CRMツールで、案件管理がどう変わるのか
売上を管理するには、まず、受注の確度や進捗など案件管理を運用することで確実にすることが大切です。しかし、多くの企業で行われているExcelを使った案件管理方法では、データの共有や即時性に欠け、効果的な管理がしにくいものです。
ですが、CRMツール(顧客管理システム)を導入することにより、情報の共有や即時性が劇的に変化します。 今回は、CRMツールを用いた案件管理についてお話しします。
Excel(エクセル)を活用した案件管理の限界
案件管理が大切だということはわかっていても、効率的な管理システムを運用できている企業は、まだ少ないかもしれません。おそらく多くの企業では、Excelのシートで案件管理を行っているのではないでしょうか。 Excelは数式を使った情報管理に強く、テキストも扱えます。使い勝手も悪くありません。多くのPCで標準装備されており、多くの人が使いこなせますので、導入ハードルは低いといえるでしょう。
一方で、Excelはデータの抽出が苦手です。 例えば「9月分の売上見込み」はまだしも、「昨年、一昨年の9月分の売上」といった特定条件を満たす情報だけを取り出すには、大掛かりな数式やマクロ機能を組む必要があります。想定されるさまざまな局面で必要なデータをすぐに抽出するためには、マクロも手の込んだものになりますし、ちょっとした変更も手間と時間が必要になってしまいます。
営業活動に集中し、業務効率を高めるために使う案件管理表であるはずなのに、そのメンテナンスにエネルギーを削られるのでは、本末転倒というものでしょう。
このような状況で案件を管理し、売上を管理するというのは、非常に労力を費やす作業です。ですが、専用のCRMツールを導入すれば、状況は一変します。これまでExcelの入力作業やメンテナンスに使っていたエネルギーの数分の1から数十分の1といった労力で、精度の高いデータを自在に引き出すことができるのです。
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CRM(顧客管理)ツールとは?
CRMツールは、顧客情報を正しく管理することで、顧客との良好な関係を維持し、売上増加を目指すシステムです。CRMは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では顧客関係管理と呼ばれています。
実は、顧客関係管理は新しい手法ではなく、江戸時代には顧客の嗜好や特徴を記した「大福帳」と呼ばれるものが存在していました。昔も今も変わらず、ビジネスにおいて顧客との関係性は重要視される課題であったことが分かります。
しかし、多くの顧客を抱えている企業の場合、営業担当者のメモや記憶だけでは、長期的に情報の管理をすることは困難です。そこで、現代ではシステムの力を利用して長期的に管理されるようになりました。CRMツールは、顧客の基本的な個人情報の他にも購入履歴や商談履歴などの情報を一括管理することが可能です。一元管理して社内で情報共有しておくことで、担当者以外でも臨機応変な対応が可能となり、顧客満足度を向上させ売上につなげることができます。
また、CRMにはリードナーチャリングを効率的に行える機能も搭載されていることが多いです。メルマガやキャンペーンの配信をセグメンテーションごとに大量に捌くことができるため、顧客1人ひとりに適切なタイミングで情報を届けることが可能となります。
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CRM(顧客管理)ツールで何ができるのか
顧客との関係性を重視し、マネジメントしていくためのCRMツール。このツールを使うことによるメリットは多々あります。
【CRMでできること】
1.案件の状況がリアルタイムで分かる
・外出先でも閲覧/編集ができる
・チャットツールとの連携も可能
2.さまざまな切り口でデータを抽出できる
3.時間軸に沿って案件の進捗を見通せる
CRMツールあるいはSFAツールと呼ばれるツールは市場にいくつか登場していて、それぞれ特徴があります。ただ、上記に挙げた機能は、ほぼ全てのサービスに共通する基本的なものです。 もう少し詳しく機能について解説しながら、CRMツールの導入によって案件管理、売上管理で何が変わるのかをご説明しましょう。
案件の状況がリアルタイムで分かる
CRMツールの数多くはオンラインでサーバー上にあるクラウドサービスとして提供されていますので、入力された内容はすぐに反映されます。
ですから、マネージャーは常に最新の情報を基に、さまざまな戦略を練ることができます。 顧客先を回るメンバーにしても、A社での商談を済ませたらその結果をスマホやタブレットからCRMツールに書き込み、移動時間中に次に訪問するB社の最新情報を仕入れておく…という使い方ができるのです。
わざわざ会社に戻らなくても顧客情報を更新できますし、同時に最新情報を確認することができる、というわけです。 また、何らかのトラブルが起こっても、CRMツールとチャットツールを連携させておけば、過去の類似事例を抽出し、参考にすることにより素早い対応や情報共有が可能になり、顧客からの信頼を高めることもできるでしょう。
CRMツールの持つこの即時性は、営業業務を一気に加速させます。時間の無駄をできるだけなくし、営業メンバーがコアな業務により多くの時間とエネルギーを使えるよう、効率化を果たせるのです。
さまざまな切り口でデータを抽出できる
CRMツールでは、データベース内の情報をそれぞれリンクさせ、自由な切り口で抽出することができます。 「先月受注した案件」「2ヵ月間、コミュニケーションしていない顧客」「来期に受注見込みの案件」など、Excelでは非常に難しい条件付きのデータ抽出が、簡単にできるのです。
しばらく行き来のなかった顧客にアプローチして掘り起こしを試みたり、来期の受注見込みが十分でなければさらにテコ入れを試みたりと、現状に合わせた適確なアクションを起こすことが可能になります。 また、閲覧機会の高い情報については、いくつかをまとめてダッシュボードに置いておけば、より便利でしょう。例えば各案件の顧客名、金額、見込み受注時期、受注確度をまとめておけば、それだけで売上管理に役立ちます。
わざわざExcelのシートをめくって情報を引き出す必要がありません。 これは案件管理に限りませんが、「情報を探して、並べ、まとめる」という作業は、地味ながら意外なまでに時間と労力を消費します。ですが、営業メンバーにとってそれらの作業は、本来の仕事ではありません。
であれば、そうした作業はCRMツールに任せ、営業メンバーは顧客とのコミュニケーションに注力することで、業務効率を高められます。
時間軸に沿って案件の進捗を見通せる
データの検索にしろ抽出にしろ、CRMツールは時間軸の概念が活かされています。
元々、CRMは、「顧客とのコミュニケーションをマネジメントする」という概念によって考え出されました。 そのため、時間軸に沿ってどのようなやり取りが交わされ、どのような変化が起こったのかを記録することは、CRMツールにとって当然の機能なのです。
そのためCRMツールでは、案件が今どの様な状態にあり、いつどのように動くのかといった、先の見通しを立てられるような作りになっています。
上記は、「GENIEE SFA/CRM」を使った場合の進捗管理のイメージです。
もちろん、案件のスタートからクロージングまでの過程は自由に設定できますから、業種に合わせて、また、必要に応じてカスタマイズしていけば、より効率的に案件管理が出来るでしょう。 この画面は、案件の「見込み表」に、商談の進捗状況という時間軸を組み合わせたものです。
この画面を見れば、全ての案件がどのフェーズにあるか、今後どのように動いていくのかを視覚的に把握できます。 つまり、CRMツールを導入すれば、営業部門全体の動きを俯瞰できるのです。個々の案件について知りたければ、直感的に案件をクリックすることで、過去のコミュニケーションから将来的な見込みまでを情報収集し、売り上げや案件の進捗具合など、見通しを立てられます。
◯◯なCRM(顧客管理)ツールがおすすめ!
CRMツールは、営業活動を効率化させるためには必要なものです。しかしツールの種類は豊富で、自社に適しているツールを見つけ出すことは困難です。ここでは、5つの特色に絞り、それぞれにどのような特徴があるのかをご紹介します。
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クラウド型のCRM(顧客管理)ツール
CRMツールにはサーバに導入する必要のあるオンプレミス型と、サーバの必要がないクラウド型があります。クラウド型であれば、サーバの管理や運用を考える必要もなく、システムの構築も不必要なため、導入にかかる初期費用を大幅にコストダウンできるうえに、すぐに利用が開始できます。
クラウド型のCRMツールのデメリットとして、従来はセキュリティ面での不安がありました。しかし、今ではセキュリティ面を強化したツールが登場したことで、特にセキュリティに配慮が必要な金融機関でもクラウド型の導入が主流になりつつあります。
また、クラウド型はインターネットにアクセスできる環境さえ整っていれば、パソコンだけではなくスマホやタブレットなどの他のデバイスからも利用できるため、外出先でもツールを利用することができます。
最低限の機能を搭載したCRM(顧客管理)ツール
CRMツールは、機能が豊富に搭載された高額なものから、最低限の機能で低価格で提供されているものまでバリエーションに富んでいます。
多機能の場合は、たしかに実現できることは多いかもしれませんが、機能が豊富すぎるばかりに使いづらく、コストに見合ったパフォーマンスを出すことができないケースがあります。最悪の場合は運用が難しく、社内に定着しない可能性もあるでしょう。また、ただ安いからという理由でツールを選定してしまうのもおすすめできません。
せっかく導入したCRMツールを無駄にせずに、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、導入前に自社に必要な機能を洗い出し、必要最低限の機能を備えたツールを選ぶことが重要です。必要最低限の機能だけを備えたツールの方が、画面が見やすく、直感的に操作ができるものが多いため、実際に利用する現場の人間にとっても使いやすいツールであることが多いのです。
操作がシンプルなCRM(顧客管理)ツール
CRMツールは、操作がシンプルで分かりやすいものを選ぶようにしてください。
CRMツールを実際に利用するのは、現場の社員です。どんな社員でも直感的に操作できるものでなければ、ツールを社内に定着させることは難しいでしょう。
また、CRMツールは毎日利用するものであるため、操作性が悪いと大きな業務効率の悪化にもつながります。
管理画面が見やすく、直感的に操作できるか、しっかりと確認して導入するツールを選ぶようにしましょう。
他システムと連携可能なCRM(顧客管理)ツール
CRMツールは、顧客のデータを一元管理することで、より良い関係を築いて売上向上させるシステムですが、顧客関係を向上させるためにはMAツール・SFAツールと統合できるツールを選ぶことが重要になります。
MAツールは、企業のマーケティングを支援するツールで、見込み客の管理や分析・スコアリングなど企業の潜在顧客に対してのアプローチが得意なツールです。SFAツールは、営業活動の効率化を目的とするツールで、営業活動の情報を管理し共有することで効率的な営業活動を促進させる効果を持っています。
これらのツールをCRMツールと連携させることで、入力が簡略化されたり、顧客の興味段階に応じてアプローチをスムーズに行えたりと、営業活動全体の効率化が期待できます。
導入サポートを受けられるCRM(顧客管理)ツール
特に、CRMツールをはじめて導入するという企業は、サポート体制も確認しましょう。
ツールやITに関する知識がない社員ばかりの企業でも、レスポンスの早い対応や研修制度などのサポート体制があるツールを選べば、導入から定着までのステップを着実に踏んでいくことができるので安心して導入できます。
なお、サポート内容によっては無料と有料、期間が定められているなどの場合があるため、ツールの導入前にしっかり確認しておきましょう。
国産営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」
コラム内でもご紹介した「GENIEE SFA/CRM」は、株式会社ジーニーが提供している営業管理ツールです。「GENIEE SFA/CRM」は、どんな組織でも定着しやすく、業績向上に特化させた国内におけるCRMツールで、成長率No1のツールになります。導入実績は累計600社以上にもなり、ジーニーが提供しているMAツール「MAJIN」などを合わせた総導入数は9,696社にものぼります。
「GENIEE SFA/CRM」の主な特徴としては、日本の企業が使うことを想定して設計された、誰が使用しても使いやすいインターフェイスです。アプリでスキャンするだけで取り込める名刺管理機能やレポート機能、直感的操作で分析できるグラフ作成機能など、顧客とのリレーション構築に役立つ機能が揃っています。また、GoogleやSlackとの連携でデータの一括管理ができるため、営業効率の最大化が期待できます。
また、シンプルな機能を低価格で提供しているところも、多くの企業に導入されている要因でしょう。CRMツールの導入を検討されている方は、ぜひチェックしてみてください。
また、「GENIEE SFA/CRM」の公式サイトでは、製品資料を無料でダウンロードすることができます。ぜひ、チェックしてみてください。
人にしかできないことを人がやるために
PCの普及によって、私たちの仕事は大きく変わりました。
それまで手作業で行っていた各種計算や伝票の管理が一瞬で、それも正確に行えるようになりましたし、膨大なファイルと格闘して過去のデータを探す必要もなくなりました。
案件管理や売上管理など入力は人力になりますが、データの蓄積や抽出などは、CRMツールなどによって速やかに行い、そこから得られたデータを基に、次の行動の判断を行う。
機械でできることは機械に任せて、人は人にしか出来ないことに注力するという役割分担が生まれたのです。
このような時代に、データ管理に人と時間を割くというのは、どう考えても非効率です。
それは人の手で行うよりも、PCが得意とする分野の作業です。人の何倍どころか何百倍ものスピードでデータを検索できますし、しかも間違えるということがありません。複雑な条件をつけての検索も、一瞬で可能です。
これらのツールを活用すれば、営業メンバーは顧客とのコミュニケーションに集中でき、マネージャーは最新の正確な情報を基に、日々の戦略を練ることができます。 顧客と接し、その要望を汲み取り、抱えている課題を解決していくことは、人にしかできないことです。
将来的には、それもAIに取って代わられる日が来るかもしれませんが、今はまだその状態ではありません。機械にできることは機械に任せ、人は人にしか出来ないことに集中する。それでこそ、業務効率を今以上に高められるのです。