側も集中力が削がれてしまうこともあるでしょう。
相手側がオンライン商談の準備が整っていない可能性がある
多くの企業が導入しているオンライン商談ですが、まだまだ環境が整っていない企業も数多くあります。
一般的にオンライン商談を行うには、Web会議システムのURLを送り、それを相手先企業にクリックして準備してもらうなどの手間が必要です。
これまでオンラインでの商談を行っていない企業であれば、スムーズに準備できない可能性があります。
オンライン商談を成功させるコツ
オンライン商談は、対面とはまた違ったコツが必要になります。
ここでは、オンライン商談を成功させるためのコツをご紹介します。
コツ①:事前にカメラ・音声を確認する
オンライン商談を行う前に、カメラや音声を確認しておきましょう。カメラはしっかり映るか、音声は乱れないかなど、事前に確認をしておくことが重要です。
オンライン会議に必要な機材やツールは以下のようなものとされています。
・Webカメラ&マイク(もしくは、それらが内蔵されているパソコンやタブレット)
・インターネット通信環境
・Web会議システム
カメラがなくても商談は可能ですが、できるだけ相手の顔を見ながら商談を行いましょう。相手の表情や視線、反応などを確認しながら商談を進められます。
コツ②:リマインドメールを送る
オンライン商談前にはリマインドメールを送りましょう。オンライン商談はアポを獲得しやすい反面、リスケをされやすいので、確認が必要です。前日に「明日は、よろしくお願い致します」というようなリマインドの連絡を入れると効果的です。また、相手によっては、確認のための電話を入れる方法もあります。
オンライン商談をリスケされにくくするためには、ポイントがあります。オンラインは気軽に行えるとはいえ、相手にも「商談」であることを意識してもらう必要があるのです。
そのために、事前に資料を送付すると効果的です。オンライン商談でも、対面と変わらず事前準備は大切です。ただし、オンライン商談はアポイントから商談までの時間が短いので、事前に資料をメールなどで送付しましょう。
連絡を密にすることで、相手の興味が持続しやすくなります。
コツ③:ハキハキと話す
オンラインでの会話は、対面よりも聞き取りにくいことが多いです。そのため対面よりもさらにハキハキと聞き取りやすいトーンで話すことを意識しましょう。
オンライン商談は、対面での商談のように名刺交換ができません。そのため商談の冒頭で、自己紹介を行いましょう。会社概要を説明するだけでなく、紹介したい商材の説明も加えることでスムーズに商談に入れます。
コツ④:一番伝えたいことは何かを考える
オンライン商談は、対面での商談より時間を長く感じがちであるといわれています。そのため、だらだらと話すのではなく、端的に伝えたいことをシンプルにまとめましょう。
対面での商談の場合で1時間の時間を想定している場合、30分程度と想定しておくことがおすすめです。
また、オンライン商談は実際に資料を見せながら話をするのではなく、事前に送付したり、画面共有をしたりして行うのが一般的です。そのため、資料は一目見て分かりやすい内容にするように心がけましょう。
文字ばかりにするのではなく、ビジュアルをメインにすれば分かりやすくなります。
コツ⑤:相手に質問する
またオンライン上では、対面よりも相手の温度感が分かりにくいです。そのため自分だけが一方的に話をすることになってしまいがちです。話し方だけでなく、時には意図的に沈黙を入れて、相手の反応を見ましょう。そして相手に話す機会を与えるためにも、適度に質問をします。
オンラインは対面よりもリアクションが分かりづらいので、以下のような質問を投げかけてみることもおすすめです。
「ここまでで何かご不明点はございませんか?」
「ここまでで興味のあるポイントはございませんか?」
など、対面よりも細やかな気配りをしましょう。
また商談を行う前に、顧客に考えてもらいたい場所や、印象づけたい話の前に沈黙を入れるなどといったことをあらかじめイメージしておきます。
コツ⑥:しっかりとフォローを行う
対面での商談にもいえることですが、オンライン商談でも終了後にしっかりとフォローを行いましょう。
商談後に、フォローメールやメッセージなどで、時間をいただいたことへのお礼や、疑問点があればいつでも問い合わせして欲しいことなどを伝えます。
よほど遅い時間でなければ、フォローのメールは記憶が鮮明な当日中に送ることがおすすめです。もし相手方から質問があり、その場で解答できなかった場合は「〇〇日までに回答いたします」ということを伝えておきましょう。
もし次のステップについて反応がない場合には、1週間以内にもう一度メールを送ります。その際に同じ内容を送るのではなく、相手の興味を引くような話題を付け加えるといったこともおすすめです。
コツ⑦:スピード感を上げる
オンライン商談にはリードタイムが短くなるというメリットがあります。メリットを十分に受けるには、全体的なスピード感を上げていきましょう。
オンライン商談は対面営業よりも熱量が下がりやすいといわれているので、アポイントメントは1週間以内と短い期間で設定しましょう。できれば、「当日」「翌日」「翌々日」くらいがベストとされています。
また、商談終了後には、すぐにお礼のメールを送ることも重要です。そのメールですぐに課題についての回答や、回答期限の設定などを行うくらいのスピード感が求められます。
さらに、顧客から問い合わせがあった場合はなるべく早く対応します。資料請求の問い合わせや問い合わせフォームから連絡があった場合に、できるだけ早く対応できるような体制を整えます。
顧客の興味や関心がある時間に対応することで、商談率を上げられるでしょう。
オンライン商談の分析方法
オンライン商談はただ闇雲に数をこなすだけでなく、内容や結果を分析して、効率的な営業活動の実現を図ってください。また、しっかり商談内容を分析することで、品質の改善にもつながります。内容が改善できれば、受注数や受注率の向上にもつながるでしょう。
ここでは、分析方法の一例をご紹介します。
受注商談と失注商談に分類する
分析の対象となるオンライン商談を、「受注商談」と「失注商談」に分けましょう。
そして、それぞれの商談の傾向を比較してみてください。
「なぜその商談は受注につながったのか」「なぜ失注してしまったのか」を分析するには、以下のデータを活用します。
通話時間を分析する
「受注商談」と「失注商談」それぞれの通話の平均時間を比較します。
一概に平均時間が長い方が受注につながっているとは限りませんが、話が盛り上がっていると判断することもできます。ただし、短い時間でも情報量の多い商談であれば、受注率が高い傾向にある場合もあります。またオンライン商談は対面商談よりも、商談時間が短い傾向にあるので、その点も考慮しましょう。
トーク比率を分析する
通話時間を比較したら、次は営業マンが話している時間と見込み顧客が話している時間の比率を計算・比較しましょう。失注商談と受注商談で何が異なるのかを分析します。
商談は、顧客の話を聞きつつ、自社の商品・サービスの説明を行います。このため、営業マンの話の比率が少し(3%前後ほど)高いぐらいが理想とされています。
沈黙回数を計算する
営業マンと見込み顧客のどちらも話していない、沈黙の時間がないかを確認します。その回数を失注商談と受注商談で比較してみましょう。
その沈黙は単に営業マンがしゃべっていない時間なのか、顧客が資料を見て考えている時間なのかでも、意味合いが異なります。オンライン商談では一方的に説明を続けてしまいがちなので、相手の反応を見ながら進める場合もあるでしょう。
またオンライン商談は、オンラインの利点を活かしてスライドなどの提示をする場合も多いです。そのスライドを見てもらうために、間を設けることもあります。
そのあたりの点を考慮する必要もあるでしょう。自社のデータを分析し、最適解を探すことが大切です。
話す速度を計算する
商談内での話す速度を計算してみましょう。
一般的に顧客の話す速度より営業マンの話す速度がゆっくりのほうが、受注率が高いとされています。これは、オンライン商談はマイク越しに行うことにより、対面よりも聞き取りづらいことが多いためとされています。相手が問題なく聞き取れるように、営業マンがハキハキとゆっくり話すよう心がければ、顧客も「気を遣ってくれている」と感じやすいでしょう。
自社のデータを比較し、どのぐらいの速度が最適なのかを共有してみてください。
オンライン商談は「量」も大切?
オンライン商談は訪問よりもアポイントが取りやすいため、質が大事とされています。
しかし、もちろん商談の質も大切ですが、量を確保することも大切です。
対面の営業だと、移動時間などの問題で訴求できる範囲が限られていました。しかしオンライン商談は、いつ、どこでも、誰とでも制限なく商談が行えます。そのため、オンライン営業では、場所に関係なく全国の企業に訴求できるようになります。
数をこなしてスキルを身につけることで、商談の質の向上も期待できるでしょう。
もちろん、一つひとつの商談の質を高めることも重要ですが、範囲を広げて数をこなすということも大切です。
1日に達成できるオンライン商談の時間を考える
成果を上げている営業マンは、1日に量をこなすための商談時間を確保しているとされます。テレワークのデータはまだ少ないですが、1日平均300分を商談に使うという場合もあるようです。
この時間は自社の商材や営業先の都合によって、1件あたりの商談時間は異なります。どのくらいの時間が自社に最適なのかを、自社内であらかじめ検討しておきましょう。
また、商談は「件数」だけ管理してもあまり意味がないとされています。件数だけで管理すると、数あわせだけで満足する営業マンが出てくるためです。
オンライン商談の時間を確保し続けるのはとても困難な目標です。しかしその目標を達成すべく行う努力が、優秀な営業マンを育てるきっかけとなるでしょう。
オンライン商談のコツを掴んで成約率UP!
時間と場所に縛られないオンライン商談は、新型コロナウイルス収束後も続いていくことが予想されています。今よりももっと一般化し、取り入れる企業が増えてくるでしょう。
そのため、今後オンラインでも質の高い商談ができるように今回ご紹介したコツを押さえておきましょう。
一度コツを掴めば、今後どんな商談にも活かせるのではないでしょうか。
また商談後には、「なぜ受注ができたのか」「なぜ失注してしまったのか」などを分析することで、今後の商談成功率を上げられるでしょう。
オンライン商談に特化したシステムの導入もおすすめ
これからオンライン商談の頻度が増えるのであれば、オンライン商談などに特化したシステムやツールを導入するのもおすすめです。オンライン商談に特化したツールは、資料の共有や録画なども行えるものがあり、より効率的に営業活動を行えます。
コストがかかるものですので、自社に合ったものを複数社検討するのがおすすめです。
資料無料ダウンロードはこちら!
弊社ジーニーでは、無訪問営業でも受注を積み上げる5つのポイントをご紹介しております。
700社以上もの無訪問営業組織の立ち上げに関わったベルフェイス株式会社代表取締役の中島一明氏に、無訪問営業のノウハウを伺いました。
資料には、主に以下のようなコンテンツを掲載しております。
・マニュアルで実現する「4つの効果」
・成果が出ないと感じる時の教育の共通点
・営業マニュアルを作成する際の3つのポイント
・きちんと「使える」マニュアルにするためには
・マニュアルを作成することによる副次的な効果
資料は以下の「GENIEE SFA/CRM」のホームページから、ダウンロードできるので、ぜひご参考にしてみてください。