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営業戦略を立てるうえで欠かせないフレームワーク10個はコレ!

更新日:2024.03.06 / 営業ノウハウ
営業戦略を立てるうえで欠かせないフレームワーク10個はコレ!

営業戦略は、営業チームが目標達成に向けてどのような行動をとったらいいかを考えるために必要なものです。自社の事業目的や市場環境など、さまざまな要因を考慮に入れて設定されます。

その際に必要とされるのが「フレームワーク」です。フレームワークを活用すれば、プロセスの短縮化につながるとされています。

本記事では、フレームワークを活用するメリットやどんなフレームワークを活用すればいいのかなどをご紹介します。

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フレームワークとは?

ビジネスにおけるフレームワークとは、経営環境や経営戦略を分析する際の「枠組み」です。ビジネスの現場にいる人物が模範とできる考え方のことであり、決定、分析、営業戦略の立案などさまざまなものに活用できます。

営業分野だけでなく、マーケティングや会計、リスクマネジメントなどにも使われています。

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営業戦略にフレームワークを活用するメリット

営業戦略を考える際にフレームワークを活用するメリットは、主に以下の3点が考えられます。

効率的に戦略を立案できる

フレームワークは、「公式」のようなものとされています。あらかじめ決まっているものに必要な情報を当てはめることで、最短で答えを出すことができます。

ただし、営業は数学とは異なり、多様な要因が関係します。そのため、計算した通りの結果にならないこともあるでしょう。このような要因があるからこそ、フレームワークが役立つのです。

フレームワークによって手順や必要な情報が定まっているからこそ、営業戦略立案において何が必要なのかが分かります。

戦略を見直しやすい

フレームワークがあれば、戦略を見直しやすいのもメリットの一つです。

たとえば、「売上が上がらない」といった課題があるとします。しかし売上には、顧客数、客単価、競合状態などさまざまな要素が絡んでいるので、原因が見つけにくいことも多々あります。

そこでフレームワークを利用すれば、各要素の整理が簡単になり、原因を特定しやすいでしょう。原因が分かれば今後の営業戦略の方針が明確となり、戦略の見直しも容易になります。

説得力のある提案が実現

フレームワークに沿って戦略を立てれば、説得力のある提案が可能になります。

たとえば、「相手企業の課題は何か」「それを解決するために、自社製品でどんな手伝いができるか」などがより明確に分かります。そのため、商談資料をより具体性のある情報やニーズによって作成することができます。

営業戦略にフレームワークを活用する上での懸念点

営業戦略を立てる際にフレームワークを活用することは、さまざまメリットがあることをご紹介しました。しかし、懸念点も頭に入れておくことが大切です。

たとえば、以下のような点が考えられます。

使い分けが難しい

フレームワークはいくつかの種類がありますが、それぞれ使い分けが難しいとされています。そのため、まずはフレームワークについての使い方をある程度学ぶ必要があるでしょう。

しかし、フレームワークはあくまで営業戦略を立てるうえでの一種の「手段」です。そのため、それ自体を学ぶためにあまりコストをかけるのは得策とはいえません。

フレームワークはあくまで手段のひとつなので、フレームワークを学ぶこと自体を目的にするのは避けましょう。

新しいアイデアが生まれにくくなる恐れ

フレームワークを使用していると、思考が限定されることも多いです。既存の物事の分析には強いですが、新しいアイデアがなかなか生まれにくくなる可能性があります。

そのため、「なぜフレームワークを使うのか」という目的を常に念頭に置いて作業しないと、思考が限られてしまうでしょう。

営業戦略と営業戦術の違い

営業戦略とよく似た用語として「営業戦術」が挙げられます。営業戦略と営業戦術には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

そもそも営業戦略とは、自社の営業目標を達成するために、取り組みの方向性や作戦などを策定することを指します。それに対して営業戦術とは、上記のような営業戦略を実現するための、具体的な取り組み方を指す言葉です。営業戦術には、営業戦略の実現へ向けて、短期~中期的な目標を設定し、計画的に進めていく役割があります。

営業戦略では、長期的な視点で大きな目標の達成を目指しますが、そのためには短期~中期的に達成の手段を検討する営業戦術がなくてはなりません。営業戦略を立てる際は、営業戦術の視点も併せて持ち合わせておくことが重要となります。

ここでは、実際に営業戦略で活用されることも多いフレームワークをご紹介します。

3C分析

3C分析は、以下3つの関係性から会社の現状を分析することをいいます。

  • Company(自社):他社に真似できない自社の強みは何かを分析します。自社の売上、営業履歴、市場のシェアなど、持っている強みを洗い出しましょう。また、外部要因に適さない弱みを洗い出します。?
  • Customer(顧客):顧客の性別や年齢、価値観などを洗い出し、ターゲット層を明確化します。?
  • Competitor(競合):競合他社の現状や市場評価、自社との違いは何かを分析します。主に競合他社の売上、営業利益、マーケティング手法など、どのように顧客と接しているのかを洗い出します。

3C分析を行うことで、経営資源をどこに集中するべきなのか分かります。そのため事業の方向性がはっきりするでしょう。

活用方法

3C分析を活用するのは、以下のタイミングが多いとされています。

  • 新事業の方向性を決める時
  • 新商品のマーケティング戦略を決める時
  • 新規店舗の出店

このように戦略の大枠を決めるタイミングで使われます。新しい商品やサービスをどのように顧客に売り込むのかなどの、ターゲット層の確認や強みの分析に使われます。

SWOT分析

SWOT分析では、自社の強みや弱みなどの内部環境と競合他社や市場トレンドなどの外部環境の4つの要素の関係性を分析して、自社の立ち位置を把握できます。

  • Strength:強み
  • Weakness:弱み
  • Opportunity:機会
  • Threat:脅威

客観視できるので、そこから効果的な営業戦略やマーケティング戦略を立てやすくなるでしょう。

また分析を行うことで、自社事業への理解が深まります。その内容を共有することによって、メンバー間での連帯感が生まれることも期待できるでしょう。

内部環境と外部環境の主な違いは、自社がコントロールできるかどうかです。SWOT分析を行う場合、まずは法律や市場状況、技術革新など外部環境の分析から行います。そして次に、自社の強み、弱みなどの内部環境の分析を行いましょう。すべてを洗い出そうとするのではなく、事前に仮説や項目を決めておくのがおすすめです。

分析では、つい「自社の強みと弱み」に注目してしまいがちです。しかしそこばかりに注目すると、分析結果が偏ってしまいます。「強みを強化し、弱みを強みにしていくにはどうしたらいいのか」「弱みを補強するためにどうしたらいいのか」などのクロス分析を行いましょう。

活用方法

SWOT分析は、自社の課題や市場機会などを見つけるのに役立つフレームワークとされています。3C分析で自社と業界の分析を行い、さらに詳細な営業戦略を立てる際に有効です。

3C分析で出た結果を、SWOT分析のフレームワークに当てはめ、自社の状況を整理するのがおすすめです。

4P分析

4P分析は、企業が商品やサービスを販売する際に使用するマーケティング要素です。

以下の4つを競合他社と比較することにより、「どの商品を、どのくらいの価格で、どのように、どうやって売ればいいのか」などが分析できます。

分析をすることで、競合他社に対する自社の強みや弱みが明確になります。そのため、直接ターゲット層に訴えかけられるような、具体的な施策を生み出せます。

  • Product(製品):自社が売りたい商品やサービスだけを考えるのではなく、顧客に必要とされる商品やサービスとはどういったものかを検討します。営業戦略を立てる際には、顧客のニーズに合った商品やサービスを開発する目線が必要なためです。
  • Price(価格):市場で販売するために価格を分析します。営業戦略において、価格設定はとても重要な要素とされています。設定する価格は、高くもなく安くもない適正な価格でなくてはいけません。またターゲット層に見合っている必要があります。適正でない価格は、ターゲットにとって魅力的にうつらないためです。?
  • Place(流通):「どのような経路」「どこで売り出すのか」を分析します。ターゲット層に合った流通経路を考える必要があります。?
  • Promotion(プロモーション):販促の方法を分析します。多数のターゲットを対象とする場合は、新聞や広告のようなマスメディアが適しているでしょう。逆に、ターゲットを絞る場合は、ダイレクトメールやリスティング広告などが適しているとされます。

活用方法

商品・サービスの営業戦略を具体的にするフレームワークです。具体的に定めることにより、実行プロセスにつなげやすくなるでしょう。

「どの商品・サービスを」「どこで」「どのくらいの価格で」「どのようにして」と単体で分析するのではなく、それぞれをつなげて考えることが重要です。

5W1H

5W1Hは、以下5つの要素で構成され、情報伝達や共有、文章構成など、さまざまな場面で活用できます。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

たとえば、5W1Hの順番で構成して報告すれば、誰が見ても分かりやすいです。簡潔にまとめられるので、伝達が必要な場面での誤解も少なくできるでしょう。また、この5W1Hには、4P分析の考え方も含まれています。4P分析を行なった際に、もし戦略が断片化してしまったら、この5W1Hを使えば一つのまとまった思考として整理できるでしょう。

5W1Hの「問い」はさまざまな論点に置き換えることができるので、汎用性が高いのも特徴です。

When(いつ)

商品の販売開始時期や販売期間など、あらゆる「いつ」を分析するのに使用されます。自社製品のみならず、競合他社の販売開始時期、販売期間、キャンペーンの期間などを分析し、最適なタイミングを洗い出します。?

Where(どこで)

商品・サービスを消費者に届ける際の、販売チャネルや流通経路などを分析するのに使用します。実店舗やネットショッピング、またはこれらを組み合わせたものなど、顧客が利用しやすいチャネルはどこかを洗い出します。それがどんなシチュエーションなのかも考えましょう。?

Who(誰が)

ターゲットとなる人物のペルソナ像を考えます。企業が誰に売りたいのか、どういった属性の人物が自社の商品を購入したいと考えるのかを分析します。

また、ターゲット層にのみに縛られず、プロジェクトに関するさまざまな「Who」を分析することもあります。たとえば商品の開発チーム、マーケティングチーム、小売店など、商品がターゲットに届くまでに関わる人物を分析する方法です。

この方法により、単にターゲットを分析するだけでは見つからなかった問題点やアイディアなども発見できるでしょう。

What(何を)

商品やサービスを分析します。商品自体だけでなく、「その商品が顧客に提供できる価値」も考えましょう。これは現代の消費者が、「その商品を買うことによって自身にどんな価値が生まれるか」が購買意欲に直結していると考えられているからです。そのため、顧客に価値を感じてもらえるような「What」は何かを考えることが重要です。

逆に考えれば、企業がその商品でどんな価値をターゲットに与えたいのかが明確化するでしょう。

Why(なぜ)

商品やサービスを販売する際の目的やゴールを分析します。「なぜこの商品を販売するのか」という企業の意義や背景は、製品価値にもつながります。また、顧客目線に置き換えれば、ターゲットがなぜその商品を欲しがるのかということも分析できるでしょう。これにより市場のニーズなども分析できます。

How(どのように)

ターゲット層に商品やサービスのことを知ってもらい、実店舗やホームページに訪問してもらうための方法を分析します。たとえば、広告でのアプローチや、既存顧客リストを使ったダイレクトメールの発送などの方法が存在します。

販売促進方法や集客方法は、媒体や頻度、予算によってさまざまな方法があります。そのため、最適な方法を選択する必要があるでしょう。

PEST分析

PEST分析とは、マクロ環境が自社にどのような影響を与えるのかを分析するフレームワークです。以下4つの要素から、マーケティングの課題などを見つけ出します。

PEST分析のメリットは、マクロ環境が与える影響を分析できる点です。マクロ環境はビジネスに大きな影響を与えますが、将来の予測は困難です。そのため、中長期の戦略をシミュレーションすることにより、自社の立ち位置を明確化できます。

  • Politics(政治):政治や法律などの行政面から、市場環境を分析する方法です。法律、法改正、条例、税制、政権交代などを分析します。
  • Economy(経済):経済的要因を分析する方法です。景気動向、賃金動向、株価、為替、物価、消費動向などを分析します。
  • Society(社会):人口や流行など社会的要因の観点から分析する方法です。人口、社会インフラ、流行、世論などを分析します。
  • Technology(技術):技術的観点から分析する方法です。インフラ、ビッグデータ、IT、新技術などを分析します。

PEST分析では自社にとって、プラスやマイナスの要因となるものを整理するのに役立ちます。またその影響度なども評価できます。営業戦略として活かすのであれば、他のフレームワークへ落とし込みながら考える必要があるでしょう。

たとえば「SWOT分析」では、機会や脅威などの要因に左右されやすいものが分かります。ここにPEST分析で出た結果を落とし込めば、何が一番影響しやすいのかが分析できるでしょう。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、問題に対して「Why(なぜ)」と「How(どうやって)」を繰り返し、問題を要素分解する方法です。

たとえば、「売上を向上させる方法」について考えるとします。売上向上のためには何が必要かという要素を考え、「顧客数を増やす」「顧客単価を向上させる」という2つの要素に分解します。そして次は「顧客数を増やす」には「新規顧客の開拓」や「既存顧客のリピート率を上げる」ことが必要など、どんどん分解していくのです。最終的に、実行すべきことが分かるようになります。?

ロジックツリーは図を作成しながら思考します。そのため誰が見ても分かりやすく、解決策にたどりつきやすいフレームワークとされています。

VRIO

VRIOは、企業が持つ経営資源に注目したフレームワークとされています。経営資源を4つの観点から評価し、その企業独自の強みと弱みを分析します。

以下が4つの観点で、これらの頭文字を持って「VRIO」と呼ばれています。?

  • Value(経済的価値)
  • Rarity(希少性)
  • Imitability(模倣困難性)
  • Organization(組織)

Value(経済的価値)

最初に考えるのがValue(経済的価値)です。経営資源は、この経済的価値が無ければ成り立たないためです。

Valueでは、自社の経営資源が顧客や社会にどんな価値を提供しているのかを評価します。

経済価値に関する確認項目に対して、チェックを入れていく方法をとることが多いです。?

たとえば、特定の設備があったとします。その設備を所有していることが、売上の拡大やコスト削減につながっているか否かなどが評価項目になるでしょう。?

Rarity(希少性)

2つ目はRarity(希少性)です。自社の経営資源にどれくらい希少性があるのかを評価します。希少性が高ければ競合他社に模倣されにくく、有利にビジネスを進められます。

そのため顧客から高い支持を得られるでしょう。?

また企業が抱えている人材が、特殊な分野かつ教育や育成にも時間がかかるならば、かなり希少性が高いと判断できます。ただし、あまりにニッチな分野であれば、それほど優位に立てない可能性があります。

Imitability(模倣困難性)

Imitability(模倣困難性)とは、競合他社が簡単に模倣できるかどうかという評価です。模倣しやすいものであれば、現状で優位に立っていたとしても、それを継続させることは難しいといえます。?

反対に、技術的な優位性やシステム面での構築に他社と違う点があるならば、簡単に模倣できないと判断できます。

Organization(組織)

経営資源が積極的に活用されている組織か否かを判断するのが、Organization(組織)です。上記3つのプロセスで、経済的価値、希少性、模倣困難性を明らかにしておき、それを十分に発揮できる組織であるかどうかを判断します。

バリューチェーン分析

自社が提供する価値が、顧客に届くまでのプロセスをつなぎ合わせて整理します。

たとえば、小売業の場合は、企画・仕入れ・店舗の運営・集客・販売などのプロセスを経て、顧客に商品が届きます。

このプロセスの一つひとつを分析することで、どのプロセスが一番大きな価値を生み出しているのか、競合他社と比べてどのプロセスが優れているのかを明確化できるのです。

強み弱みが明確化されるので、どこを活かしてどこを改善すべきかの戦略が立てやすくなります。

BANT条件

BANT条件は、下記4つの要素から、顧客へ質問するうえでの基本的なフレームワークとされています。?

  • Budget(予算):製品やサービスを導入するだけの予算があるのか、また確保可能であるかを判断します。?
  • Authority(決裁権):決裁権を持つ人物に提案できているかどうかを考えます。
  • Needs(ニーズ・需要):企業としてニーズや需要があるのかを確認します。?
  • Time frame(導入時期):導入する時期が具体的に決まっているかを確認します。

TOWS分析

TOWS分析は、SWOT分析の4つの要素をそれぞれ縦横に配置し、戦略を考えていく方法です。そのため「クロスSWOT分析」とも呼ばれています。?

  • 強み×機会:自社の強みを活かし、機会を拡大する戦略を考えます。?
  • 強み×脅威:自社の強みを活かし、脅威に対処する戦略を考えます。?
  • 弱み×機会:自社の弱みを補完することで、機会を逃さないようにする戦略を考えます。?
  • 弱み×脅威:自社の弱みと脅威をどうすれば最小化できるかの戦略を考えます。?

多角的に自社を分析することにより、さまざまな方向性から具体的な施策を立案できます。

このTOWS分析を行う際には、「書き出す→チェックする」という行為を何度も繰り返しましょう。その際に、「実現可能か」「有効か」「重要度はどれくらいか」「コストはどのくらいか」のポイントをチェックすることで、より具体的な施策を立てることができます。

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