CDPの仕組みとは?メリット・デメリットや業務改善事例を解説

あらゆる顧客接点から得られるデータを、どれだけ正確に、そして一貫して活用できるかが、企業の競争力を左右する時代になりました。なかでも注目されているのが、顧客データを一元的に管理・活用できる基盤としてのCDP(カスタマーデータプラットフォーム)です。
本記事では、CDPの仕組みや導入メリット、AIと組み合わせた活用事例、選定時の注意点までを網羅的に解説します。社内の情報活用力を高めたい方や、マーケティングの精度を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。
CDPとは?

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは、企業と顧客の接点から得られるファーストパーティデータを中心に、基本情報や行動・属性など幅広いデータを一元的に収集・蓄積するシステムです。分散しがちな顧客情報を統合し、深い分析や精度の高い施策立案を可能にします。
さらに、CRMやMAなどの外部ツールと連携すれば、サードパーティデータも活用でき、マーケティング全体の精度向上につながります。顧客データが複雑化する中、CDPは情報を整理し、活用可能な資産へと変える有用なツールです。
CDP(顧客データ基盤)とは?機能や顧客データを統合する仕組みを解説
CDPの目的
CDPの目的は、顧客一人ひとりに合わせた最適な体験を提供し、マーケティングの効果を向上させることです。
企業は氏名や住所といった基本情報だけでなく、行動履歴・購買履歴・問い合わせ内容など、あらゆる場所で得られる顧客データを統合・分析します。CDPの情報をもとに、ターゲットを絞った施策や、最適なタイミングでの営業・サービスの提供が可能になります。
CDPが近年注目されている理由
近年、CDPが注目されている理由は主に以下の3つです。
- サードパーティCookieの利用制限が進んでいる
- 個人情報保護に関する法規制が世界的に強化されている
- 顧客一人ひとりに合ったサービス提案が求められるようになっている
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サードパーティCookieの利用制限が進んでいる
サードパーティCookieとは、外部ドメインが発行し、Webサイトを横断してユーザーの行動を追える仕組みです。
従来はリターゲティング広告などで活用されてきました。しかし、現在はプライバシー保護の観点から規制が強化され、主要ブラウザで利用制限が進められています。
これにより、自社で収集したファーストパーティデータを活用できるCDPが、マーケティングツールとして注目を集めています。
個人情報保護に関する法規制が世界的に強化されている
近年、個人情報の取り扱いに関する法律が世界中で強化されています。
たとえば日本では、Cookieなどの情報を他社に渡す際、あらかじめ利用目的を伝えたり、ユーザーの同意を得たりするルールが設けられました。ヨーロッパやアメリカでも、個人データの利用に対してユーザーが拒否できる仕組みを導入する必要があります。
こうした背景から、自社で安全にデータを収集・管理し、活用できるCDPの重要性が高まっています。
顧客一人ひとりに合ったサービス提案が求められるようになっている
購買行動の多様化により、顧客一人ひとりに合わせたサービス提案が求められています。誰にでも同じ提案をするだけでは、購入してくれません。そのため、一斉配信では成果が出にくく、One to Oneのパーソナライズ施策が重要です。
CDPを導入すれば、顧客の行動履歴やデータを統合・分析し、関心や行動パターンに応じたアプローチが可能になります。その結果、コミュニケーションの質が高まり、顧客体験とマーケティング全体の成果向上につながります。
CDPの仕組み
CDPは散在する顧客データを集約・統合し、分析や外部ツールとの連携を通じてマーケティングに活用できる状態に整えるシステムです。
ここでは、CDPがどのような流れでデータを扱い価値ある形へと変換していくのか、基本構造についてご紹介します。
- データの集約
- データの統合
- データの解析
- データの連携
データの集約
CDP導入の最初のステップは、顧客に関するさまざまな情報を集め、整理します。以下のように、あらゆる接点から得られるデータを収集し、可視化・整理します。
- 属性情報(性別・年齢・居住地など)
- 興味・関心
- Webサイトやアプリ上での行動履歴
- 購買記録(オンライン・オフライン)
- 資料請求や会員登録などの申し込み状況
さらに、POSレジを備えた実店舗とのデータ連携が可能なCDPも登場しており、オンラインとオフラインを統合した情報管理が実現しつつあります。
データの統合
CDPは収集したさまざまなデータを顧客IDに紐づけて統合できるシステムです。統合された情報により、顧客ごとに属性情報や行動履歴がひとつにまとまり、全体像を正確に把握できるようになります。
統合された情報は、個々のニーズや関心を読み解く土台となり、より精度の高いターゲティングやパーソナライズ施策の実行につながります。
データの解析
CDPの統合データは、顧客理解を深めるための分析に活用されます。属性情報と行動履歴を組み合わせることで、どの顧客層が特定の商品やサービスに興味を持っているかを把握できます。
なかでも行動パターンに注目すると、年齢・性別・地域などの基本属性だけでは見えない、潜在的なニーズを可視化することが可能です。こうした分析結果をもとに、顧客の傾向に合った施策を考えることで、より効果的なマーケティング施策につなげられます。
データの連携
CDPは収集・統合・分析した顧客データを外部ツールと連携することで、実際のマーケティング施策に活用できる状態へと展開します。連携先としてはマーケティングオートメーション(MA)ツールや広告配信システム、CRMなどが代表的です。
こうしたツールとの連携を通じて、興味関心に応じたメッセージ配信やキャンペーンの実行が可能になります。その結果、施策の精度と効果を大きく高められます。
CDPとよく混同される3つのツール

ここでは、CDPと混同されがちな他ツールの違いを解説します。
- CDPとCRMの違い
- CDPとDMPの違い
- CDPとMAの違い
CDPとCRMの違い
CDPとCRMはどちらも顧客データを扱うものの、目的や活用範囲が異なります。
CRMは顧客とのやり取りや購買履歴を記録し、一人ひとりの情報を把握・管理するための仕組みです。営業やサポート部門での対応を効率化し、既存顧客との関係維持に役立ちます。一方CDPは、Web行動や外部データなど広範な情報を集約し、既存顧客だけでなく見込み顧客の理解にもつなげられます。
つまり、CDPは見込み顧客も含めた全体像を把握するためのものであり、CRMは既存顧客との関係を管理するツールです。
CDPとDMPの違い
CDPとDMPは、企業のデータ活用を支援するプラットフォームには変わりありません。ただし、目的と扱うデータが異なります。
CDPは、自社で収集したファーストパーティデータをもとに、顧客一人ひとりのプロファイルを構築し、CRMやMAと連携したパーソナライズ施策を実行する仕組みです。DMPは、Cookieなどの匿名データをもとにセグメントを分析し、広告配信の最適化に活用されます。
つまり、DMPは不特定多数の傾向分析に特化し、CDPは顧客に向けたOne to Oneマーケティングを支える仕組みです。
CDPとMAの違い
CDPとMAはどちらもマーケティングを支援するツールですが、役割は異なります。
MAは、見込み顧客に向けたメール配信などのマーケティング活動を自動化するための仕組みです。作業を自動化できるため、業務の効率化につながります。一方CDPは、Web行動・購買履歴・問い合わせ内容など、あらゆる顧客データを一元化し、顧客の傾向を分析するためのプラットフォームです。
つまり、MAはマーケティング施策を自動化するための仕組みであり、CDPは顧客理解を深めるツールです。
CDPを導入するメリット
顧客データが多様化・複雑化する中で、CDPの導入により、データ活用の仕組みを根本から再設計できます。ここでは、導入によって得られる主なメリットを紹介します。
- 顧客データを集約して管理できる
- 顧客の行動を細かく分析できるようになる
- 分析からアクションまでをスピーディに実行できる
- 部署間の情報共有が円滑になる
顧客データを集約して管理できる
CDPを導入すると、顧客一人ひとりの情報を複数チャネルから集約し、一元管理できるようになります。たとえば、以下のような情報をまとめて扱えます。
- 実店舗での購買履歴
- Webサイトの閲覧行動
- SNSでの投稿や反応
- メールマガジンの開封・クリック状況
- コールセンターへの問い合わせ内容
これらがバラバラに管理されていると、既存顧客に新規向けの案内を送るなど、対応ミスが起こりやすくなります。CDPにより情報を集約することで、顧客ごとの状態や関心に応じた対応が可能となり、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
顧客の行動を細かく分析できるようになる
CDPを活用すると、顧客の行動を把握しやすくなります。どの接点が購入のきっかけになったのか、購入後にどのような動きを取っているのかといった流れを可視化できます。
たとえば、定期的に購入している顧客の中でも、SNSのキャンペーンを見て反応している人と、習慣的に購入を続けている人では企業やブランドへの関心度に差があるでしょう。チャネルを横断して行動を比較・分析すると、顧客ごとの違いや傾向をより的確に把握できるようになります。
分析からアクションまでをスピーディに実行できる
複数のツールから必要なデータを集めて分析を行うには、通常かなりの時間がかかり、施策実行までに数週間を要するケースも少なくありません。このようなタイムロスは、迅速な意思決定を求められる現場にとっては大きな課題となります。
CDPではあらかじめ統合・整理されたデータをそのまま分析に活用できるため、手作業に比べて処理時間を短縮できます。分析結果に基づいたアクションを即座に実行できるようになることで、PDCAのサイクルも加速し、変化に対応した柔軟な施策運用が可能になります。
部署間の情報共有が円滑になる
顧客データをCDPで集約・整理することで、社内の部門間における情報の共有がスムーズになります。ある部署の顧客情報が、他の部門の判断や施策に影響を与えることも珍しくありません。
たとえばカスタマーサポートへの問い合わせ内容には、顧客の理解度や関心、期待値が色濃く表れます。こうしたデータをマーケティング部門が活用すれば、より共感性の高いコミュニケーションや提案につなげやすくなるでしょう。部門間で顧客情報を共有することで、企業全体で一貫したアプローチが可能になります。
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CDPを導入するデメリット

CDPは顧客データを統合し、マーケティング効果を高める一方で、個人情報漏洩のリスクには注意が必要です。多くの情報を一元管理するため、万が一のセキュリティ事故が発生した際には、顧客からの信頼喪失や法的リスク、企業ブランドへのダメージにつながる恐れもあります。
リスクを抑えるには、以下のような対策が重要です。
- セキュリティ対策を考慮した段階的な導入
- 社内での明確なデータ管理ルールの策定
- 担当者への教育と責任の明確化
安心してCDPを運用するには、ツール任せにせず、技術面だけでなく社内の運用体制や管理フローの整備が不可欠です。
CDPのメリット・デメリットについて解説!仕組みや導入事例を解説
CDPとAIを連携した活用事例
CDPとAIの活用により、顧客理解と施策実行の精度が飛躍的に向上し、従来以上の成果を上げる企業が増えています。
ここでは、実際の活用事例を通じて、具体的な効果や応用方法をご紹介します。
- パーソナライズされた顧客エンゲージメントの最適化
- 消費財メーカーにおけるOMOと顧客ロイヤルティ向上
- メディア企業におけるコンテンツと広告のパーソナライゼーション
パーソナライズされた顧客エンゲージメントの最適化
競争が激化する自動車業界では、従来の画一的な広告施策では多様化する顧客の購買行動を捉えきれず、エンゲージメントの強化が課題となっていました。
この課題に対し、ある自動車メーカーはCDPを導入し、800億件を超える顧客データと800以上のデータポイントを統合。そこにAIの機械学習を組み合わせることで、購買可能性の高い見込み客を特定しています。
その結果、CTRは従来比250%増加し、転換率は18%から21%に改善されています。さらに、AIが導き出した有望な顧客に営業リソースを集中させた結果、成約率も14%向上し、営業活動の生産性が大きく改善されました。
CDP(顧客データ基盤)とは?機能や顧客データを統合する仕組みを解説
消費財メーカーにおけるOMOと顧客ロイヤルティ向上
消費財メーカーでは、オンラインと実店舗の顧客接点が分断されており、顧客全体の動きを捉えたパーソナライズ施策の展開が難しいという課題がありました。
そこで、同社はCDPを活用し、ECでの購買データと店舗での来店履歴を一元管理しました。さらに、機械学習を用いて現在地と過去行動を掛け合わせ、最適なタイミングでプロモーションを展開しています。
その結果、店舗売上は46%増加し配信したクーポンの利用率は100%を記録しました。顧客の行動や状況に合致した情報提供が、企業の成果と信頼の双方に寄与する好例となりました。
メディア企業におけるコンテンツと広告のパーソナライゼーション
ある新聞社では、読者ニーズの多様化と情報量の増大により、画一的な配信ではエンゲージメントが低下し、十分な収益確保が難しくなっていました。
そこで、CDPを導入し、顧客データの統合によるプロファイルを構築しました。AIの生成機能と連携し、セグメントごとに最適なコンテンツや広告素材の自動生成・配信できる体制を整えています。
この取り組みにより、バーティカルメディアの利用者数が増加し、収益面でも成果が出ています。顧客ごとに適した情報を届けることで読者体験の質が高まり、メディアの価値向上にもつながりました。
営業・マーケティングツールの集約に悩む企業の救世主【CDPツール】導入ガイド
各部門におけるCDPの業務改善事例
CDPは端的には会社内にあるさまざまなデータを収集・統合・整理しアウトプットする仕組みです。ここに最新のAIエージェント機能を組み合わせると、各部門が横断的に活用できるシーンが広がります。
ここではその活用例を一部紹介します。
- 営業部門における活用シーン
- マーケティング部門における活用シーン
- 総務部門における活用シーン
- 人事部門における活用シーン
- その他、製造系工場部門での活用シーン
営業部門における活用シーン
CDPとSFA、AIを活用すると、営業活動の工程を自動化できます。たとえば、商談内容の議事録作成や要点の要約、SFAへの登録といった作業が自動で処理される仕組みです。
さらに、トップセールスやベテラン営業マンのスキル・ノウハウをデータとして活用することで商談の内容を評価、フィードバック、次回訪問の準備までを自動化することが可能となります。
トップセールスのナレッジFAQシステムの構築例
トップセールスの知見をもとにFAQシステムを構築し、『営業なんでもチャットボット』としての活用も可能です。CDPによって整理されたデータをもとに出力すると、AIエージェントの回答精度も高まり、トークン量の最適化が期待できます。
マーケティング部門における活用シーン
広告代理店におけるCDP×AIエージェント活用例
広告代理店では、クライアントごとの月次レポート作成にCDPとAIエージェントを活用しています。具体的には、各クライアントの広告運用に関するローデータを自動で収集・整理し、AIがその内容を分析・考察したうえで改善提案を含むレポートを生成します。
総務部門における活用シーン
CDP×AIエージェント活用例
社内に散在する規定・マニュアル・ルールブック・過去のQAデータなどを収集し、CDPで整理したうえでAIエージェントから出力する形に整えます。
この仕組みによって、新入社員や中途社員から寄せられる質問に対して、毎回担当者が規定を検索しなくても、常に最新の情報を正確に案内できるようになります。
結果として、総務や人事部門の業務負担を大幅に軽減できるでしょう。人事部門における活用シーン
新卒・中途を問わず、採用活動では多くの業務が発生します。CDPとAIエージェントを活用することで、応募書類の確認や一次フィルタリング、HRシステムへの入力作業などを自動化することが可能です。
また、面接時の録音データから文字起こし・要約を行い、候補者の評価を客観的に判定するプロセスまで効率化できます。
これにより、人事担当者の業務負担を大幅に削減できます。その他、製造系工場部門での活用シーン
CDP×AIエージェント
全国の各工場に散在している、バージョン管理がバラバラなSOP(標準作業手順書)を常に最新の状態に保ち、必要な手順書をすぐに検索できる仕組みを構築することが可能です。
これにより、過去の類似トラブル事例も素早く検索できるようになり、現場での対応スピードと精度が向上します。結果として、トラブル対応の効率化と製品品質の向上にもつながります。
CDPを導入する際の注意点
CDPは導入するだけで効果が出るものではなく、成果を高めるには事前の準備や検討が欠かせません。ここでは、導入時に確認しておくべき基本的な注意点をお伝えします。
- 顧客情報の管理を強化する
- 自社のニーズに合うCDPを選ぶ
- 導入コストをチェックする
顧客情報の管理を強化する
CDPでは、個人の属性や行動履歴など機微な情報を幅広く取り扱うため、情報管理体制の整備が欠かせません。
万が一情報が漏洩すれば、企業の信頼低下だけでなく、広範な被害に発展するリスクがあります。こうしたリスクを未然に防ぐためにも、アクセス権限の設定や取り扱いルールの明確化など、運用前から管理体制を強化しておくことが求められます。
自社のニーズに合うCDPを選ぶ
CDPは機能や価格に幅があるため、自社の活用方針に合ったものを見極めるのが大切です。
まず導入の目的を明確にし、必要な機能が備わっているかを確認しましょう。あわせて、既存システムとの連携可否も重要な検討ポイントです。情報活用をスムーズに進めるには、業務全体との整合性を考慮した選定が求められます。
導入コストをチェックする
CDP導入にはさまざまなコストが発生します。検討の際は、以下の項目を事前に把握しておきましょう。
- プラットフォームのライセンス料
- 初期構築にかかる導入費用
- 日々の運用にかかるランニングコスト
- データ分析や運用を担う人材の人件費
単に支出を抑えるのではなく、自社にとって妥当な投資を見極め、費用対効果を向上させる活用計画を立てましょう。その結果、マーケティング施策全体のパフォーマンスが向上します。
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CDPの導入を成功させるための進め方

CDPは導入後の活用を見据えた計画と体制が重要です。
- CDP導入の目的とゴールを明確にする
- 必要なデータと体制を整理する
- 連携ツールと統合データを棚卸しする
- 実施する施策を具体化する
- PDCAを回しながら活用を広げる
1. CDP導入の目的とゴールを明確にする
CDPを導入するにあたって、目的や課題が曖昧なままだと、ツールの選定や運用が迷走しかねません。たとえば、「顧客の行動をより深く理解して売上を伸ばしたい」「チャネルごとに最適な施策を届けたい」といった具体的な課題を洗い出します。
さらに、「初回購入後のリピート率を3ヶ月で15%向上させる」など、達成したい数値目標を設定することで、効果を判断しやすくなります。複数の部門と連携しながら、全社で同じ方向を向いて進めることが大切です。
2. 必要なデータと体制を整理する
CDPを安定的に運用するには、使えないデータの混在や人材不足による活用停止を防ぐ準備が不可欠です。まず、どの情報が必要かを見極め、社内で点在しているデータの種類や所在を明らかにしましょう。
たとえば、以下のような情報が対象になります。
- 自社オンラインショップの購入履歴
- 店舗での販売実績や顧客情報
- サイト訪問時の閲覧傾向や行動履歴
- メール配信や広告施策の反応記録
あわせて、情報の取り扱いルールやセキュリティ面の体制整備も重要です。関係部門との連携を図りながら、継続的に運用できる仕組みを構築しましょう。
3. 連携ツールと統合データを棚卸しする
既存システムとの連携を後回しにすると、CDPの導入がスムーズに進まなくなる可能性があります。そのため、自社で現在利用しているツールや保持しているデータを早い段階で見直し、連携可能かなどベンダーのサポート体制まで確認しておきましょう。
たとえば、CRMやMAなど部門を横断して活用されている主要ツールは、CDPと連携する前提で見直す必要があります。導入前に関連システムやデータを整理し、運用の流れを確認しておくと、トラブルを防ぎながら安定した活用へとつなげられます。
4. 実施する施策を具体化する
CDPは導入するだけでなく、あらかじめ活用方法を明確にしておくことが大切です。そのため、顧客セグメントと連動したマーケティング施策を具体的に設計しておきましょう。
たとえば、過去に特定の商品を購入した顧客層に新商品の情報を配信するなど、顧客の属性や行動に基づいたアプローチを準備しておくことで、データをスムーズに施策へ活用できます。
さらに、MAツールと連携すれば、設定した条件に応じた施策を自動で実行することも可能です。活用イメージが明確であれば、導入後も戸惑うことなく活用を始められるでしょう。
5. PDCAを回しながら活用を広げる
CDPは導入して終わりではありません。活用の中で見えてくる課題や改善点に対して柔軟に対応していく必要があります。
最初から完璧を目指すのではなく、小さな施策を試しながら成果を測定し、改善を重ねていくと、社内にノウハウが蓄積されていきます。こうしたプロセスを通じて、CDPの活用範囲を段階的に広げていくことが現実的かつ効果的な進め方です。
また、継続的な効果測定やユーザーへのフォロー体制もあわせて整備すると、組織全体でCDPの活用が定着しやすくなるでしょう。
まとめ:CDPとAIの連携で持続可能な組織構築を実現するGENIEE
企業が持続的に成長していくためには、顧客データを有効に活用できる体制の構築が欠かせません。CDPにより点在する情報を統合し、社内全体で共有・分析できるようになると、組織全体の意思決定とアクションの質が大きく向上します。さらに、AIとの連携により、データの活用は「分析」から「収益化」へと進化します。
GENIEEは、広告運用やクリエイティブ生成の自動化、PDCAの迅速な実行を支援する仕組みを提供し、Web広告の費用対効果を引き出す企業です。
CDPとAIの融合は、属人的な判断に依存しない、再現性と拡張性を備えたデータ活用体制を可能にします。GENIEEはその実現を通じて、企業のマーケティング戦略と業務全体を次のステージへと引き上げる力を提供します。
【CDP活用】営業成果を左右する顧客ロイヤルティとは?測定方法と向上施策
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?意味・メリット・選び方
各業界へのGENIEE CDP×AIエージェント連携サービス提供事例
広告代理店モデル

製造業提供モデル

バックオフィス・ヘルプデスク活用モデル

CDPツールのデメリット

CDPの導入に際して最も懸念されるのが、顧客データの漏洩リスクです。膨大な個人情報を一元管理するため、もしセキュリティ対策が不十分であれば、多数の顧客情報が漏れる危険性があります。
高度な管理体制や運用ルールの整備が必要で、担当者がデータの重要性を深く理解し、責任を持って取り扱うことが大切です。適切なセキュリティ対策や段階的な導入計画を実施すれば、リスクを抑えながら効果的に活用可能です。
漏洩リスクを管理しながら、顧客データを安全に活用するための体制を整備することが重要です。
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CDPツールの導入事例

以下にCDPの導入事例を紹介します。
- リピート率向上の実現を成功
- 行動データを統合しキャンペーン強化に成功
詳しく解説します。
リピート率向上の実現を成功
某大手コーヒーチェーンでは、アプリ注文・店舗レジ・顧客管理システムのデータがバラバラに管理されていました。そのため、お客様に統一されたメッセージを送ることが難しい状況でした。
課題を解決するため、顧客データ管理システムを導入し、すべてのデータを1つにまとめました。アプリでの注文履歴や店舗での購入記録、ポイントカードの利用状況を統合して、お客様一人ひとりの全体像を把握できるようにしました。
結果として、お客様の満足度向上とリピート率の大幅な改善を達成し、売上向上にも貢献した事例です。
行動データを統合しキャンペーン強化に成功
某スポーツアパレル企業では、お客様の運動記録や商品閲覧履歴に基づくキャンペーンを実施していました。しかし、データが複数のシステムに分かれていたため、キャンペーンの効果が思うように上がらない課題がありました。
顧客データ管理システムを導入し、購入履歴やサイト閲覧データ、アプリ利用情報を1つにまとめました。お客様の行動に基づいて細かくグループ分けし、一人ひとりの運動習慣や商品の好みに合わせた最適なメッセージ配信を行っています。
結果として、お客様の反応が400%向上し、キャンペーンの投資効果が大幅にアップしました。統合されたデータ活用により、より効果的な販促活動の展開が可能となった事例です。
【発展型】CDP×AIエージェント連携モデル導入事例
CDP×AIエージェント導入活用事例(広告代理店)
株式会社ピアラ
株式会社ピアラは中堅中小企業を中心に設立以来20年間にわたり、1000社以上のクライアントに対し、YahooやGoogleのWEB広告などの他、認知から理解・共感、購入、そしてファン化に至るまで、ダイレクトマーケティングを中心とした包括的なマーケティング支援を提供してきた中堅の広告代理店となります。
同社では多岐にわたる業種やジャンル、ターゲット、顧客の悩み、媒体、クリエイティブなど、独自のタグ付けを行った多岐にわたるデータを大量に蓄積しており、それに基づいてクライアントのニーズに最適な広告戦略を日々行ってきましたが、これらの大量且つバリエーション豊富なデータは、広告運用の精度を高めるための貴重な資産である一方で同社内だけではうまく活用しきれていないといった課題も同時に抱えていました。
そこで同社は株式会社ジーニーのグループ企業となる株式会社JAPAN AIが提供するAIエージェントサービスとGENIEE CDPを連携し活用することで、広告レポート作成の他クライアント向けに従来大半を手作業行っていたクライアント支援業務を大幅に効率化することを実現しました。
これにより、同社は人的リソースをコンサルティングなどより戦略的な業務に集中できる体制を実現し収益構造の転換を図っています。

さらに、どのクリエイティブが最も費用対効果が高いかをAIが自動で分析し、その要素を言語化して、新しいクリエイティブを生成することで、クリエイティブ制作のスピードと質を飛躍的に向上させる取り組みも同時に進めています。自動生成したクリエイティブを直接各媒体プラットフォーム(Meta、Google、Yahoo!、LINE等)へ入稿し、運用結果を再び広告レポートとして自動生成することで、PDCAサイクルを効率的かつ効果的に実行できるようになります。
それにより、同社が支援するクライアントはWEB広告の費用対効果を最大化し、新規顧客の獲得を加速させることが可能となり、AIによるリアルタイムな効果測定と分析に基づき、迅速な改善策を講じることで、PDCAサイクルを高速化し、継続的な効果向上と限られた予算で最大の効果を引き出し、CPAの改善、ROASの向上に貢献するといった取り組みを開始し業界内外からも高い注目を集めています。

CDP×AIエージェントの連携によって、広告運用の自動化と効率化、ターゲティングとパーソナライズの精緻化、高速PDCAサイクルの実現を通じて、クライアントに対してより高い価値を提供するだけでなく、業務効率の向上により、クライアントはより迅速かつ効果的なマーケティング戦略を展開することが可能となり、ビジネスの成長を加速させることが期待されています。
CDP×AIエージェント導入後効果可視化
※同社公開済決算資料より抜粋
CDP×AIエージェントモデル導入開始は2024年12月。開発期間も考慮した導入後約半年となる2025年2025年5月15日に開示された第1四半期決算(2025年1月~3月)資料内でその効果を確認することができてます。

まず売上高は四半期ベースで過去最高額に到達し業務効率化だけでなくトップラインの向上が可視化されました。

重点戦略においてCDP×AIの活用を掲げ引き続き事業を推進していくと同時に、特に戦略③にある通り「CDP×AI」モデル開発が順調に進み、CDPに集約統合された各種データのAIによる学習が進むことで成果物のアウトプット精度の向上と業務効率化に効果をあげている点が確認できます。

CDP×AI活用による具体的な成果指標として業務時間200時間の削減が想定されています。

結果として業務の効率化のみならず成果向上によるトップラインの増加により同社として過去に例を見ない高い成長率を実現することができました。その背景には昨年末導入を開始したCDPとAI連携によるデータ活用が業務効率化と同時に成果物アウトプットの質向上が寄与している点は言うまでもありません。

参照元:https://www.piala.co.jp/ir/library/presentation
CDP×AIエージェント導入活用事例(広告代理店)
ブランディングテクノロジー株式会社
ブランディングテクノロジー社は、中堅・中小企業のブランディングおよびデジタルマーケティングの伴走支援を行い、近年はAIを用いた事業の効率化を経営上の重要施策として展開する中、CDPツールの導入と合わせ以下機能を有したAIエージェントを駆使することでコンサルティング業務の効率化を図っています。
導入するAIエージェント例
・広告バナーエージェント:ペルソナ策定から素案作成まで広告バナー作成の自動化
・競合/顧客分析エージェント:競合他社のHPやSNSの分析結果、顧客動向をレポートとして生成
・広告審査エージェント:法規制・ガイドライン遵守確認の自動化(審査時間を約75%削減)
・コンサルナレッジ検索エージェント:類似案件の抽出やベストプラクティスの提案
・ブランディング戦略エージェント:企業理念・価値観、市場トレンドを踏まえた戦略策定
・SEO最適化エージェント:SEO戦略の自動化・最適化支援
・ROI予測エージェント:施策ごとのリスク評価・シナリオ分析による投資効果予測
・顧客カテゴリ分析エージェント:顧客データの自動分析・最適セグメント化

「GENIEE CDP」では、基幹システムや業務系SaaS、各種広告媒体のデータを一元管理し、さらにWEB検索データや顧客の行動データまでをリアルタイムに統合することで、従来各所に分散していた様々なデータソースを統合し、より深い顧客理解と効果的なマーケティング施策の立案が可能になります。

「GENIEE CDP」で構築したデータ基盤と、JAPAN AIが提供する最先端のAIソリューション群の統合的なアプローチにより、データドリブンな意思決定とAIによる業務効率化を同時に実現し、より戦略的で効果的なコンサルティングサービスを提供することができるようになりました。

GENIEE CDPの特徴
顧客理解を深める、クライアントオリジナルの顧客データ基盤を構築
顧客の行動特性や商品特性をスコア化/分析し、アプローチの高度化を実現
多様なツールとノーコードで連携
標準で多数のツールと連携が可能。複数データソースを集約することで効果的な顧客分析ができます。
テンプレートダッシュボードとAIが分析をサポート
売上分析、購入転換率分析などテンプレートダッシュボードを複数標準搭載。加えて、AIが難易度の高いデータ分析や示唆の提示をサポートします。
分析結果をシームレスにマーケティングツールに連携
分析結果から顧客群をセグメントし、そのままMAツールなどに連携。パーソナライズされた高度なマーケティング施策を実行できます。
高度なAI・機械学習による分析基盤で誰でも簡単にデータ分析が可能
使いやすいAIによる高度な分析機能を搭載しており、自然言語で誰でも簡単に日常的にデータを分析し、ビッグデータから施策に繋がるインサイトを得ることができます。
多数のマーケティングツールと連携し、データを活用した施策実行までサポート可能
「GENIEE MA」「GENIEE ENGAGE」「GENIEE ANALYTICS」「GENIEE SEARCH」「GENIEE RECOMMEND」等のジーニーマーケティングクラウド製品とシームレスに標準連携。施策毎のデータの断片化を解消し、統合されたマーケティング施策を展開できます。
高いカスタマイズ性と開発柔軟性でクライアントのGOALにコミット可能


これからは、CDPによるデータ統合で、組織全体の情報活用力を底上げする時代です。ぜひこの機会に、データの力で組織を根本から変えてみませんか。
※お問い合わせの際に「CDP×AIエージェント関連記事」と添えて頂くと御社の業界の事例提供と合わせスムーズに相談をお受けすることが可能です。
本記事では、CDPの基本的な説明から導入メリット、具体的な機能や導入事例、活用シーンまで幅広く解説しました。CDPは自社の顧客情報を一元管理し、個別最適化された施策展開を可能にする重要なツールです。
今後AIの活用が企業で浸透していくことが予測される中、AIが参照する情報ソースの整理統合といった下処理過程がある企業とない企業とではアウトプットされる情報精度に大きな違いが産み出されます。CDPの活用でよりAIの効果を引き出す仕組みを構築してみてはいかがでしょうか。
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