クロージングとは?営業プロセスから成功のコツまで

更新日:2024.02.09 / 営業ノウハウ 

クロージングとは?営業プロセスから成功のコツまで
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クロージングは、取引や契約の最終段階を指します。顧客が購入や契約を決定するかはクロージングで決まるため、営業において最も重要なプロセスといっていいでしょう。しかし、「会話も弾んで顧客も乗り気に見えたのに、クロージングがうまくいかない」という営業パーソンは多いです。

そこで今回は、クロージングの重要性や成功率を上げるテクニックなどをご紹介します。

クロージングは営業プロセスの最終局面

クロージング(Closing)とは、「終了」や「閉幕」を意味し、顧客が購入や契約を決定する最終フェーズです。単に契約書を締結することだけでなく、そこに至るまでのアプローチ全体をクロージングと呼びます。営業パーソンにとっては、営業活動の最終局面であり、売上につながる重要なプロセスです。

クロージングの重要性

営業プロセスの中で適切にアプローチでき、顧客の購入や契約の意思がほぼ固まっていたとしても、クロージングによっては成立に至らないことがあります。

例えば、クロージングせずに「後日改めて」などと顧客の返答を先延ばしにすると、顧客にとっての必要性が薄れる可能性があります。再度リサーチしたり他人の意見を聞いたりして、購入や契約に消極的になって成立に至らないかもしれません。

また、クロージングしても意思を無視して進めれば、顧客は押し売りされているように感じ、これまで築いた信頼関係が崩れて白紙に戻る可能性もあります。

SFAツールで商談を管理している企業の場合、データを蓄積していけばどの段階で失注となったかがわかるでしょう。提案のアポイントまでは取れるのに、受注率は低いなどという営業パーソンの場合、クロージングに課題があるかもしれません。

クロージングの3つのSTEP

クロージングは商談における最終段階ですが、さらに細かく3つのフェーズに分けられます。それぞれについて説明します。

テストクロージング

テストクロージングは、商談の最中に、顧客の意思を段階的に確かめることです。「説明の内容で不明点や不安点はありましたか」「見積りは納得いただける内容でしたか」など、簡単な質問を投げかけ、感想やその感想を持った理由を聞きます。

ここであまりに反応が良くないようであれば、「購入(契約)の意思なし」として、ほかの見込客に注力する場合もあるでしょう。

テストクロージングは1回で終わりということではなく、商談が進んできたら、より詳細な質問をします。「購入するとしたらどれがいいと思いますか」「もし1割値引きしたら検討できそうですか」などの質問をすることで、相手から条件や購入の意志を引き出せます。

クロージング

テストクロージングで顧客が製品やサービスの購入や契約に意欲的と判断できたら、最終的な意思決定を促す段階です。「いかがですか?」「どうされますか?」といった問いかけで、顧客の背中を押します。今決めるメリット、先延ばしするデメリットを伝えることも重要です。

この段階では、製品やサービスの機能について顧客も理解できているでしょう。より具体的に成約後のイメージを顧客に想起させ、課題をどのように解決できるか説明します。シミュレーションの結果や、他社の事例を引き合いに出すのも効果的です。

契約締結

クロージングで顧客の「YES」を引き出せたら、契約締結に進みます。契約内容の確認や契約書への署名・捺印など、顧客側が行う作業について、最後まで気を抜かずにサポートすることが大事です。契約書の内容に不備がないかをチェックするとともに、顧客側に疑問点や不明点がないかも、しっかり確認しておきましょう。

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クロージングの成功率を上げるには、役立つテクニックを知っておくことが重要です。状況に合わせて使い分ければ、クロージングの成功率をさらに高めることができるでしょう。クロージングで使えるテクニックを紹介します。

BANT条件を確認しておく

BANT条件は単に「BANT」と呼ばれることもあり、商談をスムーズにクロージングするために必要な、顧客側の4つの情報を指します。これが明確に把握できていないと、顧客側の要望や条件に合った提案ができません。

BANT

確認すべき内容

Budget(予算)

製品やサービスを導入できる予算が確保できているか

Authority(決裁権)

決裁権を持っているのは誰か

Needs(必要性)

製品やサービスを必要としているか

Timeframe(導入時期)

具体的に導入時期が決まっているか

テストクロージングを行う

テストクロージングは必ず行いましょう。特に、営業経験が浅い人、なかなか契約が取れない人は、テストクロージングが重要です。

前述しましたが、段階的に質問を行い、合意を進めながら商談を進めることで、顧客の興味や意思を確認できます。合意できている項目が多いほど、クロージングの成功率は上げられます。

ベネフィットを提示する

商談中は、製品やサービスの優位性やメリットをアピールすることに終始しがちです。しかし、顧客が求めているのは、「それによって得られる利益」です。ベネフィットを明確に、具体的に提示することで、顧客は購入・導入後をイメージでき、決断しやすくなります。

製品やサービスがどのような場面で役立ち、どのような価値を提供するかを示せば、提案の内容に説得力が生まれます。シミュレーションの結果や、他社の事例は、こういったところでも役立つでしょう。

選択肢を提示する

クロージングは決断を迫ることでもありますから、場合によっては不快に感じる顧客もいるでしょう。色やプランなどの選べる余地を残しておくことで、顧客自身に主導権があると感じさせられます。また、決断が苦手な顧客に、「どうしますか?」などと漠然とした聞き方をすると迷ってしまうため、選択肢を示すことで選びやすくなります。

ただし、選択肢が多すぎるとかえって決断しにくいため、選択肢は2つか3つ程度にしましょう。異なる製品やプランを絞り、「御社にはどれが合いそうですか」などと質問することで、顧客に「自分で選んで決めた」という実感を持ってもらえます。

沈黙を恐れない

商談の途中で顧客が沈黙することがあります。商談の大詰めの段階ですから、顧客は頭の中でさまざまなことを考え、検討しています。不安になって矢継ぎ早にしゃべってしまう営業パーソンもいますが、声をかければ相手の思考を妨げるでしょう。新たな情報を与えることで、顧客がより迷う可能性もあります。

提案後に顧客が沈思する時間は、「ゴールデンサイレンス」と呼ばれます。その価値を理解して、顧客の反応を待ってください。

YES SET話法を使う

YES SET話法は、商談中に使われる、顧客から「Yes」を引き出すための心理的交渉術です。

人には、自分の信念や行動を一貫させたい「一貫性の法則」があります。顧客が「Yes」と答えやすい質問を繰り返すことで、肝心な質問に対しても「Yes」を引き出しやすくなります。

まずは、世間話や企業の事実に基づいた話などで「Yes」を複数回もらっておくことがポイントです。「最近は寒くなってきましたね」「今年は新卒採用を増やしたのですね」など、簡単で答えやすい質問から、本題に入りましょう。

YES BUT話法を使う

相手の意見を否定しつつ衝突を避ける、クッション的な話法です。どうしても相手の意見を否定したい場合に、まず「なるほど、確かに」と「Yes」で受け止め、その上で「しかし、こうした意見も」という具合に「But」でつなげます。

例えば、「こんなツールを入れても、従業員が使いこなせないから」などと言われたとき、「そういった課題をお持ちの企業は多いですね」「ですが、弊社では導入のサポートとして……」などと、相手の意見をやんわりと否定しつつ、自社のアピールが可能です。

真っ向から否定すれば、信頼感が崩れ、相手も自分に対して否定的になります。それを避けて会話を続けられるのが、この話法のメリットです。

DOOR IN THE FACEを使う

DOOR IN THE FACEは行動心理学のテクニックで、最初に過大な要求を断らせ、その後に本命である「より小さな要求」を通しやすくします。「借りは返さなければ」と考える、人間の返報性の心理を活用したテクニックです。

提案の際にまず高額なプランを提示しておき、「それは無理だよ」といわれたところで、本命のプランを提示する、というように使います。

似た言葉でFOOT IN THE DOORがありますが、これはYES SET話法と同様に、断れないような小さな要求を重ね、本命の要求と通しやすくする行動心理学のテクニックです。

タイミングを見極める

クロージングでは、タイミングが何より重要です。顧客の状況や決裁者の気分によっても、成約できるかどうかが左右されることもあります。

相手側からの契約条件がすべて出そろい、契約後のサポートについての質問が出たら、顧客は自社製品に興味を持ち、購入・導入後をイメージできているといえます。クロージングの絶好のタイミングといえるでしょう。

SFAを利用する

クロージング率を高めるには、SFA(営業支援システム)を利用するのがおすすめです。

SFAは営業活動に関するあらゆる情報をデータ化して分析できるツールです。営業のプロセスを一元管理でき、次のアクションが設定されているか、内容や時期は適切かなどが可視化できるでしょう。データに基づいて、成約率向上に貢献していること、失注につながることを分析することもでき、営業プロセス改善も可能です。

クロージングは担当者の経験や勘に頼ることも多いものです。SFAを活用すれば、データをもとに最適なタイミングやアクションがわかります。個々の成約率を高めるだけでなく、属人化を改善して営業の組織力を底上げすることにもつながります。

クロージングのテクニックを磨いて成約率をアップさせよう

クロージングは営業の最終プロセスであり、売上につながる重要な機会です。しかし、最終プロセスまで商談を進めても、クロージングで失注となってしまうことも少なくありません。

成約率を高めるなら、クロージングのテクニックを身につけるとともに、データから最適なタイミングを導いたり、営業プロセスそのものを見直したりすることも重要です。SFAを利用すれば、商談以前の見込客の段階から、営業活動をデータ化し、可視化できます。その上でクロージングを行えば、営業活動全体を効率化でき、成約率を高めることも可能でしょう。

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