クロスセルとは?アップセルとの違いや成功のポイントを解説

更新日:2024.02.09 / 営業ノウハウ 

クロスセルとは?アップセルとの違いや成功のポイントを解説
Pocket

クロスセルは、ある商品やサービスを利用している、または検討している顧客に、関連する商品やサービスも提案して購入してもらうことです。「アップセル」とともに、顧客単価を高めるための営業手法として注目されています。

クロスセルを成功させるためには、顧客のニーズを見極め、タイミング良くアプローチすることが重要です。今回は、クロスセルの目的や、成功させるポイントについて解説します。

クロスセルとは

クロスセルとは、顧客が購入を検討している商品やサービスの、関連商品やサービスを併せて購入してもらうこと、あるいはその営業手法を指します。以前からその概念は知られていましたが、新規顧客の獲得コストが上がっている今、企業は別の手法でも売上の拡大を目指す必要があります。そこで注目されているのがクロスセルです。

クロスセルの具体例

クロスセルの手法は、さまざまな場面で利用されています。ECサイトで買い物をすると、過去に購入した商品や関連商品が表示されますが、これもクロスセルの手法のひとつ。ハンバーガー店で購入した際に、「ご一緒にポテトはいかがですか?」などとすすめられるのも、クロスセルの手法です。

BtoBの場合は、ビジネスチャットツールを提供する企業が、ワークフローツールや勤怠管理ツールなども展開するようなことがクロスセルの手法にあたるでしょう。

クロスセルとアップセルの違い

クロスセルとアップセルは、どちらも顧客単価を高める手法ですが、顧客へのアプローチ方法が違います。

アップセルが上位商品や多機能・高機能のプランへのアップグレードをすすめるのに対し、クロスセルは関連製品の購入を促すものです。より高額な製品への乗り換えで売上を伸ばすか、購入点数を増やすことで売上増を見込むかが、両者の大きな違いです。

アップセルとは?重要性や成功のポイントを解説

クロスセルのメリット

企業にとって、クロスセルにはいくつものメリットがあります。それぞれについてご説明しましょう。

顧客単価の増大

クロスセルの第一のメリットは、関連商品やサービスを同時に購入してもらうことで、顧客単価が増加できることです。新規顧客と同じだけの売上アップを図る場合に比べて低コストのため、利益率の向上にもつながるでしょう。

SaaSのビジネスが増えてきたことで、LTV(顧客生涯価値)の重要性が増しています。LTVは1人(1社)の顧客から生涯にわたって得られる価値を指し、クロスセルで顧客単価が増大できれば、LTVも増大することになります。

顧客ロイヤルティの向上

すすめた関連商品やサービスが顧客にとって価値を感じられるものであれば、単体での購入や契約よりも顧客満足度が向上できるでしょう。課題を解決してくれる、信頼できる企業として、イメージアップにつながり、顧客ロイヤルティを高められる可能性があります。

顧客ロイヤルティを高められれば継続利用につながり、リピーターになったり、他の顧客の紹介につながったりする可能性も高まります。

営業効率の向上

クロスセルによって、一度の商談機会で複数の商品やサービスを販売できれば、営業効率が向上します。新規顧客を獲得する場合、商談や交渉はもちろん、アポイントの獲得やナーチャリングなども必要となり、時間や労力といったコストがかかります。

その点クロスセルであれば、既に商品やサービスを利用している、または知った上で検討している顧客に関連商品やサービスをすすめることです。低コストで営業活動が行えるでしょう。

クロスセルmv

闇雲に顧客にアプローチしても、クロスセルは成功しません。具体的なやり方は商材や顧客との関係性によっても変わりますが、まずは基本的な流れに沿って、実践することをおすすめします。

顧客情報を分析する

まずは顧客情報を収集して、LWP分析を行います。LWP分析は「List(顧客リスト)」「What(行動内容)」「Pace(頻度)」の頭文字をとったフレームワーク。顧客リストからクロスセルの対象者を選定し、直近の購買行動や抱えている課題などを洗い出します。さらに、その顧客との接触頻度とアプローチに対する反応を確認します。

商品やサービスの利用率が高く、頻繁に接触して良い反応が得られている顧客なら、クロスセルの成功率は高くなるでしょう。こういった顧客情報の収集や分析は、SFAやCRMなどのツールを利用することで、比較的簡単に行える場合があります。

関連する商品やサービスを選定する

分析を終えたら、その結果を踏まえてクロスセルに適した自社商品やサービスを選定します。単なる抱き合わせではなく、顧客が抱えている課題やニーズに応え、メリットを提供できるような商品やサービスでなければなりません。顧客が「少々コストが高くなっても、この製品がほしい、使いたい」と思うような、顧客目線での商品やサービスを選んでください。

シナリオを構築する

選定ができたら、クロスセルのシナリオを作ります。契約タイミングや購入頻度、利用期間、価格などのデータを突き合わせることで、顧客の状況とニーズを読み取り、それに応える提案を行ってください。

例えば消耗品なら、使用頻度が高まれば、使用者や頻度の増加が想像できます。その場合割引価格で提供できる定期購入コースを提案するなどといったアプローチが考えられるでしょう。

クロスセルを実行する

クロスセルに際し、必ず効果測定を行ってください。商品やサービス、シナリオは、分析結果にもとづいた仮説がベースです。仮説が正しかったかどうかは、効果測定で確かめます。

仮説と検証のサイクルを繰り返していくことで、効果的な施策を絞り込むことができ、クロスセルの精度を高めていくことができるでしょう。

クロスセル成功のポイント

クロスセル3

クロスセルは失敗すれば顧客を失う可能性があるだけに、慎重に進める必要があります。効果的なクロスセルのために、成功のポイントをご紹介します。

アフターフォローを行う

購入や契約で終わりではなく、アフターフォローを継続することで、顧客との関係性が維持できます。カスタマーサクセスを実施し、定期的にアプローチを続けることで、顧客満足度を高め、クロスセルが成功しやすい状態を保つことができます。

カスタマーサクセスとは?注目される理由や成功のポイントを解説

ナーチャリングを行う

ナーチャリングは「育成」を意味します。顧客の興味に合わせて段階的に情報提供することで、購買や制約の意欲を育てる段階的なマーケティング活動を指します。メルマガやSNS発信、ホワイトペーパーの提供やセミナーの開催など、その手法はさまざまです。

ナーチャリングは、新規顧客獲得のために見込客に対して行われることが多いですが、既存顧客に対して行うことで、クロスセルしやすい状態に育てることが可能です。

顧客情報を分析し共有する

クロスセルのためには、顧客ニーズを把握し、タイミングを見極めることが重要。ニーズに合わない商品やサービス、購買意欲が高まっていないタイミングでのアプローチは、単なる押し売りに思われかねません。

SFAやCRMなどのツールを活用し、効率よく顧客情報の収集と分析を行い、その情報を営業部門全体で共有できる体制が不可欠です。誰であっても顧客のニーズとタイミングがわかる環境を作りましょう。

正確なデータをもとに、効率的なクロスセルを

クロスセルは顧客単価を向上させる営業手法として重要視されていますが、闇雲に関連商品やサービスをすすめてもうまくいきません。まずは、SFAやCRMも利用し、顧客情報を収集して分析を行い、ニーズや課題を読み取り、クロスセルに適したタイミングを見つけてください。さらに、顧客との関係性を保ち、顧客満足度の高い状態で実施することで、クロスセルの成功率は高まります。顧客単価向上のために、クロスセルを成功させましょう。

SFAとCRMを兼ね備えた国産営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM(ちきゅう)」


蓄積された営業データを活用して売り上げを向上させるなら「GENIEE SFA/CRM」

定着率99%の国産SFAの製品資料はこちら

なぜ「GENIEE SFA/CRM」が選ばれるのか
  • SFAやCRM導入を検討している方
  • どこの SFA/CRM が自社に合うか悩んでいる方
  • SFA/CRM ツールについて知りたい方

個別相談会無料トライアル定着率99%国産SFA「ちきゅう」
個別相談会無料トライアル定着率99%国産SFA「ちきゅう」

新着記事

営業ノウハウに関連する記事

目次へ戻る

導入企業6,300社、定着率99%!
「GENIEE SFA/CRM」資料はこちら